著者
伊関 洋 村垣 善浩 丸山 隆志 田村 学 鈴木 孝司 吉光 喜太郎 生田 聡子 岡本 淳
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.17-21, 2012 (Released:2016-04-15)
参考文献数
8

21 世紀の医療は,リスクを評価し,それに基づくリスクを予防しながら実行する先行予測制御型の医療である必要が ある.リスクを評価し,リスク管理された先行予測型制御で予測したロードマップと現状データとの差分を最適化し,予定された結果へ安全確実に誘導するためには,MR 画像を含む医療画像情報を基に,手術を正確に且つ安全にコントロールする戦略デスクで構成されたシステムが必須である.医療情報を統合管理し,戦略を決定する戦略デスクが,外科手術を精密手術として工程管理し,運用されるのである.
著者
桑原教彰 野間 春生 鉄谷信二 萩田 紀博 小暮 潔 伊関 洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2638-2648, 2003-11-15
被引用文献数
15 17

医療事故に結び付く可能性のある看護業務の作業環境を改善していくことが求められている.医療事故の原因分析には,事故に関係した医療従事者の行動履歴の情報が重要である.本論文は,看護行為を妨げないウエアラブルセンサにより,看護師の1日の行動を自動計測して,看護履歴を作成するために必要なデータを自動的に収集する手法を提案する.まず看護行動の自動計測方法の基本方針を述べる.次にこの方針に基づいて,音声入力,歩数,姿勢の傾斜角,に着目したウエアラブルセンサを試作し,実際の医療現場で本手法の有効性を示す.具体的には,歩数,上半身の傾斜角だけから日常的に頻繁に実施される看護業務がいくつかに大きく分類できることを示し,その結果と音声認識を組み合わせることで,実際の医療現場で収集したサンプルデータに対して,音声認識単独の場合より高い識別率で看護業務を識別できたこと,および,記録されたデータを看護師の実際の看護記録と比較して,この自動計測法では従来の看護記録には記録されない予定外の行動を含む履歴が残されたことを示す.In order to improve the quality of medical service, we propose a method for auto-event-recording of nursing operations with little disturbance of their moves. We've developed the wearable sensors to allow recording the type of job units by recognizing their voices, the number of foot steps and their physical postures. Several experiments are made by using these sensors at a hospital. Experimental results show that we can categorize the nursing jobs most frequently operated by the nurses, by analyzing data of their foot steps and physical postures. Then, by utilizing this result with the speech recognition, the nursing record is reconstructed, better than that by using only the speech recognition. Finally, by comparing the reconstructed nursing records with the actual ones, we show that our sensors can record the nurse's jobs that are missed on the actual nursing records.
著者
伊関 洋
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.37-45, 2011 (Released:2011-04-25)
参考文献数
2

ナノデバイスを利用した精密ナビゲーション手術は, 物理エネルギーを利用したDDS研究とイメージング技術と手術支援ロボット技術の融合による革新的なナノ低侵襲治療システムである. ナノデバイスによって病変部位における光増感剤の濃度を特異的に高めることができ, 現行のPDTやHIFUよりも短時間(数分の一の時間)で高精度(サブミクロン)の精密誘導治療が実現される. さらに最終的には, 患者への負担の大きい外科的切除を必要としない世界初のケミカルサージェリーが実現される.
著者
城 潤一郎 三島 史人 武田 真一 山本 雅哉 村垣 善浩 伊関 洋 佐保 典英 窪田 純 佐々木 明 西嶋 茂宏 田畑 泰彦
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.22, no.5, pp.558-568, 2007 (Released:2007-12-13)
参考文献数
5
被引用文献数
7 6

次世代DDS型治療システムとは,従来のDDS治療効果をさらに向上させるために,外部エネルギーをDDS技術と融合させる新しい技術・方法論である.この新治療システムによって,体内の深部にある病気を治療できるであろう.本稿では,磁場とDDSとを組み合わせた,磁気誘導DDSによる次世代治療システムを実現させるために必要となる技術要素を概説するとともに,その治療ポテンシャルについて述べる.
著者
南部 恭二郎 櫻井 康雄 伊関 洋 苗村 潔
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.282-287, 2005-05-01
被引用文献数
4

1. 犯人探しから潜在的危険源の解消へ 手術中に医療ミスがあったとして医師が刑事告発される事例が急激に増えている. これに対して, 手術室に居合わせた医師がいつでも犯人にされかねないようでは, 難しい手術をやろうとする者はいなくなってしまう, という意見がある. 民事訴訟にとどまらず, 刑事責任まで問うことが妥当なのかどうかは法学の問題だろう. しかし, 社会利益の観点からは, 事故は原因を究明して再発を防止することがまず肝要であり, そのためには, 何が起こったのかを正確に知ることが必須である. ほとんどの事故は, 複数の要因が重なり合ったところで起こる. つまり, それらの要因のうち一つでも生じなかったなら事故には至らなかったということであり, 執刀者の行為にばかり注目するのではなくて, 他の要因もことごとく洗い出さなくてはならない. 誰がどんな間違いをしたかに興味の中心がある「犯人探し」の発想では, かえって真実の解明が妨げられることになる.
著者
中村 亮一 村垣 善浩 伊関 洋
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.248-255, 2005-05-01
被引用文献数
2

はじめに -術中情報の可視化- 精密かつ安全な手術を遂行する上で最も重要な事項の一つは, 患者, 病変に関しての質の高い情報をいかに確保するかということである. 「敵を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず」とは孫子の言葉であるが, 手術においてもまさしくこの言葉が当てはまる. すなわち, 対象となる病変の情報を多く獲得し, かつ自分が手術という一連のプロトコルの中で現在どういう状態にあり, これから何をするべきかを決断するための情報を獲得することが, よりよい手術結果を獲得するために必要なことである. 肉眼で確認できない患者体内の病変についてのより質の高い情報を獲得するための試みが古くより多くの医学者, 科学者によりなされてきた. Roentgenが1895年11月8日にX線を発見し12月22日に夫人の手指骨の透過写真を撮影したのが, 非侵襲的な(切開等の直接的侵襲を伴わない)体内情報の画像化の最初である. その後, HounsfieldによるX線CTの開発(1968), 和賀井敏夫らによる超音波診断装置の開発, そしてLauterbur, Mansfieldらにより開発された核磁気共鳴画像(MRI)(1971)の登場により, 体内の多品質, 高品質な画像情報の獲得が可能となった.