著者
赤塚 清矢 神先 秀人 内田 勝雄 永瀬 外希子 高橋 俊章 佐藤 寿晃 千葉 登 後藤 順子 藤井 浩美 熊谷 純 八木 忍 日下部 明
出版者
山形県立保健医療大学
雑誌
山形保健医療研究 : 山形県立保健医療大学紀要 (ISSN:1343876X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.29-34, 2013-03

生涯を通した健康づくりと総合的な介護予防の推進は,やまがた長寿安心プランの重点課題の一つとして掲げられており,急速な高齢化に向けた対策が急務である.本研究の目的は,我々が開発した介護予防体操の負荷の大きさと安全性を検討することである.日常生活が自立した地域在住者12 名を対象に,花の山形!しゃんしゃん体操(Ver.Ⅰ),新たに開発した介護予防体操(Ver.Ⅱ),対照としてNHKラジオ体操第一(ラジオ体操)を実施し,体操中の酸素摂取量を計測して比較した.その結果,Ver.Ⅰと比較しVer.Ⅱが、酸素摂取量,二酸化炭素排出量,代謝当量が大きく,Ver.ⅡはVer.Ⅰより負荷量が大きかった.呼吸商,呼吸数,心拍数,自覚的疲労度は3 つの体操において同程度であった.Ver.Ⅱは,心拍数や疲労感を上げずに負荷量を増加させることができ,高齢者や運動習慣のない者にとって安全で効果的な介護予防活動の手段であることが考えられた. キーワード:介護予防体操,酸素摂取量
著者
宮脇 剛司 大櫛 哲史 浅香 大也 鴻 信義 内田 満
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.363-371, 2013-12-15 (Released:2014-12-15)
参考文献数
19
被引用文献数
1

Nasal valve (鼻弁) は, 鼻気道と鼻腔抵抗の両者を制御する複雑な構造体である。今回我々は内鼻弁と外鼻弁の両者の狭窄による鼻閉に対し, spreader graft, columella strut, alar batten などの美容外科手技を組み合わせた open septorhinoplasty によって治療した。症例は23歳男性で労作時の鼻閉を主訴に来院した。外鼻は軽度の鞍鼻変形を認めるのみで CT 画像には異常所見を認めなかった。鼻腔通気度検査は座位, 臥位ともに呼気・吸気抵抗の軽度の上昇を認め, 強制吸気時には鼻孔は完全に閉塞した。鼻弁狭窄による鼻閉と診断し, Rethi 切開を鼻孔に延長して open septorhinoplasty を行った。L strut を10mm 幅で温存し septal extension graft を兼ねた4×25mm 大の spreader graft 2枚と columellar strut, 左右の alar batten を行った。術後の鼻腔通気度検査では気道抵抗が平均値以下に改善し, 強制吸気時にも鼻弁の閉塞はない。今回我々は本邦では比較的まれな内鼻弁と外鼻弁の両者の狭窄による鼻閉の治療を経験した。脆弱な軟骨構造に由来する鼻弁狭窄症例に対し, 美容外科手技を応用することで機能的, 整容的な改善が得られた。
著者
内田 悦生
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.109, no.6, pp.XI-XII, 2003-06-15
被引用文献数
1

カンボジアのアンコール遺跡は9世紀から13世紀にかけて建造されたヒンドゥ教・仏教寺院であり, 主たる建築材料として砂岩およびラテライトが用いられている. 建造以来, 樹木の成長(第1図)や地盤の不同沈下等により遺跡の崩壊が引き起こされているが(内田・小河, 1997), それと同時に砂岩材には種々の要因による興味深い劣化現象が見られる(Uchida et al.,2000). アンコール遺跡で多用されている砂岩は, 灰色~黄褐色砂岩(長石質アレナイト, 構成鉱物 : 石英,斜長石, カリ長石, 黒雲母, 白雲母, 岩石片)であり, 全ての時代にわたって岩石学的には同種の砂岩が使用されているが, その帯磁率には系統的な違いが認められ, 帯磁率に基づき石切り場の変遷が明らかにされている. この灰色~黄褐色砂岩には, 主として次のような劣化が認められる : (1) コウモリの排泄物に起因する劣化, (第2図, 第3図), (2) 方解石析出による劣化(第4図), (3)タフォニ(第5図~第7図), (4) 日射による膨張・収縮に起因する劣化, (5) 荷重による層理面に沿った亀裂, (6) 除荷による内部応力開放に起因する亀裂(シーティング). タフォニに関しては, その原因が必ずしも明らかではなく, 今後の解明が期待される. このような自然現象に伴う劣化・破壊ばかりでなく, 盗掘, 破仏や内戦による人為的な遺跡破壊も見られる.
著者
内田 和子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.198, 2009

2000年9月の東海豪雨では約8000億円の被害を生じた。典型的な都市型水害とみなされるこの災害の原因は集中豪雨であるが、被害を拡大した要因として、被災地域の住民が地域の地形条件と土地開発の歴史、人々の治水への対応の歴史を十分に理解していなかった点が指摘できる。<br> 破堤した新川は1787年に開削された人工の排水幹線であり、庄内川の放水路でもある。庄内川からの分派点には洗堰が設けられ、分派後の庄内川には遊水地も設置され、当時の名古屋城下を守るために何重もの治水策が講じられていた。破堤地点は木曽川系統の河川の旧河道と新川とが交差する付近であり、地形条件からみた破堤の危険箇所である。また、庄内川下流部の越水地点は、近世の干拓地とデルタとの境界付近の勾配遷移点であって、木曽川系統の河川が形成した大きな自然堤防により閉塞されている。<br> この災害で大きな被害を受けたもう1つの地点は、名古屋市東部の天白川下流部である。この地点は東西を丘陵と台地に閉ざされ、南部も砂州に閉塞された、古代には入り江であった低湿地であるため、湛水しやすい。越水地点は天白川より勾配の大きい支川・藤川が合流する付近で、しばしばの氾濫により天白川が大きな自然堤防を形成している。しかも、天井川である天白川はこの付近でもっとも緩い勾配となっている。<br> このように、東海豪雨で大きな被害を受けた地点は、地形条件や土地開発の歴史からみて治水上、警戒を要する地点であった。当然、古くからの居住者や為政者は様々な治水対策を講じてきた。しかし現代では、被災地に多くの人々が居住し、人々の心から治水上の警戒意識が薄れていった。以上のように、現代の日本の都市域においても、洪水と地形条件や土地開発の歴史との間には密接な関連がみられ、それらを知ることは減災に寄与できる。<br> 本シンポジウムで対象とする熱帯河川流域は、一般的に日本と比べて河川改修の進捗は小さい上に、気温や降水量などの水文条件は日本より災害を招きやすい条件にあると思われる。こうした地域において、地形条件や水文条件の解明は減災を考える上で、いっそうの重要度を増し、そのような研究を行う地理学者の役割は大きいため、熱帯河川流域における地理学者の社会的貢献も大きいと考える。
著者
西脇 昌治 内田 詮三 Nishiwaki Masaharu Uchida Senzo
出版者
琉球大学理工学部
雑誌
琉球大学理工学部紀要 理学篇 (ISSN:03874281)
巻号頁・発行日
no.23, pp.p51-56, 1977-03

Among the islands of the Ryukyus, dolphin driving fishery is operated only on the Nago beach of Okinawa Island. Strange enough, the habit of eating dolphin meat is rarely seen on the other islands. The fishing there has been done not only for profit but a festival related closely to the native religion. Anyone who had helped fishing was given free share of the harvest as a blessing of God. After a blocade of the new port of Nago was built, dolphin fishing there is not so successful as before. What is worse than that, lately, fishermen sometimes experience during a driving an nuisance approach of leisure boats, on which people come to see the sight for pleasure, and disturb the control of the driving group and caused escape of many dolphins. Recently, in the waters around Iheya and Izena Islands, some fishermen began to do small scale dolphin catch with hand harpoons sporadically in the need of making up their poor harvest. Dolphin meat is sold roughly US$ 1.5-2.5 per kg., and the meat is said to be a good medicine for neuralgia. The number of catch in Nago in the past seventeen years is indicated in Table 1. Usually, a little more or less than 100 animals were caught at a time of driving. The number of catch shows decrease since 1971 when the port of Nago was built and the sandy beach was destroied. Season of fishing is show in the same table, fishing is most prosperous in March. In this season, groups of dolphin are migrating to the north. The monthly water and air temperature in Okinawa is shown in Fig.2. The species of dolphins caught in Okinawa concentrate on the pilot whale, Globicephala macrorhyncha. Animals of Trusiops spp. have been caught sporadically, in 1971 Pseudorca crassidens were found among a school of pilot whales. In January 1976, a school of Steno bredanensis was caught; this is the first record of this specis recognized in Okinawa. Topographical feature of the coast is that the reef barrier is cut open at that place and 200 meter conter depth of water passage streach to the Nago bay, which leads dolphins to come into the bay. Besides, Sepioteuthis lessoniana, a favorite food of dolphins, are living in the depth to invite dolphins. Fishermen's hooked fish are often pursued and bit by dolphins, species of those mischievous dolphins are likely to be of genus Tursiops and Pseudorca. Above explanation was presented at the meeting of Scientific committee of the International Whaling Commission in June 1976.
著者
内田 詮三
出版者
ニュ-・サイエンス社
雑誌
動物と自然 (ISSN:03864782)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.p22-26, 1985-04
被引用文献数
1
著者
内田 詮三
出版者
生物研究社
雑誌
海洋と生物 (ISSN:02854376)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.169-178, 2012-04
著者
和田 新平 ウィーラクン ソンポ 倉田 修 畑井 喜司雄 松崎 章平 柳澤 牧央 内田 詮三 大城 真理子
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.39-43, 2008-03
被引用文献数
1

2004年に沖縄美ら海水族館で飼育中の希少魚種であるリュウキュウアユ(Plecoglossus altivelis ryukyuensis)に死亡するものが認められた。病魚は回転しながら遊泳,あるいは力なく遊泳し,体表に微細な出血点が散在していた。病魚の肝臓には様々な大きさの白色結節が認められ,数尾の魚では腎臓の顕著な腫大も観察された。最も顕著な病理組織学的所見は,体腎,脾臓,肝臓,心臓,鰓および脳膜にみられた肉芽腫性病変であった。これら肉芽腫性病変はマクロファージ様細胞が敷石状に配列する構造を呈していた。肉芽腫内には抗酸性を示す長桿菌が多数観察され,病魚から分離された菌株はMycobacterium marinumと同定された。
著者
内田 詮三
出版者
生物研究社
雑誌
海洋と生物 (ISSN:02854376)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.391-400, 2002-10