著者
石川 匡子 内田 詩乃 佐藤 春香 伊藤 俊彦 渡辺 隆幸
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.308-316, 2016 (Released:2017-09-27)
参考文献数
30
被引用文献数
2

市販魚醤を用い,品質ならびに呈味評価を行った.魚介類と食塩のみで製造する場合は,魚介類自体のタンパク質の自己消化のみで分解するため,長期熟成が必要であり,微生物繁殖抑制のため塩分濃度が高めに設定されていたが,遊離アミノ酸総量やグルタミン酸量も多いという特徴があった.魚介類に食塩と麹を添加する方法では,短期熟成が可能であり,塩分濃度が低く,麹により甘くクセが抑えられた香りという特徴があった.魚種や製法の違いは,アミノ酸量や有機酸量にも反映された.特に,グルタミン酸,アラニン,乳酸量は魚醤のうま味や甘味,酸味の強さとなって現れた.これらの味質は,お吸い物に用いた際に,まろやかさや好ましさに影響しており,魚醤の味質に合わせた最適添加量を求める必要性が示唆された.
著者
養父 志乃夫 内田 均 萩原 信弘 石川 格
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.208-214, 1990-01-25 (Released:2011-07-19)
参考文献数
1

ニワゼキショウの群生地の形成手法を確立するため, 種子の発芽と生育習性, および刈取り抵抗性を調べた。その結果, 種子の発芽には光の照射が要求され, 発芽適温が15~20℃ にあった。花期は5~11月で, 葉は常緑に近い性質を持ち, 主に, 4~9月は地下部の養分と地上での生産養分によって, 地上部の栄養と繁殖成長を行い, 9~11月に生産養分を地下部に蓄積した。2週毎刈取りでは枯死し, 群生地形成における最適下刈り頻度は4週毎であった。
著者
吉田 真理子 内田 広夫 川嶋 寛 五藤 周 佐藤 かおり 菊地 陽 岸本 宏志 北野 良博
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.759-764, 2010-06-20 (Released:2017-01-01)
参考文献数
26

症例は4か月男児.腹部腫瘤を主訴に紹介され,エコー上肝内に径5.7cm大の多房性嚢胞性腫瘤を認め,当初は間葉系過誤腫が疑われた.1週間後の腹部造影CTでは充実性成分を伴う多発性肝腫瘤と肝門部・後腹膜リンパ節腫大を認め,悪性腫瘍が強く疑われた.早期診断および治療のために緊急入院し,経皮針生検を行った.ラブドイド腫瘍と診断され,ICE療法を開始したが,治療に全く反応せず,腫瘍は急速に増大した.入院直後より全身状態も急速に悪化し,人工呼吸管理,持続血液透析濾過を含む集中治療を行ったが改善を得られず,初診から約1か月後に死亡した.肝ラブドイド腫瘍は非常に稀で,著しく予後不良な悪性腫瘍である.現在までの報告例は検索しえた範囲で33例のみであり,文献的考察を加えて報告する.
著者
内田 数海 高崎 健 次田 正 山本 雅一 大坪 毅人 秋山 和宏 片桐 聡
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.1445-1448, 1997-07-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
21

電解酸性水による手洗い消毒の有効性を判定する目的で,電解酸性水,手洗い用ポビドンヨード液,滅菌蒸留水でそれぞれ手洗いを施行し,手洗い前,手洗い直後,手術終了時について経時的に手指上の細菌を比較検討した.その結果,電解酸性水には手洗い用ポビドンヨード液とほぼ同程度の消毒効果が認められ,術前手洗いに十分利用可能であると考えられた.
著者
内田 祥士
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.68, no.573, pp.155-161, 2003-11-30 (Released:2017-02-09)
参考文献数
56
被引用文献数
1 1

In the Taisho Period, there is the correction of Nikko Tosho-gu Kanei-Zotai term. In this correction the term became 1 year and sevral month from 13 years. This study is to make clear the change of estimation about Tosho-gu through this correction.
著者
内田 圭亮 小野 裕明 奥 武憲
出版者
一般社団法人 日本画像学会
雑誌
日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.282-286, 2017-06-10 (Released:2017-06-13)
参考文献数
3

昨今様々なIOTの進展により,企業は自社製品をどのように顧客が活用しているかというビッグデータを取得できるようになったが,未だビジネス上の成果に繋げている企業は未だ多くはない.当社では@Remoteという顧客のMFP等の画像機器をリモート管理する仕組を有しており,保守関連情報がビッグデータとして蓄積されている.このビッグデータを分析することにより顧客理解を進め,新たな価値提供とビジネス上の成果創出を行っている.本稿ではMFPビジネス上の成果を創出している2つのアナリティクス·プロジェクト,自社の顧客維持のために適切な営業情報を適切なタイミングでセールスアカウントに提供するマーケティング·アナリティクス,MFPの故障予兆を捉えて故障前に予防保守情報をカスタマーエンジニアに提供するプレディクティブメンテナンス·アナリティクスについて紹介する.双方共に,最終的なビジネス成果は顧客と直接相対する担当者が創出するものであり,このためデータ分析結果の現場での活用方法に徹底的に拘った.
著者
大内田 研宙 橋爪 誠
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.135-138, 2016 (Released:2016-05-29)

「計算解剖学」とは,高精細医用イメージング技術と情報学の融合によりさまざまな診断・治療法を高度化することを目的とした学術領域である.これまでわれわれは,大量の画像データベースに基づき正常な人体構造を統計的に記述した「計算解剖モデル」とその利用による臨床画像の理解に対して,数理的基礎論,基盤技術論,臨床応用論を構築してきた.多元計算解剖学は,その研究成果に立脚しつつ,(1)細胞レベルから臓器レベルまでの空間軸,(2)胎児から死亡時までの時間軸,(3)生理,代謝などの機能軸,(4)正常から疾患までの病理軸において理論,モデル,手法およびデータベースを発展させ,計算解剖学を多元化することを目的としたものである.これにより単なる画像理解にとどまらない統計数理モデルによる人体の総合的理解に基づき,早期発見や治療の困難な疾患に対する革新的な診断・治療法を創成することを目指している.本稿ではこの多元計算解剖学の目的と概要を述べる.
著者
内田 聡 冨羽 美帆 実平 義隆 伏見 恵典
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.62-67, 2006 (Released:2007-09-21)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

色素増感太陽電池にはヨウ素を含む電解質溶液が欠かせない. しかしながらポリマーの重合を阻害するため, あらかじめポリマーを添加してゲル化もしくは固体化した後から電解質組成を含浸させるしかなく, 大面積化に課題があった. 本研究では金属ヨウ素に代えてシクロデキストリンにヨウ素が包摂されたβ-CDIを用いることで, 初めて100mm角の大面積固体フィルム型色素増感太陽電池を実現した.
著者
内田 陽子 上山 真美 富沢 順 石川 徹
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.207-212, 2006 (Released:2006-11-17)
参考文献数
8

【背景・目的】 現在, 寝たきり患者などの移動の際にバスタオルを使用している所が多い. 本研究の目的は, バスタオルにかわる患者仰向け体位からの移動兼療養用ウールボアマットを開発し, その評価を行うこととした. 【対象と方法】 10人の健康学生を対象にバスタオルとウールボアマットの強度・耐性と体圧, 主観的評価を行った. 【結 果】 ウールボアのほうがバスタオルよりも長さ・幅方向で高い強度を示し, 伸び率も高かった. また, 何も敷かない場合とウールボアマットを敷いた場合では, 右踵部と左肘関節部において後者の方が体圧は低かった (p<0.05~0.01). また, バスタオルとウールボアマットの比較でも後者のほうが左肘関節で低い値が得られた (p<0.05). 被験者はウールボアのほうが肌さわり, 寝心地, 暖かさの面でよいと評価し, 首の安定感, 身体の痛み等もよいという者が多かった. また, 看護者側も持ちやすいという評価をしていた. 反面, ウールボアのほうが滑りやすいという意見もあった. 【結 語】 移動用兼療養においてはバスタオルよりウールボアマットのほうが適している.
著者
内田 希 香西 博明
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.76-81, 2015-02-25 (Released:2015-02-25)
参考文献数
22
被引用文献数
2 3

2-アクリロイルオキシエチルイソシアナートとヒマシ油を開始剤とした分枝ポリ乳酸を用いて新規なUV硬化性樹脂を合成した.UV硬化性樹脂は比較的高い収率(90%)で得られた.さらに,UV硬化性樹脂を30分間UV照射により硬化させた.得られた硬化フィルムのガラス転移温度は-5°Cであり,ゴム状平坦領域が動的粘弾性測定において約20°Cの測定値から開始していたことから,エラストマー特性を有していることがわかった.硬化フィルムの熱安定性をTGAにより測定したところ,重量減少は210°Cで開始した.機械的特性として,ヤング率は応力–ひずみ曲線で317.9 MPaであった.硬化フィルムは,ブタ膵臓由来リパーゼにより酵素分解性(最大8.4%,30日間)を示した.分解した硬化フィルムのSEM顕微鏡写真では,フィルム表面に多数の穴を示した.
著者
中出 哲也 小谷 忠生 安藤 由章 沼田 芳明 内田 佳子
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.305-311, 1992-05-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
10

X線検査で蹄葉炎と診断した3頭の蹄葉炎馬の罹患蹄である右前肢3蹄, 非罹患蹄と診断した右後肢3蹄と他の3頭の馬の非罹患蹄と診断した左前後肢6蹄, 計12蹄について走査電顕および光学顕微鏡で観察した.正常蹄の所見では蹄壁移行部, 蹄壁中央部および蹄尖部では1次表皮葉および2次表皮葉はその形態, 配列性および嵌合性が規則的であった.異常蹄の所見では蹄壁移行部において表皮葉と真皮葉との嵌合の不正が認められた.蹄壁中央部および蹄尖部では両葉の嵌合の不正と角質内層の肥厚が観察され, さらに表皮葉の長さと太さの不整および屈曲蛇行がみられた.2次表皮葉は不明瞭で, 蹄芽原線維の形成不全ないしは無形成が認められた.光顕による観察では真皮葉内の静脈の拡張および小ないし最小動脈壁の水腫性膨化, 有棘層の増殖肥厚と水腫および有棘層細胞中にケラトヒアリン顆粒の存在がみられた.
著者
内田 和伸
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.459-464, 1997-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

近世城郭・陣屋・要害から社寺に移築され現存する城郭建築遺構 (以下, 社寺移築遺構と呼ぶ) 161件について, その種類や来歴, 所有者の保存意識等に関する調査を全国的に行った。その結果, 社寺移築遺構の入手方法は社寺による購入だけでなく旧藩主からの寄贈が多く見られ, 社寺移築遺構を当該社寺で保存する意向の社寺が多かった。今後の社寺移築遺構の調査では建築構造や意匠だけでなく, 来歴や移築された意味, 現在の環境利用状況を評価し, 移築を文化として捉える視点が必要になろう。また, 社寺での保存のためには登録文化財制度の活用や指定文化財では修理時の補助率の引き上げが望まれる。
著者
岡田 正博 内田 愼爾
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.173-188, 1995-06-25 (Released:2017-03-09)
参考文献数
40
被引用文献数
3

咀嚼時に観察される開口筋の開口動作に先行する筋活動の動作学的な意義を明らかにするため, 咀嚼に比べ比較的単純で再現性に優れたopen-close-clench cycle (OCC運動)を被験運動とし, 開閉口運動速度, 咬みしめ力, 運動の繰り返しの有無, 歯の接触の有無, 歯根膜感覚の有無などの条件が外側翼突筋下頭(Lpt), 顎二腹筋前腹(Dig)の onsetに及ぼす影響について観察した. 有歯顎者のOCC運動では, Lpt, Digともに開口開始に先行する筋活動がみられ, それぞれの筋の onsetは, 開閉口相時間, 咬合相時間の変化によっては有意な変動を示さなかったものの, 咬みしめ力に対応する咬筋(Mm)平均筋活動量の変化によって有意に変動し, Mmの活動量が大きくなると開口筋 onsetはより先行する傾向を示した. 最大開口速度の変化は開口前の筋活動量に影響を及ぼした. 咬合相におけるMmの平均筋活動量が増すと, 開口筋の開口前に認められる筋活動が大きくなる傾向を示した. 開口筋の先行活動は, OCC運動のような繰り返し運動のみならず, 一度だけの咬みしめ後開口においても認められた. 歯を接触させない開閉口運動では, Lpt, Digともに開口に先行した活動が認められず, cycle timeの変化によってもOTは影響されなかった. 総義歯患者におけるOCC運動では, LptおよびDigの onsetが, 開口開始より先行したが, Mmの平均筋活動量の変化によって onsetは有意な変動を示さなかった. 以上の結果より, 開口筋 onsetの開口開始からの先行は, 下顎を開口方向に向けるための準備的活動であることが示唆され, これらは開口筋としての動作的特徴であることが示された. また, 開口筋 onsetを変化させる重要な要因は咬みしめ力であることが明らかとなったが, 総義歯患者では, 開口筋 onsetの調節性が有歯顎者に比較するとやや劣る傾向が示された.
著者
内田照久
出版者
日本教育心理学会
雑誌
日本教育心理学会第61回総会
巻号頁・発行日
2019-08-29

問題と目的 本研究は,「教育測定データの蓄積」を,個人の学力評価や処遇決定のための資料的役割に留めず,教育制度の改善に向けた施策や配慮が必要な児童生徒の支援制度の設計を行うための,基盤となるエビデンス・データとして,有効に役立てて行くことを目指す。本報告では,はじめに大学入試に係るデータから,初等中等教育から高等教育まで連なる社会的な教育課程と,子どもの発達成長との適合性について考察する。方 法 はじめに,厚生労働省の人口動態調査を基に,平成30年度センター試験の新卒志願者と同学年コーホートに属する者の月齢別の出生者数を集計した。4/1生まれの者は前年度の学年コーホートに入るため,その補正も行った。その上で,月齢ごとに,センター試験の志願率をもとめた(Fig. 1)。 次に暦月齢ごとに,センター試験の英語筆記,国語,及び数学IA及びIIBについて,その平均点をもとめた(Figure 2)。結果と考察 Figure 1の月齢ごとのセンター試験志願率を見ると,歴月齢が高い程,その志願率が上昇していることがわかる。そして,いわゆる早生まれの暦年少者は構成比率が低く(37.1%~),月齢が高くなるとその比率が次第に上昇して,4月生まれの暦年長者の志願率が最も高くなっている(41.3%)。 一方,Figure 2の月齢別の試験成績を見てみると,今度は逆に早生まれの暦年少者で平均点が高く,月齢が高くなるにつれて低下する傾向が見られる。この現象は数学で最も顕著で,3月生まれの暦年少者では平均が113.3点であったが,4月生まれの暦年長者の平均は110.2点であった。なお,英語でもこの低下傾向が読み取れるが,国語では必ずしも明瞭ではない。 これらの原因として,中学受験をはじめとした早期選抜の影響が考えられる。初中教育段階での選抜では,月齢差による発達面の能力差が厳然と存在するので,暦年齢の関数の形で人数の偏りが発生すると推察される。そして,その構成比率が上位の学校まで持ち越されて,大学の受験機会にまで影響を及ぼしている可能性がある。 一方,暦年少者のポテンシャルは,決して低いものではないと考えられる。センター試験の成績では,暦年少者の方が暦年長者よりも数学や英語で平均点が高く,月齢に対する逆転現象が起きていた。暦年長者は,成長発達面で先んじていたが故の上位校合格者が多いとも考えられる。しかし,高校段階になると,学力の個人差は,発達差ではなく,学習の成果として顕在化するようになろう。すると,相対的人数は少ないが,成長面での不利に抗して勝ち残ってきた,潜在的ポテンシャルの高い暦年少者の集団が,暦年長者集団を学力面で,凌駕した帰結と捉えることもできるかも知れない。引用文献川口大司・森 啓明 (2007). 誕生日と学業成績・最終学歴 日本労働研究雑誌, No.569, 29-42.付 記 本研究は,平成28~30年度 大学入試センター理事長裁量経費の援助を受けた。
著者
齊藤 茂 内田 若希
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
松本大学研究紀要 = The journal of Matsumoto University (ISSN:13480618)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.37-49, 2017-01

本研究では、大学生サッカー選手が審判員の判定に対してもっている印象について、以下の仮説検証を目的とした統計的分析及び考察を行った。主な仮説は、勝利チームは判定を有利もしくは公平であったと感じている、敗戦チームは判定と試合結果との因果関係を感じやすく、また判定が気になっている、及び誤審の有無の程度がその試合全体の判定に関する印象に影響を及ぼす、であった。結果として、1.勝利チームは敗戦チームに比して、審判員の判定を不利だと感じている者が多く、また、判定を「公平」だと感じている者の割合に試合の勝敗による有意な差はない、2.勝利チームは敗戦チームに比して、審判員の判定が気になっている、3.勝利チームと敗戦チーム間には、審判員の判定と試合結果との因果関係の感じ方について有意な差がない、4.審判員による誤審は、その試合全体の判定に関する印象に影響を及ぼす、等が明らかとなった。
著者
内田 智也 古川 裕之 松本 晋太朗 小松 稔 佃 美智留 土定 寛幸 大久保 吏司 藤田 健司
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
2020

<p>【目的】投球動作におけるステップ脚膝関節動作と肘外反トルクとの関連から肘関節負荷を増大させる動作を検討する。【方法】中学生投手20 名のFoot Contact(以下,FC)以降のステップ膝動作を膝関節位置の変位が生じない固定群と投球方向へ変位する前方移動群の二群に群分けした。FC・肩関節最大外旋位(以下,MER)・ボールリリースのステップ膝屈曲角度,投球中の肘外反トルク(身長・体重での補正値)および投球効率(肘外反トルク/ 球速)を群間比較した。【結果】固定群は14 名,前方移動群は6 名であり,前方移動群のステップ膝屈曲角度はFC からMER にかけて増大することが示された。また,肘外反トルクおよび投球効率は固定群が前方移動群より有意に低値を示した。【結論】前方移動群はFC 以降に膝の縦割れが生じていることで,肘関節に過度な負荷が加わっていることから,ステップ膝動作の評価は野球肘の理学療法において重要であることが示唆された。</p>