- 著者
-
山口 育子
内田 学
丸山 仁司
- 出版者
- 一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
- 雑誌
- 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.1, pp.113-119, 2019-05-31 (Released:2019-06-28)
- 参考文献数
- 23
【目的】高齢者の呼吸筋力,呼吸機能をはじめとする身体機能の実態把握と,運動耐容能との関連因子について検討した.【方法】歩行が自立した地域在住高齢女性60名を対象とした.呼吸筋力はPImax,PEmax,呼吸機能はVC,FVC,FEV1.0,PEF,運動機能は握力,膝伸展筋力,歩行速度,CS-30,TUG,片脚立位,FR,6MWD,身体組成は筋量,筋率を測定した.対象者の握力と歩行速度の結果から運動機能低下群(低下群)と運動機能維持群(維持群)の2群に分け,2群間の比較と,群ごとの6MWDと膝伸展筋力,歩行速度,VC,PImax,PEmax,SMIとの関連性を重回帰分析にて分析した.【結果】筋量,筋力は年代別基準値と近似したが,呼吸筋力,呼吸機能と運動耐容能は予測値より低く,低下群は維持群より有意に低値であった.低下群では運動耐容能の関連因子として呼吸機能が選択された.【結論】握力や歩行速度が低下してきた高齢者の運動耐容能の維持には,呼吸機能,呼吸筋力の重要性が示唆された.