著者
内田 智也 藤田 健司 大久保 吏司 古川 裕之 松本 晋太朗 小松 稔 野田 優希 石田 美弥 佃 美智留 土定 寛幸
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.75-81, 2018

<p>【目的】投球中の肩関節ストレスの軽減には,良好な下肢関節動作が重要となる。そこで,本研究はFoot Contact(以下,FC)以降のステップ脚膝・股関節の力学的仕事量と肩関節トルクの関係について検討した。【方法】中学生の投手31 名の投球動作解析で求められた肩関節内旋トルクについて,その平均から1/2SD を超えて低い群(以下,LG)10 名と1/2 を超えて高い群(HG)10 名の2 群に分け,ステップ脚膝・股関節の力学的仕事量(正・負仕事)を群間比較した。【結果】FC から肩関節最大外旋位(MER)におけるLG の膝関節屈曲-伸展の負仕事量が有意に低値を示した。【結論】ステップ脚膝関節伸展筋力は良好な投球動作獲得に寄与し,FC 以降の膝関節の固定および下肢関節からの力学的エネルギーを向上させることは肩関節ストレスを軽減させると考えられた。</p>
著者
松田 泰治 大塚 久哲 樗木 武 内田 広明
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.95-100, 2000-11-17 (Released:2018-09-08)
参考文献数
14

The City of Fukuoka suffered great damage from the heavy rains in July 29th 1999. Peculiarity of this disaster was that underground space was flooded and this caused death. Disaster prevention planing in underground space was not enough. In closed space as underground shopping street, human behavior during evacuation is confused. For safe and quick evacuation, it is important to make rational disaster prevention planing based on the prediction of human behaviors. In this research, human behaviors during evacuation in Teijin underground shopping street were simulated using Cellar Automata. Applicability of this method was discussed in this paper.
著者
児玉 なみ 内田 利広 石田 弓
出版者
広島大学大学院教育学研究科附属心理臨床教育研究センター
雑誌
広島大学大学院心理臨床教育研究センター紀要
巻号頁・発行日
no.16, pp.41-56, 2018-03-31

The purpose of this research is to clarify the relationships between college students' coping styles and their feelings for friends, and between coping styles and coping appraisal during their interpersonal friendship events. Initially, feelings for friends and coping appraisal were considered as variables in the process until coping affected mental health. Later, the differences between their feelings for friends and coping appraisal were explored by their choice of coping style. The results of cluster analysis of coping styles during interpersonal stress were divided into four groups. The variance analysis of coping styles and feelings for friends showed that the group using many positive relationship-oriented coping styles (e.g., "I tried to actively participate with the other party") had higher "confidence/stability" feelings than did the other groups. The group with low use of negative relationship-oriented coping styles (e.g., "I tried to ignore the other party") showed high "anxiety/concern" feelings, while the "rival" feeling was low in the group with lower use of positive relationship-oriented coping styles. The results of the variance analysis of coping styles and coping appraisal showed that the groups using positive relationship-oriented and postponed-solution coping styles (e.g., "I tried not to care about the other party") more highly appreciated the efficacy of using these coping styles than did the other groups.
著者
内田 貴
出版者
学士会
雑誌
学士会会報
巻号頁・発行日
vol.2020, no.2, pp.4-8, 2020-03
著者
内田 堅一郎 河井 由衣 上山 吉哉
出版者
一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
雑誌
日本口腔腫瘍学会誌 (ISSN:09155988)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.135-140, 2017-09-15 (Released:2017-09-27)
参考文献数
8

重度肥満患者の気道管理はしばしば困難を伴う。気管切開を行う際には肥厚した脂肪組織が気管へのアプローチを困難にするとともに,頸部の屈曲や進展を行う際に気管カニューレが気管孔から脱離する危険性がある。重度肥満を合併した進行下顎歯肉癌症例の周術期に,脂肪切除術を併用した気管切開術を施行し気道管理を行った1例を報告する。患者は43歳の男性である。近医歯科で診断された下顎歯肉癌の治療を目的として受診した。身長171cm,体重108kg,BMI:36.8と重度肥満を合併していた。CT像では,皮膚表面と気管の距離は第2気管軟骨輪レベルで約5cmであった。諸検査の後,左側下顎歯肉癌(T4aN2bM0)と診断した。気管切開術,左側下顎区域切除術,全頸部郭清術変法およびチタン製プレートと前外側大腿皮弁を用いた再建術を施行した。手術時に,横切開とカニューレの脱落を予防するための脂肪組織切除を併用した中気管切開術を施行した。術後は,挿入長を適合させるために調節可能な気管カニューレを使用した。術後15日目に,経過良好につき気管切開を併用した気道管理を終了した。
著者
鎌田 貢壽 内田 満美子 竹内 康雄 高橋 映子 三宅 嘉雄 佐藤 直之 児玉 哲郎 山口 建
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.165-170, 1995-02-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
15

肺小細胞癌患者の優れた腫瘍マーカーであるガストリン放出ペプチド前駆体 (proGRP) 濃度測定系を開発し, 各種疾患および腎機能障害時の血中動態について検討した.対象は, 健常人, 肺小細胞癌患者, 慢性糸球体腎炎患者, 糖尿病患者, 慢性関節リウマチ患者, 全身性エリテマトージス患者, 腎機能障害患者, 非透析期および透析期腎不全患者とした. サンドイッチELISA法で血清中のproGRP濃度を測定した.腎機能が正常である慢性糸球体腎炎患者 (n=14), 糖尿病患者 (n=16), 慢性関節リウマチ患者 (n=9), 全身性エリテマトージス患者 (n=12) の血清proGRP濃度は, 健常人基準値46pg/ml以下にとどまった.肺小細胞癌患者の血清proGRP濃度は, 16名中14名 (87.6%) で46pg/mlを越え, 16名中10名 (62.5%) で250pg/mlを越えた. 腎機能障害患者では, 血清クレアチニン値が1.6mg/dlを越えると, 血清proGRP値が異常値を示し, 血清proGRP値 (Y: pg/ml) と血清クレアチニン値 (X: mg/dl) との間には, Y=23.5+13.6X (R=0.82, p<0.001, n=22) の正の相関を認めた. 血清proGRP値と血清尿素窒素値との間にも同様の相関 (R=0.76, p<0.001, n=22) を認めた. 末期腎不全患者の血清proGRP値の最高値は, 228pg/mlであり, 血液透析中の経時的低下を認めなかった.血清proGRP濃度の測定は, 肺小細胞癌患者の診断に有用であるが, 46-250pg/mlの血清proGRP異常値を示す患者では, 腎機能を考慮して評価する必要がある.
著者
杉浦 彩子 内田 育恵 中島 務 西田 裕紀子 丹下 智香子 安藤 富士子 下方 浩史
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.325-329, 2012 (Released:2012-12-26)
参考文献数
17
被引用文献数
3 1

目的:耳垢は高齢者および知的障害者に頻度が高いことが知られており,湿性耳垢の頻度が高い欧米では高齢者の約3割に耳垢栓塞があるという報告もある.しかしながら乾性耳垢の多い日本においての報告はない.今回,本邦における一般地域住民における耳垢の頻度と認知機能,聴力との関連について検討した.方法:『国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究』第5次調査参加者中,60歳以上で,耳垢確認のための鼓膜ビデオ撮影検査を受け,かつ耳疾患の既往のない一般地域住民男女792人を対象とした.Mini-Mental State Examination(MMSE)と良聴耳の耳垢の有無,良聴耳の4周波数平均聴力との関連について一般線形モデルで検討した.結果:対象792人中良聴耳の耳垢を85人(10.7%)に認めた.MMSE 24点以上の群では良聴耳の耳垢が有るのは10.0%だけだったが,MMSE 23点以下の群では23.3%に耳垢を認めた.また良聴耳の平均聴力は年齢,性を調整しても耳垢有群では無群より有意に悪かった(p=0.0001).また,年齢,性,良聴耳平均聴力,教育歴を調整しても耳垢有の群では有意にMMSE得点が低かった(p=0.02).結論:本邦においても高齢者の1割に良聴耳の耳垢を認め,耳垢により聴力が低下している場合があることが示唆された.また耳垢を有する群では認知機能が悪いことが明らかとなった.
著者
武田 典子 内田 直
出版者
公益財団法人 パブリックヘルスリサーチセンター
雑誌
ストレス科学研究 (ISSN:13419986)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.20-25, 2013
被引用文献数
2

The number of depressive patients is increasing in Japan. Depression is commonly treated with antidepressants and/or psychotherapy, the potential use of exercise as an alternative or complementary treatment for depression has recently received considerable attention. There are a number of physiological reasons why exercise may improve depression. The scientific evidence from prospective cohort studies supports the overall conclusion that regular participation in exercise is associated with reduced depressive symptoms. The results of randomized controlled trials indicate that participation in exercise programs reduces depressive symptoms in people diagnosed as depressed, healthy adults, and medical patients without psychiatric disorders. The results of two meta-analyses have demonstrated that effect sizes in intervention studies for depressed people are large. However, the evidence is not always consistent. Despite some inconsistencies in research findings, in the UK, guidelines which include exercise as a management strategy for depression; NICE guidelines have recommended structured, supervised exercise programs for mild to moderate depression. Further studies that are methodologically robust are required to determine more accurately the effect of exercise on depression. Optimal physical activity dose for reducing the depressive symptom should be extensively studied to for the prescription of appropriate exercise to improve mental health.<br>
著者
栗原 良平 尾崎 純 嵩下 敏文 脇元 幸一 富樫 秀彰 内田 繕博
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0170, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】近年,腰痛症患者の腰部多裂筋(以降:LM)に横断面積の非対称性や筋厚減少など機能不全が生じるという報告が散見され,LM機能不全と腰痛の関連は強い。NorrisはLMの作用は腰椎伸展より,腰椎椎間関節の適合と腰椎屈曲に抗した活動が強いとされ,腰椎安定性に寄与していると述べており,LM機能向上は腰椎・脊柱屈曲機能に影響を与えることが推察される。また,柿崎らは,下位胸郭側方変位に伴い腰部多裂筋横断面積に変化を与えると述べており,LMに対する理学療法として胸郭へのアプローチが有効となる可能性を示唆している。本研究は,下部胸郭に対する運動療法がLMおよび脊柱屈曲可動性に与える影響について検証し,若干の知見を得たのでここに報告する。【方法】対象は健常成人男性12名(平均身長173.2±6.0cm,体重65.4±6.5Kg,年齢26.3±3.9歳)とした。下部胸郭への運動療法は刺激量の定量化にミナト医科学社製ストレッチングスティックを用い,スティック上での安静背臥位を7分間実施した。胸郭柔軟性評価には胸郭拡張差を用い,端坐位(股関節・膝関節90°屈曲,骨盤後傾位:ASIS-PSIS結ぶ線が床面に対して水平な状態)にて剣状突起,第10肋骨レベルをテープメジャーにて0.1cm単位で計測した。LM測定には超音波診断装置(Super Sonic Imagine社Aixplorerリニアプローブ7.5MHz)を用い,測定肢位はHidesらの方法を参考に,腹臥位でのL4レベルの左右LM筋厚を0.1mm単位で測定し,体重と身長で除し正規化した(以降LM値)。LM左右バランス(以降LMB)は左右LM値の高値側と低値側の差で算出した。脊柱屈曲可動性評価は指床間距離(以降FFD)を用い0.1cm単位で計測した。実施前後の比較には対応のあるt検定,運動後の各項目間の関係性の検定にはSpearmanの順位相関係数を用い,全て有意水準5%未満とした。【結果】運動実施前後で,剣状突起,第10肋骨,FFD,左右LM値,LMBで有意な差が認められた。運動後の胸郭柔軟性とLMBに中等度の負の相関(剣状突起:r-0.581,第10肋骨:r=-0.647),FFDとLMBに中等度の負の相関(r=-0.651)が認められた。【結論】下部胸郭に対する運動療法は左右LMとLMBに変化を与え,FFDを向上させることが認められた。胸郭は胸椎・肋骨・胸骨から構成され,一つのユニットとしての機能を有しているが,胸椎は腰椎と解剖・機能的に連結している。胸郭柔軟性向上は,間接的に腰椎機能が向上し,LM筋厚増加や左右バランスの均一化などの変化を生じさせ,FFDを改善させたと推察する。本研究の結果は,脊柱屈曲可動性に対する理学療法展開で,下部胸郭柔軟性への評価・介入も重要であることを示唆している。
著者
阿部 耕太郎 内田 誠一
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成27年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第68回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.517, 2015-09-10 (Released:2018-02-16)

フォントネットワークとは,大量の既存のフォントを用いて,その類似度に基づいて作成したネットワークである.本研究は,フォントネットワークの経路上のフォント列が互いに似ていることに注目し,それらを使って新たなフォントを合成することを目的としている.
著者
内田 豊昭 小林 健一 本田 直康 青 輝昭 小俣 二也 遠藤 忠雄 石橋 晃 小柴 健
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.31, no.10, pp.1701-1707, 1985-10

1)膀胱腫瘍10例(11腫瘍)に対してBCG 30 mgから240 mgによる膀胱腔内注入療法を施行した.2) 11腫瘍中7腫瘍に腫瘍消失,4腫瘍に20~80%の腫瘍縮小効果が認められた.3)腫瘍の大きさ別では米粒大腫瘍の4腫瘍は全例消失し,小指頭大の腫瘍では5腫瘍中3腫瘍が消失し,残りの2腫瘍にも著明な縮小が認められた.4)悪性度の判明した8腫瘍についてみるとGrade 1は5例中4腫瘍全例が消失,1腫瘍が50%縮小し,Grade 2は3腫瘍が20~80%の腫瘍縮小を認めた.5)副作用としては,膀胱刺激症状を10例中7例(70%),発熱4例(40%),血尿3例(30%)を認めた
著者
内田 直仁 丹 裕也
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.138-141, 2012-06-15 (Released:2012-09-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2
著者
山本 圭吾 園田 忠臣 高山 鐵朗 市川 信夫 大倉 敬宏 吉川 慎 井上 寛之 松島 健 内田 和也 中元 真美
出版者
The Volcanological Society of Japan
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.137-151, 2013-03-29 (Released:2017-03-20)
参考文献数
14

桜島火山の活動に伴う最近の桜島および姶良カルデラ周辺域における地盤上下変動が,2007年10月-12月,2009年11月,2010年4月および11月と行われた精密水準測量の繰返し観測によって明らかとなった.姶良カルデラ周辺の地盤は,1996年から2010年までの期間において,それ以前の1991年から1996年までの期間に得られていた結果と同様に,カルデラ内部を中心として隆起したことが確認された.球状圧力源(茂木)モデルに基づく解析を行った結果,1996年-2010年の期間において,姶良カルデラ中央部地下の深さ8.8km-10.8kmに増圧源の存在が推定された.この期間,姶良カルデラ地下に推定されるマグマ溜りにおいてマグマの貯留が進行したものと考えられる.2007年-2009年の期間においては,桜島北部地下の深さ4.3kmに増圧源の存在が推定された.このことは,姶良カルデラの深さ10kmから桜島の浅部方向へのマグマの移動が生じた可能性を示唆するが,そのマグマの移動量は小さい.姶良カルデラ地下におけるマグマの貯留は,桜島火山の山頂噴火活動が静穏化した1991年頃から継続している.2009年以降,昭和火口における噴火活動が活発化する傾向にあるが,観測された地盤隆起の継続は,噴火活動が活発化しつつある2010年11月の時点においても姶良カルデラ地下においてマグマの供給量が放出量を上まっていることを示唆している.計算された増圧源において見積もられた容積増加量および観測降下火山灰量に基づき見積もられたマグマの放出量を考慮すると,1991年から2010年までの期間において姶良カルデラの地下に約1.2×108m3のマグマが新たに蓄積されたことが推定される.また,マグマの蓄積に伴う桜島北部付近の2010年11月の時点における地盤隆起量は,1970年代および1980年代の活発な山頂噴火活動が開始した1973年頃の状態を回復し更に隆起が継続した状態となっている.これらの結果は,桜島火山の次の大規模噴火活動についての潜在的なポテンシャルを示唆するものと考えられる.