著者
永原 陽子 粟屋 利江 鈴木 茂 舩田 さやか 阿部 小涼 今泉 裕美子 小山田 紀子 尾立 要子 小林 元裕 清水 正義 前川 一郎 眞城 百華 濱 忠雄 吉澤 文寿 吉田 信 渡邊 司 津田 みわ 平野 千果子 浅田 進史 飯島 みどり 板垣 竜太 大峰 真理 後藤 春美 高林 敏之 旦 祐介 津田 みわ 中野 聡 半澤 朝彦 平野 千果子 溝辺 泰雄 網中 昭世 大井 知範 柴田 暖子
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、「植民地責任」概念を用いて、脱植民地化過程を第二次世界大戦後の植民地独立期に限定せず、20世紀の世界史全体の展開の中で検討した。その結果、第一次世界大戦期の萌芽的に出現した「植民地責任」論に対し、それを封じ込める形で国際的な植民地体制の再編が行われ、その体制が1960年代の植民地独立期を経て「冷戦」期にまで継続したことが明らかになった。
著者
宇山 智彦 平野 千果子 秋田 茂 前川 一郎 河西 晃祐 小沼 孝博 水谷 智 長縄 宣博 天野 尚樹 中山 大将
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

近代帝国の植民地および脱植民地化の歴史を、比較と関係性の視角から研究した。帝国権力と周縁・植民地社会を結ぶ媒介者・協力者の役割、植民地の知識人による近代化の試み、諸帝国の競存体制と植民地同士の関係、帝国・植民地における移民の位置づけ、帝国の暴力と反乱、第一次世界大戦とロシア革命のインパクト、脱植民地化をめぐる国際関係などを研究し、帝国論・植民地論の知見を現在の国際問題の分析にも応用した。全体として、帝国権力が国内外に作り出す格差構造と、植民地の被統治者の主体性の両方に目を配りながら、植民地史の多面性と今日的意義を明らかにした。
著者
前川 一郎
出版者
創価大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は、近年「ジンバブウェ問題」をめぐって先鋭化した「植民地責任」論と、これに対する戦後イギリス政府の対応とに着想を得て、イギリスの脱植民地化政策の特徴を明らかにすることである。本研究を通して、戦後イギリス政府が繰り返した植民地問題終焉論(「植民地支配の責任は終焉した」という言説)は、(1)戦後国際秩序における位置に拘泥されたイギリス政権中枢の国際社会観、その世界観に基づいた脱植民地化政策を反映したものであったこと、(2)それは同時にイギリス統治が植民地にもたらした負の現実やこれをめぐる記憶を封印する側面を伴っていたこと、(3)そうした経緯はそのまま過去に対するイギリス政府特有の歴史認識なり歴史観なりの表れと考えられることなどが明らかにされた。