著者
望月 哲男 越野 剛 後藤 正憲 鈴木 正美 鳥山 祐介 長縄 宣博 中村 唯史 沼野 充義 野町 素己 松里 公孝
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

ヴォルガ地域の文化的な様態を、各流域の民族・宗教文化的特徴、および中世期から現代までの複雑な歴史的経緯を踏まえて整理し、包括的文化圏としてのヴォルガ地域像を解明した。ヴォルガ河の表象にみられる多義性・多面性とその変遷を、18世紀以降の文芸の諸ジャンルにおいて検討し、その特徴や文化的機能を分析した。近現代の宗教・文化思想を題材に、東西文化論におけるヴォルガ地域の特徴と機能を整理した。
著者
宇山 智彦 平野 千果子 秋田 茂 前川 一郎 河西 晃祐 小沼 孝博 水谷 智 長縄 宣博 天野 尚樹 中山 大将
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

近代帝国の植民地および脱植民地化の歴史を、比較と関係性の視角から研究した。帝国権力と周縁・植民地社会を結ぶ媒介者・協力者の役割、植民地の知識人による近代化の試み、諸帝国の競存体制と植民地同士の関係、帝国・植民地における移民の位置づけ、帝国の暴力と反乱、第一次世界大戦とロシア革命のインパクト、脱植民地化をめぐる国際関係などを研究し、帝国論・植民地論の知見を現在の国際問題の分析にも応用した。全体として、帝国権力が国内外に作り出す格差構造と、植民地の被統治者の主体性の両方に目を配りながら、植民地史の多面性と今日的意義を明らかにした。
著者
松里 公孝 長縄 宣博 赤尾 光春 藤原 潤子 井上 まどか 荒井 幸康 高橋 沙奈美
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ロシアの諸宗教を網羅的・多面的に研究した結果、宗教というプリズムを通じてロシア社会を観察することが可能であることが明らかになった。宗教の視点からは、ロシアはより広い地理的なまとまりの一部であり、キリスト教の「教会法上の領域」の観念、巡礼やディアスポラを含めて広域的な観点から分析する必要性が明らかになった。「脱世俗化」の傾向はロシアにも共通するが、その特殊な形態を明らかにする作業が行われた。
著者
山根 聡 長縄 宣博 王 柯 岡 奈津子 古谷 大輔 山口 昭彦 大石 高志 シンジルト 吉村 貴之 小松 久恵
出版者
大阪大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題では、地域大国の比較研究を中心軸に捉えつつ、異なるディシプリンながらも、地域大国の周縁的存在を研究する点で一致する研究者によって、地域大国のマイノリティとしてのムスリム、移住者、特定の一族など、周縁に置かれるがゆえに中心(大国)を意識する事例を取り上げた。この中で国際シンポジウム主催を1回、共催を2回行った。また国際会議を3回、研究会を25回以上開催し、この期間内に発表した論文も60点を超えた。2013年度には成果を公刊する予定であり、異なる地域を研究対象とする研究者の交流が、研究分野での未開拓分野を明らかにし、今後の研究の深化に大きく貢献することができた。