著者
加藤 敬太
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.79-92, 2011-09-20 (Released:2022-08-27)
参考文献数
46

本稿の目的は,老舗企業の長期存続のメカニズムを明らかにすることである.RBVの影響下にある老舗企業研究の多くは,老舗特有の伝統的資源の現状分析を中心に行ってきた.本稿では,全国で最も古い歴史を有する味噌メーカーを取り上げ,長期存続プロセスの経時的分析を行う.事例分析から,伝統的資源の維持,活用といったサステイナブルな戦略によって長期存続を確保する老舗企業のダイナミズムが明らかとなる.
著者
伊藤 克弘 上戸 賢 砂田 拓郎 加藤 敬司 植月 祐次 川西 博晃 奥村 和弘
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.202-206, 2014-10-20 (Released:2015-10-21)
参考文献数
15

傍糸球体細胞腫により二次性高血圧を来し,腹腔鏡下腎部分切除術により治癒した症例を経験したので報告する.症例は22歳,男性.学校検診で高血圧を指摘され近医受診,精査にてレニン高値,左腎腫瘍を認め当科紹介受診した.CTにて左腎上極に17 mmの腫瘤を認め,カプトプリル負荷試験でレニンの自律性分泌を認めたため,レニン産生腫瘍と診断した.腹腔鏡下左腎部分切除術を施行し,病理組織では電子顕微鏡検査にて菱形のプロレニン顆粒を認め,傍糸球体細胞腫と診断した.術翌日より血圧,レニン活性ともに正常化し,術後半年の現在まで腫瘍,高血圧ともに再発を認めていない.傍糸球体細胞腫は稀ではあるが,手術により治癒が可能であり,若年性高血圧の鑑別診断として重要であると考えられた.
著者
弓削 朝子 馬場 久衛 加藤 敬子 宮脇 映子
出版者
口腔病学会
雑誌
口腔病学会雑誌 (ISSN:03009149)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.59-68, 1974 (Released:2010-10-08)
参考文献数
39
被引用文献数
1

乳歯環状う蝕とその歯垢中のレンサ球菌, 特にStrep. mutansとの関連性を追求するために3歳児の無う蝕児29名と環状う蝕歯牙保有児30名について歯垢中のレンサ球菌並びに歯垢の酸産生力の比較を行ない, また両者の関連性について検討した。その成績は, 歯垢中の全レンサ球菌数の平均値は環状う蝕児群は無う蝕児群より極めて高い値を示した。また, Strep. mutansの検出率並びに全レンサ球菌に対する比率において, 環状う蝕児群は有意に高い値を示し, Strep. sanguisでは逆に無う蝕児群の方が高い値を示した。歯垢を糖加培地に培養した場合に環状う蝕児群の方が強い酸産生力を示した。またう蝕の程度並びに歯垢の酸産生力とStrep. mutansの比率および菌数との間に正の相関々係がみられた。歯垢を培養した糖加培地にはStrep. mutansの増殖とともにpHの低下がみられた。
著者
加藤 敬史 北林 栄一
出版者
滋賀県立琵琶湖博物館
雑誌
琵琶湖博物館研究調査報告 (ISSN:2436665X)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.48-55, 2018 (Released:2021-12-27)

Fossil rodents, represented by nine isolated teeth, were obtained by wet sieving sediments from the Upper Pliocene Tsubusagawa Formation in Ajimu, Oita Prefecture. The rodent remains include Micromys sp., Arvicolinae gen. et sp. indet., and unidentified incisors. This is the first report of the Pliocene rodent fauna in Japan. Micromys sp. fossils differ from modern species in occlusal outline, number of roots, crown size, position of t4 and t6, size of t9, and presence or absence of t7 in the upper M1. Arvicorinae gen. et sp. indet. have such features as a hypsodont, very high sinuous line, thick cementum, and relatively wide crown in comparison to other arvicolids. Historically, Micromys and Arvicolinae have had a Palearctic distribution. This is consistent with previous plant fossil research that indicates a temperate-zone climate in the lower to middle part of the Tsubusagawa Formation. However, it is not consistent with the fossil tortoise and large mammals included in the Ajimu Fauna, which represent a subtropical or tropical This contradiction may suggest that the fossil assemblage was formed in an environment under the transition from tropical to temperate zone in the gradually cooling climate of the Late Pliocene.
著者
加藤 敬太
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.29-39, 2014-03-20 (Released:2014-06-30)
参考文献数
25
被引用文献数
2

本稿の目的は,ファミリービジネスにおける企業家活動のダイナミズムを明らかにすることである.従来のファミリービジネス研究では,ファミリービジネスにおける保守的なガバナンス構造と戦略創造の静態的な関係性を論じてきた.本稿では,ミツカングループの事例分析から,ファミリー企業家による企業家活動と戦略創造のダイナミックな関係を明らかにする.
著者
中島 謙二 青木 浩子 加藤 敬 田村 康夫
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.926-935, 1997-12-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
23
被引用文献数
1

本研究は,乳首の違いが乳児の吸啜運動に及ぼす影響を検討する目的で,乳房哺乳群(BRF群),丸型人工乳首群(ROF群)および有弁型人工乳首群(SV群)を対象に,吸啜時の口腔周囲筋筋活動を筋電図学的に比較検討したものである.その結果,1)最大筋活動量は,咬筋と口輪筋においては3群間で差はみられなかったが,側頭筋ではBRF群がROF群より有意(P<0.05)に高い活動を示し,舌骨上筋群もBRF群とSV群がROF群より有意(P<0.01)に高い活動を示した.2)総筋活動量はBRF群とSV群がROF群よりそれぞれ有意(p<0.01,p<0.05)に高い活動を示した.3)吸啜サイクル時間はBRF群とROF群で差はなく,SV群が有意(p<0.01)に長いサイクル時間を示した.4)口腔内の動きと筋の協調の観察では,丸型人工乳首も有弁型人工乳首も舌の蠕動様運動を伴い基本的には差はみられず,有弁型人工乳首は舌の下降時に弁が上下に大きく離開し,その時舌骨上筋群が大きい活動を示していた.以上の結果より,丸型人工乳首が乳房哺乳や有弁型人工乳首に比べ筋活動量が小さかったことから,乳児にとって丸型人工乳首は比較的容易に吸引できることが示唆された.
著者
小田 福男 加藤 敬太 乙政 佐吉 西本 章宏
出版者
小樽商科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

北海道から極東ロシアまでの北方圏における、北海道地域企業の産業クラスター形成と極東ロシア地域とのリンケージ・需要搬入による継続的活性化、地域ブランド強化の現状と方策を究明した。その結果、次のような知見が得られた。(1)産業クラスター形成における企業家活動、地域オープン・イノベーションのユニークな重要性。(2)地域ブランド・マネジメントにおける新規顧客とリピート顧客の異質性、各々で異なったアプローチを適用することの重要性。(3)北海道と極東ロシアとの地域間国際交流に関して、特に住宅・住宅建材分野でのロシア極東地域の現状の厳しさと長期的視点の重要性。
著者
松谷 由美子 小野 一惠 加藤 敬子
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.741-745, 2013-01-31 (Released:2013-05-10)
参考文献数
3

当院は安芸高田市唯一の総合病院であり,地域の基幹病院としての役割を担い医療・福祉・保健の充実に努めている。また,山村部では超高齢化が進み医療にも様々な影響を及ぼし,患者やその家族のニーズが複雑・多様化している。そのため,医師の診療のみで患者の抱える問題やニーズに応じることは困難となり,患者が安心して療養できるためには看護の役割が重要となっている。 このような現状に対応するために,平成22年4月より治療と暮らしを共にサポートすることを目標として,緩和ケア認定看護師が担当する緩和ケア看護専門外来と,認知症看護認定看護師が担当するメモリー看護専門外来を創設した。その活動内容について事例を通じて報告する。 それぞれの事例から,医師の診療時間内だけでは知る事の出来ない患者の生活課題を知り対応する事や,患者の価値観を大切にしながら支援していく事の重要性を認識できた。また,患者のニーズに応じセルフケア能力を引き出す支援を行なうためには,外来と病棟との連携,更には地域との連携が必要であることが明確となった。 今後更に高齢化が進み患者のニーズが多様化する社会情勢の中,私たち看護専門外来の目標は,患者と家族が安心感と満足感を持ち病気と共存して生きていけるようサポートすることを中心に,生活の視点に立った親しみやすい看護の立場で専門性を発揮し,地域に貢献していくことである。
著者
山口 淳 加藤 敬行 菅 裕明
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.584-592, 2011-11-30 (Released:2012-02-29)
参考文献数
29

新たな創薬の基盤技術として,我々は1013を超える多様性の擬天然特殊ペプチドライブラリーの構築を可能とするFIT(Flexible In-vitro Translation)システムと,生理活性を有した特殊ペプチドの迅速な探索を実現したRaPID(Random non-standard Peptides Integrated Discovery)システムを開発した.本稿ではこれら新規基盤技術の紹介と共に,特殊ペプチド創薬におけるDDSとの連携の重要性についても言及する.