著者
原田 洋平
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.359-365, 2016-09-01 (Released:2016-09-01)
参考文献数
4

国土交通省では,高齢者や障害者,訪日外国人を含めたあらゆる人がストレスなく自由に活動できるユニバーサル社会の構築に向けて,ICTを活用した歩行者移動支援サービスの普及に取り組んでいる。2020年を念頭に,歩行者の移動に必要なデータをオープンデータ化するための環境を整え,利用者のニーズに合致した多様なサービスがさまざまな主体から提供されるよう取り組みを進めている。
著者
原田 洋一郎
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.41-65, 2002-01-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本稿では,神岡鉱山栃洞地区での江戸末期における鉱山開発の展開とその地域的基盤について,開発に必要とされた技術者,資金の確保のあり方に注目して検討した.北陸,東海地方には,衰退した鉱山から盛況へ向かいつつある鉱山へと移動を繰り返す金山師が多数存在し,地域に技術者が確保されていた.開発資金は,主に船津町村,高山町の商人によって供給された.とりわけ,山元の船津町村では江戸末期までに戸数が増加し,さまざまな属性の者が居住するようになっており,それらが時期に応じ,経済力に応じて,資金供給,下請稼行,必要物資などの販売など,異なったかたちで開発に関与したことが,開発の継続と盛行に大きく寄与していた.江戸末期には対象地域のような,比較的貧弱な鉱床の開発が広く行われたが,それらの開発は,地域住民の積極的な開発への関与,全国規模での鉱物資源の流通システムの成立によって可能になったと考えられる.
著者
磯谷 順一 谷井 孝至 小野田 忍 寺地 徳之 川原田 洋 角谷 均 Fedor Jelezko
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

室温量子スピンとして優れたNVセンダ同士の相互作用に着目した。量子レジスタの多量子ビット化をめざして、短い距離(~13 nm)のNVセンダ配列を規則的なナノホール配列をもつマスク注入により作製する技術を開発した。平均距離~5nmの高濃度NVセンタを作製し、離散的時間結晶の生成を室温で実証した。単一NVセンタにもナノホール注入を応用し、量子センサー・アレイを作製した。量子アルゴリズムを高磁場測定と組み合わせたナノNMRにおいて超微量の試料のケミカルシフトを観測する高分解能を達成した。高品質結晶合成により、結晶中の離れた位置のSiV-センタから識別できない単一光子を発生することに成功した。
著者
原田 洋一郎
出版者
東京都立産業技術高等専門学校
雑誌
東京都立産業技術高等専門学校研究紀要 (ISSN:18831990)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.50-60, 2013-03

本稿では,石見銀山御料の小規模な港町,宅野浦における廻船商売がどのように展開したかについて,ほぼ18 世紀を通じて廻船商売を営んだ商家,増屋の史料を用いて具体的に検討した.宅野浦は,江戸初期の石見銀山盛期に,そこで用いられる鉄道具の原料となる鉄の集荷と関わって形成されたとみられる.江戸中期における増屋の廻船商売は,出雲西部や石見銀山御料の日本海沿岸の港町を介して鉄を集荷し,大坂方面へ廻送することを中心としていた.これは,この港町が,鉄の集散との関連で発展したことをうかがわせるものであった.また,石見銀山御料の鉄の生産と流通においては,鉄生産地と港町を結ぶ者,御料内の各港町と大坂など遠隔地の市場とを結ぶ者の分業と連携が重要な役割を果たしていたことが明らかとなった.
著者
川原田 洋 平間 一行 荻原 大輔
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.144-150, 2008-03-10 (Released:2008-03-23)
参考文献数
24
被引用文献数
2 2

The discovery process and the mechanism of p-type surface layer accumulation of hydrogen terminated diamond surfaces have been reviewed from the point of surface characterization and carrier formation near the subsurface. Since diamond is an insulating material, the surface density is as high as the order of 1013 cm−2 that is enough for high performance field effect transistors to be realized. The surface dipole formed by hydrogen-carbon bonds has a crucial role for the surface band structure of diamond. Also important is several types of negatively charged adsorbates necessary for charge neutrality condition and hole accumulation. New models for carrier emergence such as a transfer doping model have been discussed.
著者
原田 洋平
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.121, 2009

【はじめに】<BR> 今回、脳血管障害を持ち、対人交流の拒否が強く身体機能訓練を拒否した一人の高齢女性に対して、興味を示した折り紙・お手玉を通じて関係を築き、ナラティブの語りから方針を再検討した。その結果、行動範囲や対人向流の拡大に至り、活動量の拡大に繋がった。訓練拒否から活動を広げていった経過を分析し、考察を加えて報告する。<BR>【事例紹介】<BR> Aさん。80歳代女性。左ラクナ梗塞。家族構成は夫と息子夫婦、孫夫婦、曾孫。職業は夫の農業を手伝いながら兼業主婦。家事全般をこなしながら、勤めに出ている孫夫婦に変わり曾孫の育児を行なっていた。<BR>【経過・結果】<BR> 初期評価時より常に表情は険しく日中臥床傾向であり他患との交流や離床を拒否。OTRが提案したベッドサイドでの身体機能訓練に対し「つまらない。」「リハビリなんて楽しくないと思う。」と拒否を続ける。Aさんの語りにより病棟でお手玉を使用。OTRは初心者であり、OTRに教えてくれるよう頼んだ。次第にAさんはお手玉遊びのコツや練習方法を教えてくれるようになり、指導的役割や、AさんがOTRへ指導をし、指導が上手く行くという成功体験を通じ、Aさんは達成感を得る。しだいにOTRの問いかけに対し、院内生活や過去の生い立ちについて自ら語るようになり、OTRはナラティブと傾聴をおこなっていく。また、他患のベッドサイドにある千羽鶴を指差し、「私も昔は孫と一緒に作ったものよ。」と折り鶴作製を希望した。その語りより、OT方針を再検討し、折り紙を追加した。他患や他患家族に対し「みんなと一緒に食事を取りたいから食堂でご飯を食べたい」等と話すようになる。そして自らOTRや他患へお手玉遊びの指導やおはじきの遊び方、折り紙の折り方を教えるようになりコミュニケーション・交流技能に変化が見られる。<BR>【考察・まとめ】<BR> 「今までは主婦業をこなしていたのに、助けてもらうばかりで何もできなくなった」「手が動かないからだめだ」と個人的原因帰属の低下や役割・自己効力感の低下により居室に閉じこもっていたAさんは、お手玉という作業を通じて、「今までは息子や孫にいろいろなことを教えていた」役割や達成感、「OTRが上手くお手玉できるようになった」成功体験を得ることができた。その結果、OTRとの関係が築かれ、活動への意欲が向上したと思われる。ナラティブと傾聴を基に方針を修正した後、楽しみとなる作業活動の提供によって意欲が引き出され、行動範囲や対人向流の拡大に至り、活動量の拡大ができたと考える。<BR> 今回の症例ではナラティブな関わりを通じてお手玉・折り紙という作業に注目した。このようにナラティブな関わりからセラピストとの関係を構築し、協業することの重要性が示唆された。
著者
佐藤 あかり 圓山 由香 原田 洋
出版者
横浜国立大学教育人間科学部附属理科教育実習施設
雑誌
Actinia : bulletin of the Manazuru Marine Laboratory for Science Education, Faculty of Education and Human Sciences, Yokohama National University
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-10, 2005-03-31

Ecological distribution of Tylos granuliferus (Isopoda) was researched at several stations on the sandy-beach of Jougashima in Kanagawa Prefecture, Central Japan from July to November 2003. Their distribution differences were seen between summer and autumn seasons. Physical factors such as temperature, moisture and tide can be influencing the distribution of Tylos granuliferus in the sandy-beach environment.
著者
大泊 巌 川原田 洋
出版者
The Crystallographic Society of Japan
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.151-159, 1986-03-30 (Released:2010-09-30)
参考文献数
19

Structures and defects of heterogeneous interfaces have been discussed using the concept of “coherency”which has been applied to interphase boundaries. Interfacial structures have been classified into three kinds, coherent, semicoherent and incoherent interfaces, depending on lattice mismatch. As a case study of the interface with great mismatch of about 10%, the structure of PtSi/ (111) Si interface has been discussed in detail on the basis of HRTEM images. The interface has been found to be atomically abrupt and has atomic steps which increases local coherency between PtSi and Si. (J. Cryst. Soc. Jpn. 28, 151 (1986) ) .
著者
吉田 敏弘 石井 英也 松村 祝男 吉田 敏弘 林 和生 小野寺 淳 小倉 眞 松村 祝男 小倉 眞 古田 悦造 林 和生 野間 晴雄 小野寺 淳 松尾 容孝 原田 洋一郎
出版者
国学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

文化財保護法や景観法に基づく文化的景観の保全事業実施にあたり、保全対象となる文化的景観の選定にあたっては、文化的景観のAuthenticityを学術的・客観的に評価する必要がある。本研究では、「一関本寺の農村景観」と「遊子水荷浦の段畑」を主たる事例として、景観の価値評価を試行し、次のような5つのステップから成る基礎調査が有効であると判断した。(1)明治初期地籍図などに記録された伝統的景観の特質の解明、(2)伝統的景観(地籍図)と現景観との精密な比較、(3)近代以降の景観変化の過程とメカニズムの解明(土地利用パターンや作物、地割など)、(4)伝統的な景観要素残存の背景を地域の社会・経済・文化的側面から考察、(5)現景観の活用可能性の考察と保全の方向性の提示。なお、上記の作業をヴィジュアルに活用するため、GISの導入と時系列統合マップの構築が有効であることも確認した
著者
原田 洋平 森﨑 みなみ 松尾 隆徳 内田 美代子 阿佐美 美保子 井戸 裕彦 洲加本 節子
出版者
九州理学療法士・作業療法士合同学会
雑誌
九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 (ISSN:09152032)
巻号頁・発行日
pp.87, 2016 (Released:2016-11-22)

【はじめに】当院では、自閉スペクトラム症児に対し、主に対人意識を高めることを目的に、ESDMを参考にした小集団での療育を実施している。療育の効果判定として、PEP-Ⅲを使用し、療育効果について検討したので報告する。今回の報告について対象者へ口頭で説明を行い了解を得ている。【対象】平成25~27年度に、当院通院中の児の中で、早期集団療育開始時、終了時にPEP-Ⅲによる評価ができた、自閉スペクトラム症児33名(男性21名、女性12名)。開始評価時平均月例29.1±6.66、終了評価時平均月例34.2±4.45。全例とも「呼びかけても反応しない」「視線が合わない」など、行動面や対人面における対応能力の低さから、集団生活場面で困り感がある場合が多かった。【方法】1回約1時間の療育を週1回の頻度で、12~24回実施。1グループ最大3名の児に「児の対人意識、特に保護者への意識を高め、愛着形成を促すこと」「保護者が児の特性を理解し、適切な対応方法を学び、実戦できるようになること」を目標に実施。感覚運動遊び等の自由遊び(スイング、すべり台、ラダー、トンネル等)、挨拶、名前呼び、親子遊び(リトミックやマッサージ等)、保護者への振り返り等を行った。保育士、言語聴覚士、心理士合計6名でグループ活動を行い、作業療法士は、言語聴覚士と交互に、隔週で活動に入り、感覚面や姿勢運動面を中心にアセスメントや保護者へのライブコーチングを行った。アセスメント結果に基づく目標設定やホームエクササイズ等について、スタッフや保護者へアドバイスを行った。【方法】療育開始時と終了時にPEP-Ⅲと養育者レポート評価を実施し、比較検討した。有意差検定はT検定により行い、解析にはFree JSTATversion13.0を使用した。【結果】PEP-Ⅲの10領域のうち「認知/前言語」「表出言語」「理解言語」「微細運動」「粗大運動」「視覚―運動模倣」「感情表出」「対人的相互性」「運動面の特徴」「言語面の特徴」の10領域において効果が得られた(有意差1%未満)。特に「粗大運動」「視覚―運動模倣」では、4ヶ月以上の発達年齢向上が見られた。養育者レポートの3領域のうちでは、「適応行動」においてのみ、有意水準1%で効果が得られた。「気になる行動」「身辺自立」において、特に有意差は見られなかった。【考察】感覚運動遊び等の自由遊びをとおして、心身の発達が促され、空間内でダイナミックに自己の身体を利用した運動の経験をとおして、PEP-Ⅲのスコア向上に繋がった可能性がある。特にスタッフや保護者や他児の遊びを模倣すること、援助要求のやりとりを行うこと、モデルを見ながらの集団活動の経験をとおして、「対人的相互性」のスコア向上に繋がったと思われる。養育者レポートの「適応行動」に有意差が見られた背景としては、「ホームワーク等をとおして、生活場面において養育者の対象児への関わりがなされやすくなった。PEP-Ⅲは視覚的検査課題が多く盛り込まれており、視覚課題での効果判定がしやすい反面、言語課題等での効果判定がしにくい一面もあると思われ、今回の報告の限界であると考える。【まとめ】主に対人意識を高めることを目的とした小集団での療育によって、PEP-Ⅲのスコアにおいて変化が見られ、有意な効果が見られた。その長期効果については、今後も検討が必要。症例数を増やし、生活場面での変化や長期的なスコアの変化を追跡していくことが必要。【倫理的配慮,説明と同意】今回の報告について対象者へ口頭で説明を行い了解を得ている。
著者
原田 洋平
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.359-365, 2016

<p>国土交通省では,高齢者や障害者,訪日外国人を含めたあらゆる人がストレスなく自由に活動できるユニバーサル社会の構築に向けて,ICTを活用した歩行者移動支援サービスの普及に取り組んでいる。2020年を念頭に,歩行者の移動に必要なデータをオープンデータ化するための環境を整え,利用者のニーズに合致した多様なサービスがさまざまな主体から提供されるよう取り組みを進めている。</p>
著者
山下 芳典 原田 洋明 桑原 正樹 半田 良憲 窪田 真喜子 大河内 友美 宮武 志保 井手 孝 白野 容子 高松 理央 槙田 香子 高濱 みほ 中尾 淳一 道広 博之 峯本 譲
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.1339-1345, 2014 (Released:2014-12-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1

高齢者肺がんはサルコぺニア,COPDをはじめさまざまな併存疾患を有する点が課題であり,短い術前の期間をいかに効率的に利用するか,消化管は扱わない手術である利点をいかに活用するかが重要な対策と考えられた.胸腔鏡による内視鏡手術を軸とした術前の包括的リハビリテーションと術後の超早期離床・経口摂取を加えたinterdisciplinary team approachによるA-ERAS法による周術期管理を紹介した.高齢者肺がんに対し,包括的リハビリテーションにより術後合併症が減少し,胸腔鏡手術により術後創部痛の軽減から早期の退院が可能となり,術当日の超早期離床・経口摂取により術後早期のADLが向上した.A-ERAS法は肺がん術後の回復促進の観点から臨床効果と忍容性が確認され,すでに当院では臨床の場で実践されている.
著者
松岡 英仁 坪田 紀明 西尾 渉 阪本 俊彦 原田 洋明 指方 輝正
出版者
日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.329-332, 2001-08-20

第1例は57歳女性.正岡II期の混合型胸腺腫に対し切除術を行った.併発する赤芽球癆は術後速やかに改善した.第2例は58歳男性.併発する正岡II期の混合型胸腺腫を切除した後, ステロイドホルモンの投与を行ったが赤芽球の上昇は認めず, サイクロスポリンに変更後改善した.第3例は75歳男性.赤芽球癆を伴わない正岡III期のリンパ球優位浸潤型胸腺腫の切除後2年目, 頚部B-cell非ホジキン悪性リンパ腫の診断で放射線治療を受けた.その4年後, 赤芽球癆を発症し, サイクロスポリンの投与で改善した.胸腺腫の完全切除術後に併発する赤芽球癆の改善がない場合, 速やかにサイクロスポリン1mg/kg/日を開始するべきである.また胸腺腫切除後, 遠隔期に赤芽球癆を発症する例があり, この場合にもサイクロスポリンの投与は有効である.