著者
小坂 誠 吉田 愛 大江 克憲
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.625-631, 2016-11-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
37

集中治療室の生体情報モニタとして,心電図とパルスオキシメータは必須である。心電図は心臓の電気的活動を示すが,パルスオキシメータは血管容積脈波(plethysmogram)から脈拍数およびSpO2を測定する。SpO2はSaO2と違い動脈血採血の必要がなく,非侵襲的である。SpO2は赤色光と赤外光を用いた吸収分光法(absorption spectroscopy)で測定するが,種々の測定障害がある。特に脈波の検出が難しい末梢低灌流と体動では,測定精度が低下する。これらへの対策はメーカーによって異なり,表示されたSpO2値の解釈には,測定原理への理解が必要である。またSpO2には透過型と反射型の測定形式があり,前額部で測定する反射型はショック・低体温時にも動脈の拍動が維持され,酸素飽和度の変化への反応時間も透過型より短い。よって,末梢低灌流や体動がある集中治療室の患者の測定には反射型が適している。
著者
吉田 愛 伊藤 雄一 尾崎 麻耶 菊川 哲也 深澤 遼 藤田 和之 北村 喜文 岸野 文郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.21, pp.65-68, 2009-06-08
被引用文献数
1

雨は時間や場所に依存してさまざまな様相を呈し,独特の印象を人に与える.そこで,雨を情報として他者と共有することができれば,今までにはない情報共有の手法となると考えられる.本研究では,雨と人をつなぐインタフェースである傘に注目し,雨を再現して体験できる装置の実現を目指す.具体的には,ダイナミック・スピーカの構造を利用して,実際の雨が傘に当たることで傘軸に発生する振動を記録,再生できるシステム「アソブレラ」を実現する.また,アソブレラを用い,雨だけでなくビー玉や蛇など様々な物を傘で受け止める感覚を体験できるアプリケーションや,雨をリアルタイムに伝達し合うアプリケーションを実装する.
著者
吉田 愛 伊藤 雄一 尾崎 麻耶 菊川 哲也 深澤 遼 藤田 和之 北村 喜文 岸野 文郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.75, pp.65-68, 2009-06-01
被引用文献数
1

雨は時間や場所に依存してさまざまな様相を呈し,独特の印象を人に与える.そこで,雨を情報として他者と共有することができれば,今までにはない情報共有の手法となると考えられる.本研究では,雨と人をつなぐインタフェースである傘に注目し,雨を再現して体験できる装置の実現を目指す.具体的には,ダイナミック・スピーカの構造を利用して,実際の雨が傘に当たることで傘軸に発生する振動を記録,再生できるシステム「アソブレラ」を実現する.また,アソブレラを用い,雨だけでなくビー玉や蛇など様々な物を傘で受け止める感覚を体験できるアプリケーションや,雨をリアルタイムに伝達し合うアプリケーションを実装する.
著者
久保 加織 吉田 愛 石川 直美 堀越 昌子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成22年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.174, 2010 (Released:2010-08-27)

目的 輸入柑橘類には、防カビ剤としてポストハーベスト農薬が使用されることが多い。本研究では、日本で食品添加物として使用が認可されている防カビ剤のなかの一つであるイマザリルのレモン各部位での残留濃度を調べた。さらに、イマザリルが添加されている米国産レモンを用いて、保存や洗浄、調理によってどの程度その量が変化するかについて調べた。 方法 試料には、2005年~2009年に京都市内あるいは大津市内の小売店から購入した国産および米国産のレモンを用いた。イマザリルは、厚生労働省公定試験法に基づいて抽出後、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。レモンの保存は、10℃に設定した冷蔵庫内で行った。洗浄は、水洗やゆでこぼしのほか、洗剤や重曹、酢酸、エタノールを用いて行った。レモンの調理として、レモンティー、レモンのハチミツ漬け、レモンのすりおろした皮とレモン汁を加えたマドレーヌを調製した。 結果 イマザリル使用の米国産レモンからは、イマザリルが基準内濃度で検出され、内皮や果汁に比べると外皮の残留量が高かった。10℃保存では、国産レモンは約1ヶ月で傷みがみられたが、米国産レモンに変化はみられず、4カ月保存後もイマザリル量の減少はなかった。レモンを水洗した後のイマザリル量は47.6%に減少した。レモンをハチミツに漬けたり、紅茶に加えたりすることで、ハチミツや紅茶にイマザリルが溶出し、50ml紅茶に10gのレモンを30秒間浸漬した時の紅茶への溶出は47.1%であった。焼成後のマドレーヌからもイマザリルが検出され、残存率は51.0%であった。以上のことから、洗浄や調理を行ってもかなりの量のイマザリルが食品中に残存することがわかった。
著者
惠多谷 雅弘 鶴間 和幸 中野 良志 村松 弘一 小林 次雄 吉田 愛 福島 惠
雑誌
学習院大学国際研究教育機構研究年報 (ISSN:21890838)
巻号頁・発行日
no.3, pp.89-112, 2017-02-01

高分解能衛星データで秦始皇帝陵墳頂を通る南北中軸線の方位を計測すると,北方向は現在の真北からやや東偏している。この南北中軸線を方位図法投影した地球の三次元球体衛星画像上にプロットしたところ,その北方向は驪山北方約700 km に位置する陰山山脈烏拉山の最高峰近くに達した。またこの時,『史記』の記述で統一秦の東門がおかれた場所とされる胊県(現在の連雲港市)を通る東西線は,『三輔旧事』で秦西門との記述がある約1,100 km 西方の汧水(千河)を横切り隴山に達することも分かった。『史記』や『三輔旧事』の記述は統一前後の秦に当時の方位を意識した空間的概念が存在したことを示唆しているが,衛星画像の解析結果は秦帝国形成において胊県(東海),隴山(汧水),驪山(渭水),烏拉山(黄河)の山水を東西南北のランドマークとした壮大なグランドプランが存在した可能性を示唆している。
著者
大内 田鶴子 玉野 和志 林 香織 鰺坂 学 廣田 有里 小山 騰 ディアス ジム 斎藤 麻人 吉田 愛梨 細淵 倫子 清野 隆
出版者
江戸川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

グローバリゼーション下、地域社会と市民・近隣組織に関する新たな理論枠が必要になっている。本研究は新しい社会に対応する近隣組織について実態を把握し、論点を整理した。1.イングランドでは自治会規模の住民組織が準自治体となっている。2.シアトル市ではボトムアップ式の協議体を設置し、合意形成能力を獲得し、その後政治対立に巻き込まれ機能不全に陥った。3.シアトル近郊の極小自治体の長期存続は、住民の凝集性の維持につとめたこと、コモンズの維持管理を行っていることなどによる。4.個人が情報のコントロール力を持ちつつある現在、ITによる意見交換の仕組みと個人の情報発信のスキルが必要であることが明らかになった。
著者
久保 加織 吉田 愛 石川 直美 堀越 昌子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.174, 2010

<B>目的</B> 輸入柑橘類には、防カビ剤としてポストハーベスト農薬が使用されることが多い。本研究では、日本で食品添加物として使用が認可されている防カビ剤のなかの一つであるイマザリルのレモン各部位での残留濃度を調べた。さらに、イマザリルが添加されている米国産レモンを用いて、保存や洗浄、調理によってどの程度その量が変化するかについて調べた。<BR><B>方法</B> 試料には、2005年~2009年に京都市内あるいは大津市内の小売店から購入した国産および米国産のレモンを用いた。イマザリルは、厚生労働省公定試験法に基づいて抽出後、高速液体クロマトグラフィーにより分析した。レモンの保存は、10℃に設定した冷蔵庫内で行った。洗浄は、水洗やゆでこぼしのほか、洗剤や重曹、酢酸、エタノールを用いて行った。レモンの調理として、レモンティー、レモンのハチミツ漬け、レモンのすりおろした皮とレモン汁を加えたマドレーヌを調製した。<BR><B>結果</B> イマザリル使用の米国産レモンからは、イマザリルが基準内濃度で検出され、内皮や果汁に比べると外皮の残留量が高かった。10℃保存では、国産レモンは約1ヶ月で傷みがみられたが、米国産レモンに変化はみられず、4カ月保存後もイマザリル量の減少はなかった。レモンを水洗した後のイマザリル量は47.6%に減少した。レモンをハチミツに漬けたり、紅茶に加えたりすることで、ハチミツや紅茶にイマザリルが溶出し、50ml紅茶に10gのレモンを30秒間浸漬した時の紅茶への溶出は47.1%であった。焼成後のマドレーヌからもイマザリルが検出され、残存率は51.0%であった。以上のことから、洗浄や調理を行ってもかなりの量のイマザリルが食品中に残存することがわかった。
著者
Kitano Motoo Hirano Masao Ishihara Takashi YOSHIDA Aichi HATTORI Shosaku UEDA Naoko CHIJIWA Takahito OHNO Motonori キタノ モトオ ヒラノ マサト イシハラ タカシ ヨシダ アイチ ハットリ ショウサク ウエダ ナオコ チヂワ タカヒト オオノ モトノリ 北野 元生 平野 真人 石原 尚 吉田 愛知 服部 正策 上田 直子 千々岩 崇仁 大野 素徳
出版者
鹿児島大学
雑誌
南太平洋研究 (ISSN:09160752)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.11-18, 2002

Trimeresurus flavoviridis (Tf) serum proteins were fractionated by anmnonium sulfate precipitation to five portions depending on the differences of its saturation percentages, that is, 0-20%, 20-30%, 30-40%, 40-50%, and 50-70%. The effects of these proteins on Tf venom-induced rat skeletal muscle damage were investigated with closer attention to histopathological features of impairment, necrosis, and regeneration ofmuscle fibers. The knowledges which portion of Tf serum proteins is effective for prevention of local lesions caused by Tf venom should shed light on the effective medical treatment after bitten by Tf snake. In consequence, it was found that the necrotic change of the rats inoculated with Tf crude venom together with the serum protein fraction of ammonium sulfate saturation percentage 40-50% was the smallest compared to those of the rats tested with other Tf serum protein fractions.
著者
小林 昭 遠矢 光孝 福西 亮 吉田 愛知
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.263-268, 1974-10-10 (Released:2010-03-26)
参考文献数
14
被引用文献数
2

ソテツ味噌を試醸し, ソテツの有毒成分であり発癌性の知られているcycasinと, アフラトキシン汚染の有無を検索した。また, 長期間動物に投与する試験を行なった。1) cycasinはソテツ種子自身のもつβ-グルコシダーゼで分解され, 通常の原料ソテツ粉末中には残存しなかった。cycasinが残存するようにして調製した原料では, 麹菌の成育が抑制され麹ができにくいが, cycasinは速やかに分解された。2) Sprague-Dawley系ラットに, ソテツ味噌を10~50%混入した飼料を62日間, または10%混入飼料を190日間給餌した。これらには1年間飼育ののち, いずれの臓器にも腫瘍の発生はまったくみられなかった。3) ここで用いたソテツ味噌の原料ならびに製品, 自家製ソテツ味噌3点にアフラトキシンは検出されなかった。