著者
坂部 貢
出版者
Society of Environmental Conservation Engineering
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.842-844, 2005-12-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
9
著者
坂部 貢 角田 正史 高野 裕久 欅田 尚樹 立道 昌幸 松田 哲也
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

「いわゆる化学物質過敏症」患者を対象として、化学物質曝露と身体症状出現の相関性の有無について、自律神経機能の変動を主としてリアルタイム測定した。また、本症の主症状である「嗅覚過敏」の病態解析について、脳科学的な解析を行った。1)総揮発性有機化合物(TVOC)変動と自律神経機能の変動は、統計学的に強く相関した。しかし、TVOCの変動と自覚症状については相関は認めなかった。2)脳科学的解析では、嗅覚刺激による前頭前野の活動が、本症では対照群に比して活発化していることがわかった。本症は、化学物質の毒性学的影響というよりも、「臭い刺激」が契機となる、心身相関を主体とした状態であることがわかった。
著者
柳澤 幸雄 坂部 貢 熊野 宏昭 熊谷 一清
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

化学物質過敏症患者に対して、呼気中化学物質の測定及びTVOC 曝露濃度と心拍変動のリアルタイムモニタリングを行った。呼気分析では、日常生活での曝露を示す体負荷量がわかり、身体状況との関連が確認された。また、曝露濃度と心拍変動のリアルタイムモニタリングでは、曝露濃度と自律神経機能の関連が示唆され、患者によって異なる傾向が得られたことから、患者個々の病態を客観的に捉え、症状の予防対策を提言するために役立つと考えられた。
著者
北條 祥子 吉野 博 坂部 貢 熊野 宏昭 吉野 博 坂部 貢 熊野 宏昭
出版者
尚絅学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

化学物質過敏症やシックハウス症候群は微量な化学物質により起こる健康障害であり、世界的に患者の増加が問題になっている。しかし、世界的にも診断基準や病態などはよくわかっていない。また、これらの疾患患者の診断やスクリーニングに役立つ問診票は確立していない。そこで、本研究では、日本のMCS 患者の病態を明らかにしながら、MCS・SHS 患者の診断やスクリーニングに役立つ問診票を作成した。
著者
木村 穣 梶原 景正 坂部 貢 大塚 正人
出版者
東海大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

有機リン等の被爆が主原因とされるシックハウス症候群の患者単球においてNeuropathy Target Esterase(以下NTE)の活性が健常者に比べて高いことを2013年に報告した。有機リンが結合したNTEが化学変化を起こすと遅延性のOPIDN(organophosphate-induced delayed neuropathy)を引き起こすとも言われ、有機リン関連疾患の発症機構解析と疾患モデル開発のために、NTEをコードする遺伝子PNPLA6を導入したマウスを作製し、その性状を明らかにすると共に、NTE遺伝子導入細胞での有機リン感受性を検討した。複合体検出系も開発中である。
著者
坂部 貢 立道 昌幸 遠藤 整 清島 大資
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

ネオニコチノイド系農薬(NN)と同様にフルピラジフロンおよびスルホキサフロルの作用機序は、昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体にアゴニスト作用をもつ事によって、神経を異常興奮させる事で害虫を駆除しており、種選択性でヒトには安全であるとされている。申請者らはNNをマウスに投与した実験を行い、中脳に蓄積しやすい事、造精機能やテストステロン合成酵素のmRNA発現量が低下する事などをすでに発表している。NNと同様の毒性があると考えられるフルピラジフロンおよびスルホキサフロルをマウスに投与し、精巣や神経に与える影響を検討し、標的害虫以外の生物にとって安全かどうかの検討する。
著者
寺山 隼人 梅本 佳納榮 曲 寧 坂部 貢
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第46回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-134, 2019 (Released:2019-07-10)

ネオニコチノイド系農薬(NP)はニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)へのアゴニスト作用によって害虫に対しては強い毒性を発揮するが、哺乳類には安全であるとされ世界中で汎用されている。しかし、近年、実験動物でNPが神経系、免疫系、生殖器系など様々な器官に悪影響を及ぼす事が報告されている。精巣内環境は思春期を境に精子・精子細胞が出現するため劇的に変化する。成獣雄マウスにNPを投与すると、血清テストステロンの低下や造精障害が報告されているが、幼若雄マウスにNPを投与した報告はない。そこで本研究は、幼若雄マウス(3週齢)にNPであるアセタミプリド(ACE)を投与し、精巣に与える影響を検討した。ACEを水道水に溶かし自由飲水させる実験(ACE1およびACE2)群、ACEを溶解している界面活性剤(DMSO)のみを水道水に溶かし自由飲水させるDMSO群、水道水のみ自由飲水させるUntreated群の4群に分け、180日後に精巣を深麻酔下で摘出し、形態学的および分子生物学的に評価した。その結果、180日後の体重は実験群で有意に減少したが、精巣の重量や組織に有意な変化はなかった。ステロイド合成系、増殖細胞因子、nAChRサブユニットのmRNA発現は実験群で有意に低下していた。ACE曝露は形態学的変化を誘導しない投与量でも、精巣内に蓄積し、遺伝子発現に様々な変化を及ぼすことがわかった。さらに、過去の文献と比較すると種差、ネオニコチノイド系農薬種、週齢において、かなり感受性の違いがある事もわかった。
著者
関 明彦 瀧川 智子 岸 玲子 坂部 貢 鳥居 新平 田中 正敏 吉村 健清 森本 兼曩 加藤 貴彦 吉良 尚平 相澤 好治
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.939-948, 2007-09-15 (Released:2008-05-16)
参考文献数
130
被引用文献数
14 22

‘Sick house syndrome’ (SHS) is a health issue that closely resembles sick building syndrome (SBS) that had occurred in European countries. The aim of this review is to clarify the characteristics of SHS by reviewing previous reports rigorously. We propose the definition of SHS as “health impairments caused by indoor air pollution, regardless of the place, causative substance, or pathogenesis”. Cases of SBS are reported to occur predominantly in offices and sometimes schools, whereas those of SHS are usually found in general dwellings. In many cases, SHS is caused by biologically and/or chemically polluted indoor air. Physical factors might affect the impairments of SHS in some cases. It is considered that symptoms of SHS develop through toxic, allergic and/or some unknown mechanisms. Psychological mechanisms might also affect the development of SHS. It is still unclear whether SBS and SHS are very close or identical clinical entities, mostly because a general agreement on a diagnostic standard for SHS has not been established. Previous research gradually clarified the etiology of SHS. Further advances in research, diagnosis, and treatment of SHS are warranted with the following measures. Firstly, a clinical diagnostic standard including both subjective and objective findings must be established. Secondly, a standard procedure for assessing indoor air contamination should be established. Lastly, as previous research indicated multiple causative factors for SHS, an interdisciplinary approach is needed to obtain the grand picture of the syndrome.
著者
石川 哲 宮田 幹夫 坂部 貢
出版者
メディカル葵出版
雑誌
あたらしい眼科 = Journal of the eye (ISSN:09101810)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.479-490, 2008-04-30
参考文献数
60
被引用文献数
2