著者
宮田 洋
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.225-234, 2009 (Released:2011-02-14)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

1904年にPavlovはノーベル生理学・医学賞を受けた。その受賞対象となったイヌの主要消化腺の働きに関する研究が偽飼法,小胃法,唾液瘻,膵臓瘻の研究と共に概説された。また,1901年から3年にわたり候補者として推薦されながら受賞できなかった主な理由,1904年の受賞時の様子,受賞後のPavlovの研究や生活,心理学に与えた影響などが述べられた。
著者
宮田 洋
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.255-261, 2012 (Released:2013-07-14)
参考文献数
54

I.P. Pavlovの86年の生涯と約60年におよぶ研究が,16編の資料に基づいて年譜の形式で70項目にわたって概観されている。Pavlovの研究には3つのテーマがあり,第1は1873-1883年に行われた膵臓及び心臓の神経支配の研究である。第2は1886-1901年に行われた消化腺活動に関する研究で,この研究に対して1904年にノーベル生理学・医学賞が授与された。最後の研究は1902-1935年にわたり行われた条件反射による大脳両半球の働きについての研究である。年譜には,Pavlovの研究に対して欧米・日本で行われた生理学および心理学的関連の事項61項目が対比されている。
著者
石原 金由 宮下 彰夫 犬上 牧 福田 一彦 山崎 勝男 宮田 洋
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.87-91, 1986-06-30 (Released:2010-07-16)
参考文献数
9
被引用文献数
55 74

Morningness-Eveningness Questionnaire (MEQ) developed by Home & Östberg (1976) was translated into Japanese, and then, MEQ and Life Habits Inventory were administered to approximately 1500 university students. The distribution of MEQ scores was essentially normal, and the reliability of this questionnaire was high (γα=.702). Comparing among the morning, evening, and intermediate types, it was found that the morning type retired and arose significantly earlier than other types, although there was no significant differences in sleep length. Furthermore, there were significant differences between the morning and evening types in sleep latency, mood on arising, adequate amount of sleep, frequency and duration of nap, and number of staying awake all night per month. These results suggested that the evening type had more irregular sleep-waking habits than the morning type. Since the above results were obtained only from student population, further investigation on various populations is requested.
著者
宮田 洋輔 上田 修一 若宮 俊 石田 栄美 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.109-118, 2017

<p>現代における学会発表の位置づけを考察することを目的として,ウェブサイトに対する事例調査とメールによる質問紙調査を実施した。54 学会を対象とした事例調査からは,研究集会の定期開催,開催事務局への依存と前例を踏襲する傾向が分かった。質問紙調査では世界中の285 学会からの回答を分析した。その結果,1)自然科学・医学系ではポスター発表も採用,2)ほとんどで査読を実施,3)人文学・社会科学系では配布資料・口頭のみでの発表も認められていること,4)発表資料の電子形式での記録,提供はあまりなされていないこと,などが明らかになった。以上から,研究者のインフォーマルな交流の場としての研究集会という認識は大きく変化していないこと,学会発表は研究集会の一部と見なされていること,発表を研究成果として独立して蓄積し,広くアクセスできるようにする意識が弱いことが示唆された。</p>
著者
小島 政滋 山崎 勝男 宮田 洋
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.61-70, 1992

本研究は, 入眠期における脳波, 眼球運動, 行動指標, 主観的睡眠体験を測定し, これらの時間特性及び各指標間の対応関係を検討した.被験者には言語刺激 (羊が1匹-700匹) を提示し, 内容 (羊の数) を記憶させながらボタン押しを行わせて昼間睡眠を取らせた.覚醒後に記憶していた羊の数を再生させた.本研究では, 被験者が初めて再生を失敗した時点を主観的睡眠体験の発生時点とした.α%, SEM<SUB>s</SUB>出現数, 運動反応率及び反応時間を測定し分析の対象とした.その結果, α%と運動反応率の間に正の相関, 運動反応率と反応時間, およびα%と反応時間の間に負の相関が認められた.また, α%と運動反応率は主観的睡眠体験の発生後に顕著な低下を示した.これらの結果は, 入眠期における脳波と行動指標が主観的睡眠体験と強く相関しながら変動することを示している.
著者
宮田 洋輔 上田 修一 若宮 俊 石田 栄美 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.109-118, 2017 (Released:2017-07-14)
参考文献数
10

現代における学会発表の位置づけを考察することを目的として,ウェブサイトに対する事例調査とメールによる質問紙調査を実施した。54 学会を対象とした事例調査からは,研究集会の定期開催,開催事務局への依存と前例を踏襲する傾向が分かった。質問紙調査では世界中の285 学会からの回答を分析した。その結果,1)自然科学・医学系ではポスター発表も採用,2)ほとんどで査読を実施,3)人文学・社会科学系では配布資料・口頭のみでの発表も認められていること,4)発表資料の電子形式での記録,提供はあまりなされていないこと,などが明らかになった。以上から,研究者のインフォーマルな交流の場としての研究集会という認識は大きく変化していないこと,学会発表は研究集会の一部と見なされていること,発表を研究成果として独立して蓄積し,広くアクセスできるようにする意識が弱いことが示唆された。
著者
石田 栄美 宮田 洋輔 神門 典子 上田 修一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.33, pp.85-92, 2006-03-22

書名だけでなく目次や帯情報を用いて,図書を日本十進分類法の分類カテゴリに自動分類する実験を行った。分類手法には,相対出現率と相互情報量にもとづく重み付けとSupport Vector Machine(SVM)による手法を用いた。「BOOK」データベースとNII-CATデータを統合した24 000件を用いて学習させたところ,重み付けに相対出現率と相互情報量を用いた場合は,書名に加えて目次と帯情報を用いた場合の効果が認められた。また,機械学習手法よりも,統計的手法のほうが有効であった。分類カテゴリの分野ごとの再現率を調べたところ,分野によって再現率に大きな差があった。さらに,帯情報などが有効な分野もあり,書名,目次,帯を用いた効果が分野ごとに異なることが明らかになった。In this paper, we describe methods of classifying Japan MARC records to class number of Nippon Decimal Classification. We compare the performance of three categorization method, based on mutual information(MI), relative frequency and SVM. In each method, training data are title and table of contents and blurb on the flap in Japan MARC records. The experimental results show that the best performance is MI using title and table of contents and OBI, but other methods are not. In failure analysis, we found the performance depends on subject of class number.
著者
南 友紀子 岩瀬 梓 宮田 洋輔 石田 栄美 上田 修一 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.163-180, 2016 (Released:2016-12-07)
参考文献数
48

本研究では,van Deursen らの「デジタルスキル」を基礎に,従来の情報検索の専門的なスキルを組み込んだウェブ環境における情報検索スキルの現状を明らかにすることを目的とする質問紙調査を行った。2014 年8 月にオンライン調査を実施し,1,551 名から回答を得た。その結果,ウェブ環境で検索を行う人々は,(1)ブール演算子などの高度な情報検索技法は用いない,(2)ウェブ上の情報の形式は理解している,(3)検索語の選定に対する意識は高い,(4)一定の評価方針のもとに複数の検索結果を閲覧する,(5)インターネットから恩恵を受けていると感じている,ことが明らかになった。階層的クラスタリングにより回答者を8 クラスタに分割し,高い情報検索スキルを持つクラスタを特定した。この高能力者群は,比較的若く,男性が多く,学歴が高く,批判的思考能力と自己認識が高かった。高能力者群は全てのスキルの平均得点が最も高いが,検索技法に関するスキルのみ得点は大幅に低かった。
著者
南 友紀子 岩瀬 梓 宮田 洋輔 石田 栄美 上田 修一 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.163-180, 2016

<p>本研究では,van Deursen らの「デジタルスキル」を基礎に,従来の情報検索の専門的なスキルを組み込んだウェブ環境における情報検索スキルの現状を明らかにすることを目的とする質問紙調査を行った。2014 年8 月にオンライン調査を実施し,1,551 名から回答を得た。その結果,ウェブ環境で検索を行う人々は,(1)ブール演算子などの高度な情報検索技法は用いない,(2)ウェブ上の情報の形式は理解している,(3)検索語の選定に対する意識は高い,(4)一定の評価方針のもとに複数の検索結果を閲覧する,(5)インターネットから恩恵を受けていると感じている,ことが明らかになった。階層的クラスタリングにより回答者を8 クラスタに分割し,高い情報検索スキルを持つクラスタを特定した。この高能力者群は,比較的若く,男性が多く,学歴が高く,批判的思考能力と自己認識が高かった。高能力者群は全てのスキルの平均得点が最も高いが,検索技法に関するスキルのみ得点は大幅に低かった。</p>
著者
大森 慈子 山田 冨美雄 宮田 洋
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.183-189, 1997-03-31 (Released:2016-12-06)
被引用文献数
7

The purpose of the present study was to investigate the influences of speakers' eyeblink frequency on receivers' impression formation in person perception. One hundred and thirty-four subjects, 96 males and 38 females, participated in this study as the receivers. The speakers were presented on video display, and they blinked either frequently or rarely. Subjects then rated impressions of the speakers on a set of 32 items of SD-scale. A factor analysis of the ratings yielded 3 factors, interpreted as "dynamism", "intimacy", and "sincerity". The frequently blinking speakers were rated less dynamic, intimate, and sincere, than the rarely blinking speakers. The results indicate that frequent eyeblinks had negative influences on impressions.
著者
岩瀬 梓 山岡 加奈 王 雨晴 広江 理紗子 吉田 直輝 宮田 洋輔 石田 栄美 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.101-112, 2020 (Released:2020-12-30)
参考文献数
14

2011-2018 年に38 か国で実施された「国際成人力調査(PIAAC)」のオープンデータを用い,デジタルスキルに影響する要因の比較を行った。分析にはデジタルスキルを反映すると考えられるIT を活用した問題解決能力(PSTRE)の課題の正答数(25 か国15,702 件)を用いた。分析手順は以下の通りである。1.各国のPSTRE の課題の正答率比較,2.背景調査から選択した63 設問(日常でのメディア利用等)の因子分析,3.選択された各因子の因子得点と年齢,性別,学歴を説明変数,各回答者のPSTRE 正答数を目的変数とした回帰分析(25 か国全体,日本,北欧3 か国の3 グループに実施)。主な結果として,課題ごとの正答率および課題の正答に影響する要因は国や地域ごとに異なることが明らかになった。ただし,年齢と学歴はいずれの国や地域でも共通してPSTRE に影響を与え,性別は日本,北欧3 か国では有意ではなかった。
著者
石原 金由 齋藤 敬 宮田 洋
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.362-365, 1982-03-10 (Released:2010-07-16)
参考文献数
10
被引用文献数
26 18

The Kwansei Gakuin Sleepiness Scale (KSS) is a self-rating scale which is developed after the Stanford Sleepiness Scale (SSS) and using Thurstone's method of equal-appearing intervals. The present study investigated whether the KSS correlates with vigilance task performance, fatigue test and oral temperature, and whether circadian variation of the KSS ratings is demonstrated during 40 hours sleep deprivation. Six student subjects employed in this study were given performance test, self-ratings and temperature measurement at every 3 hour for 3 days. On Day-2, sleep deprivation was carried out to all subjects. The results showed that mean KSS ratings highly correlated with correct detection rates on the vigilance task, fatigue test and oral temperature, and that the change of KSS ratings demonstrated not only the effect of sleep deprivation but also the circadian variation in sleepiness.
著者
國本 千裕 宮田 洋輔 小泉 公乃 金城 裕奈 上田 修一
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.199-212, 2009

本研究は読書の行為に焦点を当て「読書とはいかなる行為であるのか」を明らかにすることを目的としている。既存の読書研究は,読書の対象や,児童や生徒に対する読書指導といった側面に焦点を当てるものが多かった。これに対して本研究は,個人の行う読書は様々な次元からなる行為であると考え,成人を対象として読書の次元を明らかにしようと試みた。20代から40代の計29名を対象にフォーカス・グループ・インタビューを5回実施し,発言を分析した結果,読書とは,対象(何を読むのか)に加えて,志向(なぜ・何のために読むのか),行動(どのように読むのか),作用(読んだ結果何を得るのか),場所(どこで読むのか)の五つの次元から成る行為であることが明らかになった。特に対象は,物理的媒体,ジャンル,内容評価といった観点からみられる可能性が示唆された。
著者
杉内 真理恵 羽生 笑子 上田 修一 倉田 敬子 宮田 洋輔 小泉 公乃
出版者
三田図書館・情報学会
雑誌
Library and information science (ISSN:03734447)
巻号頁・発行日
no.66, pp.127-151, 2011

【目的】本論文の目的は, 学術論文の著者, 主題, 研究方法, 理論の使用を分析することにより, 1970年から2009年までの日本の図書館情報学の研究状況を明らかにすることである。【方法】対象とした雑誌は, 査読制度を採用しているLibrary and Information Scienceと『日本図書館情報学会誌』 (『図書館学会年報』) である。1970年から2009年の間の掲載論文のうち, 投稿論文826篇を調査対象とした。各論文に対して, ①著者, ②主題, ③研究方法, ④理論の使用の分析を行った。著者に関しては, 論文ごとの著者数, 第一著者の所属機関, 職業を集計した。主題は14に区分し, さらに図書館学と情報学にまとめた。研究方法は, 最初に6アプローチに分類した後, 実証的研究のみデータ集計方法とデータ分析方法を調査した。また, 年別の論文数やページ数の推移を集計した。【結果】日本の図書館情報学論文ではこの40年間に, (1)大学院生を含め大学に所属する著者の増加, (2)情報学は一時多かったが, 次第に減少傾向にあり, 図書館学が再び中心となっている, (3)実証的方法を採用する論文が増加している, などの傾向があった。しかし, 主題について大きな変化はなかった。全体の論文数は, 1990年代から2000年代後半にかけて低下したが, 現在は, 増加傾向にある。前者の原因は, 両誌の厳格な査読制度の採用にあり, 後者の原因は, 大学院生の増加や研究助成制度の充実にあると考えられる。原著論文
著者
南 友紀子 岩瀬 梓 宮田 洋輔 石田 栄美 上田 修一 倉田 敬子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.163-180, 2016

<p>本研究では,van Deursen らの「デジタルスキル」を基礎に,従来の情報検索の専門的なスキルを組み込んだウェブ環境における情報検索スキルの現状を明らかにすることを目的とする質問紙調査を行った。2014 年8 月にオンライン調査を実施し,1,551 名から回答を得た。その結果,ウェブ環境で検索を行う人々は,(1)ブール演算子などの高度な情報検索技法は用いない,(2)ウェブ上の情報の形式は理解している,(3)検索語の選定に対する意識は高い,(4)一定の評価方針のもとに複数の検索結果を閲覧する,(5)インターネットから恩恵を受けていると感じている,ことが明らかになった。階層的クラスタリングにより回答者を8 クラスタに分割し,高い情報検索スキルを持つクラスタを特定した。この高能力者群は,比較的若く,男性が多く,学歴が高く,批判的思考能力と自己認識が高かった。高能力者群は全てのスキルの平均得点が最も高いが,検索技法に関するスキルのみ得点は大幅に低かった。</p>
著者
倉田 敬子 松林 麻実子 上田 修一 山地 一禎 三根 慎二 宮田 洋輔
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

研究プロセスがデジタル化し,研究成果とデータの共有を目指すオープンサイエンスの時代に,学術コミュニケーションの将来を考えることは重要な課題である。本研究は,①オープンサイエンスで提案されてきた政策等の分析,②学術雑誌論文と研究データのオープン化のマクロな動向の把握,③個別の研究プロセスと研究データのミクロな調査の3つのアプローチから,学術コミュニケーション全体の生態系を具体的な根拠に基づき明らかにする。