著者
小山 雅紀 篠原 誠 金 貞我 池 受玲 崔 大徹
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J105-C, no.9, pp.263-269, 2022-09-01

実装基板配線の多層化と微細化が進む中で,その不良解析技術は非破壊・高精度・高速解析が求められている.配線不良の位置特定技術には,電気-光サンプリング技術を用いた高分解能TDR(Time Domain Reflectometry)法がある.この手法は,立ち上がり時間の短い電気パルス波を不良配線に伝搬させ,不良箇所からの反射波形を高精度で測定する非破壊解析技術である.本実験では,この手法を用いて更に精度の高い位置特定解析を実現させるため,不良配線を構成するビアと複数の異なる層配線の波形伝搬速度を個別に導出した.導出した各部位ごとの伝搬速度と,不良箇所からの反射波の時間を解析することで,数十μmレンジでの非破壊不良箇所特定が可能となった.
著者
小山 陸 毛利 宏 風間 恵介 塩澤 裕樹 今村 政道 柏村 聡
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.785-788, 2020 (Released:2020-08-28)
参考文献数
5

車体スリップ角推定手法を新たに提案する.本手法では車体前後方向,及び横方向の加速度センサ信号に加え車輪速センサ信号を用いる.提案手法では積分器を必要とせず,信号の代数演算のみで車体スリップ角の推定が可能である.実車実験で取得した信号を用いて,提案手法が従来手法に比べて正しく推定出来ることを示した.
著者
宮田 哲郎 松峯 敬夫 石田 孝雄 福留 厚 袖山 元秀 小山 広人
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.1087-1091, 1983-08-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
18

総胆管良性狭窄の治療は手術療法が中心となっているが,胆道系の手術と炎症をくり返している症例や,状態の悪い症例では手術的に狭窄を解除することはかなりの危険を伴なうことになる.我々は胆嚢摘出術後,総胆管狭窄をきたし化膿性胆管炎と総胆管結石とをくり返した症例に対し,減黄のためのPTCD瘻孔を拡張し胆道ファイバーで截石後,小児用挿管チューブでブジーを行ない狭窄部を拡張した.この方法は治療期間が長くなるという問題点があるが,手術療法に比較し侵襲が少なく安全であると思われる.
著者
小山 照幸
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
pp.21063, (Released:2022-08-17)
参考文献数
11

目的:わが国は世界に先駆けて高齢者人口が増加している.それに伴い高齢患者も増加しており,リハビリテーション治療は重要である.リハビリテーション関連医療費も増加しているが,どのような年齢層にリハビリテーション治療が実施されているかについては知られていない.そこで今回,保険診療におけるリハビリテーション治療患者の年齢分布を調査したので報告する.調査方法:厚生労働省が公表しているNDBオープンデータから,各疾患別リハビリテーション料の「性年齢別算定単位数」について2014(平成26)~2019(平成31)年度の6年間の年次推移を検討した.結果:心大血管疾患リハビリテーション料は80歳代前半にピークがあり,それまでは男性が約2倍多かった.脳血管疾患等リハビリテーション料は80歳代前半にピークがあり,男性のピークは70歳代後半でそれ以下の年代では男性のほうが多かった.廃用症候群リハビリテーション料は80歳代後半にピークがあり,女性のほうが多かった.運動器リハビリテーション料の算定単位数が最も多く,80歳代前半にピークがあり,女性は男性の2.5倍実施されていた.呼吸器リハビリテーション料は80歳代後半にピークがあり,男性のほうが多かった.がん患者リハビリテーション料は70歳代後半にピークがあり,男性が女性の約2倍であった.結論:リハビリテーション治療実施患者の年齢のピークは80歳代であり,年々増加していた.
著者
辻口 貴清 三上 純子 坂本 瑞生 小倉 巧也 小山内 暢 井瀧 千恵子
出版者
日本放射線看護学会
雑誌
日本放射線看護学会誌 (ISSN:21876460)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.14-19, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
11

高度被ばく医療支援センターや原子力災害拠点病院は、自施設の全職員に対して原子力災害時医療の教育研修を定期的に実施することが義務付けられている。研修内容の設定や外注職員を含む病院全職員への周知が難しいというのが現状であるが、被ばく医療教育の啓蒙や高受講率化へ向けた各機関の努力は必須である。弘前大学は平成27年8月に高度被ばく医療支援センターに指定されて以降、年に複数回の原子力災害医療に係る院内基礎研修を開催しており、令和2年2月現在で全職員の約8割が受講済となっている。本稿では高受講率化に向けた本学の取組および研修内容等を詳細に報告する。
著者
小山 裕史
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2011

制度:新 ; 報告番号:甲3406号 ; 学位の種類:博士(人間科学) ; 授与年月日:2011/7/13 ; 早大学位記番号:新5728
著者
吉永 圭吾 小山 広人 松尾 聡 福留 厚 松峯 敬夫
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1232-1236, 1983-10-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
18

脾嚢胞は比較的稀な疾患とされているが,著者らは最近,上腹部腫瘤を主訴とした68歳女性の巨大仮性脾嚢胞を経験した.重量は5,100gあり,その内容は黄色透明で,血清とほぼ同一の成分であった.従来本疾患は,特有な症状や検査所見に乏しい為,術前診断が困難とされてきたが,超音波検査及びCTスキャンにより容易に脾嚢胞と診断しえた.脾嚢胞は病理組織学的に真性,仮性に大別されるが,著者らが集計した自験例を含む236例では真性119例,仮性105例,分類不明12例となり,真性嚢胞がやや多かった.脾嚢胞は女性にやや多くみられ, 10歳台, 20歳台にピークがある.超音波, CTスキャン,血管造影などの検査により,以前ほど診断は困難でなくなってきている.治療は一般に脾摘出術が行われており,その手術成績,予後は共におおむね良好である.