著者
河内 誠 尾崎 隆男 西村 直子 大岩 加奈 岩田 泰 野田 由美子 中根 一匡 舟橋 恵二
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.569-575, 2015-09-25 (Released:2015-11-10)
参考文献数
14
被引用文献数
1

2012年10月~2014年3月の1年6カ月間に,激しい咳や長引く咳などにより百日咳の鑑別を要した168例を対象に,百日咳の実験室診断法を後方視的に検討した。病原体診断法として全例から後鼻腔ぬぐい液を採取し,百日咳菌分離とloop-mediated isothermal amplification(LAMP)法による百日咳菌DNA検出を行った。126例については,血清診断法としてPT-IgG抗体価を測定した(ペア血清67例,単血清59例)。実験室診断基準は,菌分離またはDNA検出または血清診断基準に該当したものとした。168例中34例(20%)が百日咳と実験室診断され,初診時年齢の中央値は0.9歳(日齢17~12.3歳)であった。DNA検出は16例(47%),菌分離は9例(26%)であり,菌分離例は全てDNA検出例であった。血清診断基準該当例は31例(91%)であり,18例(53%)が血清診断基準のみに該当した。その中の7例のワクチン未接種幼若乳児(日齢17~3カ月)では,6例がペア血清で抗体価の低下を認め,1例は幽門狭窄症による咳込み嘔吐であった。これら7例は母体の経胎盤移行抗体による血清診断基準偽該当例と考えられた。百日咳の実験室診断法として病原体診断がより確実であり,特に簡便・迅速で感度の高いLAMP法は有用と思われた。
著者
鍋谷 淳 宮田 雄一郎 山村 恒夫 岩田 尊夫 小幡 雅之
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.113-120, 1990 (Released:2008-03-27)
参考文献数
15

Rivers characterized by suspended load and bed load tend to build fine-grained deltas and coarse-grained deltas, respectively. Gilbert-type deltas consisting of topset, foreset, and bottomset beds are recognized in marine environments as well as in lakes. Coarse-grained deltas tend to be Gilbert-type deltas. However, fine-grained deltas built in deep-water rivermouths and in wave-dominated rivermouths are mostly Gilbert-type deltas.Bird foot, lobate, cuspate, and estuarine deltas are recognized in marine environments. In contrast, estuarine deltas do not occur in lakes, since lakes are less subjected to tidal influences than seas.
著者
小酒 井 岩田 芳夫
出版者
日本細菌学会
雑誌
細菌學雜誌 (ISSN:18836925)
巻号頁・発行日
vol.1928, no.389, pp.497-506, 1928 (Released:2009-07-09)
参考文献数
1
著者
磯谷 敦子 宇都宮 仁 岩田 博
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.5, pp.374-380, 2004-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
15
被引用文献数
5 9

清酒の熟成香に対するソトロンおよびフルフラールの寄与について検討した。これらの化合物はGC-01-factometryにより熟成酒から強く検出された。また, これらの化合物の定量を溶媒抽出およびGC-MS分析により行った。ソトロンについては, 内部標準物質として3-オクタノールの代わりに13C標識したソトロンを用いることで, 変動係数が10%以下に減少した。熟成酒中のソトロンの濃度は認知閾値を超えていたが, フルフラールは超えていなかった。26年貯蔵酒におけるソトロンのオダーユニットは61であった。したがって清酒の熟成香にはソトロンが大きく寄与していると考えられた。また, ソトロンの前駆物質と考えられているα-ケト酪酸およびアセトアルデヒドとソトロンとの間には相関がみられたが, 他の生成経路の関与の可能性も示唆された。
著者
宇都宮 仁 磯谷 敦子 岩田 博
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.9, pp.652-658, 2004-09-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
23
被引用文献数
5 10

清酒の香味特性の参照標準とする物質及びその添加量を定めるため, アセトアルデヒド, イソバレルアルデヒド, ベンズアルデヒド, ジアセチル, フルフラール, ソトロン, エチルメルカプタン, ジメチルスルフィド, ジメチルトリスルフィド, 及び2, 4, 6-トリクロロアニソールについて検知閾値, 認知閾値及び90%認知閾値を求めた。イソバレルアルデヒド, ソトロンの検知閾値は, 既報に比べ10倍以上低かった。
著者
宇都宮 仁 磯谷 敦子 岩田 博
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.10, pp.729-734, 2004-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
10
被引用文献数
3 4

清酒の香味特性の参照標準とする物質及びその添加量を定めるため,エステル(酢酸エチル,酢酸イソアミル,カプロン酸エチル),アルコール(イソアミルアルコール,フェネチルアルコール)及び有機酸(酢酸,酪酸,イソ吉草酸,カプロン酸,カプリル酸)について検知閾値,認知閾値及び90%認知閾値を求めた。前報で報告したものも含め清酒へ添加した20種類の匂い物質の閾値を,ビールに添加した匂い物質の閾値と比較すると酢酸イソアミル,フェネチルアルコール,イソバレルアルデヒド,DMS,TCA,酢酸,カプロン酸及びカプリル酸では低かったが,他10成分(ソトロン,フルフラールを除く)は大きく異なるものではなかった。
著者
宇都宮 仁 木田 信 牧 則光 磯谷 敦子 岩田 博 西谷 尚道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.446-457, 2006-06-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1 4

1.ヘッドスペースSPME法による焼酎及びホワイトスピリッツの中高沸点香気成分分析条件を検討した。高級アルコールや脂肪酸エチルエステル等の共通する成分に加えて, 甘藷焼酎にはテルペン類及びサリチル酸メチル, 泡盛には1-オクテン-3-オールといった特徴のある成分が検出され, 本法は中高沸点成分の分析に有用であった。2.一般成分 (pH, 酸度, TBA価), 酵素法で測定したアセトアルデヒド及び酢酸, 直接ヘッドスペース法で測定した7成分, ヘッドスペースSPME法で測定した20成分を合わせた32成分を用いて, 本格焼酎 (28), 花酒 (1), 甲類 (3), 甲乙混和 (2), ウオッカ (3), ラム (3), アラック (1), テキーラ (1), ピンガ (1) のクラスター分析を行ったところ, 酒粕焼酎2点を除き, (1) 本格焼酎, (2) 甲類・甲乙混和・ウオッカ・ラム, (3) その他のグループに類別された。3.ステップワイズ変数選択を行い, 酢酸, 酢酸エチル, イソアミルアルコール, 1-ドデカノールを用いて「本格焼酎 (28)」,「甲類・甲乙混和・ウオツカ・ラム (11)」,「中国白酒 (4)」のカテゴリーの判別分析を行うと誤判定1で判別が可能であった。4.本格焼酎 (28) 間では, メタノール, 1-プロパノール, イソブタノール, カプリル酸エチルを用いて, 誤判定1で甘藷, 泡盛, 米, 麦, ソバ, 黒糖, 酒粕の判別が可能であった。5.本格焼酎の特徴は, 高級アルコール及び低沸点のエステルが多いことであったが, 中国白酒より酢酸, 酢酸エチル, アセトアルデヒドが少なく, 穏やかな香味を持つと考えられた。