著者
川口 洋
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.1, 2010

天然痘は,高熱を発し,水泡性の発疹が四肢に広がることを主症状とする感染症である。牛痘種痘法が導入されるまで有効な予防法がなかったため,江戸時代に生きた人々民衆も天然痘を生涯に1度は罹る致命率の高い病と認識していた。しかし,衛生統計が整備されるまでの期間における天然痘流行の実態,天然痘への対処法,牛痘種痘法の導入過程に関する研究は,全く未着手とみられる。他方,痘苗が日本にもたらされた嘉永2(1849)年は,持続的人口増加開始期に当たる。牛痘種痘法導入期の天然痘による疾病災害の実態解明は,持続的人口増加がいかなる状況下で始まったか,という課題に接近を図るためにも不可欠である。本報告では,19世紀中後期の多摩郡周辺における牛痘種痘法の導入過程と天然痘死亡率との関係について検討する。
著者
岩崎 智視 岡 史朗 川口 洋治 田中 英城 乗松 尋道
出版者
中国・四国整形外科学会
雑誌
中国・四国整形外科学会雑誌 (ISSN:09152695)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.303-307, 1998-09-15 (Released:2009-03-31)
参考文献数
4
被引用文献数
1

In the present study we report two cases of secondary chondrosarcoma arising from osteochondroma. The first case was a 54-year-old male who had a large mass in the right pelvis, which arose from multiple osteochondroma. The second case was a 34-year-old male who had a cartilaginous mass arising from solitary osteochondroma of distal fibula. Radiological examination showed irregular calcification and thick caltilaginous cap in both cases. The secondary chondrosarcoma arising from solitary osteochodroma such as in the second case, is extremely rare. There has been only one previous report of a case in which secondary chondrosarcoma arose at distal fibula. In the present two cases, we resected the two tumors by wide margin. The clinical course of these patients was good and they returned to their jobs.
著者
峰島 三千男 江口 圭 宍戸 寛治 高橋 進 久保 司 川口 洋 蔀 幸三 柴垣 圭吾 須賀 喜一 長尾 尋智 高田 幹彦 田岡 正宏 佐藤 隆
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.351-360, 2015 (Released:2015-06-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1

透析中の末梢循環障害是正や急激な血圧低下防止を目的に間歇補充型血液透析濾過 (intermittent infusion hemodiafiltration : I-HDF) が考案された. 今回われわれは逆濾過透析液を用いたI-HDFの臨床効果を前希釈法On-line HDF (以下Pre-HDF) と比較するため, 前向き多施設共同臨床研究を実施した. 文書にて同意が得られた患者を同一施設内で2群に割付けし, 並行群間比較を行った. その際, ① 年齢 (±5歳), ② 基礎体重 (±5kg), ③ 糖尿病の有無をマッチングさせ, 36例 (18ペア) を対象とし臨床症状, QOL, 溶質除去などの観点から検証した. その結果, 臨床症状, QOLにおいて両群に有意差は認められなかった. 血液透析からの変更後, I-HDF群, Pre-HDF群とも治療が継続するにつれて収縮期血圧減少率の低下, 処置発生率低下傾向がみられた. また, I-HDFはPre-HDFに比べ中・大分子溶質の除去には劣るもののアルブミン漏出量の少ない溶質除去特性が確認された.
著者
川口 洋 上原 邦彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.110, pp.49-54, 1996-11-15
被引用文献数
9

本稿では、江戸時代における人口分析システムを開発するための第一段階として、「宗門改帳」古文書画像データベースの構築した。「宗門改帳」(しゅうもんあらためちょう)とは、17世紀末から19世紀中期の期間に、原則として集落単位に毎年作成されていた人口史料の総称である。従来の研究方法では十分保障されていなかった、史料読解から文字データ入力に至る研究過程の再現性を、古文書画像データと文字データの両者を同一画面上で検索・表示することによって確保した。さらに、史料読解から文字データ入力までの作業過程を短縮するために、年齢を表記した漢数字を対象として、古文書文字の自動認識に関する実験を行った。We have constructed the image database for analyzing the Japanese religious investigation register so called "Shumon-Aratame-Cho(SAC)". This database is planned in order to make the process of outputting the demographic statistics from the SAC data easier and faster, to guarantee the quality of the process, to preserve the present condition of the SAC data and to share the sourse data with historical demographers. We also experimented the character recognition on age data which are expressed in handwritten old Chinese figures.
著者
川口 洋 上原 邦彦 日置 慎治
雑誌
じんもんこん2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.117-124, 2011-12-03

本稿では,「過去帳」分析システムを用いて,寺院「過去帳」に流産・死産児が記録され始めた時期と法規との関係について検討する.「過去帳」分析システムは,「過去帳」古文書画像データベース,「過去帳」分析プログラム,検索利用マニュアルから構成されている.本システムには,18 ヵ寺における約4 万人の被葬者が登録されており,51 項目の死亡指標を表示することができる.神奈川縣などでは,明治13(1880)年から流産・死産の届出を義務付け,戸長の作成する埋葬承認証のない死屍の埋葬を禁止した.これにともない,寺院「過去帳」に流産や死体分娩などが明記されるようになり,流産・死産児などに孩子系,嬰子系,泡兒系,胎子系,水子といった戒名の位号を付けて供養する習慣が普及していったとみられる.
著者
川口 洋平 戸上 真人
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.2, pp.217-221, 2012-02-01

3話者間会話が存在する場合に会話ごとに話者をクラスタリングする手法を提案する.提案手法は発話権交替をモデル化した隠れマルコフモデルの照合により実現される.実験により提案手法が効果的であることが示唆された.
著者
杉藤 重信 窪田 幸子 川口 洋 遠藤 守
出版者
椙山女学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の主要な成果は、親族オントロジーの研究およびアプリケーションAlliance3.3の開発である。前者としては、人類学調査における個人情報に関する不詳データをグラフィクスとしてどのように取り扱うかの基本的なロジックの研究である。具体的には、どのような条件をデフォルトとすればコンピュータ・グラフィクスとして表現可能であるかについての研究である。後者としては、今期の開発の焦点は、親族オントロジーの研究をふまえて、直感的な入力方法を開発することであった。開発されたアプリケーションは、下記のウェブサイトからダウンロードが可能である。また、親族データベースや親族研究に関して、国際連携研究を行い、国内外において成果報告を行った。