著者
星 正治 坂口 綾 山本 政儀 原田 浩徳 大瀧 慈 大谷 敬子 片山 博昭 佐藤 健一 川野 徳幸 豊田 新 野宗 義博 原田 結花 高辻 俊宏 七條 和子 遠藤 暁 佐藤 斉 井上 顕 藤本 成明
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

1.現地への経路は、空路にて日本からソウル、アルマトイを経由して、セメイ市に入った。2.試料収集は、煉瓦、歯について行った。収集には現地のカウ ンターパート(カザフ放射線医学環境研究所、セメイ国立医科大学等)を中心とし進めた。3.本年度はラットを使った内部被曝の動物実験を中心に行った。内部被曝実験は2回行った。原子炉(クルチャトフ)で2酸化マンガンの粉末を照射し、その後セメイ国立医科大学に持ち帰りラットへの活動度への影響を観察した。各臓器の病理学的な検査、血液の検査も行った。各臓器に取り込まれた放射能も直接 測定し、ベータ線を含めた正確な内部被曝線量を求めた。4.さらに内部被曝実験に加えて、外部被曝であるCo-60を照射し運動量と線量との効果関係を調べた。この実験も2回行った。運動量の研究についてはその解析を進めている。5.甲状腺などの検診結果をデータベースへ入力した。6.外部被ばくや内部被曝も同様に計算しデータベースへ入力する準備をしている。7.心理的影響の現地調査と解析を進めている。8.カザフスタン、アメリカ 、ロシア、ドイツ、フランスの研究者とも国際共同研究として継続して進めた。9.広島・長崎の原爆被爆者について直爆者、早期入市者 、黒い雨の地域にいた人、遠距離被爆者について広島大学のデータベースなどを使って解析し、内部被曝とベータ線被曝の影響の解析 を行っている。10.マーシャル諸島での核実験の被曝線量評価とその影響などの調査も行っている。11.福島原子力発電所関連に ついても土壌、煉瓦を測定している。12.広島大学で国際シンポジウム(1月10-11日)および島根大学でのワークショッ プ(1月13日)を開催した。13.内部被曝とベータ線の被曝(特に粉じんによる)をキーワードに、ガンマ線による外部被曝線量を含め、統一的理解、解明の ため検討を進めている。
著者
今中 哲二 川野 徳幸 竹峰 誠一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

平成27年度は4月に代表者の今中、分担者の川野、竹峰に加えて、研究協力者の鈴木真奈美(明治大学)、進藤真人(市民環境研究所)、玉山ともよ(国立民族博物館)が参加し、当該年度の研究計画のためのミーティングを行った。ミーティングの結果、海外調査としては、川野と竹峰がカザフスタンのセミパラチンスク核実験場周辺の調査、今中、鈴木、進藤が米国スリーマイル島原発事故影響に関する調査を分担することになった。川野と竹峰は8月にカザフスタンを訪問し、現地研究者の協力を得て、セミパラチンスク核実験周辺被曝者に対する補償制度の調査を行い、その結果を『広島平和科学』37巻に報告した。今中と進藤は、『チェルノブイリ25年ウクライナ国家報告』の翻訳作業を行い、平成28年3月に、京都大学原子炉実験所のテクニカルレポート(KURRI-KR-5)として出版した米国スリーマイル島の調査については、予定していた現地カウンターパートが病気になったりしたなどという事情により見合わせた。国内調査としては、福島原発事故に関連して、今中が平成27年9月に南相馬市小高区川房地区と浪江町赤宇木地区、12月に川俣町山木屋地区、平成28年3月に飯舘村の放射能汚染状況調査を行った。また、今中と東北大学加齢医学研究所の福本学が世話人となって、平成27年8月に京都大学原子炉実験所において、『福島原発事故による周辺生物への影響に関する専門研究会』を開催し、そのプロシーディングスを京都大学原子炉実験所のテクニカルレポート(KURRI-KR-4)として出版した。
著者
星 正治 遠藤 暁 大瀧 慈 木村 昭郎 岡本 哲治 豊田 新 山本 政儀 川野 徳幸 今中 哲二 片山 博昭
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

セミパラチンスク旧ソ連核実験場周辺の村、ドロン、セミパラチンスク、ズナメンカ、サルジャル他の村等で土壌を採取し、Cs-137、1-129、Puの同位体を測定し結果をまとめた。それぞれの村の被ばく線量を推定した。測定結果は、Bq/m2の単位で放射能の降下量として求めた。セミパラチンスクでの個人線量評価方法を確立し、個人被ばく線量推定のための方式を確立したのでコンピュータ入力している。
著者
川野 徳幸 大瀧 慈 原田 結花 小池 聖一 大瀧 慈 小池 聖一 原田 結花 原田 浩徳
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

(1)セミパラチンスク核実験場近郊住民を対象にアンケート調査及び証言収集調査を実施した。3年間で計459件のアンケート及び252点の証言を回収した。(2)従来収集したアンケート回答結果を用い、地区住民の核実験体験及び体験と被曝線量・爆心地からの距離との相関を検討した。同地区住民の核実験体験の有無は、爆心地からの距離に左右されている可能性が極めて高いことを明らかにした。(3)セミパラチンスク地区在住骨髄異形成症候群(MDS)患者の遺伝子変異を解析し、AML1変異が被曝線量依存性に高頻度であることを明らかにした。
著者
星 正治 山本 政儀 坂口 綾 大瀧 慈 岡本 哲治 川野 徳幸 豊田 新 今中 哲二 遠藤 暁 木村 昭郎 片山 博昭 ズマジーロフ カシム ステパネンコ ヴァレリー シンカレフ セルゲイ 武市 宣雄 野宗 義博
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

放射線の危険度(リスク)はほぼ広島・長崎の被ばく者の調査を元に決められてきた。そして国際放射線防護委員会(ICRP)での議論を経て放射線障害防止法で規定され、被ばくの限度を定めてきた。原爆の放射線は一瞬の被ばくである。セミパラチンスクやウラン鉱山の被曝は長時間被曝である。そのリスクは異なっていると考えられ本研究を推進した。内容は線量評価と共同研究によるリスク評価である。測定や調査は以下である。1.土壌中のセシウムやプルトニウム、2.煉瓦による被曝線量、3.歯から被曝線量、4.血液の染色体異常、5.聞き取り調査による心理的影響、6.データベースの整備とリスクなどであり、被爆の実態を解明した。
著者
川野 徳幸 星 正治 神谷 研二
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.81, pp.201-205, 2006-09

広島大学原爆放射線医科学研究所(以下,「原医研」と略称)は,1961年の設立以来現在まで,原爆・被ばくの実態解明に欠かせない様々な分野の学術資(試)料を収集してきた。これらの学術資料の収集・管理・解析は,現在の原医研附属国際放射線情報センターが中心に担当してきた(以下,「以下,「原医研センター」と略称)。原医研では,それら貴重な学術資料をデータベース化し,公開するために,広島大学図書館との共同プロジェクトを立ち上げ,「原爆・被ばく関連資料データベース」を作成した。本データベースで電子化した学術資料は,次の資料群である。(1)原爆・被ばくに関連する新聞切抜きを記事 (2)米国陸軍病理学研究所(AFIP)から返還された医学的写真資料 (3)原爆・被ばく関連の図書資料の書誌事項 (4)原爆・被ばく物理試料データ (5)米国及び旧ソ連核実験実施記録データ 本稿では,今般データベース化した各学術試料の概略,データベースの利用方法,加えて,データベース公開の意義について報告する。
著者
今中 哲二 遠藤 暁 川野 徳幸 田中 憲一
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.146-146, 2009

広島・長崎の原爆直後に爆心地近辺に入った早期入市者については、入市直後にさまざまな疾病が現れたことが知られている。従来より誘導放射線による被曝影響の可能性が指摘されているものの、その因果関係を検討するには、個々の入市被爆者に関する情報が不十分であった。2008年8月に放映されたNHKの番組の中で、早期入市者の病状について1950年頃にABCCが聞き取り調査を行った個人記録が紹介された。その記録によると、嘔吐、下痢、脱毛といった、急性放射線障害と同様の症状が起きていたことが確認されている。我々は、そのような記録がある2名に入市時の行動についてインタビューを行い、行動経路に基づいて誘導放射能からの外部被曝を計算した。8月7日に入市し、爆心から900mの自宅に立ち寄り、一週間ほど文理大グラウンド(1400m)で寝泊まりしたAさんの被曝量は9.40mGyとなった。不確定さを考慮しここでの見積もりは約30mGyとした。Aさんは、8月13日に発熱、下痢、口内痛を発症、1ヵ月後に歯齦出血、脱毛があった。8月7日に、比治山から電車通り沿いに爆心近くを通って己斐駅まで歩いたBさんの被曝量は2.6mGyとなったが、不確定さを考慮し約8mGyと見積もった。Bさんは、9月12日に嘔吐、下痢で病臥、10月5日頃に脱毛がはじまった。AさんやBさんの病状は急性放射線症状を想定させる一方、従来の知見に基づくと、かれらの被曝量の見積もりは放射線症状を引き起こすほどではない。我々としては、以下の3つの可能性を考えている。(1)観察された疾病は、疲労や感染症などによるもので放射線被曝とは関係ない、(2)被曝量の見積もりが大きく間違っている、たとえば、本研究の見積もりには含まれていない内部被曝の寄与が大きかった、(3)原爆被爆という極限的な状況下で、放射線被曝が他の要因と複合的に作用して閾値が大きく下がり急性放射線障害のような症状が現れた。どの説明がより適切であるか今の段階では結論できないと考えている。
著者
松浦 陽子 佐藤 健一 川野 徳幸
出版者
広島大学平和科学研究センター
雑誌
広島平和科学 (ISSN:03863565)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.75-100, 2015-03

The purpose of this paper is to explore the peace concepts in Nagasaki by analyzing "Nagasaki Peace Declarations". First, we discuss the meaning components of a concept of peace in three dimensions: the substance or value dimension; the promoting factor dimension; and locus dimension. The results show: (1) The meaning components of the peace concept in the substance or value dimension come down to three further concepts; "nuclear abolition," "absence of war," and "relief for the atomic bomb survivors." (2) The meaning components in the promoting factor dimension can be divided into seven groups; "atomic bomb experience," "the Japanese government," "the United Nations," "treaty," "nuclear states," "countries" and "individual persons". (3) Each promoting factor dimension corresponds with specified meaning components in the substance or value dimension. For example, Nagasaki Peace Declaration expects "the United Nations" to promote "nuclear abolition" and "absence of war." (4) The concept of peace can be divided into two aspects; unchangeable and changeable aspects. (5) Unchangeable peace concept is the absence of war in the world and in the next generations. (6) The most important changeable components of the peace concepts are "nuclear abolition" and "relief for the Atomic Bomb Survivors" promoted by the Japanese government after 1980s.
著者
池田 佳代 川野 徳幸
出版者
広島大学平和科学研究センター
雑誌
広島平和科学 (ISSN:03863565)
巻号頁・発行日
no.33, pp.93-117, 2011

As part of the Department of Defense's (DOD) military transformation initiative, the U.S. Pacific Command developed the Guam Integrated Military Development Plan (GIMDP) in 2006. The marine relocation from Okinawa to Guam, one of the main pillars of the plan, would bring about a massive influx of people within a short period of time to the small island in the Pacific.The GIMDP has an enormous impact in several areas of the lives of all the residents of Guam, including civilians. The public water system is one of those areas. However, the DOD and the Environment Protection Agency (EPA) have different views on how the impact on the public water system would affect civilians on the island.The EPA has been concerned about the impact on veterans who reside in Guam, and tried to address the issue through the Environmental Impact Statement of the GIMDP. More importantly, the U.S. Congress has suddenly started paying attention to the GIMDP 's impact on the Guam public water system since the mid-term election in 2010. The historical defeat of the Democrats in 2010 triggered such a change, partly because the difficulties that white veterans in the mainland face have become a federal issue.
著者
川野 徳幸 大瀧 慈 岡田 高旺
出版者
広島大学平和科学研究センター
雑誌
広島平和科学 (ISSN:03863565)
巻号頁・発行日
no.32, pp.107-128, 2010

The aim of this paper is re-construct a fire field near epicenter of Hiroshima A-bomb in 6 August 1945. For this purpose, we used the official records in Hiroshima Genbaku Sensaishi (Hiroshima A-bomb Damages) and plotted spot (town)-specific fire status on a map in order to visualize easily. Our visualized map showed that fires in 21 spots started just after dropping A-bomb and the fire spread with the passage of time. Finally, the fire started in most of the spots of the area within a radius of 2 km of the hypocenter by approximately 15:00. The fire in ten spots was not putout during August 6. The area was on the east side of the Hiroshima city.
著者
星 正治 遠藤 暁 川野 徳幸 山本 政儀 片山 博昭 大瀧 慈
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003 (Released:2003-04-01)

平成15-16年度の成果の内、特筆されることは、平成16年3月9-11日の3日間広島大学にて国際ワークショップを開催したことである(学振の国際研究集会経費の支援による)。これは平成14年9月にセミパラチンスクで放射線量評価の国際会議を受けて広島で開催した。63演題が発表され、このうち26演題が外国人による発表であった。主題は被曝の大きかったドロン村である。2年間の研究の積み重ねの結果が発表された。その主な分野は、1.煉瓦のTLDによる国際相互比較を中心とした測定、2.歯のESR法を中心とした測定、3.放射能の雲の計算による方法、4.土壌汚染の測定とそれに基づく評価、5.染色体異常などの結果であった。結論として、煉瓦が、空中線量で0.5グレイくらい(国際相互比較で本研究グループからは茨城県立医療大学の佐藤が参加)、歯が0.1から0.5グレイ(本研究グループによる)、土壌汚染からの計算が0.5グレイくらい(金沢大との共同研究)、計算は被曝を引き起こした雲の通過した経路が、中心から外れている事を加味し0.5グレイ位とされ矛盾はない、本研究グループなどによる染色体異常の研究では明確ではなかったが、0.3グレイ位の評価もあり矛盾はない。以上の結論が出て、今まで0から2グレイまで評価法によって異なっていたことが、空中線量で0.5グレイと収束することができた。これが最も大きい結論である。これで方法論は確立したので、村ごとの個人被曝線量評価を行うことが次の課題である。現地調査は、金沢大学の山本らのグループとの土壌などのサンプリングを共同で行ったこと、武市医師のグループにより、サルジャル、カラウル、コクペクティなどの村で検診を行った。さらに血液の染色体異常、小核試験なども行った。放影研の片山らはコンピュータによるデータベースの構築を進めた。
著者
今中 哲二 川野 徳幸 木村 真三 七澤 潔 鈴木 真奈美 MALKO Mikhail TYKHYY Volodymyr SHINKAREV Sergey STRELTSOV Dmitri
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

旧ソ連での原子力開発にともなって生じたさまざまな放射能災害について、現地フィールド調査、関係者面談調査、文献調査、関連コンファレンス参加といった方法で実態解明に取り組んだ。具体的には、セミパラチンスク核実験場の放射能汚染、チェルノブイリ原発事故による放射能汚染、マヤック原爆コンビナートからの放射能汚染、原子力潜水艦事故にともなう乗組員被曝といった放射能災害について調査し、その結果を論文にまとめ学術誌に投稿するとともにホームページに掲載した。