著者
嶋田 豊 藤永 洋 引網 宏彰 後藤 博三 伊藤 隆 古田 一史 三潴 忠道 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.437-443, 1998-01-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
8
被引用文献数
1

四肢や腰の痛み・脱力感・しびれ・冷えを有する37例を対象に, 八味地黄丸の有効性及び適応病態について検討した。その結果, 4週間投与における全般改善度の改善率は55.9%であり, 痛み・脱力感・しびれ・冷えの改善率は各々44.8%, 39.3%, 59.1%, 31.8%であった。60歳以上は60歳未満に比べて, しびれの改善が有意に優っていた。また, 投与後に「髪の毛が薄い, 抜けやすい」,「目がかすむ, 疲れる」,「大便が固い」,「手が痛い」,「足がしびれる」,「手が冷える」,「足が冷える」の各症状で有意の改善がみられた。さらに, 有効群と無効群に分けて検討したところ,「聞こえが悪い」の症状において, 有効群が無効群に比べて有意に程度が強いという結果が得られた。以上の成績は, 高齢者の手足腰の痛み・脱力感・しびれ・冷えに対する腎虚を目標とした八味地黄丸による治療の有効性を示すものと考えられた。
著者
小林 豊 喜多 敏明 柴原 直利 後藤 博三 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.73-78, 1999-07-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

再発性口内炎に清熱補血湯が奏効した四症例を報告した。清熱補血湯の使用目標は「血虚と血中燥熱があり, そのために口舌に瘡を生じ, びらんし, 痛み甚だしく, 長く癒えないもの」といわれている。症例は全てが女性であったが, 妊娠や分娩を契機に, あるいは月経のたびに再発性口内炎が増悪する傾向がみられた。また, 一例はベーチェット病の急性増悪による発熱や炎症など全身症状が治まった後に発症した再発性口内炎症例であった。これら血虚が悪化しやすい状態に伴った再発性口内炎に清熱補血湯が有用である可能性が示唆された。
著者
塩谷 雄二 新谷 卓弘 嶋田 豊 後藤 博三 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.455-460, 2000-11-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

蝉退は中医学的な薬効分類では辛涼解表に分類されているが, 薬理作用はほとんど分かっていない。湿疹・皮膚炎, 蕁麻疹などに用いられる消風散には蝉退が〓風薬として止痒目的で加わっている。しかし, アトピー性皮膚炎患者に止痒目的で蝉退を用いると, 皮膚が乾燥し〓痒感が悪化する症例を多く経験した。今回, 加減一陰煎加亀板膠で比較的症状が安定している思春期・成人期のアトピー性皮膚炎患者15名 (男性5名, 女性10名) を無作為に選び, 新たに蝉退2.5gを加えたところ, 投薬2週間後の前額部と前腕伸側の皮膚の角質水分量は投薬前に比較して有意に (p<0.05) に低下していた。〓痒感に対しては有効が2名 (13.3%), 悪化が9名 (60%), 不変は4名 (26.7%) であった。蝉退はアトピー性皮膚炎患者のドライスキンをさらに悪化させ, 〓痒感を増悪させることが多かった。蝉退は燥性が強く, アトピー性皮膚炎の治療に用いる場合には注意が必要と考えられた。
著者
星野 真由美 渡邉 揚介 後藤 博志 小野 賀功 加藤 廉 上瀧 悠介 九鬼 直人 上原 秀一郎 越永 従道
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.86-90, 2020

<p>症例は日齢0女児.他院にて妊娠初期に妊娠が確認されたが,その後未受診となっていた.在胎36週6日に自宅分娩となったため,母児ともに救急搬送となった.児は腹壁破裂を認め,日齢1にSilo形成を行い,脱出臓器を徐々に腹腔内に還納後,日齢10に腹壁欠損部への臍帯充填によるsutureless腹壁閉鎖法を施行した.術後敗血症などの重篤な合併症はなく日齢78に退院となった.未受診妊婦から出生した児は予後不良とされるが,腹壁破裂のように合併奇形が少なく,生存率が高い疾患の場合は,出生後の処置が適切であれば,自宅分娩であっても救命可能であると思われた.未受診妊婦の出産は非常にハイリスクであるが,腹壁破裂の母体の特徴から未受診で妊娠経過を過ごし,出生前診断されないまま,自宅分娩や飛び込み分娩にて出生することは今後も起こりうる事象であり,妊婦健診および胎児診断の重要性については女性のみならず,男性へも教育するシステムの充実が急務である.</p>
著者
高宮 啓彰 永田 見生 後藤 博史 薗田 恭輔 井本 浩樹 真島 武 吉松 弘喜 岩崎 敏展 富田 勝郎 河原 範夫
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.1056-1060, 1999-09-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5

We present four cases of primary spinal tumor in adolescents. Two patients had aneurysmal bone cyst, and two osteoblastoma. These tumors were found in the thoracic spine in one patient, and lumbar spine in 3. The patients consisted of four men, and their average age was 19 years old. Following resection of their tumors, spinal instrumentation was used in two patients because of massive destructive change in the lumbar spine. Average duration of the follow-up was 9 months. Although there has been no recurrence in all cases, further observation is necessary.
著者
後藤 博三 新谷 卓弘 三潴 忠道 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.459-465, 1995-11-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

慢性関節リウマチ (RA) においてアミロイドーシス (ア症) による腎障害は予後増悪因子として重要である。今回我々は, 全身性ア症による腎障害を伴ったRAに対し, 大防風湯を投与しRAの活動性と腎機能の改善を認めた一例を経験したので報告する。症例は64歳の女性。主訴は多関節痛。約10年前にRAの診断をうけ金製剤・副腎皮質ステロイド製剤等の投与を受けた。1993年2月に腎機能低下を認め, RAおよび腎障害の加療を希望し同年〓飯塚病院漢方診療科入院となった。入院時RAは Class II, Stage IV で, 胃十二指腸粘膜と腎糸球体にアミロイドの沈着を認め全身性ア症と診断した。大防風湯を投与し2週間後にランスバリー指数は64%から39%に改善し, 4週間後にS-Cr値が1.7mg/dlから1.5mg/dl, 1日尿蛋白が約4gから約2.5gに改善した。退院後, 1年以上を経過しているが, RAおよび腎機能とも増悪なく経過している。
著者
井上 博喜 岡 洋志 八木 清貴 野上 達也 小尾 龍右 引網 宏彰 後藤 博三 柴原 直利 嶋田 豊
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.861-865, 2007-09-20 (Released:2008-09-12)
参考文献数
28

呉茱萸湯が奏効した難治性のあい気の一例を報告した。症例は74歳の女性。あい気, 腹部膨満感, 食欲不振のため7回の入院歴があり, 様々な方剤で加療されたが, 症状は消長を繰り返していた。呉茱萸湯を投与したところあい気はほぼ消失し, 食欲も改善した。あい気に使用される方剤は少陽病の方剤が多いが, 陰証で心下痞こうと胸脇苦満を伴うあい気には呉茱萸湯が有効である可能性が示唆された。
著者
小川 信明 菊地 良栄 後藤 博 梶川 正弘 尾関 徹
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.503-511, 1998-08-05
被引用文献数
11 9

日本は海に囲まれており, 降水中には海塩起源と考えられるイオンが多量に含まれる. そこで, 降水中でも海水中のイオン組成比が保持されると仮定し, N^+又はCl^-イオン濃度を基準に, 降水中の汚染物質を海塩起源(ss)と非海塩起源(nss)に区分することが一般的になされてきた. しかし, 汚染物質を含んだ雨雲や乾性浮遊物が移動する途中にガス状酸性物質とイオン交換する可能性などがあり, 必ずしもss/nssという区分は正しくないという意見もあった. そこで, 1993年4月から1995年8月までの期間, 秋田市と湯沢市で1日ごとの降水を採取し, そのイオン組成を化学分析し, それらのデータに, 著者らが開発した制限斜交回転因子分析法を適用し, 降水中の汚染起源を抽出し解析した. その結果, 海水中の塩組成に非常に近い海塩由来の汚染起源が抽出された. しかし, Na^+及びCl^-イオンを含む海塩成分の一部が降水を酸性にする硫酸酸性の汚染起源の中にも含まれていることが分かった. この因子は, 冬季と冬季以外, 又海に近い秋田と内陸の湯沢で組成の違いを示した. このことは, 海塩由来の汚染物質が採水地点に到達するまでに, 組成の変質を受けていることを強く示している.
著者
後藤 博 梶川 正弘 菊地 勝弘 猿渡 琢
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.191-198, 2006-05-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
12
被引用文献数
1

乾き新積雪(新雪)からこしまり雪に変態する過程で,圧縮粘性率と密度の関係が結晶形と雪温にどのように依存するかを調べる目的で室内実験を行った.その結果,雪温と圧力が低いほど,こしまり雪への変態に長時間を要した.また,圧縮粘性率と密度の関係は,結晶形と雪温により大きく異なることを確認した.さらに,圧縮粘性率の雪温依存の度合いは,新雪段階では卓越結晶形により異なることがわかった.
著者
後藤 博正
巻号頁・発行日
2013

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2010-2012
著者
久保 慶三郎 岡田 恒男 関 松太郎 高梨 晃一 宇田川 邦明 龍岡 文夫 田村 重四郎 柴田 碧 藤田 隆史 半谷 裕彦 後藤 博司 松井 長行 片山 恒雄
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.p411-427,図巻頭8p, 1978-11

1. まえがき : 2. 地震の概要, 久保, 慶三郎 : 3. 建築物の被害, 岡田, 恒男関, 松太郎高梨, 晃一宇田川, 邦明 : 4. 土木構造物の被害, 龍岡, 文夫田村, 重四郎 : 5. 産業施設・危険物施設の被害, 柴田, 碧藤田, 隆史 : 6. 福島県における被害の概要, 半谷, 裕彦後藤, 博司松井, 長行 : 7. 都市供給施設の被害と復旧, 片山, 恒雄1978年6月12日午後5時14分頃,牡鹿半島沖約100kmを震央として発生したマグニチュード7.4の宮城県沖地震は,仙台市を中心とする宮城県のほか福島県・岩手県などで土木・建築その他各種の構造物や施設に大きな被害を与えた.この報告は,地震工学に関係する本所の各専問分野の研究者が行った宮城県沖地震の被害調査の結果を速報的にまとめたものである
著者
赤木 和夫 後藤 博正 朴 光哲
出版者
筑波大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2000

キラルネマチック液晶を溶媒とする不斉反応場でのヘリカルポリアセチレンの合成を展開するとともに、らせん状モルホロジーの制御を目指した。(1)軸不斉キラルビナフティル誘導体をキラルドーパントしてネマティック液晶に添加して、キラルネマティック液晶を調製した。これに所定量のチグラー・ナッタ触媒を加えた後、5テスラーの磁場を印加して、キラルネマティック液晶が一方向に配向したモノドメイン構造を構築した。配向した不斉反応場でアセチレンの重合を行い、磁場方向に平行にかつ巨視的に配向したヘリカルポリアセチレン薄膜を合成することに成功した。従来の通説では、キラルネマティック液晶に磁場を印加すると、らせん構造が消失しネマティック液晶になるといわれていたが、本研究により、少なくとも5テスラーの磁場強度を印加する限りでは、液晶のらせん構造は壊れることなくキラルネマティック相が維持されたまま配向することがわかった。(2)ヘリカルポリアセチレンのねじれ方向をより一層厳密に制御すべく、ネマティック液晶に加えるキラルドーパントを分子設計し、種々の軸不斉ビナフチル誘導体を合成した。その中で、ビナフチル環の2、2'位をメチレン鎖で連結した架橋型バイナフチル誘導体は、非架橋型と同じ旋光性(R体ないしS体)であっても、ネマティック液晶に加えた段階で逆のらせん構造を形成し、結果的にヘリカルポリアセチレンのねじれも逆転することを見出した。すなわち、ビフェニル環同士の相対的ねじれ方向は同じであっても、ねじれの度合いが架橋型と非架橋型で異なるため、母液晶のネマティック分子のねじれ方向をも変えうる作用が働いていると理解された。すなわち、ヘリカルポリアセチレンのねじれ方向を制御するには、同じキラル化合物でR体とS体という二種類の旋光性を使い分けるアプローチの他に、同じR体ないしS体のビナフチル誘導体でも架橋型と非架橋型に分子修飾することで制御可能であることが明らかとなった。