著者
西薗 秀嗣 中川 功哉 須田 力 斎藤 勝政
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.17-26, 1983-02-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
20
被引用文献数
5 6 4

アーチェリーのシューティングについて, 日米のトップアーチャー2名並びに技術水準の異なる男子大学生アーチャー15名の上肢, 上肢帯, 体幹筋の筋電図記録, 動作分析を行い, 以下の知見を得た。1) 初心者及び経験5年程度の中級者では, セットアップ, ドローの初期から上肢の放電が著しく, フルドローに入って左右側の筋緊張が不安定な状態でリリースがなされる。これに対してトップアーチャーでは初期から上肢帯, 体幹筋の活動が大きく, フルドローでは左右側で均等な強い筋活動がみられた。さらに, フォロースルーで一定時間, 筋活動が安定して持続し, 合理的な筋の作用がなされていた。2) トップアーチャー2名において, リリースに先行して両側の三角筋肩峰部で筋放電休止期Silent Period (S.P.) が認められ, さらに1名で押し手 (左) 僧帽筋横部でも認められた。3) 大学生アーチャー12名について, 経験年数と成績から上級者, 中級者, 初級者に分け, 三角筋でのS.P.の出現率, 潜時, リリース反応時間について検討した結果, 初級者ではS.P.の出現は2名に認められたが出現率は低く, リリース反応時問は190~230msecと長く, かつ分散している。上級者では全員S.P.の出現があり, 出現率は70~100%と高く, S.P.潜時及びリリース反応時間の平均値はそれぞれ, 115msec, 175msecとなり, しかもばらつきが少ない。4) 引き手 (右) 三角筋のS.P.の出現と同側僧帽筋の活動増強の時期が, 特に上級者群でほぼ一致した。この両筋は神経支配が異なり, リリース動作での拮抗筋と考えられず, リリース動作での一連の主働筋と考えられる。これらのことから, アーチェリーのシューティングという複雑な動作で出現したS.P.は, 長期にわたるトレーニングによる巧緻性獲得過程にみる一つの合理的な神経筋機構であると考えられる。
著者
西宗 高弘 岡崎 英規 斎藤 勝 Takahiro NISHIMUNE Hideki OKAZAKI Masaru SAITO
出版者
武蔵丘短期大学
雑誌
武蔵丘短期大学紀要 (ISSN:13413120)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.3-13, 2001

A thiamin deficiency produced by diets containing raw carp or other fishes causes Chastek paralysis and other mortal damages in breeding foxes, minks and fishes. As the causal enzyme of these dietary diseases, distribution of thiaminase in fishes is reviewed.
著者
塩谷 茂明 藤富 信之 斎藤 勝彦
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.123-134, 1996-11
被引用文献数
6

船舶工学の分野では、船体設計の観点から各種の抵抗軽減に関する様々な研究が行われ、造波問題を対象とした研究も発展してきた。そこでは、船舶による造波の情報は船体の極く近傍に限られ、船体から伝播する波は研究の対象外でほとんど関心がなかった。しかも、このような造波問題の研究はほとんどが模型船レベルであり、船体抵抗の推定が目的である。そのため厳密かつ高精度な船側波形や船体周り粘性流場の情報が要求されるので、船体近傍の波紋計算は複雑で容易ではない。また、研究対象が巨大船を含む比較的大型の船舶であるため漁船、高速艇ならびに滑走艇のような小型船舶による航走波の研究が十分行われていないのが現状である。一方、水産工学の分野では、航行船の造波問題は養殖筏や係留中の小型船舶の損傷、小型釣船の大動揺による転覆や、釣り客の海中落下等の人身事故誘発の危険性等に深く関わるため、航走波の研究が重要である。しかも、このような筏を代表とする養殖施設は大型船が航行する主要航路周辺より、湾内や入り江等に点在することが多い。したがって、大型船舶による航走波の影響をほとんど受けないと考えてよい。むしろ、漁船、モーターボートを含む滑走艇や、離島間就航の高速艇等の小型船舶は航路外の海域を、比較的自由に航行することが可能である。そのため、時には養殖施設の極く近辺を航走することがあり、かえって大型船舶による航走波より大被害を誘発する危険性がある。
著者
横田 聡 御舩 尚志 光延 文裕 保崎 泰弘 芦田 耕三 柘野 浩史 谷崎 勝朗 斎藤 勝剛 多田 慎也 原田 実根
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.511-519, 1997
被引用文献数
4

気管支喘息患者25例 (男性10例, 女性15例, 年齢平均60歳) に対して, 当院に入院のうえ複合温泉療法 (温泉プール水泳訓練または歩行訓練, 鉱泥湿布療法, ヨードゾル吸入療法) を行い, 温泉療法の心理的・精神的要素に対する効果の評価を目的として, 入院時と退院時に心理学的検査 (CMI, SDS, およびCAI) を実施し, 比較検討を加えた。(1) CMIでは, 呼吸器系およびCIJ症状に改善がみられたが, 精神的自覚症では有意差はなかった。(2) 温泉療法後, SDSの平均値は38.7から34.2へ有意に改善し, SDS値≧40の症例も12例から3例に減少した。(3) CAIの各心理項目でスコアの有意な低下が観察され, 特に予後悲観と治療意欲の減退の項目でその割合が大きく, 各項目の平均値であるCAIスコアでも, 37.9から28.4へ有意な低下を認めた。複合温泉療法により, 気管支喘息の心理的・精神的要素の関与する症状, および, うつ的, 神経症的状態が改善されることが示唆された。
著者
塩谷 茂明 藤富 信之 斎藤 勝彦 石田 廣史 山里 重将
出版者
日本水産工学会
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.123-134, 1996 (Released:2011-07-07)

船舶工学の分野では、船体設計の観点から各種の抵抗軽減に関する様々な研究が行われ、造波問題を対象とした研究も発展してきた。そこでは、船舶による造波の情報は船体の極く近傍に限られ、船体から伝播する波は研究の対象外でほとんど関心がなかった。しかも、このような造波問題の研究はほとんどが模型船レベルであり、船体抵抗の推定が目的である。そのため厳密かつ高精度な船側波形や船体周り粘性流場の情報が要求されるので、船体近傍の波紋計算は複雑で容易ではない。また、研究対象が巨大船を含む比較的大型の船舶であるため漁船、高速艇ならびに滑走艇のような小型船舶による航走波の研究が十分行われていないのが現状である。一方、水産工学の分野では、航行船の造波問題は養殖筏や係留中の小型船舶の損傷、小型釣船の大動揺による転覆や、釣り客の海中落下等の人身事故誘発の危険性等に深く関わるため、航走波の研究が重要である。しかも、このような筏を代表とする養殖施設は大型船が航行する主要航路周辺より、湾内や入り江等に点在することが多い。したがって、大型船舶による航走波の影響をほとんど受けないと考えてよい。むしろ、漁船、モーターボートを含む滑走艇や、離島間就航の高速艇等の小型船舶は航路外の海域を、比較的自由に航行することが可能である。そのため、時には養殖施設の極く近辺を航走することがあり、かえって大型船舶による航走波より大被害を誘発する危険性がある。
著者
浅香 清美 関口 幸枝 新井 美穂 川端 彰 斎藤 勝 加納 碩雄 加納 堯子
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.291-296_1, 1999-08-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

栄養専門学校生199名を対象にして, 鼻前庭に定着する黄色ブドウ球菌の拭き取り検査とアレルギー性疾患の既往に関するアンケート調査を実施した. その結果, 検査8回中の陽性者は73名 (36.7%), 陰性者は126名 (63.3%) であった. 陽性者73名中, 一過性保菌者と推定しえた者は55名, 持続性保菌者と推定しえた者は18名であった. アンケート結果の統計解析はx2の検定を行った. 黄色ブドウ球菌保有とアレルギー性疾患既往との間には, 危険率0.1%未満で有意な関連性が認められた.
著者
斎藤 勝 籔 晴夫 山崎 昌弘 松村 阜子 加藤 日出男
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.652-658, 1982-02-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
17
被引用文献数
3 5

The existence of four crystalline forms (forms I, II and III, and a hydrate) and an amorphous form of tulobuterol hydrochloride was confirmed by X-ray powder diffraction, infrared spectroscopy and thermal analyses (DSC and TG). The hydrate was found to be the monohydrate by elemental analysis and measurement of water content. From the DSC measurement, it was found that forms I and II melted at 163°C and 170°C, and their heats of fusion were 5.15 kcal/mol and 4.76 kcal/mol, respectively. Form III, the amorphous form and the hydrate transformed into form II at 135°C, 90°C and 75°C, respectively. Activation energy for the dehydration of the hydrate determined by Kissinger's method was 56.1 kcal/mol. No crystal changes were observed in the four crystalline forms when they were ground in a mortar or compressed at high pressure ; however, after such mechanical treatments form I transformed into form II on being heated. The investigation of phase transitions of the four crystals showed that form II was the most stable among them.
著者
木田 利之 鈴木 晃 斎藤 勝
出版者
Japan Radioisotope Association
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.24, no.12, pp.861-866, 1975

臓器シンチグラムを読影する場合, 臓器シンチグラムの正確な解剖学的位置関係を知りたいことがしばしばある。この目的のために, 現在までにいくつかの試みがなされている。しかし, スキャナーの高価な改良が必要であり, 手技も繁雑で非能率的であり, 時間がかかること, フォトスキャンとX線像とが拡大率の関係で1対1の対応を与えないこと, 臓器の呼吸性移動を無視していることなどの理由で, いまだ広く応用されるに至っていない。<BR>今回われわれは, これらの難点を克服するための試みに, 同一フィルム上に同一体位でX線像とフォトスキャンとを描出できるわれわれ独自の装置を考案し, 臨床的に応用している (この方法をわれわれは, photoscintillo-roentgenographyとよんでいる) 。
著者
塩谷 茂明 藤冨 信之 斎藤 勝彦
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.375-383, 1998
参考文献数
11
被引用文献数
8 1

The information of ship waves generated by a small planing boat is very important to prevent damage of the marine structure, the small boat, the swimmer and so on. One of authors has researched about the mechanics of wave-making phenomena by a planing flat plate based on a planing boat in a circulating water channel experiments. As results, we have obtained these fundamental mechanics of waves generated by a planing flat plate. Therefore, we tried to develop the study on mechanics of wave-making by an actual planing boat. This paper deals with the measurements of ship waves generated by an actual small planing boat and investigations of the fundamental characteristics of generated waves. The measurements of ship waves are carried out in the case of varying distance from the sailing line with constant ship speed and varying ship speed with constant distance from the sailing line. As results, we obtained the characteristics of ship waves by a planing boat from the comparison with an ordinary displacement type boat.
著者
塩谷 茂明 藤富 信之 斎藤 勝彦 石田 廣史 山里 重将
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.123-134, 1996
被引用文献数
6

船舶工学の分野では、船体設計の観点から各種の抵抗軽減に関する様々な研究が行われ、造波問題を対象とした研究も発展してきた。そこでは、船舶による造波の情報は船体の極く近傍に限られ、船体から伝播する波は研究の対象外でほとんど関心がなかった。しかも、このような造波問題の研究はほとんどが模型船レベルであり、船体抵抗の推定が目的である。そのため厳密かつ高精度な船側波形や船体周り粘性流場の情報が要求されるので、船体近傍の波紋計算は複雑で容易ではない。また、研究対象が巨大船を含む比較的大型の船舶であるため漁船、高速艇ならびに滑走艇のような小型船舶による航走波の研究が十分行われていないのが現状である。一方、水産工学の分野では、航行船の造波問題は養殖筏や係留中の小型船舶の損傷、小型釣船の大動揺による転覆や、釣り客の海中落下等の人身事故誘発の危険性等に深く関わるため、航走波の研究が重要である。しかも、このような筏を代表とする養殖施設は大型船が航行する主要航路周辺より、湾内や入り江等に点在することが多い。したがって、大型船舶による航走波の影響をほとんど受けないと考えてよい。むしろ、漁船、モーターボートを含む滑走艇や、離島間就航の高速艇等の小型船舶は航路外の海域を、比較的自由に航行することが可能である。そのため、時には養殖施設の極く近辺を航走することがあり、かえって大型船舶による航走波より大被害を誘発する危険性がある。
著者
近藤 司 岸浪 建史 斎藤 勝政
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.971-976, 1988-05-05 (Released:2009-10-08)
参考文献数
2
被引用文献数
5 14

This report describes how to create an offset surface between any tool shapes and machining surface to a necessary level of accuracy in 3 axis machine tool. It is able to consider that the machining surface is constituted by many elements, which are cutting points. An offset surface between the tool shape and an element is able to define as a reversed tool shape with Z-direction. Accordingly, the offset surface of the machining surface may be regarded as an envelope which is obtained by set operation of offset surfaces for those elements. In order to execute these set operations by computer, a spatial array is employed as a memorizing area of the offset surface. And also in order to save memory capacity, a quad-tree data structure is employed.
著者
西薗 秀嗣 中川 功哉 須田 力 斎藤 勝政
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.17-26, 1984-02-01
被引用文献数
1 6

アーチェリーのシューティングについて,日本のトップアーチャー2名並びに技術水準の異なる男子大学生アーチャー15名の上肢,上肢帯,体幹筋の筋電図記録,動作分析を行い,以下の知見を得た。1)初心者及び経験5年程度の中級者では,セットアップ,ドローの初期から上肢の放電が著しく,フルドローに入って左右側の筋緊張が不安定な状態でリリースがなされる。これに対してトップアーチャーでは初期から上肢帯,体幹筋の活動が大きく,フルドローでは左右側で均等な強い筋活動がみられた。さらに,フォロースルーで一定時間,筋活動が安定して持続し,合理的な筋の作用がなされていた。2)トップアーチャー2名において,リリースに先行して両側の三角筋肩峰部で筋放電休止期Silent Period(S.P.)が認められ,さらに1名で押し手(左)僧帽筋横部でも認められた。3)大学生アーチャー12名、について,経験年数と成績から上級者,中級者,初級者に分け,三角筋でのS.P.の出現率,潜時,リリース反応時間について検討した紬果,初級者ではS.P.の出現は2名に認められたが出現率は低く,リリース反応1時間は190〜230msecと長く,かつ分散している。上級者では全員S.P.の出現があり,出現率は70〜100%と高く,S.P.潜時及びリリース反応1時間の平均値はそれぞれ,115msec,175msecとなり,しかもばらつきが少ない。4)引き手(右)三角筋のS.P.の出現と同側僧帽筋の活動増強の時期が,特に上級者群でほぼ一致した。この両筋は神経支配が異なり,リリース動作での拮抗筋と考えられず,リリース動作での一連の主働筋と考えられる。これらのことから,アーチェリーのシューティングという複雑な動作で出現したS.P.は,長期にわたるトレーニングによる巧緻性獲得過程にみる一つの合理的な神経筋機構であると考えられる。