著者
木村 洋
出版者
上智大学国文学科
雑誌
上智大学国文学科紀要 (ISSN:02895552)
巻号頁・発行日
no.37, pp.161-188, 2020-03

西澤美仁教授・小林幸夫教授退休記念号
著者
木村 洋二 ハンナロン チャーン 板村 英典
出版者
関西大学
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.55-106, 2006-03-30

2004年5月10日の記者会見における皇太子の「人格否定」発言を日本の4大新聞がどのように報道したか、荷重グラフを作成して比較分析した。はじめに、同じく王室を戴くタイ国における王室報道を概観した。記事の割付けと面積をグラフィカルに表現するパターングラフ(NWP)を開発するとともに、「敬意度」を測定するために記事の開始段数を指標化(SRW)した。タイにおいてはすべての王室報道が第1段から掲載されるのに対し、日本の新聞にはかなりのバラツキが見られた。産経、読売が「敬意度」の得点が高く、朝日、毎日の得点が低いことがグラフ表示から明らかになった。
著者
木村 洋
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.105, pp.32-47, 2021-11-15 (Released:2022-11-23)

とくに一九〇〇年代において文学と哲学は、社会道徳や国家に反抗する個人主義者たちの精神活動の土台になった。こうした動向が、小栗風葉の小説「さめたる女」(一九〇一年)のように、哲学的な知見に支えられた新しい女性像を生み出した。そして一九〇六年には哲学者風の女学生の過激な主張が話題を呼ぶ。一九〇〇年代に統治権力や保守派論客が哲学を有害と見るようになるのもそのためだった。平塚らいてうもこうした女哲学者の系譜の一員なのである。森田草平『煤煙』(一九〇九年)では、哲学的な思索を通じて社会道徳に反抗する平塚らいてうの姿が詳しく書き留められている。明治時代の思想界はこのように女哲学者の育成を通じて、自己を更新するきっかけを手に入れた。
著者
坂本 猛 木村 洋明 大川内 一成 水田 悠介 林 未季
出版者
一般社団法人 日本接着学会
雑誌
日本接着学会誌 (ISSN:09164812)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.152-165, 2016-05-01 (Released:2018-03-29)
参考文献数
78
被引用文献数
1 2
著者
北村 陽英 鯰 裕美 木村 洋子
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要. 自然科学 (ISSN:05472407)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.51-60, 2004-10-29

Using a questionnaire which asseses premenstrual syndrome and dysmenorrhea symptoms, we investigated 392 senior high school female students in June and July, 2002. Sixty-eight percent of these students were suffering from premenstrual syndrome, and eighty-three percent of these students were suffering from dysmenorrhea symptoms. Comparing symptoms of premenstrual syndrome with dysmenorrhea, there are a lot of somatic symptoms in both conditions, but premenstrual syndrome has more symptoms of swelling and breast pain than dysmenorrhea. Symptomatically, it is recognized that symptoms of premenstrual syndrome are different from symptoms of dysmenorrhea. In daily and school life, thirty-three percent of those students were disturbed by premenstrual syndrome. This study proposes that it is necessary to teach students not only about dysmenorrhea but also about premenstrual syndrome in school health education and mental health counseling classes.
著者
竹内 洋 木村 洋二 雨宮 俊彦 吉岡 至
出版者
関西大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本年度は、新聞の見出しに着目した荷重分析の理論的・方法論的検討を行い、以下の3つのテーマに関する報道を対象として取り上げて分析した。また、多重媒介コミュニケーションモデルの理論的精緻化を図り、ネツトワークにおける信頼と不信の荷重変換ダイナミックスについて検討を加えた。1.地下鉄サリン事件とオウム真理教問題:本分析では、見出しにおける「サリン」と「オウム」という語句の出現頻度と文字面積の大きさを計測し、得られた各値を通時的な荷重グラフに表示することから、朝日・産経・毎日・読売新聞の報道における各紙の視点の違いを明らかにした。さらに、この2つのキーワードの配置に応じて5段階の評点を与え、サリン事件とオウム真理教との意味的な結びつきの強さを定量的に分析した。2.戦後日本における「いじめ」報道:1945〜2007年までの朝日新聞データベースを用い、現在、教育問題として語られる「いじめ」が、戦後から現在に至るまでの報道によって誘導され形成された言説(=「世論」)であることを明らかにし、その時系列的変遷を考察した。「いじめ」と「教育」に関連する意味ネットワークを相互比較することによって、分析におけるキーワードの選定とその意義が示された。3.東アジア問題-東シナ海ガス田の開発:2004年の中国による東シナ海ガス田開発に関する報道をもとに、日中両国の国益に関わる問題について、「ガス」という語を手がかりとして荷重分析を行うことにより、暗黙のうちに示された「国益の優先」と「日中友好」という各紙の立場の違いを明らかにした。記事の見出しに特化した本分析法は、簡便化による分析の即応性が見出された。本研究によって、客観報道の神話に隠れた荷重バイアスを視覚・データ化し、社会的現実がメディアの重みづけ報道によって相互構築されていく過程を実証的に分析する新しい手法の有効性を検証することができた。
著者
木村 洋
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.1-16, 2017

<p>坪内逍遥『小説神髄』の登場を経た一八八〇年代後半から一八九〇年代は、写実主義小説の時代だったと要約できる。しかし徳富蘇峰は逍遥の小説観に沿わない考え方を抱いていた。そしてこの人物を主な推進者とする形で一八九〇年前後に始まった、ユゴー流の認識の導入によって日本文学の刷新を図るという企ては、「社会の罪」という提言(森田思軒)を得ることで多くの賛同者を集め、のちの樋口一葉たちの小説に結実する。こうした「社会の罪」をめぐる資料群を掘り起こしていくと、従来互いに関連するものとして論じられてこなかった蘇峰と一葉の文業も同じ「社会の罪」という系譜の上にあったことが見えてくる。</p>
著者
木村 洋二 渡邊 太
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.119-164, 2005-03-25

最終戦争による世界の破滅を生き延ぴた修行者が、理想社会を建設する。そのような救済のヴィジョンを抱いていたオウム真理教は、1995年に地下鉄サリン事件を起こした。救済を目指すはずの修行者たちは、なぜ無差別のテロリズムを遂行したのか。この問題を、感情論理のネットワーク分析の視点から渡邊が考察する。宗教的に意味付与されたテロリズムは、献身の感情論理にもとづく。ソシオン理論によると、献身の感情論理は、否定の否定が肯定になる、という弁証法的なネットワーク動作として説明できる。真摯な自己否定は、他者への隷従を帰結する。このとき、献身の対象であるグルに対する不信や指示に従うことの迷いは、必ずしも献身のネットワークからの解放につながらない。オウムの修行者の感情論理においては、葛藤し、迷った挙げ旬に、結局指示に従ってしまうという構造があった。この構造は、現在自分が置かれている状況に対する疑問を抱いたときに、その状況から離脱することを不可能にする。不自由に気づくことが、さらなる不自由へと人を巻き込むようなネットワーク構造がある。閉ざされた環境において、批判的視点を確保する可能性について考察することが本稿の課題である。
著者
青木 葉子 岩本 雅弘 木村 洋貴 長嶋 孝夫 吉尾 卓 岡崎 仁昭 簔田 清次
出版者
自治医科大学
雑誌
自治医科大学紀要 (ISSN:1881252X)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.29-36, 2007

Objective Prednisolone has traditionally been tapered below 30 mg daily before patients are discharged from hospitals in Japan because of concerns regarding the development of infectious complications. We undertook this study to compare the incidence of infectious complications in patients taking more than 30 mg of prednisolone daily with those taking less than 30 mg. Patients and Methods The medical records of fifty-seven patients with systemic lupus erythematosus (SLE) were reviewed retrospectively, and divided into three groups based on the dose of glucocorticoids at the time of discharge: group A (n=13), newly-diagnosed SLE patients taking more than 30 mg of prednisolone daily; group B (n=22), newlydiagnosed SLE patients taking less than 30 mg; and group C (n=22), patients with an established diagnosis taking more than 30 mg daily for the treatment of an exacerbation of symptoms. The development of infectious complications within two months after discharge was identified from a review of the medical records to determine the effect of glucocorticoid dose at the time of discharge on the subsequent development of infectious complications. Results Two patients in group A and three in group C developed infectious complications within two months following discharge, while no patients in group B contracted an infection. These included herpes zoster in group A (n=2) and herpes zoster, urinary tract infection and Pneumocystis jirovecii pneumonia in group C (n=3, one each). However, the incidence of infectious complications comparing groups A and B, and groups A and C was not statistically significantly different( p>0.05). There was no correlation between the incidence of infection and the total dose of glucocorticoids given during admission.Conclusion Although this study was retrospective and involved only a small number of patients with SLE, there is no increased risk of developing infectious complications in pa-tients receiving more than 30 mg of prednisolone daily at the time of hospital discharge, compared to those taking less than 30 mg. Based on these results, prolonging hospitalization only to reduce the dose of prednisolone to less than 30 mg daily lacks justifiable grounds, even if it has been a tacit consensus in Japan.
著者
望月 悦子 木村 洋
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.75, no.647, pp.35-41, 2010-01-30 (Released:2010-04-02)
参考文献数
15
被引用文献数
2 3 1

The purpose of this study is to identify the visual effects of the difference of spectral power distribution of luminaires in office space. Subjective experiment was conducted in two experimental chambers with different kind of ceiling luminaires - LEDs and fluorescent lamps. Visual fatigue of the subjects was evaluated by three methods, ART (Accommodation Response Time) and CFF (Critical Fusion of Flicker) as objective test and questionnaires for evaluation of subjective symptoms of fatigue as subjective test. The results showed that there was no significant difference between the variation rate in ART and that in CFF caused by VDT works within one hour under LEDs and those under fluorescent lamps. Also the subjective evaluation on fatigue was not significantly different among different kinds of the light source.
著者
木村 洋介 長濱 峻介 菅野 重樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

多くの人は犬や猫に対して愛着を感じる. 特に飼い主とペットの関係は、人間が餌を与えることによって構築されており、餌やりは愛着形成に寄与している. つまり、食べる動作をロボットに組み込めば、人間はロボットに対しより愛着を感じると考えられる. 本研究では、食べる動作を行うロボットを製作し、その動作映像を見た被験者が食べる動作を行っているロボットに対しどのような印象を抱くかの実験を行い、評価した.
著者
木村 洋 長谷川 麻子 小峯 裕己 鎌田 元康
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.67, no.554, pp.27-34, 2002-04-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
10

To reduce the concentration after occupancy, the mitigation techniques by ventilation or air cleaning are effective. This paper reports the concentration reduction effects of the measures such as continuous mechanical ventilation, the passive product for removing gaseous HCHO and air cleaners for pollutants from the full-scale tests in the newly constructed multi-family residential building. The results are following; 1. The mechanical ventilation was most effective. 2. The sheet-form passive products were effective in the storage, besides the particulate products scarcely affect. 3. The operation of an air cleaner had a little influence on HCHO concentration in the room.
著者
木村 洋太
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

私たちは,円滑なコミュニケーションを行うために,他者の感情を適切に理解し,それに適した表出を相手に返すという行為をすることができる.これは,私たちの感情システムが知覚・認知という側面と,身体を利用した表出という運動的な側面を共に扱っているからである.しかしながら,従来の表情研究は知覚・認知の側面,表出の側面をそれぞれ単独に検討することが多く,両者の相互機能については見過ごされることが多かった.そこで本研究では,自己の感情表出という行為の側面と,他者の感情認知という側面がどのように結びつき,相互作用しているのかについて検討した.本年度は具体的に,自己の表情と他者の表情が一致するかしないかという要因,またその表出間の「間」(タイミング)という要因が,他者の表情を知覚する際の注意の配分にどのように影響をするかを検討した。このことについて調べるため,擬似的なコミュニケーション要素によってタイミングや表情の一致性を変化させた場合に,同じ表情でも注意の停留の仕方が異なるかどうか検討した。先行研究によれば,ある種の表情(e.g.脅威表情;怒り・恐怖)にさらされると私たちの注意はその表情に長く焦点があてられる.しかしながら,表情に対する注意の解放は,注意の解放が物理的な表情の性質だけでなく,表情のやり取りといった要素によっても変容することがわかった。たとえば,同じ怒り表情であっても,自分が笑顔をした応答として怒り表情を見る場合は,遅いタイミングの時に注意の解放が遅れ,自分の怒りに対する応答の場合には,早いタイミングでの応答で注意の解放が遅れた。この研究により,我々の視覚的注意は,刺激の物理的特性によって変わるだけでなく,コミュニケーションといった動的な情報をもとに変化することがわかった。
著者
大枝 昭平 木村 洋介 二木 友子 鳩貝 名津紀 本橋 直美 宍戸 衛 山口 龍志郎 中川 裕司
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.231-237, 2022-04-25 (Released:2022-04-25)
参考文献数
5

Pfizer社製新型コロナウイルスワクチン「コミナティ筋注」を接種した当法人の医療従事者56名を対象として抗新型コロナウイルスIgG抗体の測定を行った。測定は全自動化学発光酵素免疫測定システム ルミパルス®G1200および,化学発光酵素免疫測定法試薬SARS-CoV-2 S-IgG測定試薬(IC)(H.U.フロンティア株式会社)を使用した。測定の結果,対象者すべてにカットオフ値1.0 AU/mL以上の抗体価獲得を認め,最小抗体価10.5 AU/mL,最大抗体価227.2 AU/mL,中央値62.2 AU/mLを得た。獲得される抗体価の多寡に影響を及ぼし得る因子として性別,年齢,BMI,既存B型肝炎ウイルス抗体価,および飲酒・喫煙習慣の有無に着目して解析を行った結果,抗体価の多寡は年齢の影響を最も大きく受け,その影響は統計学的有意差を生じさせ得ると分かった。その他の因子については統計学的有意差を生じさせないものの,飲酒習慣の有無,既存B型肝炎ウイルス抗体価,BMI,喫煙習慣の有無,性別の順に影響力を持つことが明らかとなった。本稿によって,B型肝炎ワクチン不応者であっても抗体獲得が可能であることが示された一方で,今回の検討因子以外の影響因子の検討の必要性が示唆された。