著者
今井 小帆里 倉林 修一 清木 康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.88, pp.151-156, 2008-09-14
参考文献数
9

音楽データを対象としたデータベースの実現において,楽曲中の時間軸に沿って表現されたデータの物理的な特徴量や,感性的な印象,構造的な意味を,利用者が検索対象の楽曲を理解しようとする意図や視点に応じて計量する機構の実現が重要である.本稿では,楽曲を特徴づける物理量や,そこから発生する感性的な印象をユーザの要求に応じて分析し,楽曲の内容を対象とした検索やデータの閲覧を支援する機能を有する音楽データベースシステムの実現方法を示す.本システムの特徴は,音楽理論における音楽構造分析の手法や,音楽心理学,および,色彩心理学の研究成果をメディア分析関数群として実装し,それら分析関数を用いて楽曲データの内容変化をデータベースが自動的に解釈する機能を有する点にある.本システムの利用者は,音楽データベース問い合わせとともに,検索対象楽曲を理解しようとする意図や視点として様々な分析・可視化関数の組み合わせを発行し,それらに応じた検索・可視化結果を得ることが出来る.本稿では,クラシック楽曲を対象とした検索・可視化機構の実現方法を示し,本システムの実現可能性,および,有効性を評価する.A large number of music resources are provided in the world-wide scope. In this paper, we propose a novel music database system equipped with a musical knowledge base that assists database processing automatically by providing formal intelligence about music. The musical knowledge base sets appropriate parameters for database processing. It offers an easy and intuitive mechanism for general users to retrieve musical compositions. One of the most significant advantages of our database system is that it supports various combinations of media analysis functions that are stored in the knowledge base. This system makes it possible to express users' intensions to retrieve music data as a combination of query sequence and its interpretation methods. We show several experimental results to clarify the feasibility of our method.
著者
佐々木 力 小林 修 田上 敦士 長谷川 輝之 阿野 茂浩 長谷川 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.8, pp.1379-1389, 2006-08-01
被引用文献数
4

本論文では,マルチキャスト配信時間という現実的制約に着目し,LT符号を用いた蓄積型コンテンツ配信における効率的な信頼性保証技術について提案する.近年,インターネットやモバイル網上でのマルチキャスト配信を対象とした低負荷で高い回復能力を有するFECとして,XOR演算に基づいたerasure codesが注目されている.特に,LT符号は,配信時間の拡大に伴い信頼性が向上するため,全受信者への配信が完了するまで配信を継続すればよい.しかしながら,マルチキャスト帯域の有効利用やサービス提供上の制約等により,1コンテンツ当りのマルチキャスト配信時間が固定されることが想定される.このような場合,すべての受信者への配信を保証するために,配信が完了していない受信者が差分データを送信者に直接要求するユニキャストベースの回復方式が必要である.我々はLT符号の特徴を考慮した要求データ選択手法を提案し,計算機シミュレーションにより有効性を確認した.
著者
MORI James Jiro 伊藤 久男 柳谷 俊 松林 修 加納 靖之 木下 正高 MA Kou-fong
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

我々は,車籠埔断層を横断する温度プロファイルを観測するために,深さ250mのボアホールを掘削した.この掘削場所は1999年集集地震による温度異常が2000年に観測された場所のごく近傍である.2008年と2010年の温度測定では,温度異常は観測されなかった.このことは,2000年に観測された温度シグナルが地震による摩擦発熱による真のシグナルであったことを示している.
著者
斉藤 和雄 田宮 久一郎 青梨 和正 瀬古 弘 小司 禎教 川畑 拓矢 大関 誠 原 昌弘 柳野 健 中澤 哲夫 國井 勝 田中 博 古本 淳一 永戸 久喜 村上 正隆 田中 博 津田 敏隆 古本 淳一 若月 泰孝 林 修吾 露木 義 小泉 耕 西嶋 信 石川 宜広 本田 有機 三好 建正 経田 正幸 山口 宗彦 澤田 謙 酒井 亮太 米原 仁 小野 耕介 津口 裕茂 藤田 匡 三上 彩 近藤 圭一 劉 國勝
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

集中豪雨を数値モデルで予測するため、大気の3次元的な状態を観測データを用いて精度良く解析する研究、および予測の信頼性を定量的に見積もる手法の研究を行った。非定時の観測データを同化する高解像度4次元変分法の開発、GPSデータ、マイクロ波放射計データ等の同化実験を行い、豪雨の予測が改善できることを示した。アンサンブル予報の手法をメソ現象の短時間予測に適用し、予報誤差を定量的に見積もる手法を示した。
著者
坪井 俊 足助 太郎 河澄 響矢 林 修平 金井 雅彦 浅岡 正幸 大鹿 健一 中山 裕道 野田 健夫 藤原 耕二 皆川 宏之 森吉 仁志
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

空間の多様体構造の自己同型の群である微分同相群を様々な面から研究した。研究代表者は、実解析的微分同相群の単位元成分の完全性、微分同相群の単位元成分の一様完全性、一様単純性などについて、結果を得て出版した。研究分担者は、曲面の写像類群、横断的複素正則葉層、力学系における連結補題などについて、結果を得て出版した。また、毎年研究集会を開催し、共同研究と研究情報の交流を行った。
著者
若林 修
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.29-35, 1968

以上申述べた事項をまとめてみますと, 新生児, 乳児, 幼児にはそれぞれの年齢層によって罹患疾患に大きな特異性があり, 実地治療に際してはこれを熟知することが, 必要な検査を実施し, 速やかに正しい診断を下す上にきわめて必要であるということができます。次に術前の状態がしばしば各年齢層によって著しく異なるので, 新生児のように患児が幼ければ幼い程, 脱水に陥り易いこと, そしてそれが生命の危険に連なることを知り, 脱水の程度の判断や, その処置が適切でなければなりません。術前処置としては脱水の矯正, 酸塩基平衡の矯正などが, 各年齢層によっていくらかその重要性に差があると考えることができます。術前, 術中, 術後の低体温や過高熱の出現についても患児の年齢によってその出現の可能性の著しく異なることも特筆に値すると考えます。術前, 術後の肺合併症の重要性は予後決定に関してはなはだその意義が大きく, とくに新生児期の重要性は注目に値するものであります。新生児期の黄疸やこれに伴う出血傾向の問題も特異的であり, 新生児の術後代謝反応の著明でないこともこの年令層の特異点ということができます。以上述べた事項は, 要するに新生児, 乳児, 幼児と称せられる小児期の各年令層の間には手術, その予後などを中心に外科的立場より見るとき, かなり多彩な差異を認めることができるということであり, もちろん, その差異は程度の問題であるともいうことができますが, 各年令層のわけ方が人為的である以上, その事実は否定できませんが, その平均値を観察して見ると明らかな差異があり, これを熟知して小児の外科診療にたずさわることが, その成績の向上に大きく影響するものであることは確信を以て述べることのできる事実であることを述べまして私の講演を終ります。会員諸賢の長時間の御静聴を感謝し, この講演の機会を与えて下さいました林田会長に厚く御礼を申し上げます。
著者
小林 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.405, pp.9-16, 1993-12-18
被引用文献数
1

「情報活用能力」の育成に関して,各学校では,パソコン等を導入して,応用ソフトウェアの活用など、様々な活動を始めているが,ワードプロセッサ,表計算,お絵かきソフトなどの応用ソフトウェアを授業等で利用する場合,大きく分けて,2つの利用法が考えられる.1つは,応用ソフトウェアをその目的に添って活用する場合であり,これは更に,表現媒体および文房具としての活用に分けられる.他の1つは,その応用ソフトウェアそれ自体を授業の対象とするものである。本稿では,これらの応用ソフトウェアの活用について,人の創造活動を支援すること,あるいは,構造的思考のための教材とすることを強調しながら,その方法や留意点について述べる.