著者
牧迫 飛雄馬 阿部 勉 藤井 伸一 住谷 久美子 吉松 竜貴 徳原 理恵 小林 修二 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.203-206, 2005 (Released:2005-09-02)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

在宅における歩行能力評価としての可能性を探ることを目的に,1.5 m,5 mおよび10 m歩行を分析し,その妥当性を検討した。対象は,理学療法を実施している入院患者40例(平均年齢70±12歳)で,快適および最大速度歩行中の1.5 m,5 m,10 mの各地点を通過した所要時間,歩数を計測し,歩行速度,歩行率,歩幅を比較した。その結果,快適および最大歩行ともに歩行距離による歩行速度,歩行率,歩幅の有意差は認めなかった。また,歩行速度,歩行率,歩幅ともに快適速度,最大速度条件において1.5 m歩行は5 m歩行,10 m歩行のそれぞれと有意に高い相関関係を認めた。以上より,1.5 mでの歩行測定は,5 m歩行および10 m歩行同様に歩行能力評価指標のひとつとして活用できる可能性があると考えられた。
著者
林 修一郎
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.335-345, 2022-10-31 (Released:2022-11-18)
参考文献数
7

新型コロナウイルス感染症の流行を受けて,これまでにないスピードで新型コロナワクチンの開発が行われ,前例のない規模で接種が進められた.新型コロナワクチンの接種事業は,大別すると科学,実務,政策の 3 分野にわたる様々な取り組みの集大成である.まず,科学の分野として,ワクチン開発と審査・承認や,副反応の評価などがあり,ワクチン接種が可能となるためには,有効性とともに安全性を検証・評価することが大前提であった.次に,ワクチン接種には,ワクチン確保・供給・流通から,接種体制の構築に至る,実務的な取り組みのウエイトが非常に大きい.体制の整備には長いリードタイムを要するため,先の見通しを持って準備を進めることが必要であった.これらを基礎とした上で,接種に関する政策が進められた.接種の法的枠組みの整備や接種に関する判断が行われた.更に,接種には,最終的に,国民に理解を得て接種行動をとっていただくことが不可欠であり,広報やリスクコミュニケーションを適切に行うことは極めて重要であった.本稿では,新型コロナワクチンの接種事業の実施に至るまでに,こうした多分野で行われた取り組みの全体像について,具体的な動きを含めて解説する.
著者
安川 知宏 久田 智也 中島 華子 増田 隆介 北之園 拓 山下 恭弘 小林 修
出版者
公益社団法人 有機合成化学協会
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.353-361, 2023-04-01 (Released:2023-04-08)
参考文献数
57

Molecular sieves are type A zeolites with specific sized pores and are commonly used in organic synthesis to capture small molecules such as water. In addition to their trapping effect, they also have acidic and basic active sites and are used as solid acid-base catalysts. Usually, heat-drying treatments are performed prior to use, but the heat treatment methods, such as microwave ovens or heat guns, are not standardized, which could cause problems in reproducibility of reactions. Particularly, for reactions requiring acid/base sites of molecular sieves, these treatment methods are considered more sensitive because the structure of the active sites changes upon heating. In this article, we propose new methods of activation when using molecular sieves and their application to continuous-flow reactions.
著者
宮田 正人 安富 暁 林 修 長澤 健一
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.217-220, 2019 (Released:2021-03-26)
参考文献数
1

オリンパスでは,“ボケを極める”M.ZUIKO PRO F1.2シリーズレンズとして,3本の大口径F1.2単焦点レンズを発売した.ボケを光学設計段階から創りあげることにより,ピントの合っている部分の高解像はもとより,アウトフォーカス部分の表現力を広げることで,写真の表現領域の拡大に貢献している.今回は,M.ZUIKO PRO F1.2シリーズレンズの特長である「美しくにじむボケ」について説明する.
著者
小林 修悟 小寺 浩二
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

Ⅰ はじめに河川流域の流域管理や環境保全を行うためには、流域単位での水域環境の把握が必要となる。近年はGISの普及により、河川流域の空間把握が格段に簡便となり、気候や地形等の河川の多様な水質形成因子の表現が可能となった。2000年以降、「水環境の地理学」の研究グループでは「河川流域の水環境データベース」作成が試みられている。当研究室では天塩川(清水ほか2006)、北上川(平山ほか2009)などの一級河川や大規模支流(信濃川支流魚野川、森本ほか2008)にて流域特性把握の研究が成された。本研究は水環境データベースの一環として尻別水系流域の流域特性把握を行うものである。当地域における羊蹄山湧水や公共水質観測による報告はあるが、支流を含めた水系全体の水質分析が成された例はない。主要溶存成分による水質分析とGISを利用した流域特性解析を紹介する。Ⅱ 流域概要 尻別川は支笏湖西方に位置するフレ岳(1,046m)に起源し、西方に流れ羊蹄山(1,893m)北麓を迂回し、蘭越町磯谷で河口へと達する、流域面積1,640km2、幹線流路長126km2の河川である。源流から喜紋別にかけての上流部では1/60以上と急勾配となっており流量は少ない。中流部から下流部にかけ支流合流と羊蹄山を中心とした湧水供給を受け、蘭越からの下流部では1/500‐1/5000程度と緩勾配となり、流量も増加し大河川となり河口へと注ぐ。 当地域は北海道有数の酪農、農業地帯となっており、主な農産品には馬鈴薯やアスパラガス等となっており、下流部は水田地帯が形成されている。観光面では羊蹄山湧水やラフティングといった、水資源による地域振興が成されており、尻別川が当地域に与える影響は大きくなっている。Ⅲ 研究方法国土数値情報等の公共作成データ等をGISソフト用いた流域規模での空間把握による自然地誌作成を行った。また、尻別川水系の水質特性把握を行うために、2012年5、7、9月下旬にて、本流、2次流以上の支流下流、湧水及びそれに準ずる河川最上流部の50点程サンプリングを行い、現地観測(気温、水温、流量、EC、pH、RpH)を行った。サンプルを濾過後、研究室にてTOC、イオンクロマトグラフィーによる主要溶存成分分析を行い、GISソフトによる図化により流域特性の鮮明な把握を行った。Ⅳ 結果と考察流域にはイワヲヌプリ(1,116m)に起源するpH4.0前後の硫黄川・ニセコアンベツ川等の酸性河川や、pH8.0前後の真狩川などを含み、湧水供給の高い河川など多様な河川が存在する。流域の大半が森林となっており5月下旬の河口部のECは95μm/cmと人為的影響が少ないことを示している。しかし、酪農地帯や耕作地流辺の小規模河川においてはpH、ECが高く人為的な影響を受けている。Ⅴ おわりに 本研究により尻別川水系には多様な特性を持つ河川が存在することが判明した。今後も調査を継続し年変動を把握し、水系特性及び各河川の水質形成の解明を行いたい。
著者
小島 ゆみこ アンナ 小林 修一 トマス ジャビエル アコスタ アヤラ 工藤 眞樹子 宮本 明夫 高木 光博 宮澤 清志 佐藤 邦忠
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.119-122, 2002-02-25
被引用文献数
1

Microdialysisシステム(MDS)は, 異なる細胞間の内分泌学的解析を分子レベルで行う方法である.今回, 馬の排卵前卵胞液中プロジェステロン(P_4), エストラジオール17β(E_2), アンドロステンジオン(A_4)とプロスラグランジンF_<2α>(PGF_<2α>)濃度を調べた.卵巣から卵胞を取り出し, ホルモン測定のため卵胞液を採取した.卵胞の大きさを大(30mm<), 中(29〜16mm)および小(15mm>)に区分けして, 各々の卵胞液中のホルモン濃度をEIA法により測定した.卵胞の大きさの違いで, P_4とPGF_<2α>濃度に有意差はなく, (A_4)濃度は大と中の卵胞間で差異を認めた.E_2濃度は, 中卵胞より大卵胞が高値であった.卵胞膜の小片にMDS操作を行い, LHを感作した時にP_4,A_4とPGF_<2α>分泌は増加した.PGF_<2α>を感作した時, P_4とA_4分泌の増加は認められたが, E_2の変動は小さかった.今回の結果から, 排卵前卵胞はLH感作により卵胞膜での黄体化とステロイドホルモン分泌を促進した.さらに, 発情周期のホルモン動態は, 他の動物種と大きく異なることが明らかとなったが, 主席卵胞が選択される機序は十分説明できなかった.
著者
小林 修
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.49, no.575, pp.419-424, 2001 (Released:2002-04-26)
参考文献数
10

This paper discusses a static stability theory for airplanes. The conventional definitions of static stability are neither clear nor systematic. On the basis of these situations, in the first report of this paper, a system of definitions on 6 static stability concepts was proposed, and two concepts of static flight-velocity stability and static angle of attack stability were studied. And in the second report, a concept of static pitch stability was discussed. This third report discusses on the three static stability concepts in sideslip, roll and yaw, and proposes that “dY/dβ<0, ” “dR/dΦ<0” and “dN/dΨ<0” should be used as the fundamental definitions, where R means rolling moment. The general criteria for these static stabilities are deduced from these definitions. From these criteria, “CYβ<0, ” “Clβ/CYβ>0” and “Cnβ>0” are obtained as the stable conditions. Finally, this report represents the whole summary of this paper.
著者
野田 譲 小林 修
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.54, no.633, pp.467-475, 2006 (Released:2006-11-20)
参考文献数
2

Most airplanes use their ailerons to compensate the lateral displacement deviation from a reference flight-path. This study proposes a method of lateral flight-path control due to the rudder steering under constraint of automatic roll angle hold. This control method is estimated analytically to produce quicker lateral displacement response than the control due to aileron. Then, experiments using a flight simulator are carried out to evaluate the control characteristics on the task of holding the flight path. The pilot’s evaluation results show that, the rudder steering method gives better flying qualities than aileron steering method. Furthermore, as the more practical control measures, the mixture type of method is worked out, which is transferred from aileron steering to rudder steering depending on the lateral displacement deviation from a reference flight-path.
著者
浅井 武 瀬尾 和哉 小林 修
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.29-38, 2007-01-10 (Released:2007-04-19)
参考文献数
24
被引用文献数
3 3

When the boundary layer of a sports ball undergoes the transition from laminar to turbulent flow, a drag crisis occurs whereby the drag coefficient (Cd) rapidly decreases. However, the aerodynamic properties and boundary-layer dynamics of a soccer ball are not well understood. Here we showed that the critical Reynolds number (Recrit) of a soccer ball was 2.2 - 3.0 × 105. Wind-tunnel testing, along with visualization of the dynamics of the boundary layer and the trailing vortex of a ball in flight clearly demonstrated that both non-spinning and spinning curved balls had low Cd values in the supercritical region. We also showed that the Recrit of a soccer ball was lower than that (approximately 3.5 - 4 × 105) of a smooth sphere, due to the effects of its panels; this indicated that the aerodynamic properties of a soccer ball were between those of a smooth ball and a golf ball. Lateral images taken during high-speed kicking of a spinning curve ball (26 m/s; 8 rps) revealed that the separation point was approximately 120° from the front-stagnation point. In addition, the boundary layer between the top and bottom surfaces of the ball became turbulent. Top-view images taken during curved kicking (27 m/s; 7 rps) showed vortex deflection due to the effects of a relative difference in fluid speed caused by the spinning. The curvature of the ball was largely attributed to a lateral force generated by vortex counteraction. However, although the separation point showed left-right asymmetry in relation to the direction of travel (top-bottom symmetry on the images), it was approximately 116° from the front-stagnation point, which was similar to the separation angle during high-speed kicking of a non-spinning ball. In addition, the boundary layer became turbulent and the vortex region shrank during high-speed kicking of a spinning ball.
著者
中原 一郎 森竹 浩三 半田 肇 小林 修一 長安 慎二 奥野 武彦 中野 善久
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.14-20, 1986-01-01 (Released:2011-08-10)
参考文献数
19
被引用文献数
1

ビタミンK欠乏性頭蓋内出血6例の臨床分析を行った結果, 適切な治療を行ったにもかかわらず, その臨床神経学的予後は不良であった. 微小脳血管構築の特殊性, 脳血液関門の未熟性など, 本症発症時期における小児脳の発達上の特殊性が, 本症の不良な予後ならびにその特徴的なCT所見に密接に関連するものと推定される. 以上の観点から, リスク児の早期のスクリーニング, ビタミンK製剤の予防的投与など, 本症の発症予防の重要性を改めて強調した.
著者
長尾 恭史 小林 靖 大高 洋平 齊藤 輝海 大林 修文 大隅 縁里子 水谷 佳子 伊藤 洋平 田積 匡平 西嶋 久美子 森 俊明
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.567-572, 2020-06-10

要旨 【背景】入院の原疾患が脳卒中以外による急性期重度摂食嚥下障害患者に対する,完全側臥位の導入による帰結の変化について検証した.【対象】入院前Eating Status Scale(ESS)4以上であったが,入院後Dysphagia Severity scale(DSS)2以下の嚥下障害を認め嚥下内視鏡を実施した,原疾患が脳卒中以外の58名.【方法】評価姿勢として,完全側臥位を選択肢の1つとして導入した2016年4〜9月の37名(男性28名,平均年齢81.3±12.9歳)を側臥位導入群,導入前の2015年4〜9月の21名(男性15名,平均年齢79.8±10.9歳)を未導入群とし,両群間で帰結を比較した.【結果】退院時ESS 3以上の患者は側臥位導入群18名(48.6%),未導入群は4名(19.0%)であった(p=0.026).院内肺炎合併数は側臥位導入群6名(16.2%),未導入群8名(38.1%)であった(p=0.061).また,側臥位導入群は退院時ESS 3以上に関連する独立した因子であった(オッズ比6.62,95%信頼区間1.24〜35.25,p=0.027).【結語】完全側臥位は急性期摂食嚥下障害の治療戦略として効果的である可能性が示唆された.
著者
林 修平
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.149-162, 1998-04-28 (Released:2008-12-25)
参考文献数
71
著者
小堀 宅郎 仲田 博貴 榎本 恭子 沖津 孝幸 今井 康平 八木 誠次 荻野 勇人 若林 修
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.106-114, 2019-02-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
16

To clarify the knowledge and awareness of hemorrhoids per se and the therapeutic behavior in consumers, we conducted a survey with 60,000 consumers in Japan. The survey items included demographic characteristics (age and sex), knowledge and awareness of hemorrhoids per se and the therapeutic behavior, such as ambulant treatment and over-the-counter (OTC) medicine usage.The survey result showed that the proportion of consumers having subjective hemorrhoidal symptoms is 10.0%, which consists of anal fissure (41.2%), external hemorrhoids (33.1%), internal hemorrhoids (26.8%), anal fistula (4.0%), and don't-know (18.8%) and that 25.5% has prior experience with hemorrhoids. Importantly, 19.8% possessing hemorrhoid-related symptoms in the population had no awareness of hemorrhoids. Of note, 72.6% of consumers with subjective hemorrhoidal symptoms utilized neither the ambulant treatment nor OTC medicine, because many of them had shame, anxiety, and inadequate knowledge of hemorrhoids and the applicable therapy. In fact, there were few consumers who understood the existence and characteristic symptoms of three types of hemorrhoids. These findings indicate the need to engage in educational activities on hemorrhoids and applicable therapeutic drugs by offering accurate information from the perspective of pharmaceutical companies.
著者
宮城 眞理 豊里 竹彦 小林 修平 川口 毅
出版者
The Japan Society of Health Sciences of Mind and Body
雑誌
心身健康科学 (ISSN:18826881)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.91-99, 2012

本研究は禁煙外来に来訪した受診者を1年以上にわたって追跡調査し,禁煙継続に関わる諸因子を疫学的に明らかにすることを目的とした.特に近年,喫煙が薬物依存症であることが明らかにされ,それに基づいて開発されたニコチン製剤であるニコチンパッチ (二コチネル) および,ニコチン受容体部分作動薬バレニクリン (チャンピックス) を用いた禁煙治療の長期的効果の比較とその他の心身健康に関わる心理的因子の検討を行った.<br>都内の禁煙外来においてバレニクリンもしくはニコチンパッチを用いて治療した102名を対象に治療開始後3ヶ月,1年後に追跡調査した結果,3ヶ月,1年後それぞれの禁煙率は79.3%,62.6%であり,禁煙補助剤別でみるとバレニクリンでは80.0%,68.4%,ニコチンパッチでは77.8%,56.7%であった.禁煙補助剤による副作用は53%にみられ,禁煙補助剤別でみるとバレニクリンでは57%,ニコチンパッチ42%であった.<br>禁煙の持続率に関連すると思われる因子では,禁煙持続群と禁煙しようとしたが,禁煙できなかった喫煙群との間には禁煙外来への受診回数 (3ヶ月<i>p</i> < 0.05,1年<i>p</i> < 0.01) および心理的要因であるSTAI (特定不安) ならびにカウンセリング必要度に有意差がみられ (<i>p</i> < 0.05),さらにカウンセリング必要度の中では,理屈ではよくないとわかっているのにその行動を改められないなどの行動症状,わけのわからないことで,イライラしたり,不安になる,あるいは無気力になるなどの精神症状に有意差が認められた (<i>p</i> < 0.05).<br>以上の結果から,長期的な禁煙効果を高めるためには,受診継続への工夫,禁煙補助剤の開発,ならびに心理的なサポートをするカウンセラーの育成が急務であることが示唆された.
著者
今林 修 堀 正広 田畑 智司 高口 圭轉 島 美由紀 舩田 佐央子
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、チャールズ・ディケンズの言語と文体の本質的な特徴を解明ための共同研究プロジェクトで、18世紀から19世紀にいたる主要な小説家の全作品を網羅する大規模な電子コーパスを構築し、それとディケンズの全作品、手紙、演説からなる電子コーパスから最新のコンピュータ技術を駆使したデータ分析とフィロロジーに立脚した伝統的で精緻なテクストの読みとを融合させた研究である。
著者
河崎 善一郎 牛尾 知雄 森本 健志 高木 伸之 王 道洪 中島 映至 林 修吾 ARTHUR Jim MAY Peter CHRISTIAN Hugh WILLIAMS Earle HOELLER Hartmut
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究では、オーストラリア・ダーウィン地域において、雷嵐観測網を構築し観測を実施した。稠密と広域観測装置を併用した観測網を展開し、豪気象局とも連携して、雷放電開始位置とその領域に存在する降水粒子の分布が時々刻々得られ、正負両極性の電荷が蓄積される領域の境界付近に放電開始点が多く分布し、更に稠密観測からその放電路が境界を沿うように進展し、やがて落雷に至る様子が再現された。中和電荷量推定も行い、積乱雲が世界で他に例を見ないほど高くまで成長する巨大積乱雲ヘクターにおいて、ヘクターの成長と共に中和される電荷の位置も上昇する現象が確認された。
著者
小林 修
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, 1993-06-15
著者
愛甲 美穂 日高 寿美 石岡 邦啓 五十嵐 愛子 坊坂 桂子 山下 昭二 持田 泰寛 守矢 英和 大竹 剛靖 高橋 宏 小林 修三
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.219-224, 2016 (Released:2016-03-28)
参考文献数
11
被引用文献数
3

透析患者は末梢動脈疾患 (peripheral arterial disease : PAD) の合併が多く, 重症虚血肢に至ると予後は著しく不良である. 予後改善にはPADを早期に診断・治療することが重要である. 足病変とPADの有無に基づき6つに区分し, 各区分に対するフットケアの間隔と内容を定めたフットケアプログラム (鎌倉分類) を策定した. 当院外来維持血液透析患者を対象に, 鎌倉分類導入前の2011年度群 (n=185) と, 導入後の2012年度群 (n=196), 2013年度群 (n=196) とに分け, 下肢潰瘍と切断発生件数をCochran-Armitage傾向検定を用い比較検討した. 新規潰瘍発生は, 2011年4.9件/100人・年であったが, 2012年3.1件, 2013年1.5件と有意に減少した (p=0.03). 下肢切断発生症例はすべて小切断で, 2011年1.6件/100人・年, 2012年1.0件, 2013年0.5件と推移した (p=0.14). 足病変を有する群で足関節および足趾上腕血圧比は足病変を有さない群に比較して低値であった. 足病変の有無を加味した透析患者における鎌倉分類はフットケアプログラムとして有用であり, 早期介入の意義が示唆された.