著者
神田 健介 八木 恭平 楊 明
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会論文集 (ISSN:13465260)
巻号頁・発行日
vol.25, no.11, pp.78-83, 2005 (Released:2005-11-30)
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

近年注目されているマイクロ生化学分析チップにおいてはイムノアッセイ等の壁面を利用した物質検出が行われている.そのためには対象の分子が壁面近傍に存在することが必要である.本研究では壁面から数100nmを可視化できるエバネッセント顕微鏡システムを構築し,直接観察により壁面近傍の粒子濃度分布およびブラウン運動解析を行うことを目的とした.実験においては壁面特性の影響を評価するため親水性,疎水性に表面処理した壁面上において,生体分子の代わりに微小ポリスチレン粒子を用いた.ブラウン運動解析では壁面近傍で粒子の平均移動量が減少することを明らかにし,濃度分布測定では壁面近傍での濃度が低く,壁面から離れるに従い高くなること,粒子分布が親水性,疎水性では異なることを明らかにした.壁面近傍の粒子分布には粒子と壁面との流体的相互作用や種々の物理・化学的相互作用が大きな影響を及ぼすと考察した.
著者
楊 洋 植田 憲
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第58回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.116, 2011 (Released:2011-06-15)

「中国結」は、一本の紐を多様に編むことによってつくられる中国の伝統的な装飾である。近年、急速に進む近代化を要因として、消失が危惧されている生活文化のひとつである。 本研究は、「中国結」の意匠的特質を把握し、その維持・継承へ向けた指針を導出することを目的としたものである。中国における「結び」の文化を再確認・再認識することを念頭におきつつ、調査・研究を実施した。 古文書などの文献調査をはじめ、江西省南昌市における職人や地域住民への聞き取り調査、質問紙調査を行い、次の事柄を明らかにした。(1)「中国結」は、大きく、「基礎結」「変化結」「組合結」の三種類に分類することができる。(2)「中国結」は春秋戦国時代(前770~前476年)以前、紐を「結ぶ」ことは、実用性のみが求められていたが、春秋戦国時代から「結び」に装飾性がみられるようになった。唐・宋時代 (618~1279年)は、「中国結」の第一流行期であるといえ、椅子や傘、服などに、「中国結」が施された様子を確認することができる。「万字結び」「綬帯結び」「団錦結び」「酢草結び」の「基礎結」はこの時代に生み出された「中国結」である。明・清時 代になると、人びとは「基礎結」を発展させた「変化結」や「組合結」を創出し、さらに「結び」の意味の範囲は広く、種類は多様になった、独特の風格を特徴として、多く の民衆に受け入れられ、中国の伝統的な吉祥物として、全国に広がっていった。(3) 道教・仏教・儒教・陰陽五行説など伝統的思想から吉祥を求める「中国結」の寓意内包が充実するとともに、さらに一層、人びとに親しまれるようになった。また、「結び」に使われる特定の色彩の組み合わせがみられることから、色と「結び」付いた意味などが含まれている場合も多い。いつの時代にあっても幸せな人生を歩むために、人びとは「結ぶ」という行為のなかに、さまざまな心の機微を込めてきた。(4)気持ちを込める媒体としての「中国結」人びとは、自身のさまざまな感情や思惟を「結び」に託して豊かに表現した。 伝統的な「中国結」の意味は、今日、中国の人びとに十分に理解されているとはいえない状況にある。時間をかけて育まれた中国の「結び」の文化を、中国で暮らす人びとが再認識・再評価し、次の世代へ継承していくために、教育現場での活用、実用的な生活 用具に応用することが重要である。
著者
楊洲周延
出版者
松木平吉
雑誌
錦絵帖
巻号頁・発行日
1897
著者
渡部 雅也 楊 坤 Dinesh Malla 坂本 克好 山口 浩一 曽我部 東馬
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

ディープラーニングと強化ラーニングは近年急速に発展しています。ゲームやロボット制御などの分野にディープラーニングを適用する多くの研究が大きな成功を収めています。本論文では、強化学習アルゴリズムであるAlphaZeroをゲームAIのためのこれまでにないレベルの多用途性を最適制御問題に適用する可能性を検証する。従来の制御メカニズムを使用することによって処理することが困難であると考えられているノイズの多い環境下で動作を制御するその能力についての洞察を得ることを目指している。
著者
斉藤 哲也 楊 迪寧 星野 准一
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-6, 2011-05-06

本稿では,公共空間の活性化のために,ゲーム世界と実世界のコミュニケーションを相互に楽しむパブリックオンラインゲームシステムを提案する.オンライン上でゲーム参加者の活動により変化し続けるゲーム世界の風景を,大型ディスプレイを通して公共空間に提示する.公共空間では,オンライン上の変化を多くの人が俯瞰的に観察・鑑賞でき,またゲーム参加者自身へも公共空間での観察活動の参加を促す.本システムの設置と運用により,多くの人が自然に公共空間に訪れ,楽しい時間を過ごせると期待できる.提案システムを制作し,実際にユーザに体験してもらい,評価実験を行うことで,本システムの有効性を示す.In this paper, we propose the public online gaming system to enjoy a communication in the game world and the real world mutually for the better public space. The main system shows the scenery of the game world which the activity of the online gaming participant changes through the large-sized display in the public space. A lot of persons can appreciate a bird's-eye view of the system and also it prompts game participant himself, too, to participate in the observation activity in the public space. We think that a lot of persons come naturally to the public space and can spend delightful time by the establishment and the operation of the main system. We create a proposed system, do an evaluation experiment after having a user experience the system actually and show the validity of this system.
著者
呉 景龍 古谷 慎平 楊 家家 高橋 智
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.77, no.777, pp.2062-2070, 2011 (Released:2011-05-25)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

Driver safety is an important and often sensitive issue for seniors. Statistics show that the elderly are more likely than other drivers to receive traffic citations for failing to yield, turning improperly, and running red lights and stop signs all indications of decreased driving ability. Currently in Japan, half of the deceased in traffic accidents are elderly people. In present study, we focused on how the pedal placement affect on braking action in emergency. First, ten healthy young and ten elderly individuals were asked to perform a simple reaction experiment by foot. Then, the same subjects were instructed to complete a braking action experiment with different pedal placement condition. The results suggested that both simple reaction time and foot movement time of elderly subjects were significantly longer than that of young subjects. Moreover, the brake pedal force of elderly subjects was lower than that of young subjects. Thus, aging influenced both of simple reaction time and braking action in emergency. In addition, even the pedal placement changed characteristics of braking action of both young and elderly subjects, the most comfortable pedal placement of elderly subjects differed from young subjects.