著者
楊 寧 須長 正治 藤 紀里子 伊原 久裕
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1_51-1_60, 2018

<p> 本研究は,「ユニバーサルデザインフォント(以下「UD フォント」と表記)」として開発されたフォントの評価を中心に総合的に検証し,合わせてフォントの形態的属性についても調査を行い,これらの相関性を分析考察することで,望ましいUDフォントのデザインに関する指針を得ることを目的とした。<br> UDフォントの評価は,従来の視認性,判別性,可読性の3つの評価項目に、積極的な評価項目とされていなかった美感性を加え、計4つの項目で行った。若年者,デザイン関連業務経験者,高齢者の合計90名を被験者とした。また,角ゴシック体,丸ゴシック体,明朝体から,合計60フォントを実験用フォントとして選定した。<br> 本稿では,実験のうち,美感性を取り上げて分析を行い,合わせて計測したフォントの形態属性との間の相関性を探った。その結果,濃度,字面面積,英数字の形態が,いずれのカテゴリーにおいても,見出しと本文フォントともに,美感性評価に強く影響していることがわかった。</p>
著者
中下 留美子 後藤 光章 泉山 茂之 林 秀剛 楊 宗興
出版者
The Mammal Society of Japan
雑誌
哺乳類科学 = Mammalian Science (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.19-23, 2007-06-30
被引用文献数
2

An adult male Asiatic black bear (<i>Ursus thibetanus</i>), 105 kg in body weight and 130 cm in total length, was captured at a fish farm in Miyadamura village, Nagano Prefecture, Japan in June 2005, due to its nuisance activity. We analyzed δ<sup>13</sup>C and δ<sup>15</sup>N in the hairs and plasma of the bear and in the muscles of rainbow trouts (<i>Oncorhynchus mykiss</i>) at the farm to discern whether the bear was actually involved in the farm damages. Both δ<sup>13</sup>C and δ<sup>15</sup>N values in the hairs and plasma were similar to those in rainbow trout muscles, confirming that the bear indeed ate a considerable number of the farm's rainbow trouts. The δ<sup>13</sup>C and δ<sup>15</sup>N values of serum were closer to those of the trout muscles than those of the hairs, indicating that the bear depended heavily on trouts in the spring of 2005 in comparison with the previous year. Moreover, stable isotope levels in the tips of the hairs were closer to those of trout muscles than those at the bases of the hairs. This suggests that the bear depended much more heavily on trouts in the previous spring than in the previous fall.<br>
著者
楊 舒淇
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.409-412, 2003-03-31
参考文献数
23

The purpose of this study is to make clear the life history of New Taipei Park, Taiwan during the Japanese Colonization by analyzing the events held in this park. During the Japanese Colonization, the life history of New Taipei Park could be divided into three stages. On the first stage, with building foundations under the Japanese rule (1899-1919), many facilities were built in the park. On the second stage under the assimilation policy (1920-1936), active and pluralistic uses shown in this park. And on the last stage under war footing (1937-1945), the entertainment uses decreased instead of military events. The uses in this park were influenced by Japanese colonialism and many institutions from Japan were shown in this park. Depending on the purpose of the events held in this park, the Park had multi-functions in the colonial period. Some were for enlightening the colony people, but some were for social demands. Meanwhile, lots of citizens also used the park as a recreational facility and attended the events. This park must influence considerably on the leisure life of citizens during the Japanese Colonization.
著者
福田 明 椋本 介士 大市 聡 中野 啓 吉廣 安昭 長澤 正氏 山岸 久雄 佐藤 夏雄 楊 恵根 何 国経 金 力軍
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.199-207, 2007-02-01
参考文献数
17
被引用文献数
1

本論文では,筆者らが2001年末より2004年末まで,ほぼ3年間にわたって南極大陸で実施した流星バースト通信実験のうち,最終年度(第45次南極地域観測隊)において行ったデータ伝送実験の概要とその実験結果を報告する.実験は,昭和基地(マスタ局)-中山基地(リモート局)間約1400kmで行われ,筆者らが開発した,ソフトウェアモデムによる流星バースト通信システムRANDOMが用いられた.期間を通しての平均スループットは,流星バーストによる伝搬が主である昼間には約1.7 bit/s, オーロラに関係すると思われる非流星伝搬がしばしば発生する夜間には約6.8bit/sであり,全休では約3.4bit/sであった.このように,本システムのデータ伝送能力は,それまでの2年間のデータ伝送実験に用いた米国MCC社製のシステムに比べて非常に高く,この1対1通信路を通して1日当り30キロバイト以上の観測データを伝送できることが分かった.
著者
楊 寧 伊原 久裕
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.76-83, 2014 (Released:2018-12-04)

国際交流の盛んな現代において、多言語タイポグラフィの必要性が増しているが、複数の言語が併存する印刷紙面では、それぞれの言語の特性を理解しつつ調和を図ることが重要なデザイン課題となる。本研究では特に中国語と日本語の調和のとれたタイポグラフィのあり方を探る。日本語と中国語は、漢字という共通した文字言語を持っていることから、その組み合わせは容易なようだが、実際にはそれぞれ独自の組版ルールを有し、書体デザインも同じものはほとんどない。したがって、両国語の文字の組版ルールの比較検討によって共通化できる組版の範囲をあきらかにし、書体についても調和すると判断可能な書体の対照関係を求め、その根拠を示す必要がある。本研究では、このうち書体―本文用の標準的な書体―に着目し、中国語と日本語フォントの調和のとれた対照関係を探るために、共通文字種の漢字のみに着目し、日本語、中国語それぞれの書体デザインを同一基準で評価する方法を探った。終端処理など中国語と日本語の漢字には、細部の処理に違いがあるが、本研究では、予備調査での観察結果に基づいて、計量可能な属性である字幅と字高、字面率、フトコロ率を取り上げ、計測を行うことで、類似性を評価することにした。 書体は、中国語では宋体と方黒体、日本語ではそれに対応する明朝体と角ゴシック体から選び、計測結果をクラスター分析したところ、宋体と明朝体、方黒体と角ゴシック体それぞれを大きく3つのグループに分類でき、それぞれ字幅と字面率の数値が小さい特徴のグループ(A)、字幅と字面率の数値が中間的なグループ(B)、字幅と字高、字面率の数値が大きなグループ(C)の3つとなった。同じグループの書体では属性データが近似しており、類似性の高い書体デザインと判断できることから、これらの組み合わせが調和ある混植の条件となると仮定できた。実施した検証実験においてもグループ同士の照応性は比較的高かった。 以上から、本研究で提案する書体の類似性評価は中国語と日本語の調和ある混植を容易に実現する方法として有効であることがわかった。
著者
楊 英賢
出版者
国際ビジネス研究学会
雑誌
国際ビジネス研究 (ISSN:18835074)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.131-148, 2015 (Released:2015-10-20)
参考文献数
44

本研究では、台湾の自転車産業における A-Team と最大手メーカージャイアントを研究対象として、 製品アーキテクチャという新たな視点を導入することで、A-Team に関する成立背景と目的、そのパフォーマンス及び新たな能力創造、そして A-Team の特徴と従来型の組織間関係との差異などを明らかにしたい。以下、明らかになった点とインプリケーションについて述べる。第一に、モジュラー型アーキテクチャの典型で、コモディティ化が一方的に進むと考えられてきた自転車産業において、ジャイアントは革新的で高付加価値の製品開発を実現した。これは A-Team における組織間協調や交流を通じた技術開発と知識の共有化・融合化の促進によって可能となった。第二に、A-Team は、企業間に競争関係ではなくコーペティション(CO-OPETITION)関係を導入することで、有形資源の取引だけでなく、無形資源の共有化を実現し、さらにはコスト優位から差別化優位への能力転換などを実現させた。こうしたことが、革新的で高付加価値製品の開発生産性向上に結び付いた。これらは、従来型の中心・衛星工場システムといった取引関係では実現できなかったものである。このような、競争と提携が交錯したコーペティションという経営手法が、台湾の自転車産業独自の強みになっていると考えられる。最後に、台湾の自転車産業は A-Team による新たな能力創造と製品アーキテクチャの変化に依拠して、従来のコスト優位から、差別化優位の戦略や能力の構築をさらに推進していく必要がある。中国はモジュラー型・オープン型アーキテクチャの技術開発を得意とするため、価格競争で優位性を持つ。この分野では、どの企業も中国に勝つための優位性を持つことは難しい。したがって、台湾の自転車産業は、日本型のすり合わせを特徴とする非標準的な付加価値の高いアーキテクチャ分野の製品を開発する必要がある。
著者
楊 寧 須長 正治 藤 紀里子 伊原 久裕
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1_51-1_60, 2018-07-31 (Released:2018-08-30)
参考文献数
13

本研究は,「ユニバーサルデザインフォント(以下「UD フォント」と表記)」として開発されたフォントの評価を中心に総合的に検証し,合わせてフォントの形態的属性についても調査を行い,これらの相関性を分析考察することで,望ましいUDフォントのデザインに関する指針を得ることを目的とした。 UDフォントの評価は,従来の視認性,判別性,可読性の3つの評価項目に、積極的な評価項目とされていなかった美感性を加え、計4つの項目で行った。若年者,デザイン関連業務経験者,高齢者の合計90名を被験者とした。また,角ゴシック体,丸ゴシック体,明朝体から,合計60フォントを実験用フォントとして選定した。 本稿では,実験のうち,美感性を取り上げて分析を行い,合わせて計測したフォントの形態属性との間の相関性を探った。その結果,濃度,字面面積,英数字の形態が,いずれのカテゴリーにおいても,見出しと本文フォントともに,美感性評価に強く影響していることがわかった。
著者
小平 秀一 尾鼻 浩一郎 高橋 成実 三浦 誠一 高橋 努 山本 楊二朗 末次 大輔
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

北米・太平洋岸のカスカディア地震発生帯は、南海トラフと同様に比較的若い海洋プレートの沈み込みに伴う巨大地震発生帯であり、M9クラスのプレート間巨大地震が発生したことが知られている。双方の沈み込み帯の比較研究を目的として海底地震計を用いた地震観測をカナダ・バンクーバー島沖の北部カスカディア地震発生帯で実施した。観測の結果、カスカディア地震発生帯浅部の地震活動は、南海トラフに比べても極めて低く、1700年の地震以降プレート間固着が完全に回復している事を示している可能性があるとともに、プレート境界の構造的な不均質性が極めて低いことを示していると考えられる。
著者
楊 開宇 坂口 正之
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.255-265, 2004-03-30 (Released:2016-11-30)

This paper will focus on the health care reform in China from the perspective of service provision. The introduction of health care insurances, which designed to encourage competitions amongst service providers, requires considerable changes in service provision system. Although the public medical insurance system was implemented in 2000, it remains to be seen whether the level of coverage can be set at appropriate level. Also, it is not easy to separate medical service from pharmacy service, which has traditionally been an important financial source for service providers. There are some possibilities of unnecessary treatments or prescribing medicines if the practitioners are not secured enough incomes under the new medical insurance systems. However, the government needs to keep social expenditures on health care. These will eventually lead to higher service charges on service users. Keeping the cost without reducing qualities of health care services is a next major task for the Chinese policy makers.
著者
楊 中平 古関 隆章 曽根 悟
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.122, no.2, pp.104-110, 2002-02-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
8

It is an important factor for railway services to take proper train rescheduling under disrupted conditions. This paper discusses the rescheduling problem in the case of resumption of train operation, in which the train operation has been temporarily suspended by an accident. The authors propose a novel rescheduling method using selective stops schedule pattern. The proposed rescheduling problem has been formulated as a nonlinear optimization problem, and it has been solved by the simulated annealing method. Finally, the proposed methods are applied to a typical commuter line, and the efficiency of these methods has been verified through simulations.