著者
武川 正吾
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.46-48, 2008-04-01 (Released:2012-10-30)
参考文献数
2
著者
上野 千鶴子 盛山 和夫 松本 三和夫 吉野 耕作 武川 正吾 佐藤 健二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

新しい「公共性」の概念をめぐって、公共社会学の理論的な構想を提示し、「自由」や「感情公共性」その応用や展開の可能性を示した。福祉とジェンダーについては定量および定性のふたつの調査を実施し、報告書を刊行した。その調査結果にもとづいて、福祉多元社会における公共性の価値意識を比較検討し、さらた具体的な実践の可能性を求めて、地域福祉、住民参加、協セクターの役割、福祉経営、ケアワークとジェンダー等について、経験データにもとづく分析をおこなった。ジェンダーと階層をめぐって、少子高齢社会と格差問題について、高齢者の格差、若年世代の格差、少子化対策とジェンダー公正の関係等についても、経験データにもとづいて、比較と検証をおこなった。福祉社会については、「自立」と「支援」のその理念をめぐって、その原理的な検討と歴史的な起源についても検討を加えた。文化と多元性の主題では、多文化主義と英語使用の問題、文化資源学における公共性、公共的な文化政策の実態と問題点について、研究を行ったほか、近代における宗教と政治の位置についてもアプローチした。また営利企業における公共性とは何かというテーマにも切り込んだ。環境については地球環境問題における「環境にやさしい」技術の関連を社会学的に分析し、新しい知見をもたらした。詳細は、科研費報告書『ジェンダー・福祉、環境、および多元主義に関する公共性の社会学的総合研究』を参照されたい。チームでとりくんだ4年間の成果にもとづき、現在東京大学出版会から『公共社会学の視座(仮題)』 (全3巻)をシリーズで年内に刊行するよう準備中である。
著者
武川 正吾 角 能 小川 和孝 米澤 旦
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.129-141, 2018-10-30 (Released:2020-10-30)
参考文献数
21

社会支出に関する社会意識の4時点の反復横断調査の結果,2000年代を通じた高福祉高負担(福祉国家)への支持の上昇が確認できたが,2015年調査ではこの傾向が逆転した。各調査の回収率,サンプルサイズの差異を考慮し,性別・年齢でウェイト調整したデータによる再分析を実施したが,逆転の事実は変わらなかった。支持者の属性に関して,2000年と2015年のデータをロジスティック回帰モデルによって比較したところ,各種属性による高福祉高負担支持の構造が変化していることがわかった。年齢に関して,2000年には若年層(低い支持)から高年齢層(高い支持)への線形的関係が存在したが,2015年にはそれがなくなっていた。さらに年齢階層別分析と出生コーホート分析を行った結果,時系列に関する大きな趨勢は同様であるものの年代・コーホートごとに変化の仕方にばらつきがあることがわかった。とくに若い世代の高福祉高負担支持が相対的に上昇している傾向が確認できる。
著者
白波瀬 佐和子 盛山 和夫 ホリオカ チャールズ・ユウジ 杉野 勇 上野 千鶴子 武川 正吾 赤川 学 中田 知生 村上 あかね
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、日本の急激な人口高齢化が社会の階層構造に及ぼす影響を、社会調査データによって実証的に明らかにすることにあった。そこで本研究では、2010年に50~84歳を対象にした「中高年者の生活実態に関する全国調査」(有効サンプル6,442ケース)を実施し、2年後にはその3,193ケースについて追跡調査を行った。高齢期の階層は、所得や仕事内容、資産といった経済的要因のみならず、だれと暮らすか(世帯構造)と密接に関連していた。

1 0 0 0 OA 二つの共助

著者
武川 正吾
出版者
福祉社会学会
雑誌
福祉社会学研究 (ISSN:13493337)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.60-69, 2010-03-31 (Released:2019-10-10)
著者
武川 正吾
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.322-340, 2004-03-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
30
被引用文献数
2

本稿では20世紀の第4四半期に顕著となった個人化の現象を福祉国家との関連で観察し, これが福祉国家に対してどのような問題を突きつけているか, 福祉国家はどのような対応をしなければならないかについて考察する.個人化は家族, 職域, 地域において観察することができる.そこでは従来の最小単位が分割され, 個人はそれまで所属していた集団から離脱していく.その結果, 個人は集団からの自立を獲得するが, 他方で集団による保護を失い, 社会的に排除される可能性もある.個人化によって新しく生まれた個人は個人主義的な消費スタイルを身につけている.個人化は既存の福祉国家に対して新しい問題を突きつける.家族の個人化は社会政策の脱ジェンダー化を, 職域の個人化は労働の柔軟化を, 地域の個人化は市民社会化を, 生活スタイルの個人化は消費の柔軟化を要求する.21世紀型の福祉国家が生き延びるためには, これらの新たな課題に応えていかなければならない.

1 0 0 0 OA 家族戦略?

著者
武川 正吾
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.43-51, 2013-04-30 (Released:2014-11-07)
参考文献数
26
被引用文献数
2

この報告は,家族戦略論のなかに公共政策を新しい変数として導入することを提案する.家族戦略の「構造的諸条件」の多くが公共政策の決定の結果として生み出されているからである.他方で,個々の家族戦略の集積の結果として,これらの「構造的諸条件」は単純再生産されたり,拡大再生産されたり,構造自体が変化する場合もある.日本も他の先進諸国と同様,グローバル化と個人化の影響を受けている.しかしその影響が他国と同様に純粋的な形で現れないのは,日本では「家族」が緩衝地帯としての役割を果たしているからである.このようなことが可能となった背景には,日本の福祉レジームの存在がある.しかし,その家族そのものの数が現在減少しつつある.家族変動に対する公共政策の影響は,これまで十分に評価されてきたとはいえない.しかし,公共政策の最初の一撃は,家族変動を含む社会変動にとって重要である.家族戦略と公共政策との間の正のスパイラルを確立するために,現在の日本では「公共政策による最初の一撃」が求められている.
著者
庄司 興吉 佐久間 孝正 矢澤 修次郎 古城 利明 犬塚 先 元島 邦夫 武川 正吾
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

上記研究課題のもとに、1992年から94年にかけて、関西国際空港の建設と開港をめぐる大阪地域の動向調査を中心として、東京都中野区、墨田区および秋田県稲川町における住民意識調査、ならびにパイロット・スタディーとして日本の「周縁」沖縄・離島地域の調査研究を行った。それらを、大阪地域の調査結果を中心として、報告する。大阪調査の全体をつうじて明らかになったのは、首都圏の場合とは対照的に意識的に民間主導で進められてきた関西地域浮揚策の、政治的文化的に個性豊かな積極面と技術的経済的に経営困難な消極面とのコントラストである。これは、関西のめざす「双眼型国土形成」が東京一極集中の流れに抗して行われねばならぬ以上、かなりの程度まで不可避の矛盾であるが、われわれが調査したかぎり、この矛盾を根本的に解決する展望は経営者団体や自治体あるいはそれらの協議機関にも現れていない。そのため関西地域の自己浮揚策は、しばしば「イベント型の連続」などといわれるような、一回生起的で不安定な側面をもたざるをえなくなっている。今年1月になって阪神地域が大震災に見舞われたが、この事件が関西地域の長期的浮揚策にいかなる影響を及ぼしていくか、なお今後が注視されなければならないであろう。日本全体の社会構造と社会意識については、世界経済の情報化と円高のなか構造改善を要求されている企業システムと、高齢化と少子化による社会問題をかかえる家族・生活体とを基礎に、やみくもに「国際化」しようとする文化装置のかたわら、「国際協力」などについて確固とした道が見いだせず、ますます混迷の度を深めていく政府システムの姿が鮮明になってきた。これについては、これからなお検討を加え、研究成果を刊行する予定である。
著者
野口 定久 埋橋 孝文 後藤 澄江 原田 正樹 武川 正吾 牧里 毎治 大橋 謙策 杉岡 直人 井岡 勉 上野谷 加代子 宮城 孝 和気 康太 金 成垣 沈 潔 金 貞任 韓 榮芝 包 敏 徐 明?
出版者
日本福祉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

包摂型福祉社会の推進をリードする地域福祉専門職養成の方法論を共有化し、各国・地域(メゾ)レベルにおいて両側面の好循環システムを構築することであった。ソーシャルキャピタルの概念を用い、日本・韓国・台湾における地域福祉拠点型及びコミュニティ型の調査を実施した。基礎的作業として「日中韓台における社会保障・社会福祉の制度比較研究」一覧表の改定版を作成し、さらにこれまでの研究成果を6本の報告書にまとめた。