著者
矢澤 修次郎
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.317-326, 2014 (Released:2015-12-31)
参考文献数
12

本稿は, 国際社会学会, 日本社会学会, 両学会の関係の歴史をたどることによって, 第18回世界社会学会議成功の意味を考え, その意味を発展させるためには, 日本社会学会, 日本の社会学者, 国際社会学会は, 何をなすべきかを明らかにしようとしたものである.著者によれば, 第18回世界社会学会議成功の意味は, 1. 会議の歴史上最多の参加者を記録したこと, 2. ヨーロッパクラブと言われていた国際社会学会の特徴を修正したこと, 3. 世界社会学会議のグローカル化に成功したこと, 4. 日本の「社会学の国際化」を推進したこと, 5. 世界社会学会議の自己評価を達成した, ことである. 最後に本稿は, 国際社会学会, 日本社会学会, 日本の社会学者の今後取り組むべき課題を指摘する.
著者
矢澤 修次郎
出版者
一橋大学
雑誌
一橋論叢 (ISSN:00182818)
巻号頁・発行日
vol.101, no.2, pp.167-181, 1989-02-01

論文タイプ||論説
著者
内藤 正典 チョルズ ジョシュクン 間 寧 足立 典子 足立 信彦 林 徹 関 啓子 矢澤 修次郎 CORUZ Coskun ジョシュクン チョルズ ショシュクン チョルズ ルーシェン ケレシュ CEVAT Geray RUSEN Keles
出版者
一橋大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

本研究は、過去30年以上にわたって、ドイツを始めとする西ヨーロッパ諸国に移民してきたトルコ人を対象に、彼らがヨーロッパに生活する上で直面する社会的・文化的諸問題とは何であるのかを明らかにした。本研究の成果として特筆すべき点は、移民を受け入れてきたホスト社会(あるいは国家)が発見した移民問題と移民自身が発見した移民問題との間には、重大な認識上の差異が存在することを実証的に明らかにしたことにある。トイツにおいて、トルコ系移民の存在が移民問題として認識されたのは、1973年の第一次石油危機以降のことであり、そこでは、移民人口の増大が、雇用を圧迫するという経済的問題と同時に、異質な民族の増加が文化的同質性を損なうのではないかという文化的問題とが指摘されてきた。他方、トルコ系移民の側は、ホスト社会からの疎外及び出自の文化の維持とホスト社会への統合のあいだのジレンマが主たる問題として認識されていた。この両者の乖離の要因を探究することが、第二年度及び最終年度の主要な課題となった。その結果、ホスト社会側と移民側との争点は、ホスト国の形成原理にまで深化していることが明らかとなった。ドイツの場合、国民(Volk)の定義に、血統主義的要素を採用しており、血統上のドイツ国民と単に国籍を有するドイツ国民という二つの国民が混在することが最大の争点となっているが、ドイツの研究者及び移民政策立案者も、この点を争点と認識することを回避していることが明らかとなった。このような状況下では、移民の文化継承に関して、移民自らホスト社会への統合を忌避しイスラーム復興運動に参加するなど、異文化間の融合は進まず、むしろ乖離しつつあるという興味深い結果を得た。さらに、研究を深化させるために、本研究では、ドイツ以外のヨーロッパ諸国に居住するトルコ系移民をめぐる問題との比較検討を行った。フランスでは、トイツのような血統主義的国民概念が存在せず、国民のステイタスを得ることも比較的容易である。しかし、フランス共和国の主要な構成原理である政教分離原則(ライシテ)に対して、ムスリム移民のなかには強く反発する勢力がある。社会システムにいたるまでイスラームに従うことを求められるムスリム社会と信仰を個人の領域にとどめることを求めるフランス共和国の理念との相克が問題として表出するのである。この現象は、移民を個人として統合することを理念とするフランスとムスリムであり、トルコ人であることの帰属意識を維持する移民側との統合への意識の差に起因するものと考えられる。即ち、共和国理念への服従を強いるフランス社会の構成原理が、それに異論を唱える移民とのあいだで衝突しているのであり、そこでは宗教が主要な争点となっていることが明らかになった。さらに、本研究では多文化主義の実践において先進的とされるオランダとドイツとの比較研究を実施した。オランダの場合は、制度的に移民の統合を阻害する要因がほとんど存在しないことから、トルコ系移民の場合も、比較的ホスト社会への統合が進展している。しかし、オランダの採る多極共存型民主主義のモデルは、移民が独自の文化を維持することを容認する。そのため、麻薬や家族の崩壊など、オランダ社会に存在する先進国の病理に対して、ムスリム・トルコ系移民は強く反発し、むしろ自らホスト社会との断絶を図り、イスラーム復興運動に傾倒していく傾向が認められる。以上のように、ドイツ、フランス、オランダの比較研究を通じて、いずれの事例も、トルコ系移民のホスト社会への統合は、各国の異なる構成原理に関する争点が明示されてきたことによって、困難となっていることが明らかにされた。本研究は、多民族・多文化化が事実として進行している西ヨーロッパ諸国において、現実には、異なる宗教(イスラーム)や異なる民族・文化との共生を忌避する論理が、きわめて深いレベルに存在し、かつ今日の政治・経済においてもなお、それらが表出しうるものであることを明らかにすることに成功した。
著者
矢澤 修次郎 伊藤 公雄 長谷川 公一 町村 敬志 篠原 千佳 油井 清光 野宮 大志郎 山本 英弘 細萱 伸子 陳 立行 金井 雅之 L.A Thompson 菊澤 佐江子 西原 和久 Pauline Kent
出版者
成城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

二つのこれまでに行われたことの無い質問紙調査を行い、世界における社会学の国際化に関する基礎データを取得することができた。そのデータを分析することによって、ヨーロッパ社会学と東アジア社会学の間には社会学の国際化に関してはそれほど大きな差は認められないこと、しかし社会学の国際化の形態に関しては、ヨーロッパの場合には国際化が研究者のキャリアにおいて通常のことになっているのに対して、東アジアでは最大限のコミットメントを要する出来事であること、また東アジア内部では、台湾・韓国タイプ(留学と研究者になることがセットである)と中国・日本タイプ(両者がセットではない)とが分かれることが明らかになった。
著者
矢澤 修次郎
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.317-326, 2014

本稿は, 国際社会学会, 日本社会学会, 両学会の関係の歴史をたどることによって, 第18回世界社会学会議成功の意味を考え, その意味を発展させるためには, 日本社会学会, 日本の社会学者, 国際社会学会は, 何をなすべきかを明らかにしようとしたものである.<br>著者によれば, 第18回世界社会学会議成功の意味は, 1. 会議の歴史上最多の参加者を記録したこと, 2. ヨーロッパクラブと言われていた国際社会学会の特徴を修正したこと, 3. 世界社会学会議のグローカル化に成功したこと, 4. 日本の「社会学の国際化」を推進したこと, 5. 世界社会学会議の自己評価を達成した, ことである. 最後に本稿は, 国際社会学会, 日本社会学会, 日本の社会学者の今後取り組むべき課題を指摘する.
著者
加藤 眞義 舩橋 晴俊 正村 俊之 田中 重好 山下 祐介 矢澤 修次郎 原口 弥生 中澤 秀雄 奥野 卓司 荻野 昌弘 小松 丈晃 松本 三和夫 内田 龍史 浅川 達人 高木 竜輔 阿部 晃士 髙橋 準 後藤 範章 山本 薫子 大門 信也 平井 太郎 岩井 紀子 金菱 清
出版者
福島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、東日本大震災のもたらす広範かつ複合的な被害の実態を明らかにし、そこからの復興の道筋をさぐるための総合的な社会学的研究をおこなうための、プラットフォームを構築することである。そのために、(1)理論班、(2)避難住民班、(3)復興班、(4)防災班、(5)エネルギー班、(6)データベース班を設け、「震災問題情報連絡会」および年次報告書『災後の社会学』等による情報交換を行った。
著者
矢澤 修次郎
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.317-326, 2014

本稿は, 国際社会学会, 日本社会学会, 両学会の関係の歴史をたどることによって, 第18回世界社会学会議成功の意味を考え, その意味を発展させるためには, 日本社会学会, 日本の社会学者, 国際社会学会は, 何をなすべきかを明らかにしようとしたものである.<br>著者によれば, 第18回世界社会学会議成功の意味は, 1. 会議の歴史上最多の参加者を記録したこと, 2. ヨーロッパクラブと言われていた国際社会学会の特徴を修正したこと, 3. 世界社会学会議のグローカル化に成功したこと, 4. 日本の「社会学の国際化」を推進したこと, 5. 世界社会学会議の自己評価を達成した, ことである. 最後に本稿は, 国際社会学会, 日本社会学会, 日本の社会学者の今後取り組むべき課題を指摘する.
著者
庄司 興吉 佐久間 孝正 矢澤 修次郎 古城 利明 犬塚 先 元島 邦夫 武川 正吾
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1992

上記研究課題のもとに、1992年から94年にかけて、関西国際空港の建設と開港をめぐる大阪地域の動向調査を中心として、東京都中野区、墨田区および秋田県稲川町における住民意識調査、ならびにパイロット・スタディーとして日本の「周縁」沖縄・離島地域の調査研究を行った。それらを、大阪地域の調査結果を中心として、報告する。大阪調査の全体をつうじて明らかになったのは、首都圏の場合とは対照的に意識的に民間主導で進められてきた関西地域浮揚策の、政治的文化的に個性豊かな積極面と技術的経済的に経営困難な消極面とのコントラストである。これは、関西のめざす「双眼型国土形成」が東京一極集中の流れに抗して行われねばならぬ以上、かなりの程度まで不可避の矛盾であるが、われわれが調査したかぎり、この矛盾を根本的に解決する展望は経営者団体や自治体あるいはそれらの協議機関にも現れていない。そのため関西地域の自己浮揚策は、しばしば「イベント型の連続」などといわれるような、一回生起的で不安定な側面をもたざるをえなくなっている。今年1月になって阪神地域が大震災に見舞われたが、この事件が関西地域の長期的浮揚策にいかなる影響を及ぼしていくか、なお今後が注視されなければならないであろう。日本全体の社会構造と社会意識については、世界経済の情報化と円高のなか構造改善を要求されている企業システムと、高齢化と少子化による社会問題をかかえる家族・生活体とを基礎に、やみくもに「国際化」しようとする文化装置のかたわら、「国際協力」などについて確固とした道が見いだせず、ますます混迷の度を深めていく政府システムの姿が鮮明になってきた。これについては、これからなお検討を加え、研究成果を刊行する予定である。