著者
桑原 浩一 井上 舞 安本 早穂子 鳥巣 雄洋 野口 絵理香 久保 久美子 田丸 静香 永田 保夫 田中 一成
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.17-00053, (Released:2018-01-30)
参考文献数
24

食塩の代わりにクエン酸塩を用いて調製する魚肉の新たな加熱ゲル化方法を開発し,本方法で調製した加熱ゲルがラットの血圧や脂質濃度に及ぼす影響を検討した。新規または従来法で調製した加熱ゲルをAIN-76組成の食餌に添加した。新規加熱ゲルの摂取は,高血圧自然発症ラットの血圧上昇を抑制させた。また,調製方法に関わらず加熱ゲルの摂取は,血清コレステロールおよび肝臓トリグリセリド濃度を減少させ,肝臓の脂肪合成酵素活性を抑制させた。新規加熱ゲルは,血圧上昇抑制および脂質代謝改善作用を有することが明らかになった。
著者
菊池 武彦 田中 一成 齊藤 寿幸
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.457-466, 2006-09-25 (Released:2009-08-07)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

東京電力(株)が過去40年以上にわたって実施してきた送電設備に関する着氷雪対策技術の状況についてまとめた.本報告書では着氷雪現象のうち特に樹氷型着氷と湿型着雪を対象とした.現象の把握や送電設備への機械的影響,その影響を軽減するための対策技術について述べる.観測データは,現地での有人による直接的な調査や実規模試験線などを用いた調査結果である.着氷雪現象の物理的理論や数値解析,対策技術(偏心重量錐と回転自在型スペーサ,ルーズスペーサなど)の基本的考え方は,各検討段階において学識者やメーカ各社と協働で蓄積した.それらの技術が現実的に有効であるか否かについて,現地で自然発生する着氷雪や強風に曝される実規模試験線(高石山試験線,最上試験線)を用いて観測した.観測の結果,送電線への着氷雪に伴う荷重の増加量や振動抑止装置の効果を再現性あるデータで示すことができた.これらの成果は,現在運用されている送電設備に適用され,安定運用に貢献している.
著者
田中 一成
出版者
同志社大学
雑誌
基督教研究 (ISSN:03873080)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.87-108, 2005-03

ヨハネ福音書8 章24 節、28 節、58 節、13 章19 節の「エゴー・エイミ」の訳語と引照に関しては、出エジプト記3 章14 節を用いるものと、イザヤ書43 章10 節を用いるものに大別される。本論文では、近年の研究論文とキーワードτυφλοζ(tuflos)の分析により、全ての箇所に第二イザヤからの影響が強いことを明らかにするが、58 節のみ「存在」の意味に解釈して、出エジプト記とも結び付ける可能性が残ることを示す。さらに58 節に含まれる「子の先在」の概念が、ヨハネ福音書に前後する文献にも見られることを確認し、第二イザヤとヨハネ福音書に共通する歴史的背景を考察して、新たな神的権威の実在化の過程が、「エゴー・エイミ」の思想的背景として、存在したことを明らかにする。
著者
田中 一成
出版者
早稲田大学
雑誌
戦略的な研究開発の推進 創発的研究支援事業
巻号頁・発行日
2021

ニューラルネットワークは世界的に利用が進んでいる機械学習のベースとなる構造で、関数近似手法としても注目されています。本研究では反応拡散モデルと呼ばれる微分方程式を主な対象として、その効率的な精度保証法の開発にニューラルネットワークをベースとした手法で挑みます。これを通じてLearn and Verifyという新スタンダードを創出し、精度保証付きニューラルネットワーク数値計算としての普及を目指します。
著者
牧 祥 本間 善之 土屋 英俊 田中 一成 青木 滋 武岡 元 三木 猛生 大島 博 山本 雅文 森本 泰夫 小川 康恭 向井 千秋
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.7-18, 2013-06-28 (Released:2017-09-04)
参考文献数
16

地上の1/6の重力環境(1/6G)の気相中における浮遊粒子状物質(SPM)の挙動を調べるため、パラボリックフライトによる擬似弱重力環境下で模擬月砂粒子(シュミラント)を実際にチャンバー内で拡散させた。エルトリエータのカットオフ値が1/6Gでは√<6>倍に増加することを利用し、気相中の浮遊粒子状物質(SPM)の重力影響を検証した。その結果、気相中の弱重力環境下を浮遊するSPMの沈降速度がストークスの式を使って表せることを明らかにするとともに、浮遊時間が重力の逆数に比例することを示した。SPMの粒径別濃度変化を数値計算した結果、重力が低く、天井が高い屋内ほど粒子が長時間残留することが示唆された。これは月面上でダストが屋内に侵入した場合、その除染作業に多くの時間がかかることを意味している。浮遊時間が粒径により異なるため、ばく露の危険性も粒径で異なっていると考えられる。ばく露の危険性がSPMの浮遊時間の長さにのみ依存すると考えるのであれば、粒径1.0μm以下の微細粒子や10μm以上の大形粒子には、重力差の影響を考慮した対策は必要ない。一方、粒径2.5〜10μmの粒子は、地上では浮遊時間が比較的短いが、月面上ではやや長時間浮遊する。この範囲の大きさのSPMに対しては、安全基準を厳格化などの新たな対策が必要であると考える。
著者
田中 貴広 建内 宏重 田中 一成 楞田 眞弘 大野 博司 山口 淳
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.A0648, 2005

【目的】<BR> 本研究の目的は、物的環境の違いが側方リーチ動作およびその際の自覚的安定性に与える影響を明らかにすることである。<BR>【対象】<BR> 健常者13名(男性3名 女性10名)、年齢26.1±4.6歳、身長161.5±6.5cmを対象とした。<BR>【方法】<BR> 左側方リーチ動作を測定条件1)テーブル設置なし、2)テーブル設置ありで測定した。順番は無作為とし、測定前に十分な練習を行った。テーブル端は左第5趾から30cm外側、高さは被検者の大転子の位置とした。<BR> 測定には三次元動作解析装置(oxford metrics社製VICON460)と床反力計(AMTI)を使用した。左第3中手骨頭部、左肩峰、左上前腸骨棘、左大転子、左足関節外果に反射マーカーを取り付けた。<BR> 左上肢を肩関節90°外転位に保持した立位姿勢(裸足、開脚10cm、開足15°)から検者の合図でできるだけ遠くに左上肢をリーチさせて、最大到達点で3秒間保持した。課題施行中にはできるだけ前方をみること、左上肢を肩峰の高さに保持すること、反対側上肢は体側につけ外転させないこと、膝を屈曲しないこと、両足底を床に接地していることを遵守した。また左側方リーチ動作施行前に両脚に均等に荷重し、両上肢とも肩関節90°外転位保持した立位(上肢外転立位)を3秒間測定した。<BR> 各測定条件において開始位置(上肢外転立位)から終了位置(左側方リーチ動作終了時)までの運動学的パラメータ(リーチ距離、骨盤移動距離、体幹傾斜角、下肢傾斜角、足圧中心移動距離)を求めた。測定は3回行い、その平均値を用いて分析した。<BR> 自覚的安定性の測定はvisual analog scale(10cm)を使用した。左端(0cm)を最低、右端(10cm)を最高とし、各測定条件での側方リーチ課題終了時の自覚的安定性を評価した。<BR> 検討項目は各測定条件での運動学的パラメータ、自覚的安定性の比較(対応のあるt検定)、各運動学的パラメータの変化率と自覚的安定性の変化率との関係(Peasonの相関係数の検定)とした。<BR>【結果】<BR> 各測定条件での運動学的パラメータの比較では体幹傾斜角を除く全ての項目において測定条件1)に比べ、測定条件2)で有意に大きかった(p<0.05)。<BR> 安心感は測定条件1),2)それぞれ5.9±1.4cm、6.6±1.6cmであり、測定条件1)に比べて測定条件2)で有意に大きかった(p<0.05)。<BR> 各運動学的パラメータと自覚的安定性との関係では明らかな相関関係は認められなかった。<BR>【考察】<BR> 力学的補助がない状況でも側方リーチ距離が増加した。またその増加は体幹の傾斜ではなく、下肢や骨盤の移動量増加により達成される傾向にあった。自覚的安定性についても同様に増加した。しかし運動学的パラメータと自覚的安定性には明らかな相関関係が認められず、物的環境が無意識下に側方バランス能力に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
著者
小林 昭 田中 一成
出版者
The Japan Society for Precision Engineering
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.20, no.231, pp.208-216, 1954
被引用文献数
1

8. 1. 砥石の選択<BR>(1) 砥粒としてはGCが良い。<BR>8. 2. 研削条件の選定<BR>(1) 砥石の種類にかかわらず研削条件を変えれば正常研削範囲が存在する。<BR>(2) 鋼研削の場合に比べ,重研削が可能である。<BR>(3) 研削液は相当豊富に供給した方がよい。<BR>8. 3. 最適粗研削条件の目安<BR>表6に示すものである。<BR>8. 4. 久本の実験結果との比較(表6)<BR>3種のガラス(BK,F,S)の平面研削め実験から次の結論を得ている。<BR>(1) 溶融を起さないための切込限度を提案し,<BR>(イ) C砥粒の方がA砥粒よりも大きい。<BR>(ロ) 粒度の粗い方が大きい。<BR>(ハ) C砥粒の場合,結合度H,QよりもLの方が大きい。<BR>(ニ) 砥石周速の小さい方が大きい。<BR>(ホ) 砥石送り速度の小さい方が大きい。<BR>パイレツクスガラスの外周円筒研削では研制液が充分かゝるようにして研削すれば溶融摩耗を起さない。別に加工物を回転しないで砥石送りだけ与えて研削して平面研削に近づけて見ても溶融摩耗は起さなかつたので,パイレツクスガラスについては溶融摩耗を基にした切込限度による良否の判定は無意味と思われる。研削抵抗を基にした筆者の判定と比べ,(イ)(ロ)(ニ)は一致し,(ハ)については結合度により研削条件を変えれば,適正使用範囲が存在することが判り,(ホ)は逆で300φのガラスボビンについて砥石送り速度を小さくしたときにむしろ溶融摩耗を起すことがあつた。<BR>(2) 研削抵抗について砥石送り速度と切込み深さとの関係は,傾向としては一致している。<BR>(3) 比研削抵抗については前述したように疑問の点がある。
著者
森本 泰夫 三木 猛生 東 敏昭 明星 敏彦 田中 一成 向井 千秋
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.129-134, 2009-06-20 (Released:2009-06-24)
参考文献数
22

We reviewed the effect of lunar dust (regolith) on humans from technological and biological point of views. In physicochemical properties of lunar dust, hazard-related factors are that silicon occupies about 50 % in composition, and that fibrous materials and nanoparticles are included. Animal exposure studies have been performed using a simulant of lunar dust, and it was speculated that the harmful effect of simulant lies between crystalline silica (positive control) and titanium dioxide (negative control). Fibrous materials may not have low solubility judging from the component. The nanoparticle in lunar dusts may have harmful potentials by the components. In microgravity, the deposition of particles with less than 1 μm in human lung did not decreased, but the deposition of particles with diameter of several μm decreased linearly with reducing the gravity. In microgravity the functions of macrophage including phagocytosis were suppressed. These data on the deposition of particles and the function of macrophage suggested that fine and ultrafine particles may be accumulated in the lung in microgravity. The researches on lunar dust and microgravity are preliminary and very much limited, therefore it is necessary to perform lots of researches in this field.
著者
田中 一成 西園 祥子 加瀬 綾子 巨椋 澄子 栗田 翠 村上 智子 久木野 憲司 松本 仁 池田 郁男
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.175-179, 2003-06-10 (Released:2009-12-10)
参考文献数
21
被引用文献数
9 10

一般に食用とされていないクロナマコの有効利用を図ることを目的として, クロナマコ摂取がラットの脂質代謝に及ぼす影響を検討した。生のクロナマコの可食部をフードカッターで粉砕し, 凍結乾燥後粉末状にしたものを試料としてラットの餌を調製した。タンパク質レベルを20%とし, クロナマコを用いた食餌ではタンパク質源としてカゼインとクロナマコを窒素含量で3:1の割合にした。対照として, タンパク質源にカゼインのみを用いたコントロール群を設けた。コレステロール (Chol) を0.2%添加したこれら飼料をSD系雄ラットに4週間自由摂食させた。クロナマコは血清および肝臓Chol濃度をコントロール群より有意に低下させ, HDL-Chol/総Chol比を上昇させた。クロナマコ摂取ラットで糞中への中性および酸性ステロイド排泄は促進した。これらの結果より, クロナマコは糞中へのステロイド排泄促進によりChol低下作用を発現することが明らかとなった。
著者
田中 一成 池田 紀子
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.378-385, 2016-10-15

特許は企業活動にとって欠かすことのできない財産であり,開発した技術の資産化と資金調達を含む経営判断においても重要である.特許を生み出したり,活用したりするためには特許調査を行う必要があり,その過程で特許文書を読むという作業は避けて通れない.一方で特許文書には独特の読みにくさがあり特許文書を読み解く作業が負担になってしまう.特に特許文書の独特の書き方に不慣れな技術者にとっては深刻な問題である.本稿では,特許文書を読むノウハウを機能として作り込むことによって,特許文書を読む作業を支援するシステムを構築したので報告する.さらに,化学分野に特化した特許読解支援システムの応用を通してさまざまな情報を統合し利活用する可能性について述べる.
著者
三上 訓顯 上北 恭史 合原 勝之 田中 一成
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.45, pp.96-97, 1998-10-30

Last year our group produced some works by the kinetic typograpy throuh Japanese experimentally in the class of degsin college in Japan. Watching the works of the students , various expressions were seen in their structures of scenes and stories and in the ways to express their emotions. These various expressions can make the communicating method abudance. By the result of our experiments , we've recognized that the kinetic typograpy through Japanese is an effective way in the design education in the future.