著者
堀江 祐範 神原 辰徳 黒田 悦史 三木 猛生 本間 善之 青木 滋 森本 泰夫
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.237-243, 2012-09-01 (Released:2012-12-14)
参考文献数
9
被引用文献数
1

日本や米国を含む諸外国の宇宙機関の国際協力のもと,月面に基地を造り宇宙飛行士が長期間滞在する計画を検討している.月表面には隕石の衝突や宇宙風化により生じた月レゴリスと呼ばれる微粒子が堆積しており,微小重力下の月面での作業においては,月面の粒子状物質の有害性評価が重要であるが,その報告は少なく,特にアレルギーとの関連についての報告はない.月レゴリスの化学組成は,SiO2がほぼ半分を占め,その他Al2O3,CaO,FeOなどが含まれる.宇宙飛行士が月レゴリスの吸入により花粉症様の症状を呈したとの報告があるほか,地球上で類似の組成を持つ黄砂ではアレルギーの増悪効果が報告されており,月レゴリスはアレルギー増悪効果を示す可能性がある.月レゴリスと類似の組成を持つレゴリスシミュラントを卵白アルブミンと共にマウスの腹腔内に投与した試験では,アレルギー増悪効果は認められなかったが,今後吸入モデルなどによるさらなる検討によって,月レゴリスの安全性を確認することが重要である.
著者
青木 滋之
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.29-42, 2013-03-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
21

It is widely agreed that the British empiricism originated with John Locke (1632-1704). As is well known among the scholars, although Locke developed his matured empirical epistemology in his philosophical masterpiece An Essay concerning Human Understanding (1690), the main tenets of his epistemology had already been in shape in the Draft A and Draft B of the Essay both written in 1671. Essays on the Law of Nature (1663-4) is also known to have been the starting point of his empirical epistemology. This paper examines these two origins of the Essay and concludes that his debt to the experimental philosophy was decisive for the orientation of the British empiricism.
著者
吉田 哲二 金山 秀樹 山本 亘 向山 澄夫 金森 洋史 青木 滋
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
スペース・エンジニアリング・コンファレンス講演論文集 : Space Engineering Conference (ISSN:09189238)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.18, pp.67-70, 2010-01-28
被引用文献数
1

月太陽発電「ルナリング」構想は,工ネルギを化石燃料に依存するパラダイムから,月からの無限に近いクリーンエネルギを自由に使うという発想へ転換するものである.本構想では月の赤道を周回する太陽電池を設置し,発電した電力をマイクロ波などで地上へ伝送する-人類が使う工ネルギの全部の量を月から送り電力供給と水素製造を行う.食糧・水の確保や水素社会が促進されると同時に化石燃料の燃焼を停止させ炭酸ガスの排出を低下させる.実現には宇宙太陽発電システムや月資源探査,月面での製造技術が必要.月面口ポットや有人施設だけでなく,国際的な協定・合意など法制面の確立も必要.清水建設の20余年にわたる宇宙建設研究をべ-スに夢のある将来像を描いた.
著者
堀江 祐範 神原 辰徳 黒田 悦史 三木 猛生 本間 善之 青木 滋 森本 泰夫
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.237-243, 2012-09-01

日本や米国を含む諸外国の宇宙機関の国際協力のもと,月面に基地を造り宇宙飛行士が長期間滞在する計画を検討している.月表面には隕石の衝突や宇宙風化により生じた月レゴリスと呼ばれる微粒子が堆積しており,微小重力下の月面での作業においては,月面の粒子状物質の有害性評価が重要であるが,その報告は少なく,特にアレルギーとの関連についての報告はない.月レゴリスの化学組成は.SiO_2がほぼ半分を占め,その他Al_2O_3,CaO,FeOなどが含まれる.宇宙飛行士が月レゴリスの吸入により花粉症様の症状を呈したとの報告があるほか,地球上で類似の組成を持つ黄砂ではアレルギーの増悪効果が報告されており,月レゴリスはアレルギー増悪効果を示す可能性がある.月レゴリスと類似の組成を持つレゴリスシミュラントを卵白アルブミンと共にマウスの腹腔内に投与した試験では,アレルギー増悪効果は認められなかったが,今後吸入モデルなどによるさらなる検討によって,月レゴリスの安全性を確認することが重要である.
著者
遠藤 毅 青木 滋
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.102-103, 1969-02-25
著者
牧 祥 本間 善之 土屋 英俊 田中 一成 青木 滋 武岡 元 三木 猛生 大島 博 山本 雅文 森本 泰夫 小川 康恭 向井 千秋
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.7-18, 2013-06-28 (Released:2017-09-04)
参考文献数
16

地上の1/6の重力環境(1/6G)の気相中における浮遊粒子状物質(SPM)の挙動を調べるため、パラボリックフライトによる擬似弱重力環境下で模擬月砂粒子(シュミラント)を実際にチャンバー内で拡散させた。エルトリエータのカットオフ値が1/6Gでは√<6>倍に増加することを利用し、気相中の浮遊粒子状物質(SPM)の重力影響を検証した。その結果、気相中の弱重力環境下を浮遊するSPMの沈降速度がストークスの式を使って表せることを明らかにするとともに、浮遊時間が重力の逆数に比例することを示した。SPMの粒径別濃度変化を数値計算した結果、重力が低く、天井が高い屋内ほど粒子が長時間残留することが示唆された。これは月面上でダストが屋内に侵入した場合、その除染作業に多くの時間がかかることを意味している。浮遊時間が粒径により異なるため、ばく露の危険性も粒径で異なっていると考えられる。ばく露の危険性がSPMの浮遊時間の長さにのみ依存すると考えるのであれば、粒径1.0μm以下の微細粒子や10μm以上の大形粒子には、重力差の影響を考慮した対策は必要ない。一方、粒径2.5〜10μmの粒子は、地上では浮遊時間が比較的短いが、月面上ではやや長時間浮遊する。この範囲の大きさのSPMに対しては、安全基準を厳格化などの新たな対策が必要であると考える。
著者
青木 滋之
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.13-33, 2008-03-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
27

Locke owed much to his precedent and contemporary natural philosophers for the formation of his philosophical thought. His debt to Descartes, Boyle and Sydenham has been widely recognized. This paper argues that the chief influence on Locke's empiricism is from his medical mentor, Sydenham, and examines the origin of Locke's “Historical, plain Method”. Locke's early medical manuscripts and Drafts for the Essay, written while Locke was working with Sydenham, reveal that he was under strong influence of Sydenham's strict empiricism. However, Locke took a more moderate position in Essay and was aware of the uses of probable hypotheses in natural philosophy.
著者
青木 滋之
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.49-68, 2006-03-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
26

It is well known among Locke scholars that Locke owed much to Descartes for the development of his thought. However, the nature of the influence has not been specifically explored. This paper argues that though Locke inherited several philosophical terminologies and a sort of dualist thinking from Descartes, he altered them to serve for his philosophical project: the examination of our ideas and knowledge by means of his “historical, plain method.” A case study of our idea of substance and its essence shows that unlike Descartes Locke stayed agnostic about the very essence of body and mind. Thus it can be said that Locke held a property dualism in contrast to Descartes' substance dualism.
著者
青木 滋之
出版者
日本イギリス哲学会
雑誌
イギリス哲学研究 (ISSN:03877450)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.21-38, 2003-03-20 (Released:2018-04-25)
参考文献数
18

It has been debated whether Locke holds direct realism or representative theory of perception. This paper examines the key concept, things themselves, to help determine that Locke is really a supporter of representative theory of perception. Yolton's view of things themselves — its emphasis on natural history of the day — is criticized for not adequately dealing with another decisive feature of things themselves — the corpuscular structure of the body. With this latter concept considered, Locke's idea should be seen as immediate object of mind, indicating that things themselves cannot be perceived in a direct way.
著者
小沢 昭夫 青木 滋 鈴木 香都子 杉本 昌明 藤田 孝夫 辻 啓介
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.561-567, 1984 (Released:2009-11-16)
参考文献数
26
被引用文献数
7 9

水産物の体内におけるタウリンの分布を知る目的で, 10種の魚介類につき, 組織別にタウリン含量を分析した。 あわせて, トロール船が各地の漁場で漁獲した各種魚介類の筋肉部について分析し, つぎの結果を得た。1) クロマグロおよびマサバの普通肉には低含量であるのに対し, マガレイおよびスケトウダラの普通肉にはかなり多く, また, いずれの魚類においても血合肉には多量に含まれていた。2) 魚類の臓器における分布状態は魚種により若干異なってはいるが, 全般的に見て, 心臓, 脾臓に多く, 鰓に少ない傾向にあった。3) スルメイカ, マダコ, ハマグリおよびナンキョクオキアミには全体にかなり高含量であり, とくに卵巣に多いのが目立った。4) トロール船にて漁獲した魚類筋肉部の分析結果はアカウオ, キレンコダイ, メヌケおよびシマメヌケに多かった。