著者
大西 幸美 磯村 有希 田中 生雅 荒武 幸代 小林 則子 田中 優司
出版者
愛知教育大学健康支援センター
雑誌
Iris health : the bulletin of Center for Campus Health and Environment, Aichi University of Education (ISSN:13472801)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.11-14, 2017

健康支援センターでは学生や職員の自己健康管理を促すきっかけをつくるため健康講座を行っている。2016年4月の学生定期健康診断時に健康管理医によるメンタルヘルス状況調査が行われ、その中で健康講座へのニーズを尋ねる質問をした。その結果「リラックス法」が最も多かったことからアロマテラピーとリラックス法を兼ねた「アロマキャンドルづくり講座」を実施し好評を得られた。今後も学生のニーズを反映させた講座を企画し健康管理のひとつの手段として役立て頂けるような講座を検討していくことが重要だと考えた。
著者
津福 達二 田中 寿明 末吉 晋 田中 優一 森 直樹 藤田 博正 白水 和雄
出版者
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.1661-1665, 2007
被引用文献数
1

症例は39歳の男性で, 2004年1月, うつ病があり自殺企図にてウォッカを大量に飲用し, 高度の胸焼け, 嚥下障害を生じたため当院へ紹介となった. 食道潰瘍および食道狭窄を認め, 腐食性食道炎と診断した. 希死念慮が強かったため精神科に入院となり, 精神面の治療を行った. 2月, 狭窄症状が強くなったため, 空腸瘻を造設し, 全身状態の改善および精神状態の安定を待って, 7月, 非開胸食道抜去術, 胸骨後食道胃吻合術を行った. 経口摂取可能となり術後32日目に退院した. 高濃度のアルコール(ウォッカ)飲用による腐食性食道狭窄を経験したので報告する.
著者
田中 優
出版者
日本福祉大学全学教育センター
雑誌
日本福祉大学全学教育センター紀要 = The Journal of Inter-Departmental Education Center, Nihon Fukushi University (ISSN:2434706X)
巻号頁・発行日
no.9, pp.33-47, 2021-03-31

This paper will explore the emotions and behaviors that are evoked by "Problem or Project based Learning (PBL)", or a community-oriented education, using the concept of "Middle Voice". By examining a community-oriented PBL project "HITO,MACHI,DEAU/TSUKURU (people, community, meeting/developing)", I will identify "agency" that does not fit the "active/passive" framework, and argue that self-transformation that is induced by the external , or community, impetus would result in the development of engagement in the outside, or community.
著者
田中 優子 楠見 孝
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.56-68, 2012 (Released:2013-12-27)
参考文献数
44
被引用文献数
2

The purpose of this study was to examine the effect of the type of goals and ability on critical thinking performance. Seventy Three students at a nursing school evaluated 30 items of enthymematic reasoning that is reasoning based on enthymeme under two kinds of goals (“to make correct judgments” and “to enjoy things”). Enthymeme, in this study, was defined as a modus ponens syllogism without an unstated premise, so that the enthymeme was logically invalid. We also manipulated the degree of believability of the unstated premise and classified the 30 items of enthymematic reasoning into four categories based on the degree of believability. Critical thinking ability was measured by using the inference subscale of the Watson-Glaser Critical Thinking Appraisal. The results showed that the logically invalid enthymematic reasoning was more accepted under the goal of enjoying things. Students less accepted the enthymematic reasoning with a less believable implicit assumption. Although students tend to accept the enthymematic reasoning with a relatively believable assumption, the students who had high critical thinking ability more refused to accept the enthymematic reasoning under the goal of making correct judgments in comparison with the students who had low critical thinking ability. We conclude that (1) critical thinking performance varies with goals and beliefs in implicit assumption within subjects; (2) high score in critical thinking ability test does not necessarily guarantee high performance; and (3) critical thinking ability affects performance interacting with goals.
著者
田中 優子 楠見 孝
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.514-525, 2007-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
21
被引用文献数
8 1

本研究では, 大学生を対象とし, 目標や文脈という状況要因が批判的思考の使用に関わるメタ認知的判断に及ぼす影響を検討することを目的として, 研究1では, 批判的思考が「効果的」な文脈と「非効果的」な文脈を収集した。研究2では, 収集した文脈の分類を行い, それぞれの特徴を抽出した。2つの文脈にはそれぞれ異なる特徴がみられた。研究3では,「正しい判断をする」「物事を楽しむ」という2つの目標と文脈を独立変数として, 批判的思考をどの程度発揮しようとするかというメタ認知的な判断に及ぼす影響を検討した。その結果,「物事を楽しむ」という目標よりも「正しい判断をする」という目標においてより批判的思考を発揮しようと判断すること, 同じ目標であっても文脈によって批判的思考の発揮判断が変化することが明らかになった。さらに, 批判的思考の発揮判断は, 目標や文脈を考慮するものの全体的に批判的思考を発揮しようとするタイプ, 効果的な文脈で非常に高く批判的思考を発揮しようとするタイプ, 非効果的文脈では目標に関係なくほとんど発揮しようとしないタイプという3タイプによって特徴づけられることが示された。
著者
高橋 洋平 田中 優 甲斐 由佳 平野 浩紀 中谷 貴美子 伊藤 悟志
雑誌
高知赤十字病院医学雑誌 = Medical Journal of Kochi Red Cross Hospital (ISSN:09197427)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.49-55, 2018-03

処女膜閉鎖症は,尿生殖洞の発生異常により生じる比較的稀な疾患として知られている.症例は11 歳女性.初経は未発来.持続する下腹部痛を主訴に来院し,MRI にて腟留血腫を認め,手術時に外陰部の視診で腟口の閉鎖と閉鎖部位に薄い膜が膨隆しており診断に至った.処女膜切開,貯留血の排出を行い,切開部位の縫合を行った.術後は子宮・腟形態の回復を認め,月経も発来しており順調に経過している.本邦での発生例184 例の文献的考察を加えて報告する.
著者
田中 優子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1930, pp.64-66, 2018-02-26

不正会計問題の発覚から経営危機に陥った東芝。再建に向け、昨秋には米投資ファンドを中心とする「日米韓連合」に半導体子会社を売却することで合意、12月には第三者割当増資も完了した。これにより、2018年3月期に2期連続の債務超過となる事態を回…

2 0 0 0 GRACE地震学

著者
田中 優作 日置 幸介
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.69-85, 2017 (Released:2017-05-26)
参考文献数
71

The Gravity Recovery and Climate Experiment (GRACE) satellite system was launched in 2002, and has been playing important roles in various disciplines of earth and environmental sciences through measuring time-variable gravity field of the earth. It also offers a unique viewpoint to study earthquakes in terms of mass redistribution. We provide a review of earthquake studies with GRACE, e.g. basic facts of the satellite system and available data types, several kinds of non-earthquake gravity changes which may mask the earthquake-related signals. We also summarize past researches about co- and postseismic gravity changes. Two dimensional coseismic gravity changes were first observed with GRACE for the 2004 Sumatra-Andaman earthquake. After that, GRACE has caught coseismic gravity changes of the 2010 Maule, the 2011 Tohoku-oki, the 2012 Indian-ocean, and the 2013 Okhotsk deep-focus earthquakes. Such coseismic gravity changes are due mainly to two factors, i.e., the density changes around the fault edges, and the vertical deformations of boundaries with density contrasts such as the surface and the Moho. Short- and long-term postseismic gravity changes are considered to stem from afterslip and viscoelastic relaxation, respectively, but further studies are needed to quantitatively explain the observations.
著者
原田 徳士 田中 優貴 亀村 真也 田中 誠人 廣島 玲子
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0410, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに,目的】日常生活の中で強い運動を行った後に,疲労で体が動かしにくいと感じる,または筋肉痛が起こるといった筋疲労を経験することがある。筋疲労が起こると,筋が発揮できる力が減り,俊敏性や巧緻性も低下し,パフォーマンスが一過性に低下する。また,筋疲労は筋肉痛を引き起こし,更なるパフォーマンスの低下が起こる。しかし,筋疲労とパフォーマンスの関係について調べた先行研究は少ないため,本研究では高強度運動によって大腿四頭筋に筋疲労を起こし,筋疲労がパフォーマンスに与える影響について検討した。【方法】本研究の対象者は21歳の健常男性10名で,全員より研究参加の同意を得た。まず運動前に測定を行い,次に大腿四頭筋に筋疲労を起こすため無酸素運動を中心とした運動5種類を実施し,運動終了直後に運動前と同項目で測定を行い,24時間後に再度同項目を測定した。測定項目は,パフォーマンスの指標として等速度性筋力測定機器(Biodex)を用いて大腿四頭筋の筋力測定,自転車エルゴメータによる最大無酸素パワーの測定,俊敏性の測定として反復横跳びを行った。これらの測定後に筋疲労の指標としてBorg Scale,大腿四頭筋に対する疼痛評価としてVASを行った。筋疲労を起こすための運動は,先行研究よりレッグプレス,レッグエクステンション,ジャンプスクワット,自転車エルゴメータ,ランジ歩行を行った。【結果】Borg scaleでは,運動前(6.9)に比べ運動直後(16.3)と翌日(12.1)に有意な上昇がみられた。VASでは,運動前(0)に比べ運動直後(6.99)と翌日(6.33)に有意な上昇を認めた。最大無酸素パワー,反復横跳びでは運動直後は低下したが,翌日には運動前レベルまで回復した。大腿四頭筋筋力は運動前に比べ運動直後と翌日ともに有意に低下を示した。【結論】本研究ではBorg ScaleおよびVASの結果より大腿四頭筋に筋疲労・筋肉痛(運動直後の原発性筋肉痛と翌日の遅発性筋肉痛)が生じたと考える。最大無酸素パワーおよび反復横とびでは運動直後は筋疲労・筋肉痛のためパフォーマンスは低下したが,翌日には運動前レベルまで回復していた。この理由として,運動時の姿勢や運動戦略の変更,大腿四頭筋以外の筋の代償によりパフォーマンス低下を補ったと推測した。また,反復横跳びは大腿四頭筋以外に股関節外転筋,大腿二頭筋,体幹の筋が働くとの報告があり,本研究でも翌日はこれらの筋が代償したと推測した。次に,Biodexは大腿四頭筋に特化した筋力測定を行うため他の筋による代償は不可であり,翌日の測定でも筋疲労・筋肉痛が継続していたため筋力低下が示された。以上より,パフォーマンスは筋疲労が生じると直後には低下するが,その後はパフォーマンスの種類によって運動戦略の変更や代償により筋疲労の影響を抑えることができることが示唆された。
著者
内川 彩夏 田中 優 中山 二郎
出版者
日本乳酸菌学会
雑誌
日本乳酸菌学会誌 (ISSN:1343327X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.74-83, 2017-06-26 (Released:2018-08-31)
参考文献数
36

ほぼ無菌状態で生誕するヒトの腸管には、出生とともに様々な細菌が定着を始める。そして成長とともに食事が母乳から離乳食、そして大人と同様の食事を摂取するようになるまで、腸内細菌叢はダイナミックかつ多様な変化をしながら成熟していく。この複雑な過程を微生物学と生体医学の原理で理解することが腸内細菌学の一つのゴールと言えよう。世界中の腸内細菌学者がこの目標達成のために、新生児の腸内細菌叢の形成過程を詳細に調査し、また世界中のヒトの腸内細菌叢データを収集している。特に、近年の次世代シーケンサーの登場により、腸内細菌叢のプロファイル化が容易になり、この分野の研究が爆発的に進展している。著者らも、国内の新生児 200 名以上の腸内細菌叢の変遷データを収集し、また、Asian Microbiome Project(AMP)を設立し、アジア人老若男女の腸内細菌叢データを網羅的に収集している。本総説では、それらのデータを紹介しながら、ヒトの腸内細菌叢のダイナミズムとダイバーシティーについて考察する。
著者
西沢 喬 田高 智美 種田 智成 田中 優介 今井田 憲 川井 純子 植木 努 曽田 直樹
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101734, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】一般的に腰部脊柱の安定性の改善が腰痛疾患の治療成績を向上させるするとされており、腰部の疾患にとって腰部脊柱の安定性の確保は重要である。腰部脊柱の安定性に関与する筋には、腹横筋や内腹斜筋、多裂筋などがあり、それらが同時収縮することで、胸腰筋膜の緊張増加と腹腔内圧の増加をもたらし腰部の安定性向上につながるとされている。また同時収縮が関節のスティフネスを増加させて、マルアライメントの改善に影響するとの報告もあり、体幹筋の同時収縮が腰部安定性に重要である。そのため体幹筋の同時収縮により腰部安定性向上を目的とした運動が一般的に行われている。しかし実際に行われている運動が同時収縮しているかどうかの検証やどの運動が効果的なのかなどの報告は少ない。そこで今回我々は、腰部安定性向上を目的とした運動における多裂筋と内腹斜筋の筋活動を計測し、同時収縮の指標であるco-contraction index(以下CI)を用い、その運動の特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は腰部に疾患のない健常成人男性15 名(平均年齢29.4 ± 5.0 歳、平均身長173.8 ± 4.3cm、平均体重64.3 ± 8.3kg)とした。筋活動の測定には表面筋電図(Myosystem G2)を用い、測定筋は左側の多裂筋(正木らに従い第5腰椎レベルで第1・2 腰椎間と上後腸骨棘を結んだ線上)、内腹斜筋(赤羽らに従い腹直筋、鼠径靭帯、臍から上前腸骨棘を結ぶ線に囲まれた領域で鼠径靭帯に平行)の2 筋とした。測定課題は1)四つ這い位から右上肢と左下肢を水平まで挙上した肢位(以下四つ這い)、2)背臥位で後頭部に手を組ませ膝関節約90°屈曲位となるよう膝を立てた姿勢から体幹と下肢が一直線になるように殿部を拳上した肢位(以下お尻上げ)、3)長坐位で体幹約45°後方に傾斜させ上肢を床面に対して垂直に接地した姿勢から、体幹と下肢が一直線になるように殿部を拳上させた肢位(以下逆ブリッジ)、4)左側を下にしたサイドブリッジ(以下サイドブリッジ)、5)端坐位での腹式呼吸最大呼気位(以下腹式呼吸)の5 つの肢位とした。各条件において波形が安定した、3 秒間の筋活動をサンプリング周波数1000Hzにて記録した。得られたデータは最大等尺性収縮時の筋活動を100%として正規化し、各条件での筋活動を%MVCとして算出した。同時収縮の評価はFalconerらの方法を用いて多裂筋と内腹斜筋のCIを算出した。統計学的分析にはSPSS12.0Jを用い、各肢位間における筋活動及びCI値の比較に関して、一元配置分散分析後、多重比較検定を行った。有意水準は5%とした。【倫理的配慮、説明と同意】対象者には,本研究の主旨および方法,研究参加の有無によって不利益にならないことを十分に説明し,書面にて承諾を得た。また本研究は当院倫理委員会の承認を得て行った。(承認番号120705-1)【結果】多裂筋活動は四つ這い27.3 ± 12.6%、お尻上げ30.3 ± 11.7%、逆ブリッジ33.3 ± 12.0%、サイドブリッジ24.3 ± 7.3%、腹式呼吸6.4 ± 8.0%であった。内腹斜筋活動は四つ這い14.1 ± 10.0%、お尻上げ3.8 ± 3.2%、逆ブリッジ10.0 ± 7.3%、サイドブリッジ32.0 ± 20.2%、腹式呼吸42.1 ± 38.4%であった。多裂筋活動では腹式呼吸が他の動作に比べ有意に低かった(P<0.05)。内腹斜筋活動では、 お尻上げが逆ブリッジ以外の動作に比べ有意に低かった(P<0.05)。また腹式呼吸がサイドブリッジ以外の動作に比べ有意に高かった(P<0.05)。CIでは、四つ這い57.8 ± 30.0%、お尻上げ24.6 ± 21.1%、逆ブリッジ44.8 ± 25.0%、サイドブリッジ76.6 ± 11.8%、腹式呼吸33.6 ± 24.7%であった。サイドブリッジが四つ這い以外の動作に比べて有意に高かった(P<0.05)。【考察】今回の結果においてCIはサイドブリッジが四つ這い以外の動作に比べ有意に高かった。サイドブリッジは、前腕と足部外側で支持するため、他の課題に比べ支持面が小さくまた関節自由度が少ない、加えて支持面からの重心位置が遠くにあることから課題の中で最も腰部の不安定な肢位であることが考えられる。先行研究より腰部の不安定性が筋活動を増加させることが報告されており、このためサイドブリッジで多裂筋と内腹斜筋の同時収縮が高まったと考えられる。【理学療法学研究としての意義】サイドブリッジは、体幹筋の同時収縮に優れており、腰部安定性に対する有効な運動となりえる事が示唆された。また、体幹筋の同時収縮を知ることで、腰部安定性の評価や運動効果の指標に貢献できると考える。
著者
田中 優子 犬塚 美輪
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

情報通信技術(ICT)を介して迅速かつ広範囲に伝達される情報は、災害時の情報共有や意思決定に役立つ一方で、デマ拡散ツールとして悪用されれば社会を混乱状態に貶めるリスクもある。誤情報拡散防止のための方法論の確立に向けて、本研究では、誤情報に対する信念がカウンター情報呈示後も維持される誤情報持続効果に着目し、その効果が生じる認知的メカニズムを実証的に明らかにすることを目的とする。
著者
田中 優 高木 修
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.75-92, 2011-02

The present study examined the effects of self-evaluation, self-acceptance, self-esteem on satisfaction of interpersonal relationship through consciousness of reciprocal interpersonal relationship. Students of a women's university (N=94) answered a questionnaire. Path analysis indicated 1) self-disgust of self-evaluation influences consciousness of compensation through self-acceptance and self-esteem, 2) evaluation apprehension from other of self-evaluation had a direct positive effect on satisfaction level of interpersonal relationship, 3) consciousness of reciprocity of reciprocal interpersonal relationship had a direct negative effect on satisfaction level of interpersonal relationship and 4) self-disgust of self-evaluation had a direct negative effect on satisfaction level of interpersonal relationship. 本研究の目的は、自己評価、自己受容、および自尊心が互恵的対人関係意識を介して対人関係満足に及ぼす影響を明らかにすることである。女子大学の94名の学生を対象に質問紙調査を行い、パス解析の結果、1)自己評価の自己嫌悪が自己受容と自尊心を媒介して返礼意識を規定する間接効果と、2)自己評価の他者評価懸念が返礼意識を規定する正の直接効果が認められた。また、3)互恵的対人関係の互恵意識が対人関係満足度を規定する正の直接効果と、4)自己評価の自己嫌悪が対人関係満足度を規定する負の直接効果が認められた。自己評価は互恵的対人関係意識の返礼意識を規定し、互恵的対人関係の互恵意識は対人関係満足度を規定することが明らかとなった。