著者
田中優美 伊藤久祥
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.167-169, 2011-03-02

Twitterは、独自のゆるいつながりが特徴のコミュニケーションサービス<br />である。Twitter上においては、あるユーザにとって個人的に不快な<br />つぶやきがあった場合に発言者との関係を絶つ対処方法が提供されている。<br />しかし、この方法は、本サービスの特徴である他のユーザとのつながりを<br />破棄する形になってしまう。<br />本研究では、ユーザが不快と判断したつぶやきを見づらくすることで、<br />Twitter独自のつながりを保持したまま不快を受け流す手法を提案する。<br />タイムライン上の任意のユーザのつぶやきを見づらくするWebシステムを<br />試作し、その上でどのような見づらさが不快を受け流すのに適切であるか<br />検討し、評価を行う。
著者
田中 優大 阿部 大輔
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集 (ISSN:1348592X)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.97-100, 2019 (Released:2019-07-22)
参考文献数
15

1960年代、京都市では高度経済成長による都市問題の解決や行政運営の効率化に向け、総合計画の作成を試みた。本研究は、その総合計画の試行過程における都市像の変遷と経緯を整理・概観し、1960年代の京都市における都市計画の思想の一端を明らかにすることを目的とする。京都市では、1960年代に三度総合計画の作成が試みたが、各総合計画で構想された都市像は、動態著しい社会構造の変化や市政の変化を受け、形を変えた。その過程では、大規模な事業を行い、都市構造を根本から転換させようとする壮大な都市像も構想された。当時構想された都市像は、その後の京都市における都市像に大きく影響を与えている。
著者
田中 優子 犬塚 美輪 藤本 和則
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.509-527, 2022 (Released:2022-09-15)
参考文献数
123

Pervasive misinformation is a primary social issue in the digital age. A common method for resolving this issue is making corrections to mitigate false beliefs due to misinformation. However, the influence of misinformation is often predominant, thereby resulting in correction having a limited effect on alleviating people's false memory and reasoning. This psychological phenomenon is known as the continued influence effect of misinformation. Rapidly evolving research has accumulated into a sizable literature explaining the psychological processes that cause this effect. This article seeks to clarify the psychological processes for exploring ways to harness the negative impact of misinformation on our minds. Specifically, we review cognitive models and factors related to the continued influence effect, as well as a potential side effect of correction. Moreover, we summarize practical recommendations for interventions based on psychological characteristics. Finally, we discuss future directions in psychology and how emerging interdisciplinary research contributes to controlling the harmful impact of misinformation on our society.
著者
楠見 孝 子安 増生 道田 泰司 MANALO Emmanuel 林 創 平山 るみ 信原 幸弘 坂上 雅道 原 塑 三浦 麻子 小倉 加奈代 乾 健太郎 田中 優子 沖林 洋平 小口 峰樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は,課題1-1「市民リテラシーと批判的思考のアセスメント」では市民リテラシーを支える批判的思考態度を検討し,評価ツールを開発した。課題1-2「批判的思考育成のための教育プログラム作成と授業実践」では,学習者間相互作用を重視した教育実践を高校・大学において行い,効果を分析した。課題2「神経科学リテラシーと科学コミュニケーション」では,哲学と神経生理学に基づいて推論と情動を検討した。さらに市民主体の科学コミュニケーション活動を検討した。課題3「ネットリテラシーと情報信頼性評価」では,放射能リスクに関する情報源信頼性評価とリテラシーの関連を調査によって解明し,情報信頼性判断支援技術を開発した。
著者
田中 優
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.614-621, 2021-11-15 (Released:2022-01-13)
参考文献数
4
被引用文献数
1

コクランリスクオブバイアスはランダム化比較試験のバイアスを評価するのに広く使われてきた.2018年に改訂版であるコクランリスクオブバイアス2.0(RoB2.0)が発表された.ドメインは5つで,(1)無作為化の過程から生じるバイアス,(2)意図した介入からの逸脱によるバイアス,(3)転帰データの欠落によるバイアス,(4)結果の測定におけるバイアス,(5)報告された結果の選択におけるバイアスである.ドメインの各領域内にシグナリング質問を含めることがRoB2の重要な特徴で,バイアスのリスク評価に関連する情報を引き出すことを目的としている.また研究全体のバイアスのリスクの程度も判定できる.
著者
田中 優子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.63-70, 2009
被引用文献数
3

本研究では,批判的思考に影響を及ぼす要因について検討することを目的とし,大学生138名を対象に,複数の論理的に正しいとは言えない論法のタイプを含む文章を3題提示した.参加者は,自由に感想を書いてよいフェーズ,任意で批判を要求されるフェーズ,強制的に批判を要求されるフェーズにおいて文章に対する記述を求められた.その際,参加者の半数には専門家が,残りの半数には匿名の大学生が書いたと説明することによって情報ソースの信憑性を操作した.論理的に正しいとは言えない論法を指摘できているかといった観点から批判的思考得点を算出した結果,論法のタイプが批判的思考の抑制に影響を及ぼすこと,批判の要求が明示的になるに従い批判的思考は促進されることが明らかになった.また,情報ソースの信憑性の高さが批判的思考を抑制する傾向があるものの,その影響は外的要求の程度や論法のタイプによって異なることが示された.
著者
中尾 悠利子 石野 亜耶 國部 克彦 田中 優希 西谷 公孝 岡田 華奈 奥田 真也 Weng Yiting 増子 和起 越智 信仁 牟禮 恵美子 大西 靖 北田 皓嗣
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

既存のAI(人工知能)を活用したESG(環境・社会・ガバナンス)評価研究では,ESG投資を既存の財務投資のパラダイムの下で発展させることは可能であっても,ESG投資の本来の目的である社会や環境への貢献を目指した投資の側面を発展させることには大いに限界がある。そこで,本研究では,ESG投資の本来の目的に立ち返り,どのようにすれば,AIによって,このようなESG投資のために情報開示における多様性をさらに発展させて,社会の改善につなげることができるのかを学術的問いとし,探求する。
著者
千葉 隆司 貞升 健志 長島 真美 熊谷 遼太 河上 麻美代 浅倉 弘幸 内田 悠太 加來 英美子 糟谷 文 北村 有里恵 小杉 知宏 鈴木 愛 永野 美由紀 長谷川 道弥 林 真輝 林 志直 原田 幸子 藤原 卓士 森 功次 矢尾板 優 山崎 貴子 有吉 司 安中 めぐみ 内谷 友美 神門 幸大 小林 甲斐 長谷川 乃映瑠 水戸部 森歌 三宅 啓文 横山 敬子 吉田 勲 浅山 睦子 井田 美樹 上原 さとみ 小野 明日香 河村 真保 小西 典子 小林 真紀子 齊木 大 下島 優香子 鈴木 淳 西野 由香里 村上 昴 森田 加奈 吉丸 祥平 木本 佳那 新藤 哲也 堀田 彩乃 小林 千種 大塚 健治 吉川 聡一 笹本 剛生 稲葉 涼太 小峯 宏之 佐伯 祐樹 坂本 美穂 塩田 寛子 鈴木 淳子 鈴木 俊也 高久 靖弘 寺岡 大輔 中村 絢 成瀬 敦子 西山 麗 吉田 正雄 茂木 友里 飯田 春香 伊賀 千紘 大久保 智子 木下 輝昭 小杉 有希 斎藤 育江 高橋 久美子 立石 恭也 田中 優 田部井 由紀子 角田 徳子 三関 詞久 渡邊 喜美代 生嶋 清美 雑賀 絢 鈴木 仁 田中 豊人 長澤 明道 中村 麻里 平松 恭子 北條 幹 守安 貴子 石川 貴敏 石川 智子 江田 稔 岡田 麻友 草深 明子 篠原 由起子 新開 敬行 宗村 佳子 中坪 直樹 浜島 知子 野口 俊久 新井 英人 後藤 克己 吉原 俊文 廣瀬 豊 吉村 和久
出版者
東京都健康安全研究センター
雑誌
東京都健康安全研究センター研究年報 (ISSN:13489046)
巻号頁・発行日
no.71, pp.39-46, 2020
著者
田中 優希 矢口 淳一
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.97-105, 2018 (Released:2018-07-10)
参考文献数
21

青森県八戸市の東側に位置する蕪島海水浴場は, 近年糞便性大腸菌群濃度が高く一時遊泳禁止措置がとられることもあった。糞便汚染の原因を解明するため本研究では2014年5月から2年7ヶ月間指標細菌濃度をモニターすると共に, 汚染源に特異的な4つの遺伝子マーカーを使用してリアルタイムPCRによる遺伝子マーカー濃度の測定を行い, 汚染源の追跡を実施した。糞便性大腸菌群数は, 2014年5月2日に1.04×103個 100 mL-1と水浴場基準を超える値を示し, 2015年5月にも9.00×102個 100 mL-1に達していた。蕪島海水浴場の指標細菌数は春に増加し, 7月以降減少して海水浴シーズンには水浴可能のレベルとなっていた。糞便汚染の原因を解明するため使用したヒト, ブタ, ウシ, ウミネコの糞便汚染を特定する4つの遺伝子マーカーHF183, Pig-2-Bac, Rum-2-Bac, 及びCat998は, 下水とそれぞれの糞便を用いた試験結果よりそれぞれ90~100%の感度と80%以上の特異度を示し, これらのマーカーの有用性が検証できた。蕪島海水浴場における4つの遺伝子マーカーの検出状況をリアルタイムPCRで調査したところ, 遺伝子マーカーHF183, Cat998の濃度は大きく年間変動し, HF183は5月に最も濃度が高く, Cat998も5月から7月にかけて濃度が増加しその後減少した。ブタとウシの糞便汚染を示すマーカーPig-2-BacとRum-2-Bacは検出されなかった。遺伝子マーカーによる4つの汚染源の検討結果から, 蕪島海水浴場の糞便汚染の原因は, ヒトとウミネコの糞便によると推定される。
著者
平山 るみ 田中 優子 河崎 美保 楠見 孝
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.441-448, 2010
参考文献数
27
被引用文献数
2

本研究では,批判的思考を支える能力を測定するための尺度としてコーネル批判的思考テスト・レベルZ(ENNIS et al.1985)を用いて,日本語版批判的思考能力尺度を構成した.まず,コーネル批判的思考テスト(ENNIS et al.1985)を日本語に翻訳し,その内的整合性および難易度を検討した.さらに,批判的思考態度尺度,および認知能力としての知能を測定する京大SXとの関係性を検討した.大学生43名に対し,批判的思考能力尺度,批判的思考態度尺度,認知能力尺度を実施した.そして,批判的思考能力尺度について検討した結果,尺度の内的整合性が得られ,課題の難易度は適切であることが確認された.また,批判的思考能力尺度得点と言語性の認知能力尺度得点との間には正の相関がみられ,この尺度には言語能力が関わることが示された.そして,批判的思考能力尺度と情意的側面を測定する批判的思考態度尺度とは,関係性がみられず,それぞれ独立した尺度であることが示された.
著者
大井 学 神尾 陽子 松井 智子 藤野 博 田中 優子 高橋 和子
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

某市3公立小学校の全学年児童1,374人のうち、775人について、対人行動チェックリスト(SCDC)日本語版12項目のいずれかにあてはまった169人(21.8%)と、そうでない者のうち約1割にあたる78人について、対人応答性尺度(SRS)日本語版の得点をもとに86人について、CCC-2との関連を検討した。またPDD児10名を含む4歳1ヶ月から11歳6ヶ月(平均生活年齢6歳4ヶ月)の41名を対象としてCCC-2日本語試作版を実施した。田中・ビネー知能検査V、絵画語彙発達検査(PVT-R)、J.COSS第三版、親への調査などを同時に行った。PDD群とTD群の群間比較ではIQ値、CCC-2指標(正値、負値、GCC、SIDC)で有意差があったが、生活年齢、PVT-R、J.COSS、父母の年齢や教育歴などに有意差はなかった。通級指導教室に通級する知的障害のない発達障害の小学生約60名の保護者にCCC-2およびPARSを、対象児にPVTおよびJ.COSS(第三版)を実施した。PARSのスコアから広汎性発達障害の可能性が示唆された児童をASD群に、ASDの基準を満たさずPVTおよびJ.COSSのスコアから語彙および文法理解力に顕著な困難があると評価された児童をSLI群に分類した。ASDにもSLIにも該当しない場合、その他の発達障害群とした。CCC-2の語用に関する領域(場面に不適切な話し方、ステレオタイプ化さわた言語、コミュニケーション場面の利用、非言語コミュニケーション)のスコアを群間で比較し、発達障害児における語用の問題について、特にその障害がASDに固有のものかどうかに焦点を当て検討した。ASD小学生50名にCCCを実施しクラスター分析を行って、4クラスターを得た。
著者
楠見 孝 田中 優子 平山 るみ
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.69-82, 2012 (Released:2013-12-27)
参考文献数
26
被引用文献数
5

This study reports the results of a learning program especially designed to improve critical thinking abilities of freshman undergraduate students. In this learning program, a variety of 90-minute activities was carried out with the help of worksheets that were used for(a) critical reading and discussion,(b) solving problems in three textbooks, (c) short presentation and small group discussion of controversial issues, (d) cooperative textbook reading by pairs, and (e) reflection about one’s own activities in a discussion. Two experimental class studies (Ns =20,18) examining the changes in students’ critical thinking ability, attitude, and knowledge due to this learning program over the period of one semester were carried out. The results of these two studies revealed that the scores of self-rated scales of critical thinking attitude, skills, knowledge, and perception of effectiveness, media literacy signi.cantly improved from the begin-ning to the end of the program. Although mean scores of the Watson-Glaser critical thinking appraisal did not significantly improve in Study 1, signi.cant improvement was observed in the scores of a new cognitive skill-based critical thinking ability scale in Study 2. Finally, the implications of this new learning program of critical thinking are discussed.