著者
伊藤 綾香
出版者
東北社会学会
雑誌
社会学年報 (ISSN:02873133)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.51-61, 2016-12-26 (Released:2018-09-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

本稿では,コミューンという起源を持つ「わっぱの会」において,対抗文化的手法がいかに変遷し,それが現在の活動にどのような特質を生み出しているのかを明らかにする. 「わっぱの会」は,障害者入所施設でボランティアを行なった学生が,産業社会化に伴い施設化を進める支配的文化への対抗文化として,街の中でのコミューン建設に着手したことに始まる.そこで経済的問題に直面し,社会福祉法人格の取得という制度化を選ぶが,外面的にそれを受け入れながらも,実際には共同生活での「一つの財布」をもとにした給与体系をつくるなど,独自のありようを模索した.現在の働く場のメンバーは,大小問わず生じるトラブルや衝突を通して「自問自答」しながらより良い働き方を模索し,障害者と「一緒に働く」べきという価値規範を身につけていた.これは必ずしも障害者をめぐる社会的状況に関心のなかったメンバーにも見られた.外面的な制度化の受け入れと独自のあり方の模索は,運動にとっての制度化のジレンマを乗り越えようとする工夫である.「閉じられた」コミューンから「開かれた」働く場への活動様式の移行は,活動に関心の無い人々を受け入れるだけでなく,彼らを,より良い働き方の追求という,変革志向的な活動の担い手として再生産することを可能にしている.こうした,独自の制度の確立という方法での対抗文化の維持は,運動が運動として継続するうえで有用である.
著者
小山田 基子 大安 剛裕 伊藤 綾美
出版者
日本マイクロサージャリー学会
雑誌
日本マイクロサージャリー学会会誌 (ISSN:09164936)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.25-28, 2018 (Released:2018-03-23)
参考文献数
14

In cases of multiple finger amputation, replantation of all amputated fingers may not be possible depending on the condition of the amputated fingers. Therefore, other reconstructive procedures should be considered, such as ectopic replantation, which is an important treatment option, especially when the thumb is one of the amputated fingers. We report the case of a 22-year-old man with complete amputation of his left thumb and index finger. The thumb amputation level was distal of the carpometacarpal joint and the amputated thumb was crushed too severely to perform replantation. We ectopically replanted the amputated index finger to the thumb stump at the anatomical position because the amputated index finger was less damaged. Good results were obtained in terms of both function and appearance.

2 0 0 0 OA Raynaud症候群

著者
竹宮 敏子 杉下 裕子 伊藤 綾子 立石 紀美子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.989-998, 1990-12-25
著者
伊藤 綾野 細谷 聡 清水 義雄 武田 大輔
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.285-289, 2009-01-20 (Released:2016-01-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

The purpose of this study was to estimate the usage and comfort levels of wearing sectional pressure socks, and sectional pressure pantyhose through psycho-physiological responses. Experiment samples are socks of sectional pressure, normal socks, pantyhose of sectional pressure and normal pantyhose. The subjects were 20 female university students. Each sample was measured over the same period of time, one day, and checked using electrocardiogram measurement to determine psychological comfort and a questionnaire to determine physiological comfort. From results of electrocardiogram measurement, normal socks decreased psychological comfort more than socks of sectional pressure over time. Moreover, the difference in the psychological comfort between in pantyhose, normal pantyhose or pantyhose of sectional pressure could not be discerned by the questionnaire. From the results of the questionnaire, both socks and normal socks increased knots and discomfort as time passed, but socks of sectional pressure brought down knots and remained at a comfortable level. In pantyhose, pantyhose of sectional pressure felt more comfortable than normal pantyhose for all regions of the leg. However, as comparing thigh to ankle and calf, pantyhose of sectional pressure of comfortable sensation value exhibited discomfort, and physiological comfort showed no significant difference between pantyhose of sectional pressure and normal pantyhose after 6 hours. Therefore, we assumed that comfortable sensation for pressure of clothes was impaired, comparing thigh to ankle and calf. Consequently, we conclude that psycho-physiological comfort for pantyhose of sectional pressure was influenced by pressure of clothes on the thigh.
著者
伊藤 綾子 五十嵐 清治 倉重 多栄 佐藤 夕紀 藤本 正幸 西平 守昭 松下 標 青山 有子 平 博彦 丹下 貴司
出版者
The Japanese Society of Pediatric Dentistry
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.591-597, 2006

含歯性嚢胞は歯原性嚢胞では歯根嚢胞に次いで多く見られる。一般的には未萌出または埋伏永久歯の歯冠に由来して発生するが,原因埋伏歯は正常歯胚であることがほとんどで,過剰歯に由来する含歯性嚢胞は比較的少ない。今回,我々は全身的問題から抜去を行わず経過観察していた上顎正中部の逆性埋伏過剰歯が嚢胞化し,定期検診の中断期間に急速に増大し,顔貌の腫脹まで来した含歯性嚢胞の症例を経験したので報告する。<BR>症例は13歳の男児で,既往歴として生後間もなくWilson-Mikity症候群の診断にて入院加療を受け,その後にてんかん,脳性麻痺,および精神発達遅滞と診断された。患児の埋伏過剰歯は当科で10歳時に発見されたが,全身状態が不良のため抜去を行わず経過観察を行っていた。その後,定期検診受診が途絶え1年3か月後に,過去数か月間で徐々に上顎右側前歯唇側歯槽部が腫脹してきたことを主訴に再来初診となった。口腔内診査では上顎左側前歯部歯槽部に青紫色の腫脹を認め羊皮紙様感を触知した。エックス線診査では上顎前歯部に1本の逆性埋伏過剰歯を含む単房性の境界明瞭な透過像を認めた。局所麻酔下に嚢胞と埋伏過剰歯の摘出術を施行したが,術後17日目に術部感染を来したため抗菌薬投与と局部の洗浄を継続し消炎・治癒に至った。術後2か月の経過は良好である。<BR>本例のように何らかの理由により埋伏過剰歯抜去が困難な場合は,その変化を早期に発見するために定期的,かつ確実な画像診断を含む精査が必須であると考えられた。
著者
髙橋 尚也 伊藤 綾花
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 The journal of the Institute of Psycology, Rissho University (ISSN:24322059)
巻号頁・発行日
no.14, pp.39-50, 2016

大学生が利用している主要なSNS であるTwitter とLINE を利用する際の行動の構造を分析することと、それらの行動と性格特性やインターネット利用時の意識との関連を分析することを目的として、青年101名に質問紙調査が実施された。その結果、SNS 利用行動として「一般的積極利用」「自己アピール」「敏感即応」「スルースキル」「表現法配慮」の5 因子が抽出された。また、これらの行動尺度に基づき、クラスタ分析を実施した結果、3 類型が抽出された。「ヘビーコミット群」は、依存的関与・没入的関与・非日常的関与が高く、インターネットと現実とのバランスが取れておらず、情緒不安定性が高かった。「関係配慮群」は、Twitter とLINE の両方で、スルースキルと表現法配慮が高かった。「義理登録群」は他のクラスタよりほとんどの行動指標で低い値を示した。これらの知見から、SNS 利用における青年の対人関係特性が議論された。
著者
平林 聡 徳江 義宏 伊藤 綾 ELLIS Alexis HOEHN Robert 今村 史子 森岡 千恵
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.44-49, 2016 (Released:2017-01-30)
参考文献数
42
被引用文献数
3 4

川崎市川崎区を事例に,都市樹林評価モデルi-Tree Ecoを試行し,その解析結果および都市樹林管理業務への活用について考察した。モデルの改変,パラメータの設定を行い,一般に公開されているデータを入力データとして用いることで,街路樹による炭素蓄積・固定量,住宅の冷暖房使用増減量,大気汚染物質除去量とそれによる健康被害軽減,雨水流出量の削減を推定した。また,それらの貨幣価値は,参考値であるが年間約530万円と推定された。
著者
竹内 浩二 竹内 純 菊池 豊 秋山 清 網野 範子 沼沢 健一 伊藤 綾
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.56, pp.99-102, 2009 (Released:2010-12-28)
参考文献数
8

東京都多摩地域でソルゴー障壁を組み合わせた露地ナス生産圃場において,ソルゴー上の昆虫と天敵を調査したところ,ヒエノアブラムシが5~10月に発生し,これを捕食するテントウムシ類やクサカゲロウ類,ヒラタアブ類など30種以上の土着天敵が確認された。また,現地ではソルゴー品種として主に‘風立’を使っていたが,この妥当性を試験圃場,現地栽培圃場で調査したところ,アブラムシ類の発生,草丈など生育状況による防風性,出穂の状況から,東京都においては‘風立’が適当と考えられた。また,試験圃場において露地ナス栽培におけるソルゴー障壁の効果を検討した。ソルゴー障壁区では定植後の農薬散布を実施しなかったが,アブラムシ類の発生は対照区(定植後のアブラムシ剤3回)に比べて少なく,ミカンキイロアザミウマ,カンザワハダニの発生も対照区並に抑えることができた。しかしながら,ホコリダニが多発することがあり,ソルゴー障壁栽培を導入し減農薬栽培を行うにあたってはテントウムシ類やクサカゲロウ類,ヒラタアブ類などに影響が少なくかつホコリダニに効果の高い薬剤の選択といった対応が必要と考えられる。
著者
伊藤 綾花 芹川 聖一 北園 優希
出版者
一般社団法人 産業応用工学会
雑誌
産業応用工学会全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.34-35, 2015

このシステムは、ベランダやゴミ捨て場に集まってくる鳥を追い払うためのものである。街でよくスズメやカラスを見かけるが、それらの鳥はベランダなどの場所をフンで汚したり、ゴミ捨て場に捨ててあるゴミをあさったりしている。これらの行為は衛生的にも非常によくない。本研究では、画像処理によってベランダやゴミ捨て場に集まってくる鳥を検出し、装置に備え付けてある水鉄砲で鳥を追い払うシステムを開発した。水を噴射して追い払うので、鳥を傷つけることもない。また、水鉄砲はモータによって上下左右に動くので、ベランダのようにある一定の範囲内であれば、どこに鳥がいても追い払うことができる。
著者
伊藤 綾香 五十嵐 大貴 吉田 圭佑
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0908, 2017 (Released:2017-04-24)

【目的】Schinzel-Giedion症候群(以下,SGS)は,1978年にShinzelとGiedionが報告した先天性疾患で,顔面中央部低形成,重度精神遅滞,痙攣,心・腎奇形,内反足等の骨格異常を特徴とし,国内外で数十例の報告しかない予後不良な稀少疾患である。2歳前後の死亡例や呼吸不全が死因となるという報告がある。責任遺伝子としてSETBP1の同定等,近年報告は増えているが,リハビリテーションに関する報告はない。今回,SGSに対し,1歳11ヶ月から3歳にかけて訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)介入を行ったため経過を考察し報告する。【方法】対象は,SGSの女児。在胎37週,帝王切開で出生。出生時体重3106g。APS3-7。両側腎盂拡張,脳室拡大,特異顔貌,第5指・第4・5趾重複趾や内反足を認め,遺伝学的検査でSETBP1が同定されSGSと診断。2ヶ月時,全身性強直発作が群発,6ヶ月時にWest症候群と診断,ACTH-Z療法で発作は軽減。副作用として低カリウム血症,高血圧,脳萎縮を認め,低カリウム血症,高血圧は投薬で対応,脳萎縮は改善しなかった。ADLは全介助レベルで表情は乏しい。経鼻栄養だったが,2歳5ヶ月時に胃瘻造設。サービス利用はなく,週1回の訪問リハのみ利用。介入時,心拍数70-160bpm,SpO280-99%と変動あり,夜間酸素投与していた。呼吸数15~16回/分,時折咳嗽,舌根沈下があり,シーソー呼吸様で痰貯留による喘鳴あり。肺炎での入院が1回/1~2ヶ月で,母は夜間不眠があった。発作による四肢のぴくつきや,非対称な反り返りが多い。体幹低緊張で未定頸なため座位保持困難。左背面皮膚短縮,胸郭の非対称性,可動域低下著明で下肢は蛙状肢位。日常姿勢は背臥位又は側臥位のみ。口腔内唾液貯留が多い。易感染性のため外出は病院受診のみであった。医療的ケアは母のみ実施で,外出も制限されていた。【結果】易感染性により呼吸器感染リスクが高く訪問リハ適応となった。肺炎再発防止,母の負担軽減を目標に,上気道通過障害の改善,胸郭呼吸運動の発達促進を目的とした運動療法と腹臥位ポジショニング指導を行い,排痰を促した。呼吸状態が不安定な時は主治医へ報告した。介助座位で喘鳴軽減したため座位保持装置を作製,抗重力姿勢増加により体力向上を図った。日中覚醒時間,夜間睡眠量が増え,2歳5ヶ月頃より入院頻度が1回/3~4ヶ月に軽減した。2歳9ヶ月時に夜間CO2平均50.8mmHgのため,夜間時のみ非侵襲的換気療法を開始した。夜間時SpO2値の変動や痰量は減少し,換気量は0.08L→0.13Lに上昇。移動用バギー貸出で外出頻度が増加した。また,入浴時負担軽減のため,入浴用椅子を作製。しかし,痙攣発作や痰貯留は継続しており,母の不安は残存し夜間不眠が継続している。【結論】呼吸障害に対し呼吸理学療法,ポジショニング指導を実施し,生活の質向上のため補装具作製を行い,生活リズムや外出頻度が変化した。SGSに対し呼吸理学療法は必要であり,補装具利用による日常生活管理の重要性が示唆された。さらにDrへの適宜報告と連携が必要であると考える。
著者
伊藤 綾香
出版者
法政大学大学院理工学・工学研究科
雑誌
法政大学大学院紀要. 理工学・工学研究科編 = 法政大学大学院紀要. 理工学・工学研究科編 (ISSN:21879923)
巻号頁・発行日
vol.58, 2017-03-31

We examined the properties of 45 variable stars in the Trapezium cluster, which we identified from J, H and Ks band near-infrared imaging with the 1.4 m IRSF telescope carried out at three epochs, 2000, 2005, and 2014.Their positions in the color-magnitude diagram and the two-color diagram show that they are young stellar objects. The variability over 2000 to 2014 of the majority of them (36/45) are found to be classified into two patterns. One group became brighter and bluer while the other became fainter and redder. Stars with largerbrightness change showed larger color change with the time scale of 〜10 years. The distribution of slope angles in the J vs J-H diagrams of 2014 is similar to that of 2005 showing the bimodal feature consistent with previous work. Comparison of the slope angles with that of interstellar extinction suggests that the origin of variation ofabout two-thirds of the 45 variables is the change in the column density of material similar to that responsible for the interstellar extinction. The light variation of the remaining variables may be due to the change in accretion and circumstellar disk activity.Key Words : young stars, variable stars, infrared, open clusters, Orion, Trapezium cluster
著者
伊藤 綾 竹内 浩二 高木 章雄 櫻井 文隆 渋澤 英城 菅谷 悦子 栄森 弘己 山岸 明
出版者
関東東山病害虫研究会
雑誌
関東東山病害虫研究会報 (ISSN:13471899)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.53, pp.153-156, 2006-12-01 (Released:2010-03-12)
参考文献数
6

近年, 東京都の江東地域においてエダマメの葉の黄化や生育不良, 収穫減少などの生育障害が発生している。そこで2005年に都内のエダマメ圃場63カ所を調査した結果, 江東地域では20圃場で生育障害が発生していた。そのうち19圃場では根部にダイズシストセンチュウのシストの寄生と, 土壌中に高密度の本種のシストと卵を認め, ダイズシストセンチュウが生育障害の原因となっている可能性が高いと考えられた。なお, 多摩地域においても初めて本種の分布を確認した。
著者
伊藤 綾子 渡辺 康 中島 正博
出版者
マイコトキシン研究会
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.7-13, 2008-01-31
被引用文献数
1

チョコレート中のアフラトキシン(アフラトキシンB<sub>1</sub>, B<sub>2</sub>, G<sub>1</sub>, G<sub>2</sub>;AFs)分析法を確立し、室内再現精度の確認を実施した。チョコレート中のAFsは、アセトニトリル-メタノール-水(60+10+40, v/v/v)で抽出し、イムノアフィニティカラムにより精製後、蛍光検出HPLCにて定量を行った。試料にAFs標準液を0.1および10.0 μg/kgの濃度となるように添加し、日内および日間における繰り返し試験を行った結果、全てのAFsにおける回収率は90-97 %、併行再現性の相対標準偏差は1.7-3.3 %、日間再現性の相対標準偏差は0-4.1 %、異日分析における室内再現性の相対標準偏差に対するHorRatは、全て0.2以内であった。以上の結果から、チョコレート中のAFsは本法により精度良く分析できる事が確認された。
著者
広瀬 弥奈 松本 大輔 八幡 祥子 前山 善彦 青山 有子 島袋 鎮太郎 千秋 宜之 松下 標 倉重 多栄 福田 敦史 伊藤 綾子 野呂 大輔 齊藤 正人 丹下 貴司 五十嵐 清治
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.444-452, 2006-06-25
被引用文献数
4

改革した小児歯科学基礎実習の点検評価を,本学歯学部4年生の96名に対しアンケート方式にて実施した。アンケートの内容は,実習に対する理解度,満足度についてで,「全くできなかった,あまりできなかった,どちらでもない,できた,よくできた」の5段階による無記名回答方式で調査した。その結果,予習の段階で実習書の内容について理解できた者は,フッ化物応用法,ラバーダム防湿法,窩溝填塞法,乳歯の歯髄切断法,既製乳歯冠修復法,治療計画の立案(口腔疾患の予防)の各実習項目とも約80%を占め,多くの者がこれから行う内容についてある程度理解しながら実習を行っていると判断された。<BR>また,本実習を通して理解を深めることのできた者は,いずれの課題も80%以上を占め,本実習によりある程度体得できたものと思われた。テユートリアル実習においては80%以上の者が本実習に積極的に参加したと自己評価していたが,あまり参加できなかった者も16%認められ,再検討が必要であると思われた。マネキンを実患者と想定した施術時態度・技能の修得については,マネキンへの話しかけを有益でないと答えた者が約30%認められたことから,学生の意識改革を惹起するような対策・対応が必要と思われた。
著者
伊藤 綾夏 杉浦 絹子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.189-197, 2010-04
被引用文献数
1

本研究では,女子大学生が月経周辺期にどのようなポジティブおよびネガティブな心身の変化を経験しているのか,またそれらの変化と月経に対するイメージとの関連はどうであるのかを明らかにし,月経教育のあり方について考察することを目的に無記名自記式質問紙調査を実施した。看護学を専攻する女子大学2,3年生129名の回答を分析した結果,以下のことが明らかとなった。1.1項目あたりの平均尺度得点の比較では,ポジティブ変化尺度得点はネガティブ変化尺度得点に比べ有意に低かった(p<0.001)。2.ポジティブ変化尺度は,因子分析の結果,「気力因子」と「活動性因子」の2因子で構成されていた。1項目あたりの平均得点の比較では,「活動性因子」が「気力因子」よりも有意に高く(p<0.001),「活動性因子」の項目である「食欲が増す」と「便秘が解消する」は他の項目に比べて高得点であった。3.ネガティブ変化尺度の1項目あたりの平均得点は高いものから「下腹部痛」「腰痛」「いらいら」「疲れやすい」「肌荒れ」「憂うつ」の順であった。4.月経イメージ尺度は,因子分析した結果,「肯定的イメージ因子」と「否定的イメージ因子」の2因子で構成されていた。1項目あたりの平均得点の比較では,「肯定的イメージ因子」が「否定的イメージ因子」よりも有意に高かった(p<0.001)。5.ポジティブ変化尺度得点と肯定的イメージ下位尺度得点間には有意な相関はみられなかったが,ネガティブ変化尺度得点と否定的イメージ下位尺度得点間には有意な強い相関がみられた(p<0.001)。以上より,この年代の女性に月経周辺期におけるポジティブな変化に関する情報を伝え,これらの変化を意識化する働きかけをしていくことの重要性が示唆された。