1 0 0 0 OA 橋本脳症の1例

著者
太田 敬之 山岡 博之 古川 安志 下村 裕子 中野 好夫 若崎 久夫 古田 浩人 西 理宏 佐々木 秀行 南條 輝志男
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.98, no.6, pp.1375-1377, 2009 (Released:2012-08-02)
参考文献数
9

症例は68歳,女性.画像診断で異常を指摘できない意識障害を認めた.橋本病の存在から橋本脳症を疑い,血清抗N末端α-enolase抗体陽性であった.橋本脳症は抗甲状腺抗体に関連した自己免疫性の脳症と考えられており,多彩な神経症状を呈する.原因不明の脳症を診た場合は,本症を考慮することが重要である.比較的まれな疾患である橋本脳症の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
著者
若松 修平 川方 裕則 平野 史朗
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

火山性地震には多くの種類が存在する。しかしながらその分類方法は統一されておらず、研究者や火山によって分類方法や基準は異なっている。火山性地震のどの部分に着目して分類するかは筆者によって様々であるし、また同じ名称で分類していても、分類の基準となる値が違うこともある(西村・井口,2006)。以上のように、文献によって火山性地震の分類基準・名称が異なると、混乱を招く。西村・井口(2006)は、「このような基準のずれや分類項目の複雑さは、火山性地震や微動の研究を分かりづらくしている理由の一つである」と述べている。したがって、火山性地震の分類方法を統一することは重要であると言える。そのためには、火山性地震の連続波形データから、十分な量の火山性地震を抽出する必要がある。 しかしながら、火山に設置された地震計には、火山性地震による揺れ以外にも、人の生活に起因する揺れが観測される可能性がある。そのため、火山性地震とそれ以外の揺れを分け、火山性地震のみを抽出するためには、データ毎に火山性地震かそれ以外のことに起因する揺れかということを判断し、火山性地震以外の揺れをノイズとして取り除いていく、という作業が必要となる。これらの作業を行うためには、火山性地震が検出できるよう、火山活動が活発となっている時期がある火山を研究対象とする必要がある。また人の生活に起因するノイズについて解析することで、それらのノイズの強さや周波数を推定でき、火山活動が活発な時期でも人の生活に起因するノイズを発見・除去しやすくなると考えられるため、火山活動が活発ではない時期もある火山が望ましい。 以上の点から、本研究では、2015年4月~9月に火山活動が活発化した箱根火山を研究対象とし、気象庁が公開している二ノ平観測点上下成分の連続波形記録を用いて、火山性地震ではないと思われる揺れを検出・除去できるよう試みた。 二ノ平観測点のデータには、観測点の近くにある彫刻の森駅を発着している電車の波形が記録されていた。以上のことは、彫刻の森駅に電車が発着していた時間と、揺れが発生していた時間で同じであったことから推定できた。 これら電車の発着による揺れの検出について、電車の波形のテンプレートを複数選出し、これらテンプレートと観測波形で似ている部分を検出することを試みた。具体的にはまず、2015年3月29日午前5時~午前9時までの間に発着した20回分の電車による波形を54個に分けたものをテンプレートとした。これらのテンプレートのエンベロープを計算して位相情報をなくした後、時間窓1秒、ずれ0.2秒で移動平均を計算することでスムージングを行なった。これらの処理を観測波形全体にも施し、テンプレートと観測エンベロープ相関をとった。この相関を用いて、電車波形を検出する方法について検討した。 以上の処理を2015年3月29日のデータに適用したところ、合計で116回あった電車による揺れのうち、112回は検出できた。また、24時間のうち、約300秒は電車が来ていない時間帯にも関わらず電車による揺れとして検出された。これらの処理を火山活動が活発化していた時期に適用することで、火山性地震を検出しやすくなることが期待される。また、以上の処理を2015年6月29日のデータに適用したところ、電車が彫刻の森駅に発着している時間にも関わらず、電車波形として検出されなかった部分があった。これらの部分には、火山性の地震波と思われるシグナルが卓越していた。これは、火山性地震の検出という本研究の目的とてらして、成功したといえる。謝辞:本研究にあたり、気象庁火山観測網のデータを使用させていただいた。
著者
山岸 光 吉田 善一 坂上 榮松 守屋 俊浩 増澤 恒明 矢島 正男 池田 博通 尾坂 一 小口 京吾 若林 優治
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.955-956, 2008

超精密微細な表面構造を持つ光学部品や、マイクロ医療用デバイスなどの加工を実現するために、ミリメートルからセンチメートルサイズの面積を、ナノメートルからマイクロメートオーダーで加工できる「レーザー・集束イオンビーム複合加工機」を開発した。この加工機は、FIBと3種類のレーザー、そしてAFMを有し、工作物の着脱無しで機上計測しながら、デバイス形状の全体に亘り、超精密微細三次元構造を加工できる。
著者
若原 俊彦 松本 充司 安野 貴之 榎本 孝 渡部 保日児 石橋 聡 倉橋 利幸 櫻本 高雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFS, オフィスシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.438, pp.15-20, 2000-11-10
被引用文献数
1

本論文は, 3地点以上の多地点で講師と受講生の間で講義空間を形成し, 参加者が一体となって受講するオンライン電子講義システムに関して、その構成法について述べたものである.本電子講義システムでは, 遠隔の受講生間で臨場感を向上させ一体感による講義空間を実現するため、複数の地点の映像をクロマキー合成するとともに, コンピュータグラフィクスにより背景を3次元合成する.具体的に、麻布、横須賀、早稲田の3地点間をディジタル回線で接続し, サイバースタジオを用いて各地点の映像のクロマキー合成を行うとともにコンピュータグラフィクスを用いて背景合成を行って遠隔講義実験を行い、受講者のアンケート結果から良好な特性が得られた。
著者
若槻泰雄 鈴木譲二著
出版者
福村出版
巻号頁・発行日
1975
著者
若井 勲夫
出版者
京都産業大学
雑誌
京都産業大学論集. 人文科学系列 = Acta humanistica et scientifica Universitatis Sangio Kyotiensis (ISSN:02879727)
巻号頁・発行日
no.49, pp.538-531, 2016-03

筆者は「神護寺蔵『和気氏三幅対』の成立と訓釈」を本誌四十六号(平成二十五年三月)に、続いて、その補訂を同四十八号(同二十七年三月)に発表した。これは江戸時代初期に和気清麻呂の後裔の半井瑞雪が高雄山神護寺の開創者である和気清麻呂、和気医道を盛り返し和気氏中興の祖とされる定成の子である時成、その子基成、の三名の肖像画に賛偈を禅僧に書かせたものを当寺に寄進したものである。筆者はその偈(漢詩)について題詞、本文、左注を解読し、訓読して書き下した上に、現代語訳と語釈をつけた。また、その賛が出来上る経緯と揮毫者について考証、解説した。補訂では半井瑞雪の系図上の位置づけを確証し、併せて二、三の問題を修正し補足した。さらに、徳川家光が半井成忠(瑞堅)に与へた狩野三兄弟の「三幅一対」が右の「三幅対」と同一であるかについて論述したが、それを証する史料が不足し、課題を指摘するに留めた。本稿は右の二編に続いて、さらに補足、訂正する点が出てきたので、再び補訂版とするものである。以下、その要点を箇条書きで記す。(一)和気時成像の偈をそのまま右から左に読んで解釈してきたが、これは全く初歩的な誤りであった。対聯、二幅対、三幅対で向って右に位置するものの書法は左から右に書くことになってゐる。そこで、全面的に読み直して、訓読、現代語訳、語釈を改めた。その際、一部の解釈を考証し直して修正した。(二)この三幅の肖像画は半井家と神護寺で「三幅対」として伝へられてゐる。今回、偈の書き方だけでなく、文字の作法、初稿で触れた衣裳や坐り方などにより、明確に三幅が一対となって描かれてゐることが確実となった。(三)和気真人(清麻呂)像の偈について、一ヶ所、訓みを改め、語釈でその是非を語法の点から考証した。また、「和気真人」は清麻呂であり、平安前期の和気時雨ではないことは前々稿で述べたが、「法眼」の称号について説明し、改めて右の補足とした。(四)和気基成像の偈について、一ヶ所、対句の表現であることを明確にして、訓みを改め、語釈でその解説をした。また、基成の伝記的な説明を少し付け加へた。〈付記〉本稿は正篇の補訂版に続いて再度の修正である。本論集の論文は機関リポジトリとして広く公開されてゐる。特に今回は、賛偈の読解の基幹に関はる重大な問題であり、これをこのまま放置することは誤った内容が広まる恐れがある。よって、ここに「続補訂」として発表することにした。
著者
若山 正人
出版者
特定非営利活動法人 横断型基幹科学技術研究団体連合
雑誌
横幹 (ISSN:18817610)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.5-13, 2014 (Released:2016-02-15)
参考文献数
25

In this article, we try to present a potential plan or crude design, and perspective for promoting mathematics-for-industry. Since the mid-1990s, the drastic improvements in computer performance have forged a much closer link of mathematics to science (including social science), technology and industry. Getting such high performance computer, we have now a new feature of applications of mathematics to industrial-scientific technology (through several software). Those applications may also provide an impact and new development on mathematics itself, and then, again be able to develop further the world of mathematical science.