著者
平井 松午 鳴海 邦匡 藤田 裕嗣 礒永 和貴 渡邊 秀一 田中 耕市 出田 和久 山村 亜希 小田 匡保 土平 博 天野 太郎 上杉 和央 南出 眞助 川口 洋 堀 健彦 小野寺 淳 塚本 章宏 渡辺 理絵 阿部 俊夫 角屋 由美子 永井 博 渡部 浩二 野積 正吉 額田 雅裕 宮崎 良美 来見田 博基 大矢 幸雄 根津 寿夫 平井 義人 岡村 一幸 富田 紘次 安里 進 崎原 恭子 長谷川 奨悟
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-10-21

本研究では、城下町絵図や居住者である侍・町人の歴史資料をもとに、近世城下町のGIS図を作成し、城下町の土地利用や居住者の変化を分析した。研究対象としたのは米沢、水戸、新発田、徳島、松江、佐賀など日本の約10ヵ所の城下町である。その結果、侍屋敷や町屋地区の居住者を個別に確定し地図化することで、居住者の異動や土地利用の変化を把握することが可能となった。その点で、GISを用いた本研究は城下町研究に新たな研究手法を提示することができた。
著者
小野寺 淳 増子 和男 上杉 和央 野積 正吉 千葉 真由美 石井 智子 岩間 絹世 永山 未沙希
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100103, 2015 (Released:2015-10-05)

長久保赤水(1717-1801)は,安永8年(1779)に「改正日本輿地路程全図」 天明5年(1785)に「地球萬国山海輿地全図説」,に「大清広輿図」などを刊行した地図製作者である。長久保赤水が編集した地図は「赤水図」と呼ばれ,江戸時代中期における最もポピュラーな地図として版を重ねた。編集図は,様々な文献や地図をもとに編集して地図を作製したと想定されているが,いかなる文献,いかなる地図を参考にしたかなど,具体的な地図作製過程については不分明な点が多い。そこで,本科学研究費(基盤研究(C)「長久保赤水の地図作製過程に関する研究」代表者:小野寺淳)は,江戸時代中期の最も著名な地図製作者であった長久保赤水の地図作製過程を明らかにすることを目的としている。  このうち,本報告では,1年間の調査をもとに明らかになった点を公表する。赤水は常陸国赤浜村(現,高萩市赤浜)の庄屋に生まれ,1767年藩命により漂流者を引き取りに長崎へ赴く(『長崎行役日記』),翌年水戸藩郷士格,大日本史地理志の編纂に従事した。50歳代から地図製作に携わり,地図を刊行した。これらの地図作製には多くの文献を渉猟したと考えられ,本報告では中国図を対象に,漢籍などから明らかになった作製過程の一部を示す。  長久保赤水からの分家は6家あり,そのうち4家に史料が伝えられている。4家のうち1家の史料は古書店経由で現在,長久保赤水顕彰会と明治大学図書館に所蔵されており,前者には書き込みの見られる漢籍が176点ある。研究初年度の昨年は,すでに現存資料が明らかになっている1家を除く3家について土蔵などの悉皆調査を行った。なかでも長久保甫家では,赤水の手書きによる写図10点,ならびに書き込みの見られる漢籍50点,書簡や村方文書などが新たに見つかった。新出の村方文書は現在整理中である。既存の史料を合わせ,これらの分析が今後の課題となる。 漢籍に記された赤水の書き込みについて,赤水が作製した「大清廣輿図」および「唐土歴代州郡沿革地図」の中国図との関係の検討を始めたところである。ここでは各中国図の原本調査を通した見解を述べておきたい。「大清廣輿図」は,省ごとに板木を作成しており,省内でも板木を分けているため,全体で23の板木を使用していることが判明した。また,省ごとに紙継ぎをするため,料紙裏に「東北淅福建界」といった目印を板木で刷っており,これは16箇所見られた。「唐土歴代州郡沿革地図」では,長久保甫家所蔵資料内に中国図作製過程の「疑問」を書いた史料が見られる。このことから,漢籍からの情報を考証し,疑問を整理しながら地図作製を行っていたと考えられる。
著者
平井 松午 溝口 常俊 出田 和久 南出 眞助 小野寺 淳 立岡 裕士 礒永 和貴 鳴海 邦匡 田中 耕市 渡辺 誠 水田 義一 野積 正吉 渡辺 理絵 塚本 章宏 安里 進
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、各地に所蔵される近世後期に作成された実測図もしくは実測図系絵図の作成法とその記載内容・精度の比較検討を行い、その上で近世実測図を用いたGIS 解析法の確立を目指したものである。その結果、徳島藩・金沢藩・鳥取藩では藩領全域をカバーする測量図がそれぞれ独自の手法によって作成されていたこと,また近世後期の城下絵図についても測量精度が向上して,これらの測量絵図が GIS 分析に適した古地図であると判断した。
著者
小野寺 淳 出田 和久 平井 松午 藤田 裕嗣 小田 匡保 礒永 和貴 大島 規江 川村 博忠 倉地 克直 杉本 史子 三好 唯義 小野田 一幸 種田 祐司 野積 正吉 青木 充子 尾崎 久美子 中尾 千明 橋本 暁子 横山 貴史
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

オランダ、ライデン大学図書館にはシーボルトが収集した21鋪の手書き彩色の国絵図が所蔵されている。21鋪の国絵図を高精細画像で撮影し、国内の類似の国絵図と詳細に比較分析した結果、21鋪の基図は慶長図1鋪、寛永図6鋪、正保図と寛文図14鋪であることが明らかになった。対となる国絵図がある一方で、基図の作成年代も個々に異なる例が多く、シーボルトの手書き彩色国絵図の入手先は複数あったと想定される。