著者
名古屋 祐子 佐藤 篤 木村 慶 相馬 伸樹 吉本 裕子 高橋 久美子 坂田 悠佳 蜂谷 ゆかり 長澤 朋子 大塚 有希 五十嵐 あゆ子
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.235-240, 2023 (Released:2023-10-30)
参考文献数
10

本研究は,小児専門病院の緩和ケアチームが院内コンサルテーションを開始する前後で院内スタッフの緩和ケアに対する困難感の変化を明らかにすることを目的に行った.5領域21項目で構成される困難感に関する自記式質問紙を用い,2015年に開始前,3年後に開始後調査を実施した.開始前は222名(回収率70.9%),開始後は384名(回収率87.3%)から回答を得た.回答者の7割以上が看護師・助産師であった.全職種では,“苦痛症状の緩和”,“看取りの際の家族ケア”,“自分自身や周囲のスタッフが感じる不全感や喪失感に対する支援”の3項目で困難感の有意な減少が認められた.介入した部署の看護師・助産師の困難感は6項目で有意な減少を認めた.緩和ケアチームが介入した16件中11件が疼痛コントロール難渋例の2名の患者への複数回の介入依頼であり,コンサルテーション活動が看護師・助産師の困難感の減少に寄与したと推察する.
著者
野田 恭平 高橋 久尚 津田 宏治 廣島 雅人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.E-M93_1-11, 2023-03-01 (Released:2023-03-01)
参考文献数
18

Due to the increase in material databases in recent years, there has been a lot of research regarding deep learning models which use large sizes of datasets and are aimed at the prediction of the material properties of inorganic compounds. Particularly, prediction models with Self-Attention structures, such as Roost and CrabNet, have garnered attention because of two reasons: (1) input variables are confined to the chemical composition of each formula and (2) Self-Attention enables models to learn individual element representations based on their chemical environment. However, the existing Self- Attention model yields low prediction accuracy when predicting structure-dependent material properties, such as the magnetic moment, for lack of structural information of compounds as input. In this research, based on the existing Self- Attention model, we set both elemental and structural information, especially the space group number and lattice constant, as input information and successfully construct a prediction model that is more versatile than existing methods. Furthermore, we visualized lists of promising materials by adopting Bayesian optimization. As a result, we have developed a system to propose desired materials for materials researchers.
著者
高橋 久美子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.415-423, 1987-05-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
18

It is widely accepted that the parent-child tie is still closer than the marital tie in Japan. It is important in family studies to clarify the process and causes on which such marital relationship is formed. The purpose of this study is to examine changes and problems of the marital relationship across the transition to parenthood. The samples were parents of 270 kindergarten children and 195 nursery school ones.The results are as follows : Less than half of husbands and wives married with intense love for the spouse but 78% of husbands and 74% of wives were delighted with the first-pregnancy. Many of them wanted to have children and came to be child-centered after the child-birth. Though most of them were satisfied with their marital relationship before and after the first-birth and at present respectively, their satisfaction with companionship was rather low. It is assumed that they put much more importance on the earning and parental roles than the marital role.
著者
山本 梨絵 林 明子 高畑 卓子 芝山 和則 高橋 久恵
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.263, 2015 (Released:2021-03-10)

目的 重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))は不安や気分障害、中枢の機能障害のために睡眠リズムが不整でしばしば不眠が見られる。オルゴール音楽は睡眠障害に有効との研究があるため、重症児(者)にもオルゴール音楽が催眠効果や中途覚醒に有効か検証する。 方法 消灯から入眠までに1時間以上を要する、または中途覚醒があり睡眠時間が継続しない重症児(者)10名を選出。オルゴール音楽のCDを20時から4時まで流す。第1期:音楽非介入期、第2期:音楽介入期、第3期:音楽非介入期に分け、各28日間、21時から4時まで1時間毎に睡眠状態を記録。消灯から熟眠に要する時間は、測定開始から熟眠判定した時間を算出。睡眠状態については覚醒3点、浅眠1点、熟眠0点で調査し、中央値の比較とウィルコクソン検定を行う。 結果 消灯から熟眠に要する時間において、第1期と第2期では中央値は1.5時間から0.75時間となり熟眠までに要する時間は短縮された。第2期と第3期を比較し、中央値は0.75時間から2時間となり熟眠までに要する時間が延びた。睡眠状況において、第1期と第2期では中央値は9.5点から7点となり、熟眠、浅眠が増加した。第2期と第3期の比較では中央値は7点から9点となり、オルゴール音楽を中止した後も効果の持続がみられた。 考察 重症児(者)は中枢神経系に障害を持つことから、睡眠−覚醒パターンを整えるケアは重要である。今回、オルゴール音楽を睡眠前に流すことでヒーリングミュージックによるリラクゼーション効果が導かれ、副交感神経優位の状態に変化したと考えられる。また、侵襲が少なく簡易的なオルゴール音楽を取り入れたことで重症児(者)の心理的安定を促進し催眠状態に導くことが出来たと考える。 結論 睡眠前よりオルゴール音楽を取り入れることで、睡眠−覚醒パターンに変化が見られたことから、重症児(者)に対しても有効であることが明らかになった。
著者
馬場 博康 宗近 宏次 古賀 靖 岩崎 統 高橋 久男
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.339-340, 1978

The typical radiological picture of ascariasis in the small intestine was demonstrated incidentally in a patient who came with abdominal tenderness.<BR>The small bowel follow through study after upper GI series is emphasized to be worth while on occassion.
著者
高木 浩一 齋藤 達也 日下 智博 坂本 裕一 高橋 久祐 成松 眞樹 長根 健一 山口 諒
出版者
農業機械學會
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.483-489, 2012-11-01
参考文献数
11

食用きのこの増収を目的に,電気刺激用パルス電源の開発と,それを用いて増収効果を検証した。木材腐朽菌のシイタケ,ナメコ,クリタケ,ハタケシメジの4種類を実験に用いた。パルス電源は,軽量コンパクト化が可能な誘導性エネルギー蓄積方式で構成した。電源出力は100kV以上,パルス幅は約100nsである。この電源でホダ木や菌床に高電圧を印加し,収量を調べた。電圧印加により,収量は1.3&sim;2.0倍に増加した。シイタケの4シーズンの累積収量は,電圧50または100kVの1回印加で,160から320gへ増加した。しかし電圧130kVでは240gに減少した。他のきのこも,50&sim;100kVで増収となった。
著者
野中 敬 君塚 善文 坂口 隆 今城 健人 千葉 秀幸 岡田 和久 斯波 忠彦 厚川 和裕 高橋 久雄
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.1556-1562, 2009 (Released:2012-07-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は62歳女性.心窩部痛を主訴に来院し,精査加療目的で入院した.上部消化管内視鏡検査で幽門前庭部に浅い地図状の潰瘍を認め,胃体部から胃底部では特異な扁平隆起性病変が多発していた.酵素抗体法にて胃生検組織中にTreponema pallidumを証明し胃梅毒と確定診断した.本例では駆梅療法開始前に胃病変の部分的な自然緩解がみられ,第2期梅毒においては皮疹と同様,胃病変も自然緩解する事が推察された.
著者
高橋 久一
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.7-33, 1976-07-20 (Released:2009-11-06)
著者
中村 遊香 中村 満洲雄 加納 塁 渡辺 晋一 高橋 久 長谷川 篤彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医皮膚科臨床 (ISSN:13418017)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.47-51, 1997-12-20 (Released:2008-05-16)
参考文献数
2

食物性アレルギー, 接触性皮膚炎, 動物寄生性皮膚炎, 細菌性皮膚炎など原因が特定される疾患が除外されるそう痒を伴う皮膚炎の犬3例に対して, 十味敗毒湯エキス (ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒 (医療用)®) を経口投与した。その結果, 3症例すべてで十味敗毒湯エキス投与2週間後にそう痒は概ね認められなくなり, 皮疹も改善傾向を示した。また, 3症例とも投与4週間後にはそう痒, 皮疹は消失したので, 投与を終了した。試験期間中に実施した身体一般検査, 血液学的検査及び血液化学検査において副作用と思われる所見は認められなかった。以上のことから, 十味敗毒湯エキス (ツムラ十味敗毒湯エキス顆粒(医療用)®) が有効な, そう痒を伴う皮膚炎の犬の症例があることが判明した。
著者
丹波 寛子 高橋 久美子 大倉 雅絵 佐藤 栄子 佐々木 司郎 伏見 悦子 竹内 雅治 高橋 俊明 関口 展代 林 雅人
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第54回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.68, 2005 (Released:2005-11-22)

[はじめに]たこつぼ型心筋障害(以下TAKO)は冠動脈攣縮やカテコラミン上昇など種々の原因が想定されているが、その詳細は不明であり、また経過中に心尖部肥大(以下APH)様を呈した報告は非常に稀である。我々は、TAKO経過中にAPH様を呈した2症例を経験したので報告する。[症例]〈症例1〉76歳女性。平成16年8月冷や汗を伴う胸痛が出現し前医を受診。心電図(以下ECG)のV3-4でST上昇、心エコー図(以下UCG)で心尖部領域に壁運動異常があり急性心筋梗塞(以下AMI)あるいはTAKOが疑われ、当院へ救急搬送された。緊急冠動脈造影(以下CAG)で有意病変は認められなかったが、左室造影(以下LVG)では心尖部がakinesisであることからTAKOと診断された。胸部X-pで心拡大、肺うっ血像、胸水は認められなかった。peak CK 279IU/l、CK-MB 9.9ng/ml。UCG所見として初診時は、乳頭筋レベルの前壁中隔から心尖部でakinesis 、壁の菲薄化と内腔拡大があった。また左室基部が過収縮なため、左室流出路では60mmHg程の圧較差が認められ、左室全体の収縮能としてはEF20-30%に低下していた。血圧低下があり少量のβ遮断薬が使用された。第16病日、内腔が縮小、EF87%と改善され、左室流出路の圧較差も消失していた。しかし、心尖部短軸断面では急性期のakinesis部に一致して壁が肥厚し、拡張期の内腔狭小化と拡張障害の所見があり、心尖部肥大型心筋症様の形態を呈していた。6か月後のUCGでは肥厚はみられず、収縮拡張ともに良好に改善されていた。ECG変化として、初診時はV2-6の軽度ST上昇のみで、第16病日にはI,II,III,aVL,aVF,胸部誘導に陰性T波、特にV3-5は巨大陰性T波を示したが6か月後には消失していた。〈症例2〉65歳女性。前医にて平成14年12月くも膜下出血術後、約1か月後にV-Pシャント術を施行。術後よりECGのV3-6でST上昇があり、AMI疑いで当院へ救急搬送された。緊急CAGでは有意病変は認められなかったが、LVGでは心基部が過収縮で、中部から心尖部にかけてdyskinesisであった事より、TAKOと診断された。胸部X-pで心拡大、肺うっ血像、胸水は認められなかった。peak CK 276IU/l、CK-MB 29ng/ml。UCG所見として初診時、基部の収縮は良好だったが乳頭筋レベルから心尖部でakinesis、壁の菲薄化も認められた。第4病日、心尖部側は縮小していたが、心尖部短軸断面では肥厚があり、内腔の拡張期狭小化と収縮拡張能の低下があった。また乳頭筋レベルの前壁中隔も厚い印象をうけた。ECGは初診時、I,II,III,aVL,aVF,V2-6でST上昇があり、第4病日には同誘導は陰性T波へ、特にV2-4では巨大陰性T波と変化した。第10病日には前医へ転院し、5か月後のECGでは発症前にほぼ戻っていたが、その後、不慮の事故により他界されたため改善後のUCGのfollowはされていない。[考察]今回報告した症例は、一例はくも膜下出血術後、もう一例はβ遮断薬が奏功したことより内因性カテコラミンの過剰分泌状態であったことが示唆される。一方、心尖部肥大型心筋症においては、心尖部の交感神経受容体異常が知られ、その成因に内因性カテコラミンの関与が報告されている。以上より、今回の2症例が経過中にAPH様を呈したことにおいて、カテコラミンの過剰分泌の関与が強く疑われた。[結語]TAKO経過中にAPH様を呈する2症例経験したが、その原因は不明である。今後多数例の検討を重ね、その病態および原因を追究していく必要がある。
著者
浦辺 幸夫 小林 寛和 高橋 久美子 川野 哲英
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.355-360, 1988-07-10 (Released:2018-10-25)
被引用文献数
1

大腿直筋やハムストリングスは股関節と膝関節にまたがる二関節筋であり,その作用はこれまでに多く報告されている。しかし,膝関節と足関節にまたがる二関節筋としての腓腹筋の作用については,ほとんど注意がなされていなかった。今回は,Cybex IIを用いた膝関節の等速度性運動のなかで,足関節背屈による腓腹筋の伸張が,膝関節運動にどのような影響をもたらすか,筋トルクや筋電積分値について分析した。これらの結果をもとに,スポーツ活動における動作にどのように二関節筋が関与しているか検討を加え,スポーツ外傷の受傷機転やそのリハビリテーションの留意点について言及する。