著者
關 武夫
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.44, no.530, pp.1000-1008, 1937-11
著者
御前 明洋 永広 昌之
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.3, pp.129-145, 2004 (Released:2005-01-07)
参考文献数
27
被引用文献数
9 10

南部北上山地, 気仙沼北方上八瀬-飯森地域のペルム系を, 下位より, 石灰岩や砂岩主体の中平層, 主に黒色泥岩よりなる細尾層, 石灰岩, 石灰質泥岩および砂岩主体の上八瀬層, 黒色泥岩が卓越する黒沢層に区分した. 上八瀬層は岩相の側方変化が大きく, 北部では石灰岩や石灰質泥岩が, 南部では砂岩が卓越する. また, フズリナ類やアンモノイドを中心に多くの化石の産出層準を明らかにし, 細尾層中部からDemarezites, 上部からWaagenocerasやParaceltites, 細尾層上部~上八瀬層最下部からPseudodoliolinaの産出を報告した. また, Monodiexodina matsubaishiがLepidolinaの初産出層準より上位からも産出することを初めて確認した. 従来報告されたフズリナ類・アンモノイド化石データと今回のそれを合わせて判断すると, 中平層~細尾層下部はSakmarian~Kungurian, 細尾層中部はRoadian, 細尾層上部~上八瀬層下部はWordian, 上八瀬層上部~黒沢層下部はCapitanianに対比される.
著者
上塘 斎 大和田 正明 加納 隆
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.11, pp.637-647, 2011-11-15 (Released:2012-03-18)
参考文献数
38
被引用文献数
1

飛騨帯は日本列島の骨格をなす地帯であり,主に各種深成岩類と高度変成岩類から構成される.飛騨帯中部地域の熊野川-長棟川地域には,飛騨帯の広域変成作用を受けた斑れい岩複合岩体が分布する.この複合岩体は火成岩組織をよく保存していることから,マグマ過程やマグマ形成場の検討に適している.本論文では,熊野川-長棟川斑れい岩複合岩体の産状と地球化学的性質について検討した.その結果,複合岩体を構成する全ての岩相はマグマ同士で共存し,それらのマグマは海洋プレートの沈み込む大陸縁辺部で形成されたと推察される.
著者
鈴木 好一
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.42, no.497, 1935-02
著者
服部 幸雄
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.71, no.834, pp.149-151, 1965-03-25 (Released:2008-04-11)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1
著者
三田村 圭祐 奥平 敬元 三田村 宗樹
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.2, pp.61-74, 2016-02-15 (Released:2016-06-17)
参考文献数
64
被引用文献数
1

生駒断層帯において,白亜紀花崗岩類中に発達する露頭規模の断層群に対する構造地質学的解析を行った.断層群のスリップデータに基づく多重逆解法により求められた古応力場は,南北引張の正断層型であった.また,断層コアのガウジから分離したイライトのK-Ar年代は,45.2±1.0Ma(粒径0.2-0.4µm)および46.0±1.1Ma(粒径0.4-1.0µm)となった.各粒径区画におけるK-Ar年代値や低温イライトの含有率に有意な差が認められなかったため,母岩の黒雲母K-Ar年代を用いて砕屑性高温イライトの影響を考慮した結果,断層コア形成およびその後の熱水変質による年代として~45-30Maを得た.これらの結果は,生駒断層帯における白亜紀花崗岩類中に発達する露頭規模の断層群の形成が始新世後期〜漸新世前期の伸長テクトニクスに関連したものであることを示唆する.
著者
山本 浩文
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.115, no.7, pp.333-343, 2009 (Released:2009-12-08)
参考文献数
51

海底堆積物から過去の海洋環境を推定することは,近未来への環境予測を可能とする.現在の海洋環境下で生息しているものと同種のプランクトンが2万年前からの微化石として産出する.つまり,現在の海洋環境を正確に把握した上で,古環境を論じられなければならない.本報告では,現在の海洋環境を参考にして,過去2万年前までの化石群集解析を行い,放散虫指数を決定し水塊の分布を求めた.本州東方沖の親潮が直接影響する北の観測点では,海水温の低下は最終氷期最寒冷期の18.0 kaで最大となった.南の観測点では,最終氷期の最寒冷期の18.0 kaから少し遅れ17.1 kaに親潮を含む水塊の流入が見られた.9.0 kaで現在の東北沖の海洋環境に落ち着いた.8.3~6.3 kaでは黒潮親潮混合域が現在よりもやや北に張り出していた.0.3~0.2 kaには房総半島沖に親潮黒潮混合域が南下した.さらに,プランクトンの種構成から黒潮流軸についての解釈を議論する.
著者
羽地 俊樹 山路 敦
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.123, no.12, pp.1049-1054, 2017-12-15 (Released:2018-03-28)
参考文献数
35
被引用文献数
5

Saruodaki Falls, which is about 60 m high, is one of the highlights of the San'in Kaigan Geopark, northern Hyogo Prefecture, SW Japan. The quartz diorite exposed at the falls has previously been thought to represent a wide dike. However, we found that it is a laccolith with a horizontal diameter of <4 km and a thickness of >100 m. The base of the laccolith is not exposed. The host of the intrusive body consists of a lower Middle Miocene shaley formation, which is subhorizontal in this region. However, the formation makes a culmination centered by the body. In addition, the interface between the shaley formation and the diorite is concordant with the domal structure of the surrounding shale. Fracture patterns observed at the falls suggest that the laccolith is a composite sill made up of at least four sheets. Fission-track and U-Pb dating of zircon from the lower part of the laccolith yields ages of 15.7±1.2 Ma and 16.1±1.4 Ma, respectively. These ages are concordant with fossil data from the host rocks.
著者
岩崎 重三
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.5, no.59, pp.456-457, 1898-08-20
著者
伴 雅雄
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.6, pp.310-328, 2011-06-15 (Released:2011-11-03)
参考文献数
98
被引用文献数
1 2

精度の高い噴火史を基にした岩石学的研究により,沈み込み帯活火山のマグマ供給系進化の解明が格段に進展し,その成果は噴火予知にも利用されつつある.玄武岩主体の活動的な火山の場合は供給系の構成が明らかにされると共に,浅部マグマ溜りが深部から注入を受けて進化する経過や,より深部の組成変化とその要因が解明されつつある.一方,安山岩~デイサイト質の火山では噴出物の特徴の時間変化に多様性があり,一噴火で急変するもの,100~800年程度で周期的に変化するもの,あるいは時間変化が見られないものがある。各々について供給系の構成や特に浅部マグマ溜りの進化を精度良く解明する研究が活発に行われている.また,噴出率の急上昇など特徴的な変化が認められる時期には浅部-深部マグマ溜りあるいは初生マグマ発生領域に大きな転換が起こっていることが判明してきている.この場合マグマ溜りの寿命について制約条件が得られる.
著者
藤川 和美
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.Supplement, pp.S161-S168, 2006 (Released:2007-06-06)
参考文献数
32

植物の分布や植生には,気候以外にも生育地の土壌が大きな影響を与えている.高知県には高知市郊外をはじめ蛇紋岩地が多い.蛇紋岩地では土壌の貧栄養や乾燥によって形態が特殊化した植物が認められること,また,固有種や分布上興味深い種が多いことなどが報告されている(北村, 1993;堀江, 2002).日本の蛇紋岩地の植物に関する研究は高知県を舞台とした吉永(1914)の研究を端緒としており,県内ではその後,山中(1959)ほかがその植生を中心に精力的に研究を進めた.そこで,高知県におけるこれまでの研究成果をまとめ,蛇紋岩地に生育する植物について報告する.次に,植物について知り得る身近な見学コースとして高知県立牧野植物園を紹介する.園内には,高知県の変化に富んだ植生を再現する土佐の植物生態園があり,また,平成18年8月15日から11月30日までは「植物化石展 ―化石でたどる植物の進化」と題した展示が開催されている.