著者
三村 和男 山田 健
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.513-519, 1990-11-01
被引用文献数
1

The forest shredder is a down-cutting type working machine equipped with many flail-type stirrup-shaped cutting blades around a horizontal shaft parallel to the brush-cutting plane. This type generally is called a flail mower. In cutting small-diameter trees of Quercus serrata THUNB. and in brush-cutting Peioblastus chino MAKINO var. using this machine, we clarified the features of both down-cutting and up-cutting types by comparatively studying the power requirements for both types. That required for cutting small-diameter trees of Q. serrata using the stirrup-shaped cutting blades of the down-cutting type is 40 to 50% greater than that by the up-cutting type. In cutting small-diameter standing trees, therefore, the power required can be reduced by using the up-cutting type. However, in the power required for brush-cutting of P. chino, no difference was seen between down-cutting and up cutting types. But the power required was 20 to 30% (Brush cutting is based on the same condition) greater than a power required for brush-cutting Sasa kurilensis MAKINO et SHIBATA var. which had been conducted previously using the stirrup-shaped cutting blades. This seem to be because the inside dimension of the stirrup-shaped cutting blade had been clogged with finely cut pieces of bamboo grass to increasing the exhaust resistance.
著者
生原 喜久雄 相場 芳憲
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.97-99, 1981

Individual trees of a stand are labeled with vinyl number-plates fastened with staples because of the convenience for recording trees. These vinyl number-plates are left in place. Wood discoloration and damage to young trees from the vinyl number-plates and the staples were investigated. Discoloration of wood on radial sections, vinyl number-plates overgrown and encased in wood, and parts of staples left in the wood were observed. Therefore, we must avoid the use of this method of numbering individual trees, especially on these parts used for lumber. If this numbering-method is used, the number-plates and staples must be removed as soon as possible.
著者
生原 喜久雄 相場 芳憲
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.97-99, 1981-03-25

Individual trees of a stand are labeled with vinyl number-plates fastened with staples because of the convenience for recording trees. These vinyl number-plates are left in place. Wood discoloration and damage to young trees from the vinyl number-plates and the staples were investigated. Discoloration of wood on radial sections, vinyl number-plates overgrown and encased in wood, and parts of staples left in the wood were observed. Therefore, we must avoid the use of this method of numbering individual trees, especially on these parts used for lumber. If this numbering-method is used, the number-plates and staples must be removed as soon as possible.
著者
Hayato HASHIZUME
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
JOURNAL OF THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.12, pp.365-372, 1968 (Released:2008-12-18)
参考文献数
3

1)花粉母細胞は11月下旬に減数分裂を開始した。分裂は12月下旬~1月上旬にオープン・スパイレーム期に達し,しばらく停滞するが,翌年の2月上旬になると急速に進行し,2月中旬~下旬の前半に第一分裂中期像が観察された。四分子は2月下旬に形成された。減数分裂の期間は約100日で非常に長い。花粉母細胞の減数分裂は平均湿度が10°C以下の低温の時期に行なわれる。 2)花粉母細胞の減数分裂にはしばしば異常が認められた。すなわち,遅滞染色体,染色体橋,隔膜形成の異常,退行現象などが観察された。このような異常分裂の結果,巨大花粉が形成された。巨大花粉には円形,広卵形,ひょうたん形のものがあった。成熟巨大花粉では,生殖核を1個有するものと2個有するものがみられた。前者は二倍性の花粉である。巨大花粉の平均直径は43.8μで,正常花粉よりも約10μ大きい。巨大花粉の出現率は個体によりちがいがみられた。 3) 四分子から分離した未熟花粉は3月上旬に急速に生長して,飛散の5~7日前から細胞分裂をはじめた。成熟花粉では生殖細胞と花粉管細胞の二つが認められた。飛散開始期は3月8日~15日であった。四分子形成から飛散までの所要日数は約15日であった。 4)人工発芽試験あ結果,花粉の発芽は飛散の5~7日前から認められた。発芽率は花粉の発育にともなって急速に増加し,飛散期に最高に達した。 以上の結果から,花粉の採取は飛散時に行なうのが最もよいように思われる。
著者
山本 昌木 野津 幹雄
出版者
日本林學會
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.150-157, 1972
被引用文献数
1

<i>Taphrina cerasi</i> (FUCKWL) SADEBECKによるソメイヨシノ(<i>Prunus yedoensis</i> MATSUMURA) のてんぐ巣病組織の超薄切片を電子顕微鏡で観察した。本菌は感受体組織の細胞間げき,中層ならびに細胞壁に認められる。菌体が細胞壁に入った場合,細胞壁は厚くなるが,菌体と細胞壁が接触している部分とそうでない部分に厚さの差を認めることはできなかった。また菌体は細胞壁へ侵入することができても,細胞壁を貫通したり,感受体細胞質に接触したりすることなく,吸器様構造も観察されなかった。組織中の菌糸が感受体細胞と隣接している場所には粘質物質様のものが認められるが,中層や細胞壁に侵入した菌体周辺には認められない。組織内の大部分の葉緑体<br>にはインターグラナラメラ,グラナラメラ,好オスミウムか粒が認められる。気孔孔辺細胞にでん粉が認められる以外には葉緑体にでん粉は観察できなかった。病葉は子のうを形成する蒔期になると組織がもろく,折れやすくなるので,組織細胞壁は変性していると思われるが,超薄切片の観察からは,これに関して知見を得ることはできなかった。
著者
パンディ ラジェンドラ・クマール カンディア アナンド・クマール コトワール プレム・チャンド
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.354-360, 1986

カンハ野生公園の全域に棲息する23種の野生動物のうちから5種(チタール (<i>Axis axis</i> ERXLEBEN), インドレイヨウ (<i>Antilope cervacapra</i> LINN.), パラシンガジカ (<i>Cervus duvauceli</i>-<i>branderi</i> POCOCK), サンバー (<i>C. unicolor</i> KERR.), ホエジカ (<i>Muntiacus muntjak</i> ZIMMERMANN)) にっいて個体群密度と現存量を調査した。両者とも,チタールが最も高い値を示し,インドレイヨウが最も低い値を示した。インド,スリランカ,ネパールの国立公園での研究と比較したばあい,ここで得た値はすべての有蹄類に対してきわめて高い値を示した。とくに調査区IIでは顕著であった。この調査区IIは次のような生物学的条件をそなえている。 1) 有蹄類が食物とする植物の種類の豊富さと多様性が高い, 2) 肉食動物の存在を欠き,草食動物の個体群が急激に増加している, 3) 生物的かく乱,とりわけ人間の活動によるかく乱が少ない。
著者
パンディ ラジェンドラ・クマール カンディア アナンド・クマール コトワール プレム・チャンド
出版者
日本林學會
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.354-360, 1986

カンハ野生公園の全域に棲息する23種の野生動物のうちから5種(チタール (<i>Axis axis</i> ERXLEBEN), インドレイヨウ (<i>Antilope cervacapra</i> LINN.), パラシンガジカ (<i>Cervus duvauceli</i>-<i>branderi</i> POCOCK), サンバー (<i>C. unicolor</i> KERR.), ホエジカ (<i>Muntiacus muntjak</i> ZIMMERMANN)) にっいて個体群密度と現存量を調査した。両者とも,チタールが最も高い値を示し,インドレイヨウが最も低い値を示した。インド,スリランカ,ネパールの国立公園での研究と比較したばあい,ここで得た値はすべての有蹄類に対してきわめて高い値を示した。とくに調査区IIでは顕著であった。この調査区IIは次のような生物学的条件をそなえている。 1) 有蹄類が食物とする植物の種類の豊富さと多様性が高い, 2) 肉食動物の存在を欠き,草食動物の個体群が急激に増加している, 3) 生物的かく乱,とりわけ人間の活動によるかく乱が少ない。
著者
川邉 洋
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.372-377, 1994-07-01 (Released:2008-12-18)
被引用文献数
1
著者
野口 陽一
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.185-189, 1960

季節の異なる特定の月のみの無降雨鋤こおける流出量を用い,その月の地下水流出量を代表できるような範囲において同時化法により地下水正常漸減曲線を求め,その範囲内の定積分値に日数比例の常数を乗じて平均的なその月の地下水総流出星とみなした。この方法で2流域を比較すると質的に予想される2流域の水文学的差異が量的に示される。また同法により季節ごとの地下貯留量曲線を求め,これにより平均的なある1ヵ月間の重力水貯留分の変化量を求め,水分収支式における来知因子である蒸発蒸散墨を推定した。
著者
佐々木 恵彦 小谷 圭司 西山 嘉彦 林 良興
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.141-148, 1984-04-25
被引用文献数
2

マツの苗木の樹液流動を水溶性の色素によって追跡した。この方法により, マツノザイセンチュウ病の初期症状および回復現象を観察することが可能である。ザイセンチュウ接種1日後に, 幹の下部の横断面に白い斑点が現われる。この斑点は樹脂道から樹脂が異常に仮道管部に浸出し, 拡散するために生じたものである。病状が進行するにつれて, 白い斑点が拡大していく。水分の通導は異常になっているが, この段階では, まだ葉に水の供給が行われている。さらに病状が進行すると, 死んだ樹脂道, 髄に水が侵入し, 異常な樹液上昇を示す。病状の最終段階では, 通導組織が完全に閉そく状態になり, 水の上昇は見られない。マツノザイセンチュウを接種した苗木の中に, 回復現象を示した苗木があった。この苗木の材部内側には, 樹脂の流出した斑点が認められるが, 外側は新しい仮道管ができ, 正常な水分通導が行われている。マツが枯死に至るためには, 形成層の完全破壊が必要であることを示唆している。上記の方法は, マツノザイセンチュウ病の初期診断に利用可能である。
著者
伊藤 進一郎 中村 宣子
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.262-267, 1984-07-25
被引用文献数
3

1976〜1979年の4年間, 東京大学農学部小石川樹木実験圃場において樹木の白紋羽病被害の発生状況について調査を行った。ヤマナラシの生枝による菌の捕捉調査および被害木の分布状態から本圃場には白紋羽病菌(Rosellini anecatrix)が広く分布していることが判明した。調査期間中に45科158種の樹木で発病が観察されたが, そのうち135種が未記録の新宿主であった。発病樹種のなかでは, トチノキ, ブナ, ウメモドキ等では被害木の発生本数が多かった。一方, コウヨウザン, シュロ, クマザサ等では, 土壌中で本菌の生息が確認された位置にありながらまったく被害が発生しなかった。被害は根元直径2cm以下, 樹高1.5m以下の幼樹に集中してみられ, 夏期に発生が多かった。本圃場では, 1960年代に導入改良ポプラ類の系統保存が行われたが, その際本病に罹病した根が未処理のまま残された。このときのポプラ植栽位置と今回罹病個体が集中して認められた位置とがきわめてよく一致するところから, これら罹病ポプラの残根が本圃場での白紋羽病の発生源となり, さらにそこから若齢の植栽樹に被害が拡大したものと推測された。
著者
中條 幸
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.10, pp.329-334, 1950-10-25 (Released:2011-09-02)

“KAZINOKI” “KÔZO” and “TURU-KÔZO”, the material for making KÔZO-paper, Shifu-fabric etc., are quite different species of the moraceous genus Broussonetia, but generally they are called together by one Japanese name “KÔZO” [_??_] among the Japanese paper-makers, foresters and cultivators. I made a brief sketch on these three species of Broussonetia from the morphological and the taxonomical standpoints and also attempted to introduce concisely their various vernacular names for those who have interest in “KôZO”. [Biological Institute, Tôhoku Universty.]
著者
伊藤 一雄
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.126-140, 1940

(1) ベツコウタケ (<i>Polyporus rhodophaeus</i> LEV.) はニセアカシア,サクラ,ハンテンボク,ケヤキその他の濶葉樹の傷痍部から侵入し根株,根材部の主として心材を腐朽せしめ尚徐々に生活力ある邊材及び形成層をも侵し,遂に之を枯死せしめる。而根株部並に根部の心材を甚しく腐朽せしめるため樹體の外力に對する抵抗力著しく弱くなり風倒の大なる原因となるものである。<br> (2) 本菌は東洋に於て相當廣範圍に亙り分布するもので,我國では北海道以南本州,九州,臺灣に及んでゐる。<br> (3) 風倒によつて現れた腐朽部には極めて短期間に多敷の子實體が形成せられるのを認めた。<br> (4) 本菌の擔子胞子は29°C附近に於て最もよく發芽するものゝやうである。<br> (5) 本菌の菌絲は5~40°Cに於て發育し,最適温は33°C附近である。<br> (6) 分離系統を異にする本菌の對待培養に於て,嫌觸現象を認めた。<br> (7) 實驗室内に於て,本菌の各樹種に對する腐朽力をみるにハンテンボク,ソメイヨシノ.オニグルミ,アカマツ等は甚しく腐朽せられるが,ニセアカシア,スギは比較的輕微である。<br> (8) 本菌はKorrosionspilzに屬し,その腐朽型はHUBERTのWhite rotである。<br> (9) 本菌に於ては厚膜胞子は非常に多くの場合に見出される。
著者
梶原 幹弘
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.201-206, 1983-06-25
被引用文献数
2

異なる相対高での正形数λ_<0.1h>, λ_<0.3h>, λ_<0.5h>, λ_<0.7h>の変化を検討した。各正形数は, それに対応した相対幹曲線の回転体体積によって定まる。異なる年齢での二つの相対幹曲線を比較してみると, 基準とした直径の相対高の上と下とでは, どの場合でもそれらの相対半径の大小関係が逆転している。このために生ずる相殺作用が, 両者の正形数の差異を弱めることになる。このような効果は, 正形数の種類によって異なる。76年生のヒノキの例では, λ_<0.3h>で最も大きく, λ_<0.5h>でも起こったが, λ_<0.1h>やλ_<0.7h>ではほとんど認められなかった。これが, λ_<0.3h>やλ_<0.5h>, とくにλ_<0.3h>がλ_<0.1h>やλ_<0.7h>にくらべて相対幹形の変化の影響を受けがたい原因である。相対幹形の変化が大きい比較的若い年齢においても, λ_<0.3h>の変化はわずかであった。一方, この間にλ_<0.1h>は増加, λ_<0.5h>とλ_<0.7h>は減少を示した。その後, 相対幹形が安定するにつれて, いずれの正形数もほぼ一定となることがわかった。