著者
山本 修平 西森(佐藤) 婦美子 大前 隆仁 武原 弘典 松川 義純
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.89-92, 2015 (Released:2015-08-12)
参考文献数
3
被引用文献数
2

芎帰調血飲は,気血両虚から来る様々な症状,特に出産後に用いられる処方であるが,代表的な補気剤である人参,黄耆は含まれていない。万病回春には様々な加減法の記載があり,人参,黄耆を加える方法も述べられている。 今回,無月経加療中の労作時呼吸困難,全身倦怠感の33歳女性の1例と出産後の全身倦怠感,月経不順,頭痛の39 歳女性の1例を報告する。いずれも気虚の症状が強く前者では芎帰調血飲エキスに補中益気湯エキスを,後者では停飲の所見も伴ったため,芎帰調血飲エキスに六君子湯エキスを併用し短期間で症状改善を得ることができた。芎帰調血飲を使用する際は,気虚の要素が多くみられる場合,補気剤の併用が有効である可能性が示唆された。
著者
矢久保 修嗣 小牧 宏一
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.433-438, 1995-11-20
参考文献数
17
被引用文献数
1

抗コリン作用のある抗不整脈薬のジソピラミドによる口渇に対して我々は白虎加人参湯を投与した。 ジソピラミド徐放錠300mgを投与され口渇の生じた11例に対して, 白虎加人参湯エキス細粒1包2.0gを一日3回食後に迫加投与した。 ロ渇に対する効果判定は投与後12週の自覚症状の改善度を6段階評価し, 副作用などの考慮を加え6段階の有用度についての評価も行った。 また, 同方剤の併用によるジソピラミドの抗不整脈作用についても自覚症状とともに一部の症例では24時間 Holter 心電図により評価を行い, 電解質の変化も一部の症例について検討した。 白虎加人参湯の投与により不整脈の悪化はみられなかった。 同方剤の投与前後の血清Na, K, Clには有意な変化はなかった。 ジソピラミドによる口渇に対する同方剤の臨床効果判定を行った。 著明改善:18.2%, 改善:27.3%, やや改善:18.2%, 不変:18.2%, 悪化はなく, 判定不能:18.2%, 副作用は18.2%にみられた。白虎加人参湯の有用度は, 極めて有用:18.2%, 有用:27.3%, やや有用:18.2%, どちらともいえない:18.2%, 有用でない:0%, 判定不能:18.2%となった。 やや有効以上は63.6%となり, ジソピラミドの口渇に対する同方剤の投与ほ有用と考えられた。
著者
井上 博喜 岡 洋志 八木 清貴 野上 達也 小尾 龍右 引網 宏彰 後藤 博三 柴原 直利 嶋田 豊
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.861-865, 2007-09-20 (Released:2008-09-12)
参考文献数
28

呉茱萸湯が奏効した難治性のあい気の一例を報告した。症例は74歳の女性。あい気, 腹部膨満感, 食欲不振のため7回の入院歴があり, 様々な方剤で加療されたが, 症状は消長を繰り返していた。呉茱萸湯を投与したところあい気はほぼ消失し, 食欲も改善した。あい気に使用される方剤は少陽病の方剤が多いが, 陰証で心下痞こうと胸脇苦満を伴うあい気には呉茱萸湯が有効である可能性が示唆された。
著者
伊藤 隆 渡辺 賢治 池内 隆夫 石毛 敦 小曽戸 洋 崎山 武志 田原 英一 三浦 於菟 関矢 信康 及川 哲郎 木村 容子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.195-201, 2009 (Released:2009-08-05)
参考文献数
1

東洋医学論文には東洋医学を西洋医学のルールで論じることに起因した特異性がある。西洋医学に比較すると,人文科学的要素の多い東洋医学では記述が主観的になる傾向がある。目的,方法,結果,考察は,論文内容を客観化させ,査読者と読者の理解を容易ならしめるために必要な形式と考えられる。より客観的な記述のためには,指定された用語を用いることが理想であるが,現実的には多義性のある用語もあり,論文中での定義を明確にする必要がある。伝統医学では症状と所見と診断の区別が不明瞭な傾向があるが,科学論文では明確に区別して記述しなくてはいけない。新知見を主張するためには,問題の解決がどこまでなされているかをできるだけ明らかにする必要がある。投稿規定の改訂点である,漢方製剤名の記述方法,要旨の文字数,メール投稿について解説した。編集作業の手順について紹介し,再査読と却下の内容に関する最近の議論を述べた。
著者
高木 嘉子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.541-545, 1995-01-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
3
被引用文献数
1 7

治打撲一方は, 香川修庵により創方された処方であるといわれ, 打撲, 捻挫, 疼痛等に用いられる薬方である。打撲直後より, 数日経たものに用いる場合が多い。打撲や捻挫の既往のあるもの18例に, 臍右横1~2横指附近に放散する圧痛と抵抗を認め, 本湯の服用により症状の改善・軽減とともに, 圧痛・抵抗の軽減または消退を認めた。また1例ではあるが, 打撲の新しいものでは, 圧痛・抵抗は認められず, 日を経てから出現していた。既往の古いもの, 40年経過しているものにも, 圧痛と抵抗を認め, 本湯の服用により, 症状も圧痛, 抵抗も消退した。打撲歴と, 圧痛抵抗を目標に投薬して著効を得たことから, 治打撲一方の腹候の一つとして有効性があると思われるので報告したいと思う。
著者
青山 廉平
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.287-303, 2003-03-20
被引用文献数
1

『医断』は吉益東洞の医説を,門人の鶴田元逸が集録したが,その刊行を見ずに死亡したので,同門の中西深斎が改補し,「虚実」の編を追加して,宝歴九年(1759)刊行されたものである。東洞の独創的医説を強烈にアピールした,センセーショナルな著述で,「司命」「死生」以下「元気」「脈候」「腹候」「臓腑」「經絡」「引経報使」「鍼灸」「栄衛」「陰陽」「五行」「運気」「理」「医意」「痼疾」「素難」「本草」「修治」「相異相反」「毒薬」「薬能」「薬産」「人〓」「古方」「名方」「仲景書」「傷寒六経」「病因」「治方」「禁宜」「〓数」「産褥」「初誕」「痘疹」「攻補」「虚実」の37論よりなり,東洞の思想を端的に記載している。この書が刊行されて三年後に,畑黄山が『斥医断』を著して,「鶴氏の編する所,吉益子の医断を読むに書を廃して歎ず。大意す可きもの三,流悌を為す可き者の二,其の佗理に背き道を傷りし者,〓ねく挙ぐること難し。云々」と概歎し,全編43章にわたって,『医断』の各論をとりあげ,東洞の説にはげしい論駁を加えた。以後,『医断』の「死生」論における天命説を中心として,賛否両論にわかれ,はげしい論戦が展開された。堀江道元『弁医断』田中栄信『弁斥医断』,小幡伯英『弁医断評説』,加屋恭安『続医断』などの書物も出版されて,江戸時代最大の医説論争が長く尾を引くこととなった。いま,『医断』・『斥医断』の二書の一端をとりあげて,江戸時代に行われた医説論争の一面を窮うこととする。
著者
藤本 誠 森 昭憲 関矢 信康 嶋田 豊 寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.655-660, 2004-09-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
11
被引用文献数
3 1

帰耆建中湯が有効であった潰瘍性大腸炎の2症例を経験した。症例1は35歳, 男性。他院にて潰瘍性大腸炎と診断され, ステロイド治療などの内科治療を受けたが寛解に至らず, 漢方治療を希望して当科紹介受診。帰耆建中湯を投与したところ約2週間の内服で腹痛・粘血便・下痢が消失して退院した。症例2は28歳, 女性。他院にて潰瘍性大腸炎と診断され, ステロイドパルス療法, 顆粒球除去療法などを繰り返し, 発症後10年が経過していたが寛解に至らず, 1日10回以上の腹痛を伴う粘血便・下痢を主訴に当部を受診した。帰耆建中湯加文葉山東阿膠の約4週間の服用で腹痛・粘血便・下痢が消失した。今回の経験から, 帰耆建中湯が潰瘍性大腸炎の治療方剤の一つになり得る可能性が示された。
著者
玉木 香 谷口 典正 松畑 出 金井 成行
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.555-560, 2005-07-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

糖尿病に対して灸と牛車腎気丸がどのような効果を及ぼすかを糖尿病が自然発症するOLETFラットと発症しないLETOラットを用いて検討した。雄性OLETFラット5週齢18匹と雄性LETOラット5週齢6匹を4群に分けた。I群は, 腎兪と脾兪相当部位に週2回灸を行った。II群は, 牛車腎気丸 (1000mg/kg) を週5回強制経口投与した。III群 (OLETF) とIV群 (LETO) は, 無処置にした。刺激前後の体重, 血糖値, 尿中微量アルブミン, 痛覚域値, 血流量を測定し, 32週齢の腎臓と膵臓の組織を観察した。I II III群は, 生長とともに体重, 血糖値および尿中微量アルブミンともIV群に比べて, 有意な増加が認められた。ただしI II群はIII群に比べて増加抑制がみられた。痛覚閾値では, I II群はIII群に比べて, 遅延抑制が認められた。血流量は, I群でのみ低下抑制が認められた。組織では変化が認められなかった。灸及び牛車腎気丸は, 糖尿病の発症・進行抑制に少なからず効果があると考えられた。
著者
神谷 浩
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.147-150, 1994-07-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
12
被引用文献数
2

抜歯後の疼痛発現時に, 立効散エキス顆粒を1包 (2.5g) 服用させ, 鎮痛効果を調べた。被験対象は20例である。鎮痛効果の判定では, 有効が13例 (65%), やや有効が4例 (20%), 無効が3例 (15%) であった。抜歯後疼痛が軽度の場合, 服用後13例すべて無痛になった。抜歯後疼痛が中等度の場合, 5例のうち4例は服用後軽度になったが, 1例は服用後も疼痛が軽減しなかった。抜歯後疼痛が強度の場合,服用後2例とも疼痛が軽減しなかった。立効散エキス顆粒は, 普通抜歯で抜歯後疼痛が軽度と予想される場合は十分な鎮痛効果が期待できるが, 難抜歯で抜歯後疼痛が中等度以上と予想される場合は十分な鎮痛効果が期待できないと思われる。自覚的な副作用は20例すべてに認められなかった。
著者
箕輪 政博 形井 秀一
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.491-494, 2008-05-20

受傷直後から整形外科治療に併せて鍼治療を行った外傷性頸部症候群の一症例を報告する。症例は軽自動車を運転中に後方より追突された38歳の女性。事故翌日より,手指のしびれ,肩背部の疼痛を自覚して,整形外科治療とともに鍼治療を開始した。鍼治療は上肢下肢の遠隔部の経穴のみに置鍼施術を行い,評価には数値的評価スケールを用いた。治療後に数値が50%以上改善するように治療した結果,治療直後の症状改善は著しく,数値的評価も経過とともに改善した。鍼治療は症状が強い時を主に合計49回行い,7カ月後に症状が緩解したので終了した。外傷性頸部症候群の難治例の患者は,治療の長期化に悩むケースがあり,本症候群に対する鍼灸治療のエビテンスの確立が望まれる。
著者
町 泉寿郎
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.695-712, 2011 (Released:2012-03-21)
参考文献数
5

従来,大鳥蘭三郎らの研究によってシーボルトによる鍼灸に関する言及が,彼の門人の蘭訳文献に依拠するものであること,またその蘭訳の原著が石坂宗哲の鍼灸文献『知要一言』であることは知られていた。しかし,シーボルトが門人美馬順三にその蘭訳を依頼したのは『知要一言』刊行以前のことであり,先行研究では蘭訳の際の底本までは特定できていなかった。今回,著者の調査によって,ライデン大学図書館に所蔵される石坂宗哲の鍼灸書が,シーボルトの江戸参府の際に石坂宗哲が自ら書写して贈った自筆稿本であり,蘭訳の際の底本となった文献であることが分かった。また国立民族学博物館に所蔵されるシーボルト旧蔵にかかる「九鍼」と「微鍼」も,石坂宗哲から贈られたものである可能性が高いことを論じた。
著者
寺澤 捷年 土佐 寛順 伊藤 隆 三潴 忠道 嶋田 豊
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.735-746, 1996-03-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
18
被引用文献数
1

吉益東洞の『建珠録』に記載された4人の越中の僧侶達, すなわち第43症例・玉潭, 第34症例・僧樸, 第2症例・誓光寺主僧, および第37症例・勝楽寺後住について, その伝記等を調査し, 東洞との出会いの時期, ならびに記載された症例の病態について検討した。これら越中の僧侶達はすべて浄土真宗の僧侶であり, 彼らは『建珠録』に記載された全54症例の中で, 東洞の医説を積極的に受容したと考えられる特異な例であることが分かった。吉益東洞の医説とこれを受容したこれら僧侶達の思想的背景に共通する要素のあることを考察した。
著者
小田口 浩 若杉 安希乃 伊東 秀憲 正田 久和 蒲生 裕司 渡辺 浩二 星野 卓之 及川 哲郎 花輪 壽彦
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.53-61, 2008-01-20
参考文献数
29

柴胡加竜骨牡蛎湯を服用することにより,自律神経機能の変化とともに降圧効果が得られた高血圧症の1例を経験したので報告する。<br>患者は46歳,男性で,軽症高血圧の他,交感神経緊張状態を疑わせる症状も呈していた。柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒(ツムラ)を約3カ月間服用することで,外来血圧は収縮期,拡張期ともに著明に低下した。24時間自由行動下血圧測定(ABPM)では,24時間平均血圧の低下が認められたほか,脳血管障害の危険因子とされる早朝血圧上昇が改善した。起立検査では,服用前は立位負荷により交感神経優位に傾いた自律神経バランスが,服用後は逆に副交感神経優位に傾くという結果が認められた。脂質プロファイルの改善も認められた。<br>本症例の経過は,柴胡加竜骨牡蛎湯が自律神経機能に効果を及ぼすことで降圧効果を示す可能性を示唆しており,ストレス過多により交感神経緊張をきたした高血圧患者に対する有用性が期待される。
著者
髙橋 護 谷 万喜子 鈴木 俊明
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.22-27, 2016-01-20 (Released:2016-05-27)
参考文献数
13
被引用文献数
1

【背景】我々は集毛鍼刺激を用いた鍼治療で臨床的効果を得ているが,その神経生理学的機序は明らかでない。 今回,2分間の集毛鍼刺激が筋緊張に与える影響を検討するために H 波を用いて検討した。【方法】健常者18名を対象とした。集毛鍼刺激前後に脛骨神経刺激によるヒラメ筋 H 波を導出した。集毛鍼刺激はアキレス腱付着部に2分間刺激した。得られた波形から振幅 H/M 比を算出し,集毛鍼刺激前後で比較した。【結果】振幅 H/M 比は,安静時と比較して刺激中に有意な低下を認めた(p < 0.05)。全員が安静時と比較して集毛鍼刺激中にヒラメ筋振幅 H/M 比の低下を示した。【考察】集毛鍼刺激は抑制性介在ニューロンを興奮させ前角細胞の興奮性を低下させたことが考えられた。集毛鍼刺激は筋弛緩を誘導ができる可能性が考えられた。【結論】アキレス腱付着部への2分間の集毛鍼刺激はヒラメ筋に対応する脊髄神経機構に刺激中に抑制効果をもたらすことが示唆された。
著者
厚海 徹 力丸 米雄 鈴木 順造
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.73-76, 2008-01-20
参考文献数
9
被引用文献数
1 3

掌蹠膿疱症に対して排膿散及湯を投与したが治癒せず,麻黄附子細辛湯を合方することにより次第に治癒に向かった一例を経験した。症例は64歳女性。2000年5月頃から両側掌蹠に約2mm大の多発性の膿疱が生じ,陳旧化すると皮膚が剥けて一時治るという状態がほぼ2週間周期でみられた。皮膚所見より,掌蹠膿疱症と診断し,排膿散及湯の投与により,新たな膿疱が生じる間隔は延長したが,治癒しなかった。しかし,麻黄附子細辛湯を合方したところ4週間後にはほぼ膿疱は消失した。本疾患に対する附子剤奏効例の報告は稀であり,興味深い症例と思われ報告した。