著者
皆方 訓久
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.451-454, 1997-03-28
被引用文献数
2 3

戦前の東京市に指定された風致地区では,地元住民の組織する風致協会の活躍が良好な風致の維持に寄与したとされているが,風致協会の具体的な活動とその成果は明確にされていない。そこで,風致保全と開発の調和を目指し,風致地区の指定目的にあげている近郊行楽地としての整備や良好な住宅地の形成に,協会はその活動を通してどのようなかかわりを持ったのか検証した。その結果,前者は近郊行楽地として便益施設等の整備によって,レクリエーション利用の促進を図り,それが将来の公園化につながった。後者では,風致地区にふさわしい緑豊かな住宅地の形成を導くような積極的な活動はみられず,一般住宅地と大差のない市街化を許してしまった。
著者
五島 聖子 藤井 英二郎 白井 彦衛
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.272-279, 1999-01-30
参考文献数
25
被引用文献数
2 3

これまでの小石川後楽園に関する研究では,もともと後楽園の大泉水の池尻は北東方向に向けられていたことが指摘されているが,その背景については明らかにされていない。そこで本論文では,大泉水を中心とする水系の変更の背景について,現在残されている後楽園に関する文献と絵図をもとに考察した。その結果,後楽園の水景の変更は,元禄期から享保期にかけて起こった天災に起因すると考えられ,それに伴い「渡月橋」の位置も変更されたと考えられる。また,江戸中期に記された『遊後楽園記並序』や同時期に描かれた絵図により,大泉水の中島は,江戸時代中期ごろまでは現在と異なる形状であった,と推定した。
著者
早瀬 真弓 今西 純一 中村 彰宏
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.812-816, 2010-03

名勝清風荘庭園は明治44年頃から数年かけて七代目小川治兵衛(植治)によって作られた庭園であり、昭和26年に文化財保護法の規定により名勝指定されている。本庭園は京都市左京区田中関田町に位置し、植治による庭園の特徴のひとつである京都東山の借景、すなわち五山の送り火で有名な大文字山やその周辺の山並みを庭園の風景に取り込む工夫のなされた名庭である。しかし、近年成長しすぎた樹木によって大文字山が見えない状態となるなど維持管理は十分と言えず、作庭当初の風趣が失われつつある。現在は所有者である京都大学を中心に庭園の修復整備事業が進められているが、成長しすぎた樹木を切り下げる際には、作庭当初は存在しなかった近隣の高い建築物への視線を遮蔽しつつ借景の復元をする必要がある。本件のような場合、事前に様々な視点や角度からの景観に配慮した植栽管理を検討するために景観シミュレーションを行うことが有用であると考えられる。本研究では地上型レーザースキャナを用いて、清風荘庭園における借景復元に関する景観シミュレーションを行い、その実用性について考察することを目的とした。さらに、地上型レーザースキャナによって得られたデータを用いて、庭園周辺に現在の京都市の都市計画で許容されている高さの建築物が建てられた場合、庭園からの眺望景観にどのような影響があるかを検討した。
著者
日置 佳之 井手 佳季子
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.501-506, 1997-03-28
参考文献数
11
被引用文献数
5 4

オランダにおける地域レベルでの生態ネットワーク計画のプロセスについて明らかにするため, 3つの事例の比較検討を行った。その結果, 上位計画として国土生態ネットワーク計画が重要な位置を占めていること, 計画は,(1) 自然環境調査にもとつくベースマップの作成, 下 (2) ネットワークの目標種の選定,(3) 目標種の環境要求性, とりわけその生息に必要とされるタイプのハビタットの面積や移動特性の把握,(4) 下目標種の生息, 移動に配慮したコアエリア, 自然創出区域, 生態的回廊の配置, という生態学的な検討が行われた上で, 生態的インフラストラクチャーの整備計画が策定される, というプロセスにより立案されていること, 生態的インフラストラクチャーの事業実施は計画主体によるコーディネートにより推進されていること, が明らかとなった。
著者
大坪 紘子 堀 繁 竹形 顕 宮澤 泰子
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.655-658, 2003 (Released:2003-09-24)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

This study manifested the characteristics of mountain trails and effect to the natural experience, taking Mt. Inari in Kyoto, in which Japanese traditional belief to the nature still exists, as a case study. Analysis was practiced in terms of locations of trails and of objects for interest on trails. As a result, the former was exemplified to bring realization of rich topography with introduction of diverse terrains, or to emphasize the action of “climbing”, applying particularity of mountain peak. On the other hand, the latter was exemplified to enrich natural experience with adopted nature as interest, or to enrich trailing experience with successive appearance of interest. Those findings were summarized as hints for design of mountain trails.
著者
岡村 穣 佐藤 仁志
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.777-780, 1998-03-30
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

名古屋市は,戦災復興計画以来,小学校を地域の防災上の拠点とするため,約半数の113小学校が道路を隔てて公園に隣接している。その中の8校の校庭は,道路を廃して公園と一体化させた学校公園となっている。校長及び教頭への学校公園の管理に関する聞き取り調査では,授業の一環としての利用はあるが住民の利用は少なく,授業時以外の責任の曖昧さや管理の負担を感じており,できれば専用で使いたいという回答が多かった。大森北小学校(守山区)では,学校公園を利用したワークショップに,多くの児童,親,及び学区住民が参加したが,学区連絡協議会長,校長及びPTA会長の3者の参画及び呼びかけが有効であった。
著者
青木 陽二
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.53-57, 1999-08-25

江戸時代に来日した欧米人の日記や旅行記を調べることにより,彼らが日本の風景の中で,地形の細やかさ,植生の豊かさ,山上までの耕作,郊外の田園散策路,長崎の入江,富士山,街道の並木を好ましいと記述していることがわかった。記述の中には植物の多様さ,高木の美,新緑,紅葉,熱帯と寒帯の植物なども記していた。彼らはまた,日本人の花好き,旅行好きであること,田畑を庭園のように耕すことなどを記述していた。これらの欧米人の風景記述は,景観評価のデータとして今後分析を試みる価値があると思われる。
著者
片山 めぐみ
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.771-777, 2010-03

2005年に北海道の知床半島が世界自然遺産に設録された。今回の登録は、登録地が住民の生活域を含む点においても注目されており、隣接する斜里町(人口約13,000人)と羅臼町(約6,500人)では、自宅の裏庭が自然遺産という状況も珍しくない。なかには個人や町の所有地も含まれる。登録に際しては、登録地周辺も含めた地域住民の日常生活に対する配慮が不可欠とされているだけでなく、当該自然環境での生活知識をもつ住民が自らの生活を通じて自然保護などの啓蒙普及の役割を担うこと、さらにはエコツーリズム等に必要なガイドの育成が推奨されている。登録に際し、住民の意識調査が実施され、観光に対する期待や観光客増加による環境・生活への影響についてアンケート結果が報告されているが、自然とかかわる日常的な活動や場所には注目しておらず、住民の自然に関する知識や経験、大切にしている場所の理解を通してそれらを活かす方法を検討する必要がある。図-1に見るように、斜里町と羅臼町は、東西わずか30km弱の距離にあるが、半島を南北に走る知床連山に隔てられ、知床横断道路が開通する近年まで互いに往来が少なく、世界自然遺産登録に際しての住民の反応や観光地化に対する意識が異なるという声がよく聞かれる。最近では、両地域とも登録域における漁業をはじめ、山歩きや山菜取りなどの自然と関わる生活行動が制限されるのではないかといった懸念の声が共通している。本研究は、世界自然遺産・知床の登録地内およびその周辺地域における、住民の自然とのかかわり方、および居住地に対する誇りの意識を明らかにし、地域資源の再発見という視点から今後の観光のあり方について考察することを目的とする。
著者
向口 武志
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.377-382, 2012 (Released:2013-08-09)
参考文献数
51

This paper discusses to examine the construction process of Shiga Park completed in 1931 in Nagoya, and to define its historical urban planning implications before World War II. Shiga Park, based on the "Master Plan of Park in Nagoya" in 1926, was the earliest project of the development through the private land readjustment in Japan at that time. KANO Tsutomu, who was the planner of the “Master Plan of Park in Nagoya”, designed Shiga Park as a natural combined with modern park facilities and deciduous forests. Although Shiga Park was opened as part of park planning areas, integrated garden paths constructed on both the parkland and the remaining land of park planning areas that provided for development of park in the future. As work progress, the land readjustment union deepened their understanding of the significance of a modern park, decided to make two small parks voluntarily. Both the economic success of Shiga Park and Park promotion measures from 1932 amended the civil recognition of a modern park in Nagoya before World War II, and this trend prompted the donation of land by beneficiaries in cases such as Higashiyama Park completed in 1937.
著者
村上 修一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.238-245, 2003-01-31
被引用文献数
1

近代の空間成果として注目すべき形態の多重解釈性(暖昧性)という観点から検証すべく、ガレット・エクボ(1910-2000)の初期4事例の図面を調査し分析考察を行った。その結果、樹木列植による囲みを単位空間として、列植の隙間・延長の交差・ずれという空間構造や高木列植の視線透過性による暖昧性が明らかになった。また、その空間構造によって視点移動にともなう空間変化が顕在化することが明らかになった。これらの結果は、近代の空間成果としての暖昧性が、エクボの初期作品に共有されことを示し、成果がいかに空間化されたかを示す。
著者
岡田 昌彰
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.721-724, 2006-03-27
被引用文献数
1

Recently, renovation project of existing structures, such as old architecture, industrial or civil engineering facilities are taken for efficient use of existing facilities with different functions. This current on social facilities may suggest the gradual change of value from flow (scrap and build) to social "stock". Their purposes of renovation are to acquire economic benefit or efficient preservation of cultural heritages, however, landscape or spatial values or meaning of renovated landscape or space which the structures take on as a result of renovation have yet to be sufficiently discussed. This study reviews social trend of renovation projects, and introduction of existing aesthetic theory of Mitate and Estrangement permits the manifestation of potential value of landscape and space, such as significance of "distance" caused by semantic difference between present and past use. In this meaning, landscape and space of industrial or civil engineering facilities (i.e. technoscape and technospace), such as watertowers, channel defenses, or abolished railway tracks are concluded to possess high potential to produce estranged value when renovated.
著者
村上 暁信 アルマンド・M パリホン
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.693-696, 2009
被引用文献数
1 1

アジア大都市の多くは、住環境の劣悪化、大気汚染、洪水被害の増大など様々な環境上の問題を引き起こしつつ、拡大を続けている。このような状況に対して、環境調整機能を有する都市緑地を計画的に整備していく必要があるとの指摘がなされている。しかし、緑地計画を立案するためには、まず都市化の過程で緑地がどのように変化するかについて検討をする必要があるが、アジア地域の都市においてはこの点が十分には明らかにされていない。特に、緑の環境調整機能を活用するためには、農地や森林といった土地利用タイプの一つである緑地の変容だけでなく、土地被覆の変容、すなわち緑被の変容について知見を積み重ねていく必要がある。しかし、都市化と緑被の変容については研究例が少ない。そこで本研究では、人口増加の激しい巨大都市のひとつであるフィリピン・メトロマニラ近郊に位置するパテロス(町)を対象として、地域の緑地や緑被が都市化のプロセスの中でどのように変化しているかについて考察することを目的とした。
著者
澤田 みつ子 小幡 和男 上条 隆志
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.834-838, 2010-03
被引用文献数
1

タチスミレはスミレ科スミレ属の多回繁殖型多年生草本種である。現在、本種は関東の利根川水系(菅生沼・小貝川・渡良瀬遊水地)と九州(宮崎県・大分県・鹿児島県)の限られた地域において、主にオギやヨシの優先する低湿地の草原内に生育し、絶滅危惧II類(VU)に指定されている。本種の生育環境であるいわゆるオギ原やヨシ原は資源採集の場として人の営みの場に維持され農業生態系の中に残されてきたが、明治期以降の水田等への土地利用転換によって自然の湿地は大規模に喪失した。そして今日では湿地に依存する生物の多くで減少や絶滅の危機の高まりが見られている。環境庁レッドデータブックによると、本種の生育地メッシュ数は11メッシュ(うち絶滅2メッシュ、現状不明2メッシュ)と少なく、減少の要因として植生の自然遷移、河川開発、管理放棄があげられている。そのため本種は残存する数少ない生育地をどのように保全・維持していくかが課題といえる。本研究の調査対象地である茨城県菅生沼の自生地では、管理放棄されていた生育地において、冬期に火入れを行うことによって、個体密度が増加したことが報告されている。菅生沼のオギ二次草原を含めて、日本のヨシ、オギなどの湿地草原へ継続的に実施されている火入れのうちいくつかでは、毎年1回冬期から初春において行われているが、特定の絶滅危惧種の保全を目的とした場合に、火入れの有無と対象種の応答について把握する必要があると思われる。本研究では、火入れ管理が毎年継続して行われているタチスミレ自生地において、2年間にわたり火入れの中断実験を行うことで、タチスミレの個体数とサイズ構成に変化が生じるのかを明らかにすることを目的とした。
著者
飛田 範夫
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.385-388, 1997-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
17

平安時代前期に前庭に畝をつくり, キクを植えている例が見られるが, 土を盛って壇を築いて排水をよくして植物を育成させようとしたことが, 花壇を生みだしたように思われる。庭園施設として花壇を観賞に耐えるものにすることは, 二義的に重要なことであった。花壇という言葉は10世紀中頃の中国の詩にあり, 日本では『看聞御記』の応永25年 (1418) 2月28日の条に「東庭築花壇栽草花」とあるのが初見である。最も古い花壇遺構は, 朝倉館跡で室町時代のものが検出されている。江戸時代の花壇としては, 流行の植物専用, 回遊式庭園では重要な施設, 植木屋ではキクの栽培場所民家では草花を植える所, 寺院では草花・樹木の苗畑としての事例がみられる。
著者
曽和 治好
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.661-664, 1998-05-25 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9

對龍山荘庭園を事例とし, 庭園の環境音, 特に水音に着目し, 騒音レベル計測と環境音聴取をとおして概況を調査・記録した。調査結果を騒音レベル等値線図に視覚化するなどの方法論により, 空間と音の関係を考察した。その結果,(1) 本庭園は交通音や外部の侵入音の影響を受けにくく, 音を聞き分けやすい静かな音環境の中にある。(2) 滝や水落の音が本庭園の内部音環境を特徴付けている。(3) 本庭園の音空間が3つのエリアに類別でき, そのエリアやエリア中の音空間が庭園の意味的空間構成と重なった。(4) 北池の滝音が平面距離によらず, 視点場の意味に沿うような聞こえ方をしている。このように従来認識が難しかった庭園音環境の空間的読みとりが出来た。
著者
古山 道太 服部 勉 進士 五十八
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.377-380, 2005 (Released:2006-05-08)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Shiki-an Garden (Negishi, Taito Ward in Tokyo) is a garden inside the residence where Shiki MASAOKA (a superior haiku poet in the Meiji era) had lived for about 9 years from 1894 (the year 27 in the Meiji era) before he passed away by the vertebra caries of disease in 1902 (the year 35 in the Meiji era). In this research, it emerged the garden's sort, form, position and terms of plants and facilities in the garden, from some analyses about 398 articles of Shiki's essays, poems (haiku, tanka, and new-style poetry), pictures, letters, reminiscence notes of his pupils, old garden photos and pictures. In addition, I made 9 ground plans year by year which are re-creating garden scenes in his life. As a result, this garden was classified into three kinds of era, and had each of different garden scenes. It also could be inferred that a progress of garden scenes considerably concerns with a growth of his disease and a change in his view.
著者
東 淳樹 武内 和彦
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.573-576, 1999

The research on the relationship between the environmental conditions of the habitat and the speci.es and the individual number was made in respect to the frogs which inhabiting in the Kashima and Tegri River, watershed of Inba Marsh, Chiba Prefecture. The field-survey was carried out from May to July in 1997 and 1998. Walking on the paddy field ridge, the number of the frogs, the walking distance and the environmental factors of the surrounding area were recorded. Then the relationship between the individual density of each species and the environmental conditions was analyzed by means of Hayashi's quantification theory I. As a result, the major factors which would affect the individual density were clarified: The underdrainage of the paddy field, the landuse of the slope, the irrigation system and the arrangements of the canal. Another fact was also revealed that the reformation into well-drained paddy field which is promoted by the farmland consolidatuin tends to have the negative impact on the inhabiting of the Japanese brown frog while it does not have much affect on that of the Japanese tree frog.