- 著者
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松本 隆
- 雑誌
- 情報処理
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.8, pp.e21-e25, 2021-07-15
盗まれた個人情報は多様な犯罪者コミュニティに拡散されていく.筆者はデジタル・フォレンジック調査の中で,サイバー犯罪者が攻撃にかけるコストに注目し,盗まれた個人情報を売買するダークマーケットの調査を行った.その結果,氏名/性別/住所/生年月日など4情報が羅列された名簿データではなく,Fullzと呼ばれるような,複数の情報ソースを組み合わせた,より深く「他人になりすます」ための情報により高い値が付く傾向にあることが分かった.また,具体的な悪用のしやすさや,悪用者の安全性に考慮された「商品」が,ダークマーケットにおいてはより評価され,価格に反映されていることが分かった.