著者
井口 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.1419-1420, 2008-12-15
被引用文献数
1

ソーシャルブックマークサービスにおいては,今までユーザごとにローカル管理されていたブックマークが公のものとして公開され,共有される.共有化されたブックマークは,集合知としてさまざまな用途に活用されることが期待されており,実際この観点における新たなサービスがいくつか提供され始めている.このようなサービスの1つが,類似した嗜好を有するユーザ間でブックマークを推薦しあうブックマーク相互推薦サービスである.ブックマーク相互推薦サービスの一例としては,たとえばDigg1)におけるレコメンデーションエンジンや,Firefox拡張プラグインとして公開されているSwimmie 2)などが挙げられる.
著者
江渡 浩一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.1127-1133, 2011-08-15

建築家Christopher Alexanderによって提唱された建築設計手法パターンランゲージは,建築業界において大きな反響を巻き起こしたにもかかわらず,定着しなかった.後に,Kent BeckとWardCunninghamという2人の研究者によってソフトウェア業界へその方法論が導入され,結果として,デザインパターン,アジャイルソフトウェア開発,Wikiなどといった成果として花開いた.本稿では,パターンランゲージの誕生から現在のソフトウェアパターンへの応用に至るまでの歴史を概観する.
著者
斎藤 明
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, 2006-01-15
著者
稲見 昌彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.676-678, 2019-06-15
著者
礎 良輔 鷲崎 弘宜
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.642-644, 2018-06-15

SIGCSEは,米国で開催される最大規模のACM主催会議The SIGCSE Technical Symposium on Computer Science Educationを指し,コンピュータサイエンス教育における最難関のトップカンファレンスである.世界の研究者や実務家は,トップカンファレンスを目標として計画的に研究・実践し,投稿し,採否によらず参加し,議論し,影響を与え,ネットワークを広げる,ということを50年間積み重ねてきている.日本もそれに倣うべきである.本稿では49回目の開催にあたるSIGCSE 2018の様子を報告するとともに,トップカンファレンスの重要性を述べる.
著者
渡邉 英徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1211-1216, 2013-11-15

筆者らは,戦史や災害をテーマとしたディジタルアーカイブズ・シリーズを作成してきた.これらのアーカイブズは,多元的な資料を一元化し,俯瞰する視点をユーザに対して提供する.ユーザは,複数の資料を互いに関連付けながら捉え,できごとの実相について,より深く知ることができる.さらに筆者らはこの手法を応用し,震災ビッグデータを利用した災害状況の可視化を行った.これは現代の災害記録を未来に残すアーカイブズ構築の試みでもある.本稿では,筆者らが作成したコンテンツのうち「沖縄平和学習アーカイブ」と「放射性ヨウ素シミュレーションのマッシュアップ」を取り上げ,それらのビジュアライゼーション手法について述べる.
著者
安蔵 靖志
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.98-99, 2012-01-15

俳優の細川茂樹氏の呼びかけによって,情報処理学会とのコラボレーションによるスマートフォンアプリ共同開発プロジェクトがスタートした.さまざまなアイデアを盛り込むことで技術的なチャレンジができることから,「家電製品の取扱説明書を手軽に集めて整理・閲覧できるアプリ」をテーマとして決定.お茶の水女子大学の大学院生2名がメンバーとして加わり,開発に携わることとなった.
著者
岸本 章宏
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.1257-1263, 2007-11-15

よく知られたボードゲーム「チェッカー」は,両プレイヤが最善を尽くせば引き分けになることが,アルバータ大学(カナダ)のJonathan Schae er教授を中心とする研究チームによって,計算機を用いて証明された.本稿では,チェッカーの解明に利用した技術と筆者がプロジェクトの一員として参加した経緯,およびチェッカー解明までの道程について述べる.
著者
松下 温
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, 1991-01-15
著者
宮島 衣瑛
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.837-841, 2020-07-15

CoderDojo は子どものためのプログラミング学習コミュニティである.2020年4月現在,世界110カ国・2,000カ所,日本国内では205以上の CoderDojoが日々活動している.子どもたちの参加は完全に無料で,誰でも参加できることが特徴のひとつだ.また,共通のカリキュラムなどはなく,子どもたちの興味関心に基づいて自ら創造的に学んでいくことを大切にしている.子どもから大人まで世代を超えてコンピュータやプログラミングという共通の趣味を楽しむコミュニティは,プログラミング教育がブームとなっている今だからこそ必要だと言える.
著者
田中 邦裕
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.7-9, 2018-12-15

2018年9月6日,直下型の地震が少ないというイメージのある北海道において,胆振東部を震源とする大きな地震が発生した.これにより,北海道全域でブラックアウトが発生し,戦後最大ともいわれる大停電が引き起こされた.この地震の影響により,石狩市に立地するさくらインターネットの石狩データセンターへの給電も停止し,非常用発電機設備を60時間近く稼働させて事態の収拾にあたった.その際の,日本のデータセンター史上,例を見ない長時間の非常事態に対応した,現場における奮闘記である.
著者
水野 修治
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.326-330, 2021-06-15

2021年3月24日,独立行政法人大学入試センターは,平成30年告示高等学校学習指導要領に対応した令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目について,これまでの大学・高等学校関係団体からの意見も踏まえ,出題科目を現在の6教科30科目から,「情報」を含む7教科21科目に再編するとの大学入試センターとしての結論とともにサンプル問題を公表した.そこで,大学入学共通テストに「情報」を導入するに至った経緯と公表したサンプル問題の一部を解説する.
著者
筧 捷彦 中山 泰一 Katsuhiko KAKEHI Yasuichi NAKAYAMA
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.632-635, 2018-06-15
著者
崎村 夏彦 大泰司 章 楠 正憲 上原 哲太郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.714-734, 2020-06-15

社会からPPAPをなくすために,PPAPよりも良い方式について議論した.議論の結果,まずできるだけ通常のメールを使うのはやめる.通常の業務は,汎用メールクライアントではなく,CRM,EDI,電子契約システムなどの業務システムを使う.これらがSMTPを使う場合にはTLSを強制する.非定形のコミュニケーションは,お互いに認証されているSlackやTeamsなどの「ビジネスチャット」を使う.ファイルはこの上で送るか,「認証連携ファイルアクセス制御」の効いているクラウドストレージを使う.このような結論となった.
著者
森畑 明昌
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.544-549, 2016-05-15

自動プログラム作成とは,入出力例などの補助的な情報から,プログラムを自動的に生成する技術である.古来非常に難しいものだとされてきた自動プログラム作成だが,近年著しい進展を見せ,実用的なシステムが作られるようになってきている.理由としては,(1)ライブラリ関数をいくつか呼ぶだけというような,小さなプログラムが多数必要になったこと,(2)計算機による力ずくの探索が可能になってきたこと,(3)学習や自然言語処理などによりユーザの意図をより正確に推測できるようになってきたこと,などが挙げられる.本稿では最新の研究成果を紹介し,もって自動プログラム作成技術が現在どの水準に達しつつあるのかを示す.
著者
佐伯 功介
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.11, no.8, 1970-08-15
著者
上松 恵理子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.386-388, 2019-04-15

2019年2月,柴山昌彦文部科学大臣は携帯電話やスマートフォンの小中学校への持ち込みを原則禁止していた方針を見直す方向で検討すると述べた.この方針転換は小中学校現場にとってだけでなく,社会全体に衝撃を持って受けとめられた.これは,すでに小学生でもスマートフォンの所有率が上がっていること,これから起こりうる震災などの緊急災害時の連絡手段として有用だということを踏まえてのことだ.世論には賛否両論がある一方,先進国では学習に小学校低学年からBYOD(Bring your own device)で使うという事例もある.スマートフォンを持たせるならば,早急なリテラシー教育が必須となるであろう.