著者
遠藤諭
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.182-183, 2006-02-15
著者
藤澤 隆史 松井 淑恵 風井浩志 古屋 晋一 片寄 晴弘
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.764-770, 2009-08-15

本稿では,「ヒトは音楽をどのように感じているのか」という観点から脳機能の計測方法およびその実験デザインついて解説する.まず,脳において音楽がどのように認知されているかについて,「音楽の脳機能局在」の観点からその関連部位について概観する.次に,脳機能の計測において用いられている代表的な装置とその諸特徴を紹介し,有効な計測信号を得るための実験デザインについて解説する.最後に研究例を3つ紹介し,音楽認知研究における脳機能計測の有効性を示す.これらの例が示す脳機能計測の有効性は,ユーザが楽しめる音楽インタフェースを開発する上で,音楽を聴取する脳の働きや脳機能計測法に対する正しい理解を深めることが一層重要となることを示唆している.
著者
高橋 郁夫
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.657-661, 2005-06-15

脆弱性は、利用者もしくは攻撃者の特異な利用・攻撃の場合に生じる安全性の欠如状態をもさす点で、通常の瑕疵よりも広い概念となる。この概念の違いが、脆弱性を修正すべき義務の法的な位置づけを左右することになる。さらに脆弱性の発見行為について、不正アクセス禁止法の該当性、契約上の制限の問題があるし、脆弱性の公開については、同様に契約上の制限の問題や完全開示論と「責任ある開示」論の衝突、表現の自由のなかでの位置づけの問題がある。特にこの最後の問題に関連して、ソフトウェア等脆弱性関連情報取扱基準は、注目すべきものとなる。
著者
坊農 真弓
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.90, 2015-12-15
著者
秦 康範
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.e12-e16, 2020-11-15

全庁的な防災情報システムが積極的に活用され,被害の軽減に有効に機能した事例を筆者は残念ながら聞いたことがない.災害時の情報共有を円滑にするために整備した手前,なかなか広言されないものの,被災自治体への調査を実施すると,むしろ情報システムが機能しなかった例は枚挙に暇がない.「なぜ防災情報システムは使えないのか?」,その背景や理由の一端について筆者の私見を述べる.効果的な防災情報システムを整備するためには,縦割り行政による部分最適から脱却し,全体最適を実現するツールとして防災情報システムを位置づけ,標準的な仕組みを国が推進・整備する必要がある.
著者
甘利 俊一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.1090-1095, 2000-10-15
著者
Kipp Cannon 端山 和大 伊藤 洋介 高橋 弘毅
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.428-433, 2016-04-15

2016年2月12日午前0時30分(日本時間), 米国の重力波検出器LIGOが, 世界で初めて重力波の直接検出に成功したことを発表した. 本稿は情報処理技術が今回の重力波検出に果たした役割を概観する. また, 稼働が間近に迫っている日本の重力波検出器KAGRA(岐阜県飛騨市神岡町)において,どのように情報処理技術が活用されているかについても紹介する.
著者
筧 捷彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, 1975-06-15
著者
折田 明子
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.606-609, 2018-06-15

個人についてのディジタル情報は,その死後もインターネット上に残り続ける.特に,他の利用者とかかわるソーシャルメディアでは,複数のアイデンティティによる利用時の本人確認や,友人に関する情報の扱いといった問題がある.現状では主に米国発のサービスが利用者死亡時の扱いについて明記しているが,現行の法制度では死後のプライバシを守ることはできないため,生存する他者や当人の生前の意思の反映を含めたプライバシ権の再検討が必要であろう.
著者
千田 翔太
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.157-160, 2018-01-15

コンピュータ将棋は,プレイヤの着手や形勢判断の正誤の確認,優れた着手パターンや判断の学習に活用されている.プレイヤが行うことの1つには,ソフトの着手や判断のズレの理由を推測し,判断項目の重みを改めることがある.しかし,この方法には,判断の異なる局面が分岐の先に続く場合に,なぜ良いのかの理解が行いづらいという問題が存在する.そこで,理由の推測に代わる方法として,局面から分岐する多くの局面の評価値と着手の善悪のパターンを認識する方法について考える.本稿では,コンピュータの着手と評価値を正解と仮定した,理由の推測とパターンの認識について紹介する.

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著者
河野 太郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.874-875, 2017-09-15
著者
大久保 ゆう
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.470-474, 2014-04-15

青空文庫は,利用者から見れば,著作権保護期間の満了した本を中心に収蔵する「インターネット図書館」であるが,組織運営としては,クラウドソーシングを主体としたボランティア活動である.本記事では,1997年に創設された青空文庫の活動を初期・中期・後期・それ以後の4つに分け,情報技術とクラウドの変化に合わせた協働作業の形態の変遷を解説する.さらに,活動開始と同時に提唱された「青空文庫」という概念自体の発展に関連して,クラウドソーシングの可能性についても触れる.
著者
堀田 龍也
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.72-79, 2017-12-15

平成28年(2016年)12月の中央教育審議会答申および平成29年(2017年)3月に告示された新学習指導要領においては,情報活用能力が「学習の基盤となる資質・能力」と明記されるなど,情報教育の重要性がより高まっている.本稿では,中央教育審議会答申から新学習指導要領にかけての情報教育に関連する審議等について,その経過を踏まえて解説する.まず情報教育が学習における方法知として期待されてきたことを示した上で,新学習指導要領における情報活用能力の位置づけ,各教科等との関連,特に小学校段階におけるICTの基本的な操作スキルやプログラミング教育,今後の研究の必要性などについて説明する.
著者
金子 祐紀 平林 剛
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, 2020-10-15

本稿では,一般人から有名人まで多種多様な声を収集・蓄積し,それをさまざまなサービス企業に提供する音声合成プラットフォーム「コエステーション」について,プラットフォームの内容やそれを実現するためのコア技術,具体的な導入事例,今後の展開などを報告する.合成音声の権利に関する法的な見解や不正利用対策の取り組みにも言及する.
著者
濱野 智史
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.489-494, 2012-04-15

動画共有サイト「ニコニコ動画」は世界的に見ても極めて特異なサービスである.本稿では「擬似同期」「N次創作」「Fluxonomy(フラクソノミー)」という3つの概念をもとにその特異性を明らかにする.同サイトがもたらす「擬似同期」性が,W.ベンヤミン以来のメディア論(一回性とアウラをめぐる議論)を大きく塗り替えるものであるということ.そして同サイトの「タグ」の仕組みが,従来の「Folksonomy(フォークソノミー)」と呼ばれたものと大きく異なり,流動性が極めて高い仕様となっていること.これらの同サイトの特徴が,「初音ミク」を初めとするユーザーの「N次創作」を著しく活発化させたことなどを論じる.