著者
遠藤 薫
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.118-121, 2016-01-15

いま「カワイイ」文化に世界が注目している.なぜ,「カワイイ」文化に人びとは惹きつけられるのか.「カワイイ」といった感性的価値は,単なる表層的な感覚,社会や人生に重大な意味をもたない残余的な事柄と扱われがちである.しかし,本稿では,日本の「カワイイ」文化の系譜をたどることによって,それが通時的不変性と経時的可変性性の双方によって構成されていること,およびその本質が弱者や対抗者の包摂と異文化間のハイブリッドにあることを明らかにし,グローバリゼーション時代におけるその社会的意義について考察する.
著者
井手 広康
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.298-302, 2022-05-15

高等学校では令和4年度入学生から年次進行で新学習指導要領が適応され,共通教科「情報」では必履修科目「情報I」が実施されている.「情報I」では「プログラミング」の後に「モデル化とシミュレーション」の単元が続いているが,学会や研究会において「モデル化とシミュレーション」の分野が実践事例で取り上げられることは,「プログラミング」の分野と比較して非常に少ない.本稿では,大学入試センターが公開した大学入学共通テスト「情報」試作問題に出題されたシミュレーション問題を題材にした「モデル化とシミュレーション」の授業実践について紹介する.
著者
大堀 淳
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.1299, 2005-11-15

6 0 0 0 OA 祝辞

著者
和達 清夫 中曽根 康弘
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, 1960-07-30
著者
髙田 真弥
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.610-613, 2021-10-15

愛知県高等学校情報教育研究会では,令和7年度より実施される大学入試共通テスト「情報」に向けてサンプル問題を題材として研究協議を行った.参加者は事前にサンプル問題を解き,アンケートに解答,当日はZoomを用いて講演,研究協議を行った.大学入試共通テスト「情報」では,情報デザインや画像処理,プログラミング,データの活用や統計処理等幅広い分野からの出題が想定される.令和4年度より実施される「情報I」では,授業時間の配分や授業の構成,他教科との連携による読解力や計算力などの向上が課題となる.需要の高まる情報教育の発展のため,教員の情報交換や資質向上の場として本研究会が活発に運営されていくことが期待される.
著者
河原 達也
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.77-78, 2022-01-15

高等学校で「情報I」が2022年度から必修化されることとなり,さらにその3年後から大学入試共通テストに導入されることが決定された.その意義と期待について,入学者選抜の観点,大学の情報教育の観点,および初等中等情報教育充実の観点から述べる.
著者
掛下 哲郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.16-19, 2021-12-15

本稿では情報処理学会が策定したデータサイエンス(DS)を専攻する大学レベルの教育に関するカリキュラム標準および今後の構想について紹介する.本カリキュラム標準は,ACMのDSカリキュラムや欧州Edison DS Frameworkを参照して策定されており,国際的互換性を有する.さらに,データサイエンティスト協会が作成したDSスキルチェックリストを参照することで,本会のDS資格とも連携している.本カリキュラム標準は約60単位の規模であり,データサイエンスを専攻する学生が必要とする知識およびスキルを網羅している.また,数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアムのモデルカリキュラム(リテラシーレベル)の履修を前提としている.
著者
久野 靖
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.733-736, 2017-07-15

文部科学省による「大学入学者選抜改革推進委託事業」の中で,大阪大学,東京大学,本会が連携して「情報科」入学者選抜における評価手法の検討を進めている.本稿ではその中から,思考力・判断力・表現力を評価するための枠組みの提案について解説している.基本的な考え方は,これら3つの力の恣意的定義(ただし多くの納得が得られ,かつ評価が行いやすいもの)を定め,それに沿って作題する,というものである.本稿では,Tr(読解),Tc(関連性発見),Td(隠された事項の発見),Ti(推論),Ju(事項の列からの所予基準による選択),Ex(所予基準にかなう表現の構築)の6つの定義とそれに対応する作題例を示して解説している.
著者
阿部 和広
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.894-897, 2017-09-15

近年,Scratchを用いたワークショップがさまざまな組織によって行われるようになってきた.その多くは定型的なカリキュラムにしたがって,あらかじめ定められた目的の達成を目指すものである.しかし,子供たちの興味や関心は常に変化しており,ワークショップ中に新しい気付きやアイディアが生まれることも稀ではない.それを無視した予定調和的なワークショップは,実施者や保護者にとって,安心・安全である反面,子供たちが持っているポテンシャルを制限することにもなりかねない.ここでは,内容や目的が変化することを前提としたワークショップの実践について紹介する.
著者
藤田 昌侾
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, 1972-06-15
著者
太田 憲 室伏 広治
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.1228-1234, 2014-10-15

スポーツの研究によって運動スキルの理解が進んでも,そのスキルをヒトに伝達・伝承することは必ずしも容易ではない.この問題に対応するため,まず運動スキルを数理的に解明することが重要であるが,スポーツのような運動の場合,そのスキルは身体や用具のダイナミクスに強く拘束されるため,ダイナミクスベースで運動スキルを記述した.そして,この運動スキルの数理的な理解に基づいた運動スキルの可視化やその伝達方法の開発を行っているが,その数理をスキル獲得の支援に結びつけるフレームワークをサイバネティック・トレーニングと呼んでいる.ここではハンマー投競技向けのスキル獲得支援システムについて紹介する.
著者
中島 勝也
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, 1962-05-15
著者
河原 達也 筧 捷彦 和田 勉 久野 靖 辰己 丈夫
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.270-277, 2016-02-15

2015年8月末,本会の元会長であり,現在は日本学術振興会理事長である安西祐一郎先生へのインタビューが行われた.安西先生は,現在は文部科学省に設置された高大接続システム改革会議の座長である.本会からは,河原達也(教育担当理事/京都大学),筧捷彦(教育委員会委員長/早稲田大学),和田勉(初等中等教育委員長/長野大学),久野靖(会誌編集委員/筑波大学),辰己丈夫(会誌編集委員/放送大学),および事務局から後路が参加した.
著者
松尾 真一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.159-164, 2020-01-15

2008年のSatoshi NakamotoのBitcoin論文によって導入されたブロックチェーン技術は,そのセキュリティの仕組みから,暗号通貨のみならず幅広い応用が模索さている.一方で,そのセキュリティ目標について,曖昧な議論がされており,学術的な整理も始まったばかりでである.本稿では,この視点に基づきブロックチェーン技術がもたらす安全性の範囲(セキュリティ目標),ブロックチェーンのセキュリティに関する理論的な議論の現状,現在指摘されている脅威と脆弱性,そしてセキュリティ向上に向けた研究開発の方向性について述べる.
著者
牛久 祥孝
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.286, 2015-02-15
著者
千葉 立寛
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.1022-1027, 2018-10-15

クラウドが登場し,クラウドという言葉が広く認知されるようになってから10年ほどが経過した今,多くのシステムがクラウドへの移行が進んでいる.しかしながら,既存のシステムで動作していたアプリケーションをそのままクラウド上に移行したとしても,自動的にリジリエントかつスケーラブルになることはなく,クラウドに対応した形(クラウドネイティブ)に変化させていく必要がある.クラウドネイティブ化していく流れの中心に存在するものが,コンテナ技術である.本稿では,コンテナのこれまでの歩みを振り返りつつ,そもそもコンテナとは何なのか,なぜコンテナが登場したのか,なぜコンテナが注目されているのかを解説していく.
著者
綾屋 紗月
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.555-557, 2015-06

私たちは当事者研究会の活動を通じ,発達障害,特に自閉スペクトラム症の診断基準がもつ弊害を感じてきた.どこまでが社会問題として考えられるべきで,どこからが個人が持つ変えられない特徴なのかを公平に切り分けるには,少数派が自己を探究する当事者研究と多数派の社会を探究するソーシャル・マジョリティ研究の両方が必要であると考え,当事者が抱える困りごとに注目した質問項目を作成し,その問いに対応する一般人口を対象とした研究紹介を様々な分野の専門家に依頼した.研究会を通して,学術的な研究が当事者研究の進展に寄与するだけでなく,逆に当事者研究の視点が複数の研究領域をつなぐ学際的な役割を果たす可能性が示唆された.
著者
古崎 晃司 上田 洋 高橋 徹
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.620-625, 2016-06-15

最近,シビックテック(Civic Tech)と呼ばれる市民(=Civic)がIT技術(=Technology)を活用して地域課題を解決しようという取り組みの広がりがある.オープンデータは,シビックテックにおいて活用されることが多く,両者を連携した活動も各地で行われている.これらの取り組みは,LOD技術の普及活動とも相まって様々な展開が見られている.本解説では,関西を中心としたLOD技術の普及活動とシビックテック活動の経験を踏まえ,LODという新しい技術の普及活動を進めていく上で,シビックテックとの関わりから得た知見を活動事例と共に報告する.
著者
脊尾 昌宏
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, 1998-05-15