著者
大塚 義孝
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.61-63, 1964-03-30
著者
進藤 聡彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.57-69, 2014 (Released:2014-12-24)
参考文献数
36
被引用文献数
1

本稿では,この1年間に公表された教授・学習に関する論文を学校実践との関連の観点から論評した。また,10年前と比較した最近の研究の特徴を明らかにしようとした。教授・学習研究を概観したところ,それらは2つのタイプに分類できるものであった。1つは教科の特定の単元に関わる教授方略を開発しようとするものであり,もう1つは教育実践に関わる一般的な要因や,それらの要因間の関係を特定しようとするものであった。10年前との比較では,いくつかの研究テーマが変化していた。例えば,協同学習や自己調整学習に関する研究が増えていた。そして研究者が教育実践の場に直接関与する臨床的な研究が増加していた。最後にいかに研究が行われるべきかに関して,筆者の考えが述べられた。
著者
林 創
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.14-24, 2014-03-30 (Released:2014-12-24)
参考文献数
63
被引用文献数
1 3

本稿は,2012年7月から2013年6月までの期間において,日本における児童期と青年期を対象とした発達的研究を概観したものである。この1年の研究を,「認知発達」,「社会的認知」,「対人関係」,「自己」,「精神的健康と適応」,「その他」に分類して,レビューを行った。認知発達に関する研究では,情報処理に関する研究から,身体運動を含む研究,現実との関連を重視した研究まで多様なものが報告されていた。社会的認知では,嘘の認識から罪悪感の理解まで多様な研究が検討されていた。対人関係では,青年期の友人関係や評価懸念を扱った研究などが見受けられた。自己では,アイデンティティにかかわる研究が多く報告されていた。精神的健康と適応では,震災等を中心としたレジリエンスの研究が数多く存在した。その他では,読書活動など教育的視点を重視した研究が多様に報告されていた。最後に,これらの研究から現実を意識した社会的貢献度の高い研究の重要性を述べるとともに,研究方法の問題や学際的研究の必要性などを論じた。
著者
堀田 香織
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.73-84, 2012 (Released:2013-01-16)
参考文献数
66

本稿では, 2010年7月からの1年間に発表された臨床心理学領域の論文を概観し, 今後の課題を探索した。まず, 2011年3月東日本大震災が人々の心身に甚大な傷を残したことを受けて, 被災体験, 喪失体験, 心的外傷に関する心理学的研究を概観した。今後, 被災者支援のために長期に渡る実践と研究が必要である。次に, 様々な精神症状・心理的不適応の心理治療・援助に関する論文を概観した。子どもに関しては, 不登校, いじめ, 攻撃行動に関する論文が数多く掲載された一方, 虐待は我が国の喫緊の課題であるにもかかわらず, 論文数が少なかった。今後の研究が期待される。また抑うつや社会不安・無気力の心理的症状が低年齢化し, 小中学生を対象にした研究も見られる。より早期の治療援助, 予防が必要だろう。青年期では人格障害・摂食障害など困難な事例の治療に関する研究が多かった。一般学生を対象にした質問紙調査では, 不安, 抑うつ, 攻撃, アパシー, ひきこもりなどが取り上げられた。また, 実践研究, 面接調査の質的分析による研究は, 臨床領域ではまだまだ数が少なく, 今後より一層の発展が期待される。
著者
小川 一美
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.187-198, 2011-03-30 (Released:2011-11-25)
参考文献数
82

本稿では, 対人コミュニケーションに関する最近の日本の実験的研究を中心に概観し, 取り組むべき課題について言及した。言語的コミュニケーションおよび非言語的コミュニケーションに関する研究をいくつか挙げ, 言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの融合も含めたマルチ・チャネル・アプローチによる研究の必要性についても研究例を挙げながら論じた。続いて, 3者間コミュニケーションや観察者という立場から捉えた対人コミュニケーション研究など, 2者間コミュニケーション以外の対人コミュニケーションの捉え方についても紹介した。また, 対人コミュニケーション研究にも社会的スキルという概念が近年多く組み込まれるようになってきたが, 構成概念も含めこの両者の関係性については十分な吟味が必要ではないかという問題提起を行った。最後に, 対人コミュニケーション研究の今後の課題として, 会話者の内的プロセスの解明, 文化的背景の考慮, 他分野の研究への関心, well-beingとの関係を検討する必要性などについて指摘した。
著者
酒井 厚
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.63-80, 2022-03-30 (Released:2022-11-11)
参考文献数
126

2020年7月から2021年6月までの1年間に,日本人研究者が発表したパーソナリティに関する研究の概観を通して,わが国のパーソナリティに関する研究の動向を捉え,今後の研究の在り方の展望を論じた。諸研究は,パーソナリティを総合的に捉えた観点からの研究,特定の構成概念や特性の個人差を扱った研究,社会的態度に関する研究,パーソナリティの形成・発達と適応に関する研究の4つの枠組みから整理された。それぞれの研究動向と展望については,メタ分析や大規模データの二次利用からの特性理解の進展とさらなる展開への期待,多様な構成概念や特性を多角的な視点から検討する研究の蓄積とそれらを統合することの必要性,様々な社会的問題に対する態度を扱った研究の重要性,社会的適応や精神的健康に関して今後の発展が予想される研究テーマの萌芽としてまとめられた。
著者
佐伯 胖
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.153-160, 2015 (Released:2015-08-25)
参考文献数
35
被引用文献数
1