- 著者
-
関田 一彦
- 出版者
- 一般社団法人 日本教育心理学会
- 雑誌
- 教育心理学年報 (ISSN:04529650)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, pp.158-164, 2017-03-30 (Released:2017-09-29)
- 参考文献数
- 31
- 被引用文献数
-
5
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アクティブラーニングは今, 学習指導要領の改訂にともない, あらゆる校種で注目されている。ただし, アクティブラーニングと一口に言っても, 教師中心と学習者中心に分けることも, 知識定着型と能力育成型に分けることも可能であり, 分けて考えることは, 研究の意義を高める上で有益である。アクティブラーニングは能動的な学習を促す授業の総称であり, 様々な教育方法やアプローチを内包する傘概念である。したがって, アクティブラーニングそれ自体を研究するのは簡単ではない。実際, 特定の手法やデザインの方法や効果についての研究が主流である。中でも協調学習と協同学習は, アクティブラーニングに期待される, 主体的な学び, 対話的な学び, 深い学びを具現化する上で有力である。協調学習は対話的な学び, 深い学びを研究する舞台である。協同学習は主体的な学び, 対話的な学びの成果を探るための機会を提供してくれる。研究者には, 同音異義語の混用を避ける意味でも, 自らの研究的関心によって, 協同学習と協調学習を使い分けることが望まれる。