著者
加藤 洋介
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

定家本源氏物語を復原する上でもっとも尊重されている大島本(古代学協会蔵)が、室町期書写の伝本と共通する本文や漢字表記を持つことから、定家自筆本系統の本文から直接書写されたのではなく、室町期に流布していた本文に定家自筆本系統の本文を校合することで成立したことを検証した。これは伊勢物語伝本においても、同一系統にある伝本間では漢字表記など共通する部分を多く持つことから考案したものであり、伊勢物語伝本の側から定家本源氏物語の本文成立史を窺うという横断的検討から得た成果である。
著者
柴田 昇 神田 和重 久田 俊記 磯部 克明 佐藤 学 清水 有威 清水 孝洋 杉本 貴宏 小林 智浩 犬塚 和子 金川 直晃 梶谷 泰之 小川 武志 中井 潤 岩佐 清明 小島 正嗣 鈴木 俊宏 鈴木 裕也 境 新太郎 藤村 朋史 宇都宮 裕子 橋本 寿文 御明 誠 小林 直樹 稲垣 泉貴 松本 勇輝 井上 諭 鈴木 良尚 何 東 本多 泰彦 武者 淳二 中川 道雄 本間 充祥 安彦 尚文 小柳 勝 吉原 正浩 井納 和美 野口 充宏 亀井 輝彦 加藤 洋介 財津 真吾 那須 弘明 有木 卓弥 Chibvongodze Hardwell 渡邉 光恭 丁 虹 大熊 直樹 山下 竜二 Liang Guirong Hemink Gertjan Moogat Farookh Trinh Cuong 東谷 政昭 Pham Tuan 金澤 一久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.15, pp.1-5, 2012-04-16

世界最小の19nmのデザインルールを用いて64Gb多値(2bit/cell)NANDフラッシュメモリを開発した。片側All-bit-Line S/A構成、1plane構成によりチップサイズは112.8mm^2。ビット線バイアスアクセラレーション及び"BC"State-First書込みアルゴリズムにより、書き込みパフォーマンスは15MB/sを実現。プログラムサスペンド機能とイレーズサスペンド機能により、リードレイテンシー時間は大幅に短縮。400Mb/s/pin 1.8Vの高速Toggle mode InterfaceをNANDフラッシュメモリとしては初めて搭載した。
著者
今西 裕一郎 伊藤 鉄也 野本 忠司 江戸 英雄 相田 満 海野 圭介 加藤 洋介 斎藤 達哉 田坂 憲二 田村 隆 中村 一夫 村上 征勝 横井 孝 上野 英子 吉野 諒三 後藤 康文 坂本 信道
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究課題は、『源氏物語』における写本の単語表記という問題から、さらに大きな日本語日本文化の表記の問題を浮かび上がらせることとなった。当初の平仮名や漢字表記の違いというミクロの視点が、テキストにおける漢字表記の増加現象、またその逆の、漢字主体テキストの平仮名テキスト化という現象へと展開する過程で、テキストにおける漢字使用の変貌も「表記情報学」のテーマとなることが明らかになった。「文字の表記」は「文化の表記」「思想の表記」へとつながっている。「何が書かれているか」という始発点から「如何に書かれているか」に至る「表記情報学」は、今後も持続させるべき「如何に」の研究なのである。
著者
加藤 洋介 尾山 佳永子 村杉 桂子 奥田 俊之 太田 尚宏 原 拓央
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.923-926, 2013-07-31
参考文献数
13

要旨:右胃大網動脈を用いた冠状動脈バイパス術既往歴がある急性胆嚢炎を2例経験した。症例1は70歳男性。無石胆嚢炎穿孔による胆汁性腹膜炎と診断。造影CT検査でグラフト血管の走行を確認し,緊急開腹手術を施行した。症例2は72歳男性。急性胆嚢炎(中等症)と診断し,保存療法を行った。血管再構成3D-CT検査でグラフト血管の走行を確認し,待機的に腹腔鏡手術を施行した。いずれも術中にグラフト血管を損傷なく確認し,合併症なく退院した。開腹,腹腔鏡下いずれの術式においても胆嚢摘出術を施行可能であったが,低侵襲性と,安全にグラフト血管を確認し得る点から,腹腔鏡手術の利点は大きいと思われた。右胃大網動脈によるバイパス術既往歴がある急性胆嚢炎に対しては,でき得る限り緊急手術を避け,十分な術前計画のもとに手術を施行することで,より安全性が担保されるものと思われた。
著者
吉田 周平 奥田 俊之 出村 嘉隆 加藤 洋介 太田 尚宏 原 拓央
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.74, no.8, pp.2321-2324, 2013 (Released:2014-02-25)
参考文献数
11

Müller管遺残症候群とは,Müller管抑制因子の欠損・作用障害によりMüller管由来組織である卵管,子宮,腟上部が遺残する稀な症候群である.患者は68歳男性,CT検査にて左鼠径ヘルニアを指摘された.自覚症状は鼠径部の膨隆のみ.30歳台に右鼠径ヘルニア手術の既往あり.鼠径管を開放すると腹腔内より子宮に酷似した腫瘤が脱出していた.腫瘤を剥離挙上すると,近接した精管・精巣動静脈に牽引されて陰嚢内より精巣が脱出した.ヘルニア門は小さく腫瘤は還納不能であった.精管,精巣動静脈は温存可能で腫瘤切除の方針とした.子宮頸部~腟上部に相当する部分は膀胱背側に連続していた.切除後は通常通り後壁を補強した.切除標本は筋腫を伴う双角様腫瘤であり,卵管様構造も伴っていた.組織学的に子宮および卵管と診断された.
著者
林 憲吾 羽田 匡宏 大島 正寛 加藤 洋介 小竹 優範 原 拓央
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.532-535, 2017 (Released:2017-09-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1

症例は7歳,女児.前日より増悪する腹痛と発熱を主訴に当院小児科を受診し,急性虫垂炎の診断で当科に紹介となった.腹部CTでは,腫大した虫垂内に歯牙様の形態をした石灰化を伴う構造物を認め,歯牙迷入による急性虫垂炎を疑い同日単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.虫垂に穿孔はなく蜂窩織炎性虫垂炎の所見であり,型通りの虫垂切除術を施行した.摘出標本を開放すると9mm程度の歯牙を内部に認め,病理学的には壊疽性虫垂炎の所見であった.術後経過は問題なく,術後4日目で退院となった.異物による急性虫垂炎は比較的稀であり,その頻度は0.2~0.75%と報告されている.異物としては魚骨や義歯,種子などが多く,乳歯が誘因となった報告は検索した範囲では認めなかった.義歯や歯牙による異物性虫垂炎は穿孔しやすいという報告もあり,本症のように誤飲した歯牙が原因と思われる小児虫垂炎症例は速やかな手術が望ましいと考えられた.
著者
中村 大 神田 和重 小柳 勝 山村 俊雄 細野 浩司 吉原 正浩 三輪 達 加藤 洋介 Mak Alex Chan Siu Lung Tsai Frank Cernea Raul Le Binh 牧野 英一 平 隆志 大竹 博之 梶村 則文 藤村 進 竹内 義昭 伊東 幹彦 白川 政信 鈴木 裕也 奥川 雄紀 小島 正嗣 米谷 和英 有薗 尚倫 久田 俊記 宮本 晋示 野口 充宏 八重樫 利武 東谷 政昭 伊藤 文俊 亀井 輝彦 亀井 輝彦 丸山 徹 井納 和美 大島 成夫 大島 成夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.6, pp.25-29, 2008-04-10
被引用文献数
10

43nm CMOSテクノロジを用いた16ギガビット4値NANDフラッシュメモリを開発した.66NANDと新規コントロールゲートドライバー回路を用いた構成とし、アレー上にパワーバス配線を配することでチップサイズ120mm^2を実現し、micro SDカードへ実装可能とした.デュアルステージドライバーを用いることで1.8V VCCQで25nsのサイクルタイムを実現した.
著者
加藤 洋介
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

本研究には大きく二つの目的があった。一つには、これまでに受けた科学研究費補助金によって、源氏物語全巻について『源氏物語大成 校異篇』(以下『大成』と略称)の河内本校異の補訂作業を行なってきたところであり、その成果として『源氏物語大成 校異篇 河内本校異補遺 稿(一)〜(五)』をまとめてきた。しかしながらこれは「補遺」であり、常に『大成』と見合わせる必要があった。また『大成』刊行後に紹介された伝本の校異をどうするかという問題も残っていた。そこで『大成』に未採用の諸本の校異を加えた上で、河内本の校異を一覧できる一書としてまとめることを企画した。これについては、本研究期間中に『河内本源氏物語校異集成』として刊行したところである。もう一つの目的は、別本についても『大成』の校異を補訂することであった。河内本源氏物語の成立を考えるためには、ぜひとも『大成』の青表紙本校異や『河内本源氏物語校異集成』と同基準での校異データが必要である。また自分自身の目で別本の本文に触れて、その感触を確かめてみたいという興味もあった。そうしたことから、河内本について行なった作業と同様のことを、別本についても試みたのであるが、その成果が研究成果報告書であり、「付 源氏物語大成 校異篇 別本校異補遺稿(上)(桐壺〜幻)」とした所以である。本研究は当初平成15年度までの4年間の研究期間を予定していたが、幸いにも科学研究費補助金の前年度申請が採択され、同じ研究課題名で平成15〜18年度までの継続研究が認められた。現在までに源氏物語全体の約2/3の調査を終えており、この研究期間内に源氏物語全巻の調査を終え、今回と同様の研究報告書を作成する予定である。
著者
加藤 洋介
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究の主たる目的は、『源氏物語大成 校異篇』(以下、『大成』と略称)の別本校異について、刊行の際に割愛された音便や表記の異同などに関する校異を増補し、合わせて『大成』校異の誤脱を修正することにある。これにより『大成』青表紙本校異と『河内本源氏物語校異集成』(加藤洋介編、風間書房、平成13年2月。)を合わせ、ほぼ同一の採用基準によったデータに基づいて比較研究を行なうことができる環境を整えることになる。本研究は同研究課題名での前年度申請によって採択されたものであるが、すでに先の研究期間における研究成果報告書では、桐壺巻から幻巻を対象として、約16,000項目の校異を増補し、3,600箇所ほどの『大成』校異の補訂を行なった(加藤洋介『河内本源氏物語の本文成立史に関する基礎的研究』(平成12〜14年度科学研究費補助金 基盤研究(C)(2)研究成果報告書)、平成16年6月。)。この研究期間においては、残りの匂宮巻から夢浮橋巻までを対象とした調査とその結果のとりまとめを目指した。『大成』所収の別本伝本に関する調査を行い、データの集約と整理を実施した。約8,300項目の校異増補と『大成』の誤脱2,000箇所程度の補訂作業を終え、その結果を研究成果報告書としてまとめたところである(研究成果報告書は『大成』の判型に合わせるためB5判とした)。これにより『大成』の別本校異すべてにわたる増補補訂作業を終了したことになる。今後は『大成』未収伝本へと調査対象を拡大し、『別本源氏物語校異集成』(仮称)として書籍刊行できるよう、研究の継続を計画している。また今回の調査研究の過程において、『大成』の青表紙本校異についても同様の調査が必要であることが判明しつつあり、こちらについても近々研究を開始したいと考えている。
著者
加藤 洋介
出版者
愛知県立大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本研究の目的は、河内本源氏物語に関する全校異の集成と、それによって河内本源氏物語の成立過程解明の目途を探ることにある。これまで平成4年度科研費 奨励研究(A)「河内本源氏物語の校合と校異語彙索引の作成」、および平成6〜8年度科研費 一般研究(C)「河内本源氏物語の諸本調査と校異作成およびそのデータベース化についての研究」において、『源氏物語大成』に採用された伝本の再調査を行なってきた。本研究ではこの成果に加え、『源氏物語大成』に未収録の岩国吉川家本・書陵部本・吉田本などの校異を加え、また調査に時間がかかるため先回は見送らざるをえなかった鳳来寺本(東海大学蔵現写本による)の調査を計画し、この2年間の研究期間においてこれらの伝本についてはすべて調査を終了した。その成果は『河内本源氏物語校異集成』(風間書房、来年度刊行予定)として一書にまとめ、研究者に広く公開できるよう準備を進めている。その調査の過程で、岩国吉川家本についての従来の見解を改めるべき必要が認められたため、その旨を論文化し、合わせて河内本源氏物語の成立に関わる問題の所在についても言及した。また河内本源氏物語の本文が別本に近いことは、以前より指摘されていたが、それがいかなる成立事情によるものかについて明らかにされていなかった。本研究においては、蜻蛉・手習という二巻についてだけであるが、河内本源氏物語は青表紙本を底本とし、それを若干の別本によって校訂することで出来上がった本文であることが明らかになり、その旨を論文化した。
著者
加藤 洋介 高木 元
出版者
愛知県立女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究は、平成4年度文部省科学研究費補助金 奨励研究(A)「河内本源氏物語の校合と校異語彙索引の作成」での研究成果をもとに計画したものである。上記研究において、池田亀鑑編著『源氏物語大成 校異篇』(以下『大成』と略称)で割愛された河内本校異を、原本調査に基づいてすべて採録し、その過程で発見された『大成』校異の誤りを正した。その成果はすでに『源氏物語大成 校異篇 河内本校異補遺 稿(-)』(1993)としてまとめたところであるが、対象としたのは洞壺巻から葵巻までであり、本研究はその後を受け、平成6年度から作業を開始し、『稿(二)』(賢木巻〜朝顔巻、1994)『稿(三)』(少女巻〜若菜下巻、1995)『稿(四)』(柏木巻〜早蕨巻、1996)、『稿(五)』(宿木巻〜夢浮橋巻、1997)として成果をまとめ、これで『源氏物語』全巻の調査を終えたことになる。上記『源氏物語大成 校異篇 河内本校異補遺 稿(一)〜(五)』にて調査した校異は、すべて機械可読データとしても保存している。そこでは校異に採用したミセケチ・書入傍記などの情報を、機械データとして検索可能なものとすることによって、原本調査のデータシートにそのまま流用でき、さらにはそのデータに一定の符号等を付し、日本語組版ソフトLAT^EXを使用することで、校異データに『大成』と同様の符号を付した印刷用版下を作ることも可能になった。諸本調査および校異作成からその印圧刊行までの過程で発生する人為的誤りを、機械を使用することで可能な限り減らすための方法を、ほぼ確立できたように思われる。