著者
渡邊 晶規 細 正博 由久保 弘明 松崎 太郎 小島 聖
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.403-409, 2009 (Released:2009-07-24)
参考文献数
38
被引用文献数
1 1

〔目的〕拘縮後のストレッチが関節包に及ぼす影響を病理組織学的に検討すること。〔方法〕9週齢のWistar系雄ラット14匹を用い,通常飼育のみを行う正常群,ギプス固定のみを行う拘縮群,固定後4週間の通常飼育を行う非治療群,固定後4週間ストレッチを行う治療群の4群にわけた。各群の膝関節可動域の測定と,組織標本による関節包組織の観察を行った。〔結果〕拘縮群は膠原線維束の肥厚と密性化を認め,関節包は肥厚していた。これに比べ治療群,非治療群ともに改善傾向を示したが,両群間に明らかな違いは認められなかった。一方,膝関節可動域は固定後3週以降の治療群で有意な改善を示した。〔結語〕可動域の改善に伴った関節包組織の明らかな改善は認められなかった。
著者
新井 龍一 来間 弘展 根本 海渡
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.921-927, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
30

〔目的〕深部横断マッサージが拮抗筋の筋機能に影響を与えるかをストレッチングと比較し検討することとした.〔対象と方法〕対象は33名の健常成人男性の右足とし,対照群,ストレッチング群,マッサージ群に分け,自動下肢伸展挙上角度,大腿四頭筋の筋硬度,角速度60 °/sec,120 °/secの大腿四頭筋最大筋トルク,大腿直筋の筋反応時間を介入前後に測定し検討した.治療介入はそれぞれ合計10分間とし,ハムストリングスに対してマッサージ群は深部横断マッサージ,ストレッチング群は静的ストレッチングを用い,対照群は安静背臥位とした.〔結果〕ストレッチング群,マッサージ群において自動下肢伸展挙上角度に主効果を認め,その他の項目では主効果, 交互作用を認めなかった.〔結語〕深部横断マッサージは主動作筋の伸張性に効果はあるが, 拮抗筋の筋機能に影響を与えないことが示唆された.
著者
藤谷 亮 石井 雄大 高橋 直宏 出口 幸一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.19-23, 2016 (Released:2016-03-05)
参考文献数
18
被引用文献数
1

〔目的〕単回のWBVトレーニングが各疾患の歩行能力に与える影響を検討することを目的とした.〔対象〕デイケアに通所しているPD, CVA, MD利用者,それぞれ各10名を対象とした.〔方法〕各疾患群に対して50Hz,1分間のWBVトレーニングを行い,トレーニング前後で10m歩行の計測を行った.得られたデータから歩行速度,歩幅,歩行率を算出した.〔結果〕PD群,CVA群はMD群と比較し,WBVトレーニング前後の差で,有意に歩行速度が増加した.またPD群,CVA群では異なる歩行改善効果を示した.〔結語〕各疾患に対するWBVトレーニングの歩行改善にもたらす効果が異なることが示唆された.
著者
小向 佳奈子 藤本 修平 杉田 翔 光武 誠吾 輪違 弘樹 小林 資英
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.683-693, 2017 (Released:2017-10-23)
参考文献数
74
被引用文献数
2

〔目的〕リハビリテーション分野で用いられている社会参加の定義とその評価指標について,システマティックレビューを用いて評価することとした.〔対象と方法〕リハビリテーションと社会参加に関する語句から対象論文の検索を行った(Database:MEDLINE).抽出した論文について,社会参加の定義や評価指標を抽出し,テキスト分析によってその概念をまとめた.〔結果〕社会参加の定義として「仕事,家庭での活動,余暇活動ができる」,「家庭,社会における役割を持てる」などが挙げられた.定義によって用いられている評価指標に相違がみられた.〔結語〕社会参加の定義は様々であり,その定義に合わせた評価指標を選択する必要性が示唆された.
著者
藤本 修平 尾川 達也 藤本 静香 中山 健夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.83-88, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
36
被引用文献数
3

〔目的〕共有意思決定における患者参加の促進・阻害因子に対する理学療法士・作業療法士の認識を明らかにすることとした.〔対象と方法〕理学療法士・作業療法士5名を対象とし,フォーカスグループインタビューにて患者参加に関する認識を調査し,内容分析を用いて患者参加の促進因子,阻害因子に分類した.〔結果〕促進・阻害因子の両方,促進因子,阻害因子について,それぞれ「意思決定に参加する患者の好み」,「療法士の知識」,「エビデンスの有無」に関するコードが多く抽出された.〔結語〕患者参加の促進・阻害因子として,療法士の知識やエビデンスの確立の必要性を認識していることが示された.
著者
北村 郁海 浦辺 幸夫 前田 慶明 藤井 絵里
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.387-390, 2017 (Released:2017-06-23)
参考文献数
15

〔目的〕本研究は踵接地時に足関節背屈を意識させたランニングでの下肢筋活動および関節角度の変化を測定し,アキレス腱障がいのリスクを軽減するための一助とすることを目的とした.〔対象と方法〕対象は大学陸上長距離選手7名とし,トレッドミル上で通常のランニングと足関節背屈を意識したランニングを行った.〔結果〕背屈を意識したランニングでは,踵接地時に床と足底のなす角度が増加し,立脚前期での足関節背屈角速度の最大値が減少した.筋活動は,踵接地前の前脛骨筋,立脚前期の大腿直筋で増加を認めた.〔結語〕背屈を意識したランニングでは,接地時の衝撃吸収に足関節底屈筋群以外の筋がより貢献したと予想され,アキレス腱への負担が小さくなると思われた.
著者
小原 謙一 白石 明継 高橋 尚
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.791-794, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
18
被引用文献数
1

〔目的〕一側前腕に対する部分浴の施行の違いが対側前腕の総ヘモグロビン量に及ぼす影響について検討した.〔対象〕自律神経系及び循環系の疾患を持たない健常人10名であった.〔方法〕左前腕部の総ヘモグロビン量を近赤外分光法器にて測定した.実験条件は,温浴,交代浴,無処置の3条件とした.各条件における部分浴を右前腕部に対して20分間施行した.部分浴前を基準とした変化率を算出した.〔結果〕処置中及び処置後において,交代浴は他の2条件よりも有意に高値を示した.〔結語〕本研究結果から,交代浴は,交叉性効果によって対側の総ヘモグロビン量をより増加し得ることが示唆された.
著者
塚本 敏也 久保 明 加藤 倫卓 栗田 泰成 磯崎 弘司 杉岡 陽介 三井 理恵 福原 延樹 仁瓶 史美 竹田 義彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.991-996, 2018 (Released:2018-12-21)
参考文献数
31

〔目的〕プレフレイルと静的立位バランス(静的バランス)との関係を検証すること.〔対象と方法〕銀座医院を受診した187名を対象とし,健常群101名,プレフレイル群86名に分類した.調査項目は対象の背景,握力,骨格筋指数(SMI),静的バランスの指標である矩形面積とした.SMIは二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)を用いて算出し,矩形面積は重心動揺検査装置を用いて開眼にて30秒間計測した.〔結果〕プレフレイル群の男性の割合,握力, SMIは健常群と比較して有意に低値を認め, 年齢と矩形面積は有意に高値を認めた.矩形面積はプレフレイル群に関係する因子として抽出された.〔結語〕プレフレイルの状態から静的バランスが低下している可能性が示唆された.
著者
宮森 隆行 吉村 雅文 青葉 幸洋
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.685-690, 2008 (Released:2008-11-21)
参考文献数
18

本稿では,サッカー選手の体力を,「サッカー選手に必要とされる体力要素」,「体力測定と評価」,「結果の活用」,さらに,「今後取り組むべきトレーニング課題」の4点から検討した。その結果,サッカー選手の体力を評価するためには,競技特性を理解した中での体力評価を実施することが必要であり,これらを考慮に入れた個別化・グルーピング化した体力評価は,サッカー選手の体力トレーニングの効率化を図る上での重要な評価であることが確認された。今後のサッカー選手の体力評価は,「体力的側面」・「トレーニング」・「競技パフォーマンス」の3要因の関連性を定量的に解明していくことが必要であり,これらの評価を数値化して現場に還元していくことこそ,科学的トレーニングの一つのステップであると考える。
著者
石坂 正大 石川 良太 伊藤 詩峰 遠藤 沙紀 君島 未紗 鯉沼 夢 佐藤 克己 関 健吾 田野 勝也 千明 龍太郎 淵田 悟
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.581-584, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
10

〔目的〕コンプレッションウェアの着用が酸素摂取量および心拍数に及ぼす影響を明らかにする.〔対象と方法〕対象は健常男性26名とした.対象者に対しトレッドミルでの心肺運動負荷試験を行い,裸とコンプレッションウェア着用の2つの着衣条件で酸素摂取量,心拍数,呼吸交換比,呼吸数を測定した.〔結果〕心肺運動負荷試験の運動前,中,後の心拍数(回/分)はそれぞれ,裸で84.4±11.8,156.9±12.3,110.2±22.1,着用時で81.2±11.9,151.7±14.7,102.0±10.4となり,後者の着衣条件で有意に低い値を示した.酸素摂取量,呼吸交換比,呼吸数では着衣条件間の有意な差がみられなかった.〔結語〕コンプレッションウェアの着用は酸素摂取量には影響しないが,運動時の心拍数を低下させる.
著者
杉原 敏道 有馬 慶美 郷 貴大 三島 誠一 武田 貴好
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.159-162, 2003 (Released:2003-08-13)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1 1

適切なメタ認知能力を兼ね備えた学生は問題を適切に感知することが可能となるため学力は高いと予想される。本研究では,理学療法における学生教育の一助とすべく,メタ認知能力と学力の関係について検討を行った。その結果,両項の間に有意な相関関係が認められた(r=0.95,p<0.01)。このことは,学力へのメタ認知の関与を明らかにするとともに,教授方略としてのメタ認知能力獲得の重要性を示唆するものと考えられた。したがって,学内教育においては,単に知識を伝授するような教授方略を用いるのではなく,メタ認知能力を促すような教授方略を用いることが重要であると考察された。
著者
山本 洋之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.461-466, 2018 (Released:2018-07-06)
参考文献数
17

〔目的〕スラックラインは綱渡り様のベルト上で歩行等の運動を行うもので,バランス能力向上効果が注目されているが,その要因の検証は不十分である.今回,スラックラインによる運動が体平衡機能に与える影響について検討した.〔対象と方法〕対象は健常な男子9名とし,スラックライン上での歩行等の練習を行う前と練習後に重心動揺を測定し,総軌跡長,外周面積,矩形面積,実効値面積と単位面積軌跡長を比較検討した.〔結果〕面積に関する値は減少していったが,総軌跡長は練習開始後では減少したが中間以降では変化が少なかった.単位面積軌跡長は増加の傾向を示した.〔結語〕単位軌跡長は固有受容器との関係があると考えられている指標であり,スラックラインでの運動は体平衡機能に影響があることが示唆された.
著者
本山 美由紀 小野 玲 井上 順一朗 牧浦 大祐 三輪 雅彦 黒坂 昌弘 宇佐美 眞 黒田 大介
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.711-715, 2010

〔目的〕本研究の目的は食道癌患者の術前と退院時における倦怠感,心理状態,QOLの変化について検討し,さらに倦怠感と心理状態およびQOLの相互関係について検討することである。〔対象〕食道再建術を施行した食道癌患者20名。〔方法〕倦怠感,心理状態(抑うつ,自覚ストレス),QOLについて質問紙を用いて評価した。術前と退院時の比較についてpaired t testを用い,倦怠感と心理状態およびQOLとの相互関係についてはPearsonの積率相関係数を用いて検定した。〔結果〕倦怠感は術前から退院時かけて強くなっていた。抑うつ,ストレス,QOLに関しては術前から退院時まで有意な変化が認められなかった。相互関係については,倦怠感と自覚ストレス,倦怠感とQOLに相関関係が認められた。〔結語〕倦怠感,心理状態,QOLを評価することは,患者の状況を十分に把握し,心理面に配慮したリハビリテーションを実施する上で重要であると考えられる。<br>
著者
浅川 康吉
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.35-40, 2003 (Released:2003-05-01)
参考文献数
23
被引用文献数
3 1

生活機能病の克服や介護予防といった目標を重視する立場から,高齢者の筋力の評価やトレーニングの研究を進める視点について検討した。筋力の評価については,体重比で示された筋力が高齢期における神経・筋の機能低下を反映した指標となる可能性を論じた。日常生活活動能力と筋力との関係については,筋力の水準によって両者の関連の強さが異なる可能性を述べた。筋力トレーニングについては,筋力増強の方法について自験例の検討結果を紹介するとともに,その目標やリスクの重要性についても言及した。
著者
内田 芙美佳 木村 愛子 堀江 貴文 元廣 惇 稲垣 杏太 鈴木 哲
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.905-909, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
16
被引用文献数
1

〔目的〕経験の浅い理学療法士のキャリア発達を促す支援策としての基礎資料を得ることを目的に,キャリア・アダプタビリティの現状を調査し,かつキャリア・アダプタビリティとメンターとの関係性について検討した.〔対象と方法〕対象は,経験年数が1年から5年までの理学療法士149名とした.質問紙にて,基本属性,キャリア・アダプタビリティ尺度,メンターの有無を調査した.〔結果〕メンターを持つものは,持たないものと比べ,キャリア・アダプタビリティの関心因子,コントロール因子,自信因子の得点が有意に高かった.〔結語〕理学療法士のキャリア発達にメンターが関与する可能性が示唆された.
著者
壹岐 伸弥 大住 倫弘 赤口 諒 谷川 浩平 奥埜 博之
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.937-941, 2017

〔目的〕日常生活動作は概ね自立しているも在宅復帰に対する不安を強く訴えた症例の要因について明らかにすること.〔対象と方法〕対象は橋延髄梗塞によりWallenberg症候群を呈した患者 1 名.一般的な理学療法評価に合わせて,入院時から退院までの約150日間,1週間ごとに①10 m歩行試験,②自己効力感,③不安と抑うつ,④状態-特性不安の評価を実施した.〔結果〕10 m歩行試験と不安・状態不安,自己効力感と③・④との間に負の相関を認め,10 m歩行試験と自己効力感の間に正の相関を認めた.また,片脚立位時間の延長に伴いできる日常生活動作も拡大した.〔結語〕退院に向けて心身能力の改善が不十分であった症例に対して,前庭機能に着目した介入や心理面への考慮が必要であった可能性が示唆された.
著者
城野 靖朋 金井 秀作 後藤 拓也 原田 亮 藤高 祐太 谷出 康士 長谷川 正哉 大塚 彰
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.533-537, 2013-08-20

〔目的〕本研究の目的は,運動課題と認知課題の二重課題練習において,注意に関する指示の影響を明らかにすることである.〔対象〕健常成人60名を対象とした.〔方法〕二重課題練習で注意を運動課題に向ける条件,認知課題に向ける条件,注意の指示を与えず自由選択できる条件,練習を実施しない条件を設定し,練習前後の各課題パフォーマンスを評価した.〔結果〕dual-taskの運動課題パフォーマンスおよび高難易度運動課題パフォーマンスは,練習期の注意配分を自由に選択できる条件で向上した.〔結語〕健常成人を対象にした本研究では,注意の指示を与えない二重課題練習が,運動課題パフォーマンス向上に効果的である可能性が示唆された.<br>
著者
山本 澄子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.109-114, 2003 (Released:2003-08-13)
参考文献数
6
被引用文献数
7 8

バイオメカニクスの観点から身体運動の理解に必要な重心,床反力,関節モーメント,パワーについて解説する。重心の動きは外力である床反力の結果であり,床反力を決めるのは筋活動である。関節モーメントは動作中の筋活動を表す指標であり,関節モーメントと関節角速度より求められるパワーによって筋の活動様式を知ることができる。ここでは平地歩行のデータを示して,歩行中の各関節まわりの筋の働きについて述べる。
著者
篠崎 真枝 浅川 育世 大橋 ゆかり
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.819-827, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
19

〔目的〕PBLテュートリアル教育の効果と問題点および学生の学習行動の変化を検討した.〔対象と方法〕1~4年生を対象に3年間自由記載のアンケートを実施し,計量テキスト分析した.〔結果〕クラスター分析より,【PBL授業への積極的参加】,【主体的な学習姿勢の修得】などの因子が形成された.学年別コードの分析より,4年次では能動的な姿勢や自己学習のコードの増加を示した.〔結語〕PBLの効果として,主体的学習や自己学習の増加などが確認できた.PBLの経験を積んだ高学年で主体的学習行動への変化が見られ,4年間のカリキュラムを通して学生の学習行動の変化を促すプログラムの構築の必要性が示唆された.
著者
岡 真一郎 平田 大勝 光武 翼 東 裕一 岡本 敬司 渡邉 恵子 衛藤 真由美
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.321-324, 2016

〔目的〕末梢性および心因性めまい患者に対する前庭リハビリテーション(Vestibular Rehabilitation: VR)の効果を比較した.〔対象〕めまい患者25名(心因性:PS群9名,末梢性:PE群16名).めまい重症度,Berg Balance ScaleおよびDizziness Handicap Inventory日本語版(DHI-J)を用いて,めまい症状と障害の程度を評価し,介入前後の比較から効果量を求めた.〔結果〕VRの効果量は,PE群ではすべての評価で高い効果,PS群では自律神経評価,DHI-Fが中等度,DHI-Eが低い効果であった.〔結語〕VRは,PE群のめまい重症度と障害の改善,PS群ではめまい症状および機能障害の改善に有効な可能性がある.