著者
白井 孝尚 井尻 朋人 鈴木 俊明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.433-437, 2021 (Released:2021-06-20)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

〔目的〕結帯動作は肩甲骨前傾,下方回旋が重要である.肩甲骨前傾,下方回旋に関与する僧帽筋上部線維が弛緩しにくい場合の結帯動作に与える影響を知ることを目的とした.〔対象と方法〕健常成人20名の僧帽筋上部線維に電気刺激を与え,弛緩しにくい状態を再現させた結帯動作と電気刺激を与えない結帯動作を実施させた.肩関節外転,伸展,内旋角度や肩甲骨前傾,上方回旋角度,結帯距離を比較した.〔結果〕電気刺激により結帯距離の延長,肩甲骨前傾角度減少,上方回旋角度増大を認めた.〔結語〕僧帽筋上部線維の筋緊張は,結帯動作に影響することが示された.結帯動作の実用性改善には,僧帽筋上部線維の筋緊張や肩甲骨運動が重要であることが示唆された.
著者
石田 直也 二階堂 泰隆 浦上 英之 黒田 健司 冨岡 正雄 佐浦 隆一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.753-757, 2021 (Released:2021-10-20)
参考文献数
30

〔目的〕異なる速度条件での歩行分析から歩行障害の原因を推測し,前庭リハビリテーションを行った結果を報告する.〔対象と方法〕対象は54歳男性の多系統萎縮症(MSA-C)患者である.異なる速度条件(至適・高速・低速)で歩行分析を行ったところ,低速度条件で歩行変動が増大したため,小脳片葉小節葉の病変による平衡機能障害が歩行障害の原因と判断し,前庭リハビリテーションを9日間実施した.〔結果〕重心動揺検査とFunctional Gait Assessmentの成績が向上し,治療前に観察された低速歩行時の歩行変動が減少した.〔結語〕MSA-C患者に対して歩行変動の速度依存性に着目し,前庭リハビリテーションを行うことで歩行不安定性の改善につながった.
著者
佐々木 祐二 青木 光広
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.215-221, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
43

〔目的〕腰痛予防を目的とした腹横筋や腰部多裂筋などのローカル筋群に対するトレーニングを効果的に実施するための基礎研究として,どのような運動課題が筋の活動性に有効なのかを筋電図学的に検証すること.〔対象と方法〕健常成人男性20名を対象とした. Abdominal hollowing(AH)やAbdominal bracing(AB),加えて,それらと他の運動課題を併用した場合の8運動条件を設定し,右側の腹横筋,腰部多裂筋の筋活動量をワイヤ筋電図にて記録し,比較・検討した.〔結果〕腹横筋はAB+呼気時,腰部多裂筋はAB時に最も大きな活動がみられた.〔結語〕腰痛予防を目的としたトレーニングには画一的な方法はなく,機能不全の生じている筋に対する適切なトレーニングが必要であることが示唆された.
著者
上月 渉 村上 達典 上田 哲也 樋口 由美
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.206-211, 2023 (Released:2023-06-15)
参考文献数
17

〔目的〕入院中の患者家族の身体的な介助に対する自己効力感(介助効力感)を評価し,自宅退院との関連性を検討した.〔対象と方法〕対象は回復期病棟入院中の患者とその同居家族とし,入院時・退院時に家族の介助効力感や健康関連QOL,患者のFunctional Independence Measure(FIM)を評価した.転帰先によって自宅群(n=32)と施設群(n=7)に群分けし,2群間の比較から自宅退院の関連要因を検討した.〔結果〕家族の介助効力感,患者の年齢とFIMにおいて2群間に有意差を認めた.相関分析の結果,退院時の介助効力感は他の関連要因との関連性を認めなかった.〔結語〕自宅退院には家族の介助効力感が関連する可能性が示唆された.
著者
本田 浩也 大河原 健伍 吉本 好延
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.85-89, 2021 (Released:2021-02-24)
参考文献数
19

〔目的〕本研究の目的は,地域在住高齢者のTether-release法を用いたステップ動作能力が転倒に関連するか明らかにすることであった.〔対象と方法〕対象は,独歩可能な地域在住高齢者36名とし,過去1年間の転倒の有無から転倒群(8名)と非転倒群(28名)に分けた.ステップ動作能力は,最大身体前傾時牽引量の体重比を測定した.〔結果〕群間比較の結果,転倒群と非転倒群で最大身体前傾時牽引量の体重比に有意差を認めた(p=0.038).ロジスティック回帰分析の結果,転倒と最大身体前傾時牽引量の体重比は有意な関連を示した(オッズ比:0.840,95%信頼区間:0.711-0.992).〔結語〕地域在住高齢者のTether-release法を用いたステップ動作能力と転倒に関連がある可能性が示唆された.
著者
大渕 修一 新井 武志 小島 基永 河合 恒 小島 成実
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.185-190, 2009 (Released:2009-05-28)
参考文献数
14
被引用文献数
14 6

[目的]超音波画像計測装置を用いて測定した大腿前面の筋厚が,膝関節伸展筋力を含めた身体機能と関係しているのか,また筋厚から膝関節伸展筋力の推定が可能かを調査した。[対象]地域在住の女性高齢者98名とした(平均年齢72.7 ± 5.4歳)。[方法]対象者の大腿前面の筋厚を超音波画像計測装置にて計測した。また身体機能として,等尺性の膝関節伸展筋力(N),握力(kg),通常歩行速度(m/分),開眼片足立ち時間(秒),下肢のしなやか度を測定した。[結果]大腿前面の筋厚は膝関節伸展筋力,握力,開眼片足立ち時間と有意な正の相関が認められた。一方,重回帰分析の結果では,膝関節伸展筋力を予測する因子としては,大腿前面筋厚の寄与率は低いことがわかった。[結語]超音波画像計測装置で計測した大腿前面の筋厚は,地域在住女性高齢者の身体機能を反映する指標とはなりうるものの,膝関節伸展筋力を推定するためにはさらに検討が必要と考えられた。
著者
江戸 優裕 西江 謙一郎 根本 伸洋 中村 大介
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.169-172, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
18

〔目的〕歩行時の足圧中心軌跡と距骨下関節の関係を明らかにすることとした.〔対象と方法〕対象は健常成人10名とした.足圧分布測定器を用いて至適速度での裸足歩行時の後・中・前足部における足圧中心位置を捉えた.そして,距骨下関節に関わる10項目の理学所見との関係を分析した.〔結果〕足圧中心は後足部から中足部までは足底やや外側を通り,前足部では内側に抜けていく軌跡を描いた.また,足圧中心が後足部と前足部レベルで外方を通過するほど,距骨下関節回内可動性が小さいことがわかった.〔結語〕距骨下関節回外筋の習慣的な活動が,歩行時の足圧中心軌跡の外方化と距骨下関節回内可動性の減少を招くことが示唆された.
著者
小林 正典 清水 勇樹
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.605-607, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
12
被引用文献数
5 4

〔目的〕本研究の目的は,インソール装着が立位歩行時の下肢の動揺性に及ぼす影響を明らかにすることである.〔対象〕20歳代の健常な成人男性(学生)22名を被験者に用いた.〔方法〕インソールを装着した場合と非装着の場合での開眼片脚起立時間,重心動揺の測定,足趾ピンチ力を計測,比較しインソールの影響を検討した.〔結果〕いずれの計測項目でもインソールを装着した場合に立位安定機能が低下する傾向が見られ,とくに開眼片脚起立時間と足趾ピンチ力で有意な低下が見られた.〔結語〕インソールの装着は,立位歩行時の足底筋を中心としたアーチ機能に影響を及ぼし,下肢の動揺性を増強させる可能性が示唆された.
著者
和田 直樹 山本 澄子
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.21-28, 2021

<p>〔目的〕座位から歩行までの動作において胸郭・骨盤角度の特徴を運動学的に分析し,若年者と高齢者の違いを明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕若年者14名と高齢者12名を対象に,3軸傾斜計・荷重スイッチシステム・ビデオカメラレコーダーにて座位からの歩行動作を計測した.〔結果〕高齢者は若年者と比較して一歩目離地時(foot off: FO)に胸郭・骨盤前傾角度が小さく,離殿からFOまでの時間が長かった.高齢者のFO時胸郭前傾角度・FOまでの骨盤前傾角度変化量とFunctional Reach Testに正の相関があった.〔結語〕両群ともに胸郭・骨盤前傾位で離殿するが,高齢者は前傾位を保持できずFOに至る.起立から歩行に短時間で移行するには胸郭の前傾に加え,骨盤の前傾が必要であることが新たにわかり,バランス機能の低下により若年者と異なる動作戦略に至ったと考えられる.</p>
著者
佐藤 勢 早川 岳人 神田 秀幸 熊谷 智広 各務 竹康 辻 雅善 日高 友郎 遠藤 翔太 森 弥生 福島 哲仁
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.133-137, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

〔目的〕老健施設入所者の転倒状況を調査し,時間帯別に分析を行い,転倒者の個人要因の特徴を明らかにすること.〔対象と方法〕福島市の老健施設で初回転倒した94名を対象者とし,性,年齢,身長,体重,要介護度,活動分類,認知症の分類,ADL評価,握力,長谷川式スケール,10 m歩行,BPSD,転倒場所について時間帯別に比較を行った.〔結果〕転倒者は9:01~17:00で39名,17:01~1:00は32名,1:01~9:00は23名の計94名であった.1:01~9:00の転倒者は低身長,BPSDの夜間不眠,廊下での転倒が有意に多かった.〔結語〕低身長,夜間不眠,廊下通行の特徴を持つ者は深夜から早朝にかけて転倒する可能性が高いため,注意が必要である.
著者
中河 真吾 萩野 浩
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.73-77, 2023 (Released:2023-02-15)
参考文献数
25

〔目的〕医療従事者を対象に肩こりの関連因子を探索し,肩こりと筋硬度の関連を検討することを目的とした.〔対象と方法〕合計138名の看護師と療法士を研究解析対象とし,アンケートにて,年齢,職務の経験年数,身長,体重,Body Mass Index,肩こりの有無,痛みの部位と程度(VAS)を自記させ,さらに自己効力感(PSEQ)と破局的思考(PCS)とストレスの各有無を調査した.加えて,超音波診断装置を用いて僧帽筋上部線維の筋硬度を測定した.対象者を肩こり有群と肩こり無群に分け,さらに,肩こり有群は,VAS高値群とVAS低値群に分けて2群比較を行った.〔結果〕肩こり無群と比べて,肩こり有群のストレススコアが有意に高かった.PCSスコアは,VAS高値群がVAS低値群より高い結果となったが,筋硬度には2群間で有意な違いはみられなかった.〔結語〕看護師および療法士の肩こりの有無とその痛みの程度は,筋硬度よりストレスや破局的思考といった心因的なものとの関係が強い可能性が考えられた.
著者
竹井 仁 根岸 徹
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.23-28, 2000 (Released:2007-03-29)
参考文献数
13

顎関節疾患の中でも,特に顎関節症は臨床的に多く経験する疾患だが,日本における顎関節症に対する理学療法は十分に確立されたものがないのが現状である。顎関節症に対する理学療法の主目的は,疼痛のコントロールと,正常な顎関節運動の再獲得,顎関節運動に関与する筋力・筋長・拮抗筋とのバランス再獲得,習慣・姿勢・リラクセーションに対する教育である。本論文では,顎関節症の疾患概要,原因及び症状と徴候,顎関節の解剖学と運動学をもとに,顎関節症の評価までを概説する。
著者
多米 一矢 廣中 丈 小関 博久
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.265-268, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
12

〔目的〕安静座圧の偏りから右座圧群と左座圧群に分類し,座圧と体幹側屈動作の関係について検討した.〔対象と方法〕健常成人男性20名(各座圧群10名)とした.座圧は床反力計を用い,体幹角度をkinoveaにて計測した.上下部体幹側屈角度の比較と座圧と体幹側屈角度の関係性を検証した.〔結果〕左座圧群は,上下部左右体幹側屈角度に差を示した(p<0.05).右座圧群と下部体幹右側屈角度,上部体幹左側屈角度に有意な相関を示した(| r |=-0.7~-0.65).左座圧群は,上部体幹左右側屈角度に有意な相関を示した(| r |=-0.65~0.82).〔結語〕座圧側への体幹側屈動作では上部体幹,非座圧側への側屈動作では下部体幹が生じることが示唆された.
著者
HAN Yuzuo 黒澤 和生
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.115-123, 2023 (Released:2023-04-15)
参考文献数
15

〔目的〕三種類の腸腰筋ストレッチングが脊椎と骨盤に与える影響を目的とした.〔対象と方法〕18人健常大学生を対象とし,腸腰筋に20秒3セットのスタティック・ストレッチング(SS),Hold Relax-PNF(HR-PNF),ダイナミック・ストレッチング(DS)を行い,T12,S1,腰椎前弯角度,腰椎可動域,骨盤傾斜角度をストレッチングの前,直後,30分後,60分後,90分後に測定した.〔結果〕HR-PNFはT12の増加と骨盤傾斜の減少が認められた.DSはT12の減少が認められた.ストレッチングの方法にかかわらず,腰椎可動域のある程度の増加を示した.〔結語〕HR-PNFは,若年健常者を対象として骨盤傾斜を減少する3つのなかで,最も有効的なストレッチング方法であることが明らかになった.
著者
畑 賢俊 高橋 尚 古我 知成
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.839-844, 2017 (Released:2017-12-20)
参考文献数
26

〔目的〕右側前腕に対する経皮的電気神経刺激(TENS)が,左右の前腕の血液酸素動態,発汗,皮膚温にどのような影響をもたらすのか検討した.〔対象と方法〕健常成人男性8人(年齢20.3 ± 1.2歳)を対象とした.右前腕への15分間のTENSに対する同側前腕の反応を記録し,1週間以上あけて,刺激と対側の変動も記録した.〔結果〕発汗量はTENS終了後に,皮膚温は,同側のTENS刺激中から終了後にかけて有意な上昇を認めた.酸素化ヘモグロビンは,TENS終了後に両側の前腕で有意な増加を認めたが,脱酸素化ヘモグロビンは,対側TENS終了後,有意な減少を認めた.〔結語〕TENSは刺激点に近い局所性の効果だけでなく,対側への効果を生み出し,電極を直接貼付しにくい患部などに対する効果も期待された.
著者
下井 俊典 谷 浩明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.125-131, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
19

本研究では,2種類の主観評価結果との一致性により,遅発性筋痛(以下,DOMS)の評価における4種類の疼痛測定法の信頼性を検討することを目的とした。17名の被験者(21.1±1.8歳)に足関節背屈の遠心性収縮課題70回を施行し,DOMSを発生させた。1) VAS; 2) Talag scale; 3) Painmatcher; and 4) 自作疼痛スケール,の4種類の疼痛測定法を用いて,運動課題前,直後,24時間,48時間,72時間後の5回,DOMSを測定した。疼痛スケールを用いた測定と同時に,DOMSについて2種類の主観評価を行った。1つ目の主観評価として,前日に比べて当日のDOMSがどのように変化したかを,主観的変化と定義した。また2つ目の主観評価として,DOMSの左右差を主観的左右差と定義した。主観的変化についても,主観的左右差についても,Talag scaleが有意に高い一致率を示し,他の測定方法に比べて高いκ係数を示した。また,理解しやすさ,返答のしやすさについても,Talag scaleが最も評価が高かった。これらのことからDOMS評価における信頼性の高い疼痛測定法は,Talag scaleと考えられる。
著者
小野崎 彩可 小川 美也子 新田 潮人 佐藤 瑞騎 佐竹 將宏 塩谷 隆信
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.903-907, 2015 (Released:2016-01-09)
参考文献数
14
被引用文献数
2 3

〔目的〕本研究は,歩行時に3軸加速度計から得られるX軸(左右)・Y軸(上下)・Z軸(前後)の加速度と,床反力計により得られる荷重値との関連を明らかにすることを目的とした.〔対象〕健常大学生17名とした.〔方法〕3軸加速度計と足圧分布計を装着し,10 m歩行試験を実施した.次いで,各対象者の両脚における加速度と荷重値の相関関係を検討した.X・Y・Z軸それぞれの加速度は荷重値が最大の時の歩数から算出した.〔結果〕両脚でY・Z軸加速度と荷重値に有意な相関が認められた.一方,X軸加速度と荷重値に相関は認められなかった.〔結語〕本研究では垂直・前後加速度と荷重値には有意な相関関係が示された.本研究の結果を臨床で役立てるためには,今後加速度から荷重値を換算する方法を検討する必要があると考える.
著者
安井 健 横田 一彦 長野 宏一朗 芳賀 信彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1-5, 2013 (Released:2013-04-11)
参考文献数
10
被引用文献数
7 1

〔目的〕特定機能病院において退院支援は重要であり,1大学病院における理学療法士の退院調整への関与状況を調査した.〔対象と方法〕対象病院の理学療法部門および退院支援専門部署が介入した患者の,3ヶ月間での転帰と両部門の重複介入の状況,理学療法士による在宅調整の実施状況を,整形外科とそれ以外の依頼科に二分して比較した.〔結果〕理学療法部門と退院支援専門部署が重複介入している患者で転院率が有意に高かった.整形外科以外の患者では,整形外科の患者に比して在宅調整への介入率が有意に高かった.〔結語〕特定機能病院では,整形外科以外の分野で理学療法士の在宅調整への積極的な関与が求められることが示唆された.
著者
小田桐 伶
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.135-139, 2023 (Released:2023-04-15)
参考文献数
18

〔目的〕脳卒中者において発症時と発症後2週時の体組成を比較し,差をもたらした原因を考察することである.〔対象と方法〕急性期脳卒中患者33名を対象とした.Body Mass Index(BMI),体脂肪率,Skeletal Muscle Mass Index(SMI),体幹筋肉量,麻痺側上肢筋肉量,麻痺側下肢筋肉量,非麻痺側上肢筋肉量,非麻痺側下肢筋肉量を,発症3日以内の時点と発症後2週±2日の時点において測定して比較し,それぞれの効果量を算出した.〔結果〕発症から2週間経過すると,BMIは有意に減少するが,SMI,下肢筋肉量,体脂肪率には有意差は認めなかった.体幹と両上肢には有意な筋肉量低下が生じ,その効果量は大きく中等度~強度であった.〔結語〕脳卒中患者は発症から2週間経過すると,両上肢・体幹の筋肉量が低下しやすい.
著者
堀本 ゆかり 丸山 仁司
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.687-691, 2010 (Released:2010-11-25)
参考文献数
13
被引用文献数
8 4

〔目的〕本研究の目的は青年期の立脚期歩行パターンを測定し,足圧中心軌跡は踵から第5中足骨付近まで進みその後第1趾に向かうという先行研究と比較し,その特徴を調査することである。〔対象と方法〕対象は調査・計測に関して同意の得られた専門学校学生17例とし,身体計測と10 m歩行計測に加え,立脚期の足底圧中心軌跡の特徴について検討した。〔結果と結語〕その結果,足底圧中心軌跡が中央型となる傾向があり,荷重応答期から立脚終期に時間要因が延長する傾向を認めた。特に初期接地以降の距骨下関節の動きおよび足長,足幅(横アーチ機能),中足趾節関節背屈角度等が足底圧中心軌跡を調整する機能として寄与することが示唆された。