著者
高倉 聡 大城 昌平
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.315-319, 2005 (Released:2006-02-14)
参考文献数
14
被引用文献数
2 5

高齢者用バランスボードN型(BN)を使ったバランス機能評価法と,高齢者の歩行移動能力との関連について検討した。対象は,高齢者45名であった。BNによるバランス機能評価は,BNの高さと保持時間によって4群(BNグレードI~IV)に分類した。その結果,BNグレードが低くなるに従って歩行レベルも有意に低かった。また,多項ロジスティック回帰分析の結果から,非歩行自立群の歩行自立群に対するリスク要因として,10 m最大歩行速度とBNグレードが有意であった。したがって,BNによるバランス機能評価は,高齢者の歩行移動能力と関連がみられ,歩行移動手段を検討する際の指標の一つと成り得ることが示唆された。
著者
明崎 禎輝 山崎 裕司 野村 卓生 吉本 好延 吉村 晋 浜岡 克伺 中田 裕士 佐藤 厚
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.301-305, 2008 (Released:2008-06-11)
参考文献数
16
被引用文献数
4 3

本研究では,階段昇降の自立獲得に必要な麻痺側下肢荷重率を検討した。対象は脳血管障害片麻痺患者110名である。これらの対象者に対して,年齢,体格指数,発症からの期間,非麻痺側下肢筋力,下肢ブルンストロームステージ,深部感覚障害の有無,非麻痺側・麻痺側下肢荷重率などを調査・測定した。2項ロジスティック回帰分析の結果,麻痺側下肢荷重率のみが階段昇降自立の有無に関係する有意な因子であった。さらに,階段昇降の自立獲得には麻痺側下肢荷重率のカットオフ値が84.0%において高い判別精度を示した。
著者
杉原 敏道 郷 貴大 三島 誠一 田中 基隆 柴田 悦子 高木 麻里子 菊地 栄里 対馬 栄輝
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.13-16, 2005 (Released:2005-06-30)
参考文献数
17
被引用文献数
14 15 23

精度の高い転倒予測ツールの探求を目的にFunctional Reach Test(以下,FRT)を用いて高齢者の身体能力認識の転倒への関与を検討した。対象は日常生活に支障のない健常高齢者88名とした。各被験者にFRTの予測値を申告させた後,実際の計測を行い,予測値と実測値の差から個々の身体能力認識誤差を求めた。その後3ヶ月にわたり転倒の有無に関する聞き取り調査を実施し,身体能力認識の転倒への関与について検討した。多重ロジスティック分析の結果,3ヶ月以内の転倒に影響を及ぼす因子として,従来のFRT(p<0.05)と身体能力認識誤差(p<0.01)が選択され,2項目投入時の回帰の適合が最良であった。判別特性分析では6.5 cmの身体能力認識誤差を境として良好に転倒の有無を判別可能であった(判別的中率91.7%・感度80.9%)。このことから,身体能力認識は転倒を予測する有益な情報になると考えられた。
著者
丸山 仁司
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.101-105, 1999 (Released:2007-03-29)
参考文献数
4
被引用文献数
6 3

高齢者の運動機能は低下を示すが,運動要素などにより,低下程度などが異なる。ここでは,最初に一般的な運動機能とその加齢変化の特徴を述べる。特に,日常生活で最も重要な動作,機能である歩行について,詳細に述べる。歩行の周期,筋電図などの変化を述べる。
著者
野中 紘士 秋山 純一 中嶋 正明
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.285-289, 2008 (Released:2008-06-11)
参考文献数
26

遠心性収縮による持久トレーニングが骨格筋の持久性改善に効果があるかを検討した。ICR雄マウスをコントロール群(CONT),上り走行群(求心性収縮,+16 °,UR),水平走行群(0°,LR),下り走行群(遠心性収縮,-16 °,DR)に分けた。走行運動は15 m/分で20分間とし,時間を10分/週で延長した。走行は6回/週で5週間行い,大腿四頭筋の解糖系酵素,酸化系酵素を測定した。解糖系酵素はCONT に比べ,UR,LRで上昇し,DRは変化しなかった。酸化系酵素はCONTに比べ,UR,LR,DRで上昇した。遠心性収縮による持久トレーニングは,嫌気的代謝に効果はないが,好気的代謝には効果があることが示唆された。
著者
小林 和彦 辻下 守弘 岡崎 大資 甲田 宗嗣
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.303-308, 2011 (Released:2011-06-07)
参考文献数
16
被引用文献数
1

〔目的〕担当入所者への過剰介助から廃用性の機能低下を促進させる可能性の高い看護職員1名に応用行動分析学の技法を用いたベッドから車椅子への移乗介助の方法を指導し,その効果を分析することで行動論的な介助指導の意義と課題について検討した.〔方法〕対象は介護老人保健施設に勤務する介助経験豊富な正看護師で,彼女が日頃実際に介助や介助指導を行っている高齢障害者に対するベッドから車椅子への移乗介助に際し,応用行動分析学の技法を適切に用いた介助が行えるようになることを指導目標として講義形式による指導と実践指導を4ヶ月間にわたり施行し,指導効果を単一事例実験計画法により分析した.〔結果〕実践指導後において適切な介助が増加した.また,介助対象者自身もベースライン測定時には大幅な過剰介助での課題遂行であったのが必要最小限に近い介助での課題遂行に移行し,これらはフォローアップにおいても維持された.〔結語〕より少ない介助で入所者の行動を引き出せるようになり臨床的に意義ある指導効果が得られたと考えられるが,指導内容の理解度の判定や指導効果の長期的維持等,今後における課題も残された.
著者
杉本 諭
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.155-161, 1997-08-20

半側無視の有無や重症度を検査するための方法が数多く報告されている。しかし検査場面の成績が,無視現象全てを反映しているとは限らず,検査場面と日常生活及び訓練場面での成績が解離する場合がある。したがって検査場面だけではなく,日常生活や訓練場面における行動観察が必要である。また半側無視は視覚情報や電気刺激,体幹回旋など様々なモダリティーにより影響を受ける可能性があるため,同じ検査であっても使用するモダリティーの違いにより成績が異なる場合が多い。したがって半側無視に対する理学療法を行う際には,どのようなモダリティーが無視の改善に有効であるかを評価し検討していくことが重要でる。
著者
江村 健児 松崎 太郎 細 正博
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.345-351, 2007 (Released:2007-08-18)
参考文献数
43
被引用文献数
1 1

目的:胸鎖関節には関節円板が存在し,関節円板によって胸鎖関節は球関節の機能を持つとされている。本研究の目的は,胸鎖関節の関節円板を病理組織学的に検討することである。方法:剖検症例において摘出されたヒト胸鎖関節円板を,光学顕微鏡を用いて病理組織学的に観察した。結果:胸鎖関節円板に断裂(tear),粘液様変性(myxoid degeneration),軟骨細胞の集簇化(chondrocyte cloning)等の所見を認めた。また関節円板の表面が,表面にほぼ平行して層状に剥離する像をよく認めた。他の関節円板との比較では,解剖学的,発生学的に関節円板と同一と考えられる膝半月板の病理組織像に関する過去の報告と今回の結果が類似していたが,層状剥離の記述は見られず,これが胸鎖関節に特異的なfibrillationの表現である可能性が示唆された。
著者
板子 伸子 潮見 泰藏
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.31-35, 2006 (Released:2006-05-24)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

老人保健施設に入所する高齢障害者54名に対して,Visual analog scale(以下VAS)による主観的健康感の調査を行い,幸福感や運動機能,認知機能,意欲との関連性を検討した。結果は,VASによる主観的健康感が高い群の方が,中等度の群に比べてFIM認知機能が低い傾向が認められた。また,PGCモラールスケールとVASによる主観的健康感は弱い相関が認められた。これらの結果から,高齢障害者に対してVASによる主観的健康感を聴取する際には,認知機能の客観的評価とともに解釈する必要性はあるが,幸福感だけではなく健康感を含めることで,より具体的なリハビリテーションの目標設定が可能になるものと推測された。
著者
永崎 孝之 岡田 裕隆 甲斐 悟 高橋 精一郎
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.867-871, 2010 (Released:2011-01-28)
参考文献数
13
被引用文献数
2

〔目的〕吹矢トレーニングが呼吸機能に及ぼす影響を呼気筋トレーニングと比較して,検討することである。〔対象〕健常者19名。〔方法〕無作為に吹矢群10名と呼気筋トレーニング群(呼気筋群)9名の2群に分け,吹矢群には吹矢トレーニング,呼気筋群にはスレショルドPEPを用いた呼気抵抗負荷トレーニングを実施し,呼吸機能の肺活量,努力性肺活量,一秒量,一秒率,呼気最大流速(PEF),呼気最大口腔内圧(PEmax),吸気最大口腔内圧を測定し,各群内および群間で比較した〔結果〕吹矢群はPEF,PEmaxの数値が増加し統計学的有意差を認めた。その他の呼吸機能は差を認めなかった。呼気筋群はPEF,PEmaxの数値は増加したものの統計学的有意差を認めなかった。その他の呼吸機能についても差を認めなかった。また吹矢群と呼気筋群の呼吸機能の比較おいては統計学的有意差を認めなかった。〔結語〕吹矢トレーニングはPEF,PEmaxを増加させ,呼気筋トレーニングと同様の影響を呼吸機能に与えることが示唆された。
著者
林 悠太 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.143-146, 2010 (Released:2010-03-26)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

〔目的〕本研究の目的は,高齢入院患者の生活意欲とADL,体格との関連を明らかにすることである。〔対象〕対象者は,Functional Independent Measure(以下FIM)の食事項目が5点以上であった高齢入院症例71例(回復期リハ病棟:男12例,女24例,79.6±11.1歳 慢性期病棟:男10例,女25例,83.2±7.6歳)である。〔方法〕生活意欲はVitality Index scoreより求め,8点以上を高得点群,7点以下を低得点群の2群に分類し,FIMとBody Mass Index(以下BMI)を求めて分析した。〔結果〕その結果,回復期ではFIMすべての項目で群間に有意差が認められ,慢性期では運動項目の整容・トイレ動作・排泄項目とすべての認知項目,BMIに有意差が認められた。〔結語〕回復期ではADL能力全般が,慢性期では身だしなみや排泄といった人間としてごく当たり前の動作能力が,生活意欲と関連してくると考えられる。
著者
村田 伸 大田尾 浩 村田 潤 堀江 淳
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.101-104, 2011 (Released:2011-03-31)
参考文献数
16
被引用文献数
6 4

〔目的〕本研究は,Frail CS-10の有用性を検討するために,ADLとの関連について検討した。〔対象〕虚弱もしくは軽度要介護高齢者159名(男性65名,女性94名)とした。〔方法〕Frail CS-10と大腿四頭筋筋力について,FIM-MならびにFIM-M下位項目との関連をスピアマンの順位相関係数を用いて性別毎に検討した。〔結果〕Frail CS-10と大腿四頭筋筋力は,男女ともに今回評価したFIM-MおよびすべてのFIM-M下位項目とそれぞれ有意な相関が認められた。ただし,その相関係数から関連の強さを判断すると,FIM-Mのすべての項目でFrail CS-10の方が大腿四頭筋筋力よりも関連が強かった。〔結語〕従来から下肢機能の代表値として用いられている大腿四頭筋筋力よりもFrail CS-10の方が,虚弱高齢者のADLとより関連することが示唆された。
著者
菅沼 一男 丸山 仁司
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.773-776, 2008 (Released:2009-01-28)
参考文献数
11

[目的]本研究は,健常人を対象とし広範囲侵害抑制調節(以下DNIC)が立位体前屈の指床間距離に及ぼす即時的効果について検討した。[対象]対象は,健常者40名(男性20名,女性20名),平均年齢20.7歳であった。「方法」方法は1日に30秒程度の間隔をあけ3回の連続した立位体前屈の指床間距離を測定することとし,各測定日間の相互の影響を考慮し,各測定日の間隔を3日間あけ,1日目,5日目,9日目に測定を行った。DINCの介入による影響を検証するために5日目の2回目のみ,手の背側骨間筋に圧迫刺激による痛み刺激を与えるDNICの介入を行った。[結果]1日目および9日目の測定値は1回目から3回目の各測定値間には有意差はみられなかった。しかし,5日目においては,男女合わせた測定値が1回目から3回目の順に-8.3±7.0 cm,0.1±6.1 cm,-0.4±6.0 cmであり有意差がみられた。[結語]DNICの介入により,立位体前屈の指床間距離の改善が認められ,少なくとも介入時および直後まで効果の持続が確認された。
著者
月城 慶一
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.141-145, 2003-08-20

近年,義足と義手に用いられるパーツは目覚ましい進歩を遂げてきた。義足においては,センサーとマイクロプロセッサーと油圧機構による制御装置を備えた膝継手C-Legが,切断者のQOLを高めるために役立ちつつある。筋電義手は,もうすでに古くから存在するが,日本においては今後,臨床現場においてどのように活用されるかで,それが公的支給の対象として市民権を得ていくかどうか大きく分かれていくだろう。C-Legと筋電義手について『開発の経緯』『しくみ』『QOL』等について報告する。<br>
著者
亀尾 徹
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.369-374, 2008 (Released:2008-07-28)
参考文献数
8

多くの人々が運動やスポーツを行っているという現状から,一人ひとりの抱くスポーツ医学に対する要求も多岐にわたる。スポーツ医学に貢献する理学療法士としては,クライアントの医学的ニーズに応えるべく,疾患名に依存した評価・治療体系ではなく,それぞれの個人の特性をふまえた患者中心の治療を展開することを求められている。これを達成するひとつの手段として,健全なクリニカルリーズニングの適用があげられる。本セミナーでは診断的推論と物語的推論を通して医学的問題点と同時に「人」を理解し,その結果の集積である。クリニカルパターンを構築し,治療に反映させる基本的思考過程を提示する。
著者
中澤 理恵 坂本 雅昭 草間 洋一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.119-123, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
21
被引用文献数
7 3

本研究の目的は,中学生サッカー選手における身長成長速度曲線の成長区分(phase)と下肢筋の柔軟性との関係について検討することである。対象は中学生男子サッカー部員107名とし,傷害の有無や身長成長速度,下肢筋柔軟性について調査・測定した。その結果,体幹・下肢に傷害のない70名のphaseの内訳は,phase I 4名(phase I群),phase II 28名(phase II群),phase III 38名(phase III群)であった。また,phase II群およびphase III群間で下肢筋柔軟性を比較した結果,phase III群の右腸腰筋,左大腿四頭筋,右ハムストリングス,左下腿三頭筋が有意に低下していた。これは,身長の成長促進現象に伴う骨および筋・腱の成長の不均衡の長期的な蓄積およびサッカーの競技特性のひとつであるキック動作が影響を及ぼしたものと考える。今後,縦断的に身長成長速度曲線と筋柔軟性の関係を検討していくことの必要性が示され,成長期スポーツ障害予防への関与の可能性が示唆された。
著者
堤 堀内 カロリーナ・さやか 丸山 仁司
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.93-97, 2007-02-20

パラグアイ日系高齢者の生活機能の自立状況を把握するために「老研式活動能力指標」を用いた評価と日本の高齢者との比較を行った。対象は65歳以上の日系高齢者の内,回答が得られた271名(有効回答率67.8%)とした。日系高齢者の「老研式活動能力指標」の得点平均値は10.8±2.5と日本の高齢者とほぼ同じ結果であった。属性別の平均値においても顕著な差は認められなかった。各項目において比較した場合には13項目中10項目に有意な差が認められた。日系高齢者は手段的自立の項目において「できる」と回答している割合が日本の高齢者と比較して低く,社会的役割の項目においては「できる」と回答している割合が高かった。この結果は異なる生活環境等の影響がもたらしたものだと示唆された。<br>
著者
谷本 正智 水野 雅康 塚越 卓 田村 将良 磯山 明宏 渡邉 晶規
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.383-390, 2008 (Released:2008-07-28)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

〔目的〕不動による関節拘縮後の廃用性筋萎縮に対する持続伸張運動が電気生理学的所見に及ぼす影響を明らかにするため実験を行った。〔対象・方法〕8週齢のWistar系雄ラット30匹を無処置の対照群5匹(以下,C群)と膝関節を4週間内固定し拘縮モデルを作製する実験群25匹に分け,さらに実験群は,1)4週間の不動終了直後にデータを測定した廃用群(以下,D群),2)不動期間終了後,4週間の通常飼育後にデータを測定した4NS群,ならびに8週間通常飼育後にデータを測定した8NS群,3)不動期間終了後,通常飼育に加え徒手的な持続伸張運動を4週間実施した後にデータを測定した4S群,ならびに8週間持続伸張運動を実施した後にデータ測定する8S群の5群に分けた。各期間終了後,膝関節可動域,ハムストリングス筋線維径,電気生理学的所見として単一筋線維筋電図(Single Fiber Electromyography: 以下,SFEMG)の指標を用いて経時的変化を検討した。〔結果〕電気性理学的改善は,4S群と8S群にて有意に持続伸張運動の効果を認め,膝関節可動域と筋線維径は8S群のみに有意な改善を認めた。
著者
陶山 哲夫
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.99-106, 2006 (Released:2006-05-24)
参考文献数
7
被引用文献数
1 3

障害者スポーツは近年益々盛んになり,スポーツ人口が増えている。医療スタッフは勿論のこと,コーチ,トレーナーの増員,設備や管理洋式などの改訂,社会の理解と啓蒙などが今後益々必要とされている。ここでは,障害者スポーツの意義,リハビリテーションスポーツ,生涯スポーツ,競技スポーツ,パラリンピックの紹介などについて述べる。