著者
小嶋 大亮 井上 亮文 星 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.49, pp.1-6, 2014-03-06

写真活用において多くの場合,写真を整理・検索するのは撮影者本人である.既存の検索手法では,Exif を利用した 「いつ・どこで・誰が・何を」 など被写体に関連するものを検索キーとしたものがほとんどであった.そのため,撮影者の主体的な体験などを検索キーとした撮影者にとって直感的な検索手法は実現されていない.本研究では,写真撮影と同時にそのときのカメラの仰俯角を写真とともに記録し,検索時にカメラの角度を変更することで,撮影時の姿勢に近かった写真を直感的に絞り込むことができるシステムを提案する.本システムでは,撮影時のカメラの仰俯角を利用し 「どのように」 撮影したかという主体的な体験を活用することで,似たような状況で撮影された写真だけを表示するなどの新たな検索手法を実現した.評価実験の結果,多少角度のずれがあったが,仰俯角での検索が正しく行われていることを確認した.The majority of the In most cases, photo search browsers are used by the photographers themselves, and the retrieval key is based on the five Ws (Who, What, When, Where, and Why). In this paper, we propose a personal photo retrieval browser based on photographer's subjective experiences. This system sends and records the following data when a photographer press the shutter button of the camera: (i) picture, (ii) elevating/depression angle of the camera. In search phase, we can retrieve those pictures by controling the tilt angle of a physical camera. Experimental results with our prototype system indicated that the subjects could retrieve intended pictures desipte some accuracy problems.
著者
竹渕瑛一 鈴木浩 服部哲 速水治夫
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2013-GN-86, no.24, pp.1-5, 2013-01-09

近年,投稿されたコンテンツに対して利用者が自由にタグを付けられるサービスが増加している.それに伴い,コンテンツに付けられたタグ群を自動分類する研究も盛んになっている.自動分類の一つとしてタグの階層化が挙げられる.タグの親子関係を構築することにより,検索の利便性を向上させる研究である.一方で,現状の研究では不特定のタグを階層化するため,目的のタグが見つからない問題がある.本論文は Pixiv を対象に,二次創作イラストに付けられるジャンルタグを自動分類する手法 (ジャンルタグ分類法) について述べる.ジャンルとは, 2 次創作における原作を意味している.ジャンルタグ分類法とは,対象のイラストのタグ群から,対象のイラストと同様なタグを付けたイラストとの相互関係によりジャンルタグの推定を行う手法である.ジャンルタグの分類を行うことによって,階層化されたタグのうち,どの階層にジャンルタグが存在するか特定できるようになる.
著者
田代 光輝 折田 明子
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2012-GN-85, no.6, pp.1-6, 2012-09-06

インターネット上のコミュニケーショントラブルのうちネットを経由したいじめ・嫌がらせといったいわゆるネット炎上に関して、先行研究から発生過程から収束過程を整理し、具体的な事例を対象に原因と対応方法について不具合に対する決着をつける行動であるという観点から考察する。
著者
小林 拓夢 鈴木 浩 服部 哲 速水 治夫
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.16, pp.1-5, 2013-03-11

ライフログとは,毎日の出来事などをデジタルデータに記録することであり,ログを見直すことで,これからの行動に役立てることもできる.Twitter は,日々何か思ったことや,出来事などをつぶやくサービスであり,筆者は,先行研究において Ttwitter のツイートを利用したライフログシステムを試作した.このシステムは,システム利用者に関連のあるツイートを自動取得し,ライフログとして見やすい形で表示することができるものである.評価は良好であったが,ツイートのタグ付けを自動で行ってほしいという意見が多かった.また,Twitter に関連する分類は盛んに行われているが,Twitter ユーザの分類であったり,ハッシュタグの分類であったり,ユーザ個人が利用するタグ付け手法は提案されていない.そこで,本研究では Twitter のツイートの自動タグ付けできる 「ツイートの自動タグ付け」 を提案する.本研究では,Twitter のツイートを形態素解析し,はてなキーワードと,はてなキーワードカテゴリデータベースを使用することで,ツイートの自動タグ付けを実現した.タグ付けされるカテゴリは,食・コンピュータ・スポーツ・映画など17種類で,ユーザはカテゴリ別に過去のツイートを検索し,一覧で表示することもできる.評価実験からツイートを自動タグ付けすることができ,検索方法を変更することでライフログとして有用なツイートを容易に検索することができることが分かった.また,本システムの課題や改善点も見つかった.Life-log is a memory of daily happenings. It is kept in digital data. When you review the life-log you can help you to action in the future. Twitter is service of tweets that are full of daily happenings, thinking and places. Authors have developed a life-log system using the tweets Twitter in previous studies. That system can Automatically obtain the tweets and can easy-to-see twitter's tweet. Many opinions on the evaluation were good but some opinions said want to automatically tagging tweets. In addition, related to Twitter classification has been done, but that are classification of Twitter user or hash tag. Tagging for tweet has not been proposed. In this paper, we propose "automatic tagging of Twitter's tweet". In this study was achieved. This study has morphological analysis of Twitter tweets and use "Hatena keyword" and "Hatena keyword category database" tags are 17 types, such as movies, sports, computer, food categories and user can also search past tweets by categories, displayed in a list. The evaluation shows This system can be tagged automatically tweets and be able to easily search for tweets. In addition, we also found issues and improvement of this system.
著者
金子 春光 猪狩 知也 井上 寛生 速水 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.19, pp.1-6, 2015-03-05

人の眠りには深い眠り,浅い眠りがある.深い眠りの状態にあると,アラームが鳴動していても起きられないことがある.生活のリズムを正し,規則正しい時間に起きることが理想であるが,急な予定や不測の事態があり,いつも同じ時間にというのは難しい.近年では,アプリケーションによる様々な起床方法が存在する.単純な動作,大きな動作でアラームを解除することが多く,ユーザへの負担や,継続率を考えると難しい.そこで本研究では,ユーザを会話させることにより,小さな動作と自然な思考を与え,覚醒状態へと導くアプリケーションを提案する.評価実験の結果,試作アプリケーションを使用することで生活リズムが定まっていないユーザでも目覚めるまでにかかる時間を短縮させることを確認した.The sleep of the person includes a deep sleep and a light sleep. It may not be got up when in the state of the deep sleep even if an alarm sounds. It is ideal to be getting up regularly and that you correct the rhythm of life. But, it is difficult to wake up always the same time because there are sudden appointments and contingencies. Therefore, various wake-up methods and applications are present in recent years. Therefore, various wake-up methods exist in addition to the wake-up application software in recent years. In this study we proposed the application software that lead to wakefulness give a small operation and natural thinking by making conversation the user. Results of evaluation experiments, it was confirmed that to reduce the time it takes wake up in the user life rhythm is not determined by the use Prototype application software.
著者
久保田 彰人 北島 規雄 小林 祐貴 市村 哲
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.18, pp.1-6, 2009-05-14

現在,気軽に使える移動手段として自転車が利用されることが多い.しかし,自動車のような免許制度がなく,自転車事故に対する危機意識の低さがある.そこで本稿では,危険箇所や注意箇所などに対し運転者に注意喚起を行う,自転車用安全運転支援システムを提案する.本システムは,自転車運転時に 3 軸加速度センサーを用いて道路状況を推定し,GPS から得た位置情報と合わせて地図上に書き込み,Web 上で他のユーザーと共有する.その地図データを用いて自転車運転時に危険箇所や注意箇所で運転者に警告や注意といった注意喚起を行う.注意喚起の方法として,運転中の画面注視は危険であるため,振動機器を腕に取り付け,その振動パターンで情報を通知するようにした.A bicycle is used as a transportation vehicle which can be used casually in many cases. However, there is no license system like a car and there is lowness of a sense of crisis to a cycling accident. Then, we propose the safe driving supporting system for bicycles which can gives warning and cautions to a driver near a dangerous places. Three axis acceleration sensor is used for this system, and it senses a road condition. The positional information acquired from GPS, are shared among users on the Internet. Warning and cautions are notified to a driver near dangerous places. As gazing at a screen is dangerous while riding bicycle, a vibrating device is attached to an arm.
著者
工藤 正人 子林 秀明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.33, pp.25-30, 2009-03-11

会社等の組織における業務生産性を向上させるためには、同一の組織/プロジェクトチーム内のメンバだけでなく、外部の不特定のメンバとアドホックに協調して効率的に作業を進めていくことが重要である。現在は、電話や電子メール等のコミュニケーション手段を利用して他のメンバへの作業依頼や進捗確認を行っている。特に進捗確認に関し、連絡がつかなかったり確認を忘れたりすることによりタイムロスや作業遅延が発生し、業務が非効率化している。そこで、本稿では、不特定のメンバに依頼した作業の処理状態をリアルタイムかつ視覚的に確認可能にし、かつ締め切りが近づいてきた作業に関する督促を容易にすることで、不特定のメンバとのアドホックな協同作業を効率化できるタスク管理方式を提案し、実装した試作システムについて述べる。We propose a task management technique which can make ad-hoc collaboration works among unspecified users more efficient. Toward to get productivity increases in organizations such as company, working effectively in a coordinated manner with various people, is very important. Today, in order to make a request and ask processing progress, we use communication means such as telephone and e-mail. However, communication delay becomes a serious problem for getting productivity increases. In this paper, we propose expanded information sharing technique which a user can share processing progress with other users offered tasks visually, and communication means which the user can urge other users offered tasks to processing easily.
著者
三井所 健太郎 藤村 直美
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2009-GN-73, no.17, pp.1-6, 2009-11-19

就職活動の早期化・長期化による、学生の講義及び研究への参加意欲の低下は深刻な問題である。しかし、この問題について大学・学生・企業間で議論されることは少なく、具体的な解決策は講じられていない。本研究では、このような状況を改善するため,学生に大きな負担となっている 「就職情報管理」 及び 「エントリーシート作成」 を支援するシステムを開発した。学生の就職活動への負担を減らし、学業への意識低下を防ぐことを本研究の目的とする。
著者
桑原 一聖 服部 哲 速水 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.33, pp.109-114, 2009-03-11
被引用文献数
2

近年,Google マップ API やタイムライン API などの登場により,それらの Web サービスを用いて情報を管理・表示する研究は数多く存在するようになった.しかし,それらの情報を同時に表示し,その 2 つの関係を感覚的に理解できるようなシステムの研究は少ない.本論文では,地理位置情報と時系列情報を表示し,その関係が感覚的に理解できるように,地図 API とタイムライン API のマッシュアップによる時系列地理位置情報表示システムについて述べる.評価実験の結果,本システムを用いて時系列情報と地理位置情報の 2 つの情報を同期させて表示することにより,各 API 単体で動作するシステムより 2 つの情報の関係が感覚的に理解できるという結果を得た.Recently, a number of Web service API such as Google Maps API have been developed. And there are many systems which use these APIs. However, as long as we know, there is no system which uses both APIs to manipulate a map and a timeline. Using them together enables us to understand geolocation information along with a timeline. In this study, we propose a system using Google Maps API and TimeLine API and developed a prototype system. As the results of the experiment using our prototype, we found that handling a map and a timeline synchronously was effective for providing information.
著者
金澤 宏介 奥村 万規子
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2017-GN-100, no.27, pp.1-7, 2017-01-13

本研究では点滅している LED 光点列をサッカードと呼ばれる高速な眼球運動により残像を知覚させ,情報の提示を行う.光点列は表示情報を縦に分割して順次点滅させているため,表示情報を知覚するためには眼球運動と点滅周期の関係が重要である.本論文では,光点列を二つ用意し,それらを横に設置し観測者に光点列を交互に見させることによりサッカードを無意識的に誘発させる.実験は,光点列の数と知覚の関係性,観測者と光点列の距離と知覚の関係性,光点列と被験者の位置関係による知覚の関係性,点滅周期と知覚の関係性の評価を行う.これらの実験より,光点列を二つにするとサッカードが誘発されやすく,光点列二つと観測者の位置関係では,眼球の 「移動角度」 を決める三点の位置関係が情報知覚に最も影響がある.また,点滅周期がサッカードの持続時間より長いと表示文字は横に伸びて知覚されることがわかった.
著者
市川 裕介 林 阿希子 美原 義行 清水 健太郎 手塚 博久
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2019-GN-106, no.31, pp.1-6, 2019-01-17

訪日外国人の増加に伴い,空港,駅,など公共施設の混雑機会も増えている.混雑状態は施設の安全性,快適性を損なうことから,施設利用者を誘導し,動きを制御することで,混雑を緩和するシステムの導入が重要となる.我々は,刻々と変化する施設内の混雑状況を計測し,空いているルートを動的に案内する動的案内サインシステムを構築し,実際に羽田空港国際線旅客ターミナルにおいて評価した.本稿では,混雑度の表示による誘導効果計測の結果について報告する.
著者
板倉 陽一郎
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2013-GN-89, no.28, pp.1-8, 2013-09-04

復興庁職員によるツイッターでの不適切発言事案が発生したことから,総務省は,同様の事案の再発防止を期する観点から、各府省庁等に対して職員の服務規律の徹底を求めるとともに、「国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に当たっての留意点」 を取りまとめ、各府省庁等に対して、これを参考に職員への周知徹底を行うほか、必要に応じて、内規の制定、研修の実施等を行うよう求めている。本発表では,同取りまとめの意義を,具体的事例を交えて解説するとともに,その影響等につき考察する。
著者
中島 悠輔 坂内 祐一
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2020-GN-109, no.29, pp.1-6, 2020-01-16

似顔絵は人物の外見・特徴をとらえて,デフォルメして描いた人物画である.現在,顔画像を似顔絵に変換する研究では,非教師学習を用いた変換手法や,それぞれパーツ毎に変換を行う手法の研究が行われている.しかし,プロのイラストレーターの個性を反映させるような研究は発表されていない.そこで,本研究ではプロのイラストレーターの個性を反映する為に,どのネットワークを用いれば良いか検討を行う.具体的には,pix2pix,CycleGAN ペア,CycleGAN 非ペア,Cyclepix の 4 つのネットワークを検討していく.違いとしては主に損失関数となっている.pix2pix は訓練データと生成データの誤差を取るが,CycleGAN では入力データと生成データを更に変換させた再変換データの誤差を取ることが主な違いである.Cyclepix は両方の誤差を取っている.また,pix2pix,CycleGAN ペアは Discriminator の入力が入力データと生成データペアと条件付けされており,CycleGAN 非ペアと Cyclepix では Discriminator の入力が生成データのみとなっていることも違いである.実験結果として,CycleGAN 非ペアと Cyclepix の評価が高いことが分かった.このことから Discriminator の入力が生成データのみ,Cycle Consistency Loss を利用することで精度が高い似顔絵を生成することに有用である.
著者
五郎丸 秀樹 鷲尾 知暁 小林 鉄太郎
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2022-GN-116, no.9, pp.1-8, 2022-03-07

近年インターネットの普及により,マスメディアだけでなく個人が SNS で情報を発信しモバイル端末でいつでもどこでも情報を受信することが可能となった.その影響で情報拡散の速度も情報量も範囲も以前のメディアに比べ大きくなり,ちょっとした情報でも簡単に拡散され複雑化していった.そうした中でフェイクニュースを代表とする,内容が不正確な誤情報や偽情報だけでなく,悪意によって暴露された秘匿情報や機微情報など情報の内容は正確だが任意の対象者に有害な影響をもたらす情報による弊害もでてきている.さらに,デマを取り消す訂正情報に対しても,訂正情報を見た人がデマに騙されている人と同様の行動をとる場合がある.例えばマスコミの報道でトイレットペーパー不足は嘘だとわかっていてもトイレットペーパー買占めをおこなってしまうことなどである.本研究では,このように誤情報・偽情報・秘匿情報・機微情報・訂正情報など,結果的に人々を悪い方向に誘導する可能性のある情報を「誘導情報」と新たに定義し,関係者の感情や伝達文の変化を簡易に把握できる新たな時系列図を使用して,発生要因と対策について検討した.
著者
堀内 陽介 竹内 達史 西濱 大貴 井上 智雄 岡田 謙一
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2010-GN-75, no.13, pp.1-8, 2010-03-11

演劇創作は,音響や照明,舞台美術,空間デザインなど様々な芸術表現の組み合わせで協調的に作られる総合芸術であるが,実際の演劇で用いる舞台演出などを考える場合,演出を総合的に頭に思い描きながら作業を行うのは容易ではない.そこで本稿では,演劇創作活動の中でも音響や照明の演出プランニングに着目し,実際の舞台をイメージしやすい環境である,演劇における演出プランニングを支援するマルチユーザテーブルトップインタフェースを提案する.このシステムでは,テーブル型のタッチパネル上に役者を模した人形や舞台装置の模型を配置して小型の舞台を構築し,ユーザに対して舞台のイメージ支援を行う.各ユーザはこの小さな舞台空間上で演出を詳細に再現出来る.また,使用しているテーブルトップインタフェースの特性である操作者識別を活かし各ユーザの役割ごとにシステムからのフィードバックを変えることで,テーブルトップ上での複数人による同時な操作を効率的に支援する.さらに,考案した演出をシステムに保存して CUE シートの自動生成を行うことが出来る.評価実験から,提案システムの演出プランニングにおける有用性を確認した.
著者
鳥羽 美奈子 恵木 正史 櫻井 隆雄 森 靖英
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2010-GN-76, no.4, pp.1-8, 2010-05-13

知的作業に従事するオフィスワーカーの生産性向上が大きな注目を集める昨今,生産性とオフィスワーカーが受けるストレスの関係もまた強い注目を集めている.ストレスが低いほど生産性が高いとは限らず,また業務を中断させずにストレスを評価する方法はなかった.そこで本報告では,オフィスワーカーの業務を中断することなく,生産効率とストレスの関係を定量化する方法を提案する.PC 操作ログから抽出した特徴量を 5 種類検討し,被験者 10 人延べ 300 時間の実業務を対象に実験を行った結果,キーストロークの特徴量を利用した指標と被験者のストレスを示す生理量に最大 0.90 の高い相関があることがわかった.これにより提案指標が妥当であり,生産性とストレスの関係評価を提示するオフィスワーカーのメンタルヘルスケアに有効なシステムの実装が可能となる見通しを得た.
著者
小田川 保奈美 篠塚 咲良 市村 哲
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2017-GN-101, no.9, pp.1-8, 2017-03-03

近年,幼児期の生活習慣の確立が難しいことが問題視されている.生活習慣中でも,毎日かかさずに行う習慣の一つとして歯磨きは代表的なものであるといえる.しかし,歯磨きは幼児が自ら率先して行うことが少ないことから,保護者の悩みの一つとなっている.本論文ではスマートフォンの普及に伴い,地磁気センサーを利用して幼児の歯磨きを支援できる migaco を提案する.幼児期の子どもの歯みがきの習慣づけと,子どもと保護者のコミュニケーションのきっかけを作ることが目的である.Android 端末上での web アプリケーションとして開発を行い,端末に搭載されている地磁気センサーが歯ブラシに装着した磁石に反応しカウントを行う歯ブラシ動作計測機能を実装し,評価を行った.評価実験の結果,コミュニケーションの面では高い評価を得たが,機能面の改良を行う必要があることがわかった.
著者
田島 一樹 中村 聡史
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21888744)
巻号頁・発行日
vol.2015-GN-96, no.7, pp.1-6, 2015-09-25

アニメやドラマなどのストーリーコンテンツに関して SNS で発信されるネタバレ情報は,本来作品を通して体験するはずだった興奮や感動的な体験を無くしてしまうものである.そこで本研究では,ストーリーコンテンツに限定し,ネタバレ情報を遮断する手法の検討を行う.ここでは人々が特に致命的なネタバレであると考えるものを調査し,そこからネタバレ情報をカテゴリ分けした.また,この各カテゴリに対する SVM でのネタバレの推定可能性について実験を行い,明らかにする.
著者
高橋 知世 北神 慎司 宮代 こずゑ 原田 悦子 須藤 智
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.1-8, 2012-05-10

画像認証は,新しい電子的本人認証システムの1つである.このシステムの利用者は,思い出の写真やイラスト等を予め登録しておき,認証時に登録画像をディストラクタ画像の中から正しく選び出すことによって本人認証を行う.画像認証は従来のパスワード等と比べて,容易かつ強固な本人認証を実現できるものとして期待されている.画像認証のシステムの強度は登録画像の特性に大きく依存する.しかし,実際にどのような画像が登録されうるか,また,画像選択にどのような心理的要因が影響を及ぼすかについては未だ明らかにされていない.そこで本研究では,大学生47名に擬似的に認証画像の登録を求め,その後,個別の画像について登録の意思や登録への抵抗感を尋ね,画像への思い入れや認証画像としての適切性を自己評価させる質問紙調査を行った.その結果,画像を登録する意思には,登録画像の認証画像としての主観的な適切性,登録への抵抗感,画像への愛着,自分の登録画像であることの認識容易性といった要因が影響することが示された.したがって,画像認証システムの強度を向上させるためには,登録への抵抗感の低減させる必要があると考えられる.また,どのような画像が認証に適しているかについて,利用者への周知を行うべきであろう.The picture-authentication system is a new system that users can identify themselves in cyberspace by correctly picking out pictures registered by themselves. The picture-authentication is safer and easier to use than systems using a password because memorable photos and illustrations can be used instead of a letter string that are likely to be forgotten. However, no studies have revealed features of the pictures and psychological variables that may influence users' decision to choose the pictures. Thus, we asked participants (47 undergraduate students) to register their own pictures to a trial picture-authentication system, and examined their willingness to actually resister the pictures on the system after a two-months-interval. Results indicated that their willingness was positively related to the feelings of appropriateness, attachment, and identifiability of the pictures, and was negatively related to the feeling of resistance for the system. We suggest that it is important to reduce the resistance for registration and to popularize what kind of pictures are appropriate for the authentication.
著者
竹渕 瑛一 速水 治夫
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2015-GN-93, no.40, pp.1-8, 2015-01-19

一般的にオンボードでマイクやヘッドフォンなどの音声機器を入出力する場合,カーネル・ミキサーと呼ばれる OS に内蔵されたサウンド・システムが用いられる.また,DTM など作曲のための録音・再生環境では,音が遅れて聴こえてくる現象を防ぐため,音声入出力を 10 ミリ秒以下で実現することが望まれている.これを実現する規格として,Steinberg 社によって Audio Stream Input/Output(ASIO) が策定されている.Steinberg 社は ASIO によるオーディオ・アプリケーションなどの開発を支援するため,COM インターフェースの仕様や開発キットを配布している.しかし,現状では ASIO を用いたオーディオ・アプリケーション開発の敷居は高いと言わざるを得ない.本研究では,ASIO の COM インターフェースを最短で 5 行程度で利用可能なライブラリを開発した.本ライブラリと既存ライブラリの実装例を比較すると,Halstead Volume が 2.5~9.6 倍縮小し,実装時間が 2.4~13.0 倍短縮された.