著者
赤澤 紀子 赤池 英夫 柴田 雄登 角田 博保 中山 泰一
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2023-CE-169, no.16, pp.1-7, 2023-03-04

共通教科情報科は,2003 年に「情報 A」,「情報 B」,「情報 C」の選択必履修から始まり「社会と情報」と「情報の科学」の選択必履修を経て,2022 年に「情報Ⅰ」(必履修 2 単位)と,2023 年「情報Ⅱ」(選択 2 単位)となった.これまで,情報の科学的理解に重きを置いた科目「情報 B」「情報の科学」が設置されていたが,他の科目と比べ履修の割合が少なかった.しかし「情報Ⅰ」は高校生全員が履修するため,これから「情報」を履修するすべての高校生が情報の科学的理解に重きを置いた学習を進めることになる.共通教科情報科は,小・中・高等学校の各教科等の指導を通じて行われる情報教育の中核の教科の一つであり,隣接する中学校技術・家庭科や,高等学校の他の教科と連携することで,より効果的な学習ができると考える.そこで,本研究では,教科書の索引の用語の着目して「情報Ⅰ」と数学,中学校技術・家庭科の用語の比較を行い,科目間の関係について調査分析を行い,高等学校の科目間の関連,中学校と高等学校のつながりについて述べる.
著者
久米 朋子 江見 圭司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.9, pp.1-8, 2014-02-01

日本語の上級学習者 (日本語能力試験 N1 取得レベル) を対象として、日本の文学作品に注釈・画像・例文等を表示できるサイトを作成した.日本語学習者にとって難しい言葉の他、授業で日本の文学作品を扱ったときに、質問が出される箇所に注釈をつけた.具体的には、(1) オノマトペ (擬音語・擬態語) のニュアンス、(2) 位相語 (職業や年代・性別などで独特の表現を持つ言葉) (3) 表現のゆれである.注釈は、CSS を使い、言葉にカーソルを合わせると表示するようにした.また、クリックすると、小窓が現れ、そこに、画像や例文が表示できるようにした.例文は、MySQL を使用した.When literary works are covered in class, what learners come to question is not limited to the meaning of words listed in the dictionary. There are queries about (1)nuances of mimetic words and of onomatopoeia, (2)phase words, and (3)variety of representation on one word (for example, "toko" and "tokoro", both mean "place") as well. This "JL Bunko" is designed for advanced learners of Japanese to display annotation, image and example sentences, on words that are not found in the dictionary, but supposed to be difficult to understand. Using CSS, annotation is to be displayed. Using PHP MySQL, sentences are to be displayed.
著者
井手 広康
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2022-CE-163, no.14, pp.1-7, 2022-01-29

令和 4 年度から始まる「情報Ⅰ」の教科書に Python,JavaScript,VBA,Scratch の四つのプログラミング言語が使用されたことから,多くの学校がいずれかのプログラミング言語を使用して授業を行うことになる.本研究では,クラスごとに四つのプログラミング言語を使い分けて同じ内容でプログラミング教育を実践し,最後に大学入学共通テスト「情報」サンプル問題の第 2 問「プログラミング」を全員に解答させた.サンプル問題の解答結果や事後アンケートの結果から,どのプログラミング言語を授業で使用していても,共通テスト「情報」を解答する上で大きな影響がないことが明らかとなった.ただし,Scratch については他のプログラミング言語と比較して解答に時間を要することが予測されるため,共通テスト「情報」の DNCL に慣れるための演習が必要であると考える.
著者
和田 勉
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-121, no.2, pp.1-7, 2013-10-05

表記の授業に関し、その内容を紹介する.この授業については 2009 年 7 月に一度報告しているが,その後の改良を含めて,CS アンプラグドやそれ以外の工夫について紹介する.またこの授業の試験内容,受講学生の成績分布,および,授業で扱っている項目別に学生からの評価を求めたアンケートの結果を紹介する。
著者
天野 由貴 隅谷 孝洋 長登 康 稲垣 知宏
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2019-CE-152, no.19, pp.1-6, 2019-11-08

広島大学では,学部新入生必修科目 「大学教育入門」 を開講している.その全 15 回のうち 1 回の 「アカデミック・プレゼンテーション」 の章で,反転授業をおこなっている.本研究では,事前学習動画で人物が映っていて説明しているものと,スライド映像に音声をつけているだけのもの 2 種類を用意し,新入生を約半分に分けて提供した.その視聴行動や小テストの得点にどういう影響を与えたかを比較した.
著者
上田 磨歩 鈴木 裕利 山下 隆義 板井 陽俊 石井 成郎
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2017-CE-139, no.17, pp.1-6, 2017-03-04

著者らは,これまでペア活動によるプログラミングの授業に関して様々な評価,分析,および,改善を行ってきた.本稿では,授業の改善によって確認された学習行動の変化に着目して評価した.具体的には,モデリング,および,プログラミング活動に関する分析の結果について報告する.
著者
松澤 芳昭 酒井 三四郎
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-119, no.2, pp.1-11, 2013-03-08

近年,ビジュアル型プログラミング言語による入門教育の実践が広く行われているが,CやJavaなどのテキスト記述型言語へのシームレスな移行が考慮されていないという問題がある.本研究では,筆者らがCE113で提案したビジュアル記述型言語とテキスト記述型言語の併用開発環境「BlockEditor」について,Java言語習得を目的とした文科系大学生向けプログラミング入門教育全編での使用実験を行った.本実験では,15週の全ての課題解答過程において,学習者がビジュアル言語(BlockEditor)とテキスト言語(Java)を任意に選択できる環境が与えられた.採取したシステム記録,および質問紙調査の結果から,プログラミングの学習が進行するにつれて,BlockEditorからJavaへ徐々に移行していくこと,およびそのタイミングには個人差があることが定量的に示された.プログラミングに苦手意識を持つ学生ほどビジュアル型言語の選択率が高く,言語の相互変換環境が言語の交ぜ書きを促進し,Java言語習得の足場かけとなることが示された.
著者
内田 早紀子 松村 敦
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-147, no.9, pp.1-5, 2018-11-24

2020 年度から小学校でプログラミング教育が必修化される.暗記型のプログラミング教育では,小学生がプログラミング的思考を習得することは困難とされている.そこで,小学生にとって身近な日常の活動を題材としたプログラミング的思考育成ツールを開発した.小学校 2 校で利用実験と評価を行ったところ,プログラミング的思考の向上の効果が異なった.これは,プログラミング的思考の評価方法の違いが大きく影響している可能性がある.また,ファシリテーターの教え方に差があったため統制された評価になっていないことも一因と考えられる.アンケートでは,参加者の約 8 割の子供から楽しく学習でき,ツールは使いやすかったと回答があり,本ツールは小学生が利用するのに適している事がわかったが,約 3 割が難しいと感じていた.子供たちの理解に合わせた動きや事象と問題のレベルの設定については,再度検討する余地がある.
著者
小山 裕司 中鉢 欣秀 土屋 陽介
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-6, 2011-12-10

産業技術大学院大学は,高度専門職を養成するための専門職大学院である.学生及び修了生は専門分野を持ち,社会で活躍している社会人である.彼らは,専門分野での専門職の相互コネクション (人脈) を構築することを希望している.著者らは,これらの活動を支援するため,既存の Facebook,Twitter,LinkedIn 等のソーシャルメディアを活用し,相互交流を取ることができる環境の整備を行い,またこれらと連携し,職歴,専門分野,活動等のポートフォリオを横断的に取り扱うことができるシステムを開発した.The Advanced Institute of Industrial Technology (AIIT) is a professional graduate school which have a mission to provide excellent human resources to the industry in Tokyo. Our students and Alumni have jobs in their special field, so they want to make connections which are usefull for their busines. We tried to support their activity using social media such as Facebook, Twitter and LinkedIn. This paper reports several atempts in order to make their interaction among social media and our application which maneges their portfolio such as career record and the special fields.
著者
豊福 晋平
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2017-CE-142, no.26, pp.1-4, 2017-12-01

Open Data Index 等オープンデータに関する国際ランキングには教育領域も含まれている.しかしながら日本の教育分野のオープンデータ活用に対する評価は必ずしも高くない.本論では,各種国際ランキングでの評価状況,オープンデータの整備状況,活用方法の課題と解決方策についてまとめる.
著者
山根 信二 三上 浩司 長久 勝 中林 寿文 中村 陽介 小野 憲史 新 清士
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2012-CE-116, no.4, pp.1-4, 2012-10-06

ゲーム開発のアプローチの一つであるゲームジャムが,近年世界各地で開催されている.即席チームによる短期開発であるゲームジャムでは,開発サイクルの全局面を体験することができる.ゲーム開発者団体のIGDA日本は,福島県南相馬市の協力を得て,即席チームが短期間でゲームを完成させるゲームジャムとして,「福島GameJam」を2011年より開催している.2回目の福島GameJam 2012では,南相馬市や国内外の会場をリアルタイム中継しながら同時多発ゲーム開発を行った.さらに南相馬市会場では小学生の全学年を対象としたワークショップを併設し,ゲーム開発を学びはじめた高校生が開発チームに参加した.この試みの背景解説および新たな人材育成の取り組みについて速報を行う.
著者
中野 由章 米田 貴
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013-CE-122, no.10, pp.1-9, 2013-12-07 (Released:2013-12-04)

「LINE 外し」 のロールプレイングをオフラインで行ない,それによっていじめや人権等に対する意識を向上させることで,情報社会に参画する態度の育成を試みた。以前ならば小さな衝突で済んでいたと思われる生徒間のトラブル事案でも,SNS や LINE 等のコミュニケーションツールを介してやり取りをすることにより,問題が急速に拡大・悪化することがある。そこで,「LINE 外し」 をロールプレイすることで,生徒の倫理観を向上させ,情報社会に参画する態度の育成をめざした筆者らのその指導内容について報告する。
著者
中山 泰一 中野 由章 久野 靖 和田 勉 角田 博保 萩谷 昌己 筧 捷彦
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-135, no.9, pp.1-7, 2016-06-25

情報科の教科担任の現状を明らかにするため,筆者らは臨時免許状の授与と免許外教科担任の許可の状況を調査してきた.情報科では,臨時免許状や免許外教科担任が多用されている.また,普通免許状の保有者でも半数以上の教員が他の教科を担当している状況である.
著者
永松 礼夫 中山 泰一 山本 真司 近藤 宏樹 中野 由章
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2016-CE-135, no.7, pp.1-4, 2016-06-25

情報教育について高等学校教育と大学教育の接続が関心を集めているが,大学入試においても教科 「情報」 に関連する内容や考え方を問う問題が,受験科目としては数学・英語・国語・理科・社会などの情報以外の科目で出題されるケースが多くなっている.本発表では,昨年と今年の大学入試で出題された教科 「情報」 に関連する問題の調査を行った.これらの問題は大別して,(1) 内容が教科 「情報」 に関連する―インターネット・ソーシャルメディア・モデル化・データ分析・2 進数を扱ったもの,(2) 情報を活用した問題解決の要素を含む―図表・グラフ・写真などから情報を読み取る作業が要求されるもの,(3) 情報の整理・表現・発信を行う―与えられた資料や自分の知識を統合して意見を発信するようなもの,に分類することができた.また教科 「情報」 の新しい学習指導要領案では,情報の活用や発信にも重点が置かれているため,現行の指導要領ならびに新学習指導要領案の各項目と出題内容との対応関係についても調査した.
著者
飯田 千代 飯田 周作 清藤 武暢 佐藤 創
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.1, pp.1-7, 2009-05-16

アルゴリズム的思考法とは,目的を達するための処理を基本的な操作に分解し,それらの順序を意識する思考法である.我々は,このアルゴリズム的思考法を,「情報を学ぶ上での基本的な能力」として認識しており,本格的な情報の学習を始める高等学校における重要なテーマであると考えている.本報告では,学生の学習状況を「躓きパターンによる分類」と「学習パターンによる分類」という2つの軸で把握することを提案する.躓きパターンによる分類は学生の理解度を示し,学習パターンによる分類は学生が「暗記型学習」と「思考型学習」のどちらで学習を進めているかを示す.暗記型学習には到達度に限界があり,いかに思考型学習に移行させるかが重要である.Algorithmic thinking style is a problem solving method, which breaks down a process into basic operations and line up them in a proper order. We consider it as a fundamental ability for students who are studying information and computer science. To teach students algorithmic thinking style, it is important to know each student's learning status. We propose two viewpoints: what kinds of topics do they feel difficult and how they try to lean. For the latter viewpoint, there are two possibilities: "learn by memory" and "learn by thinking". It is important to encourage students to switch from "learn by memory" to "learn by thinking".
著者
飛松 敬二郎 山崎 浩之
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2015-CE-129, no.12, pp.1-12, 2015-03-14

工学院大学では 2013 年 9 月から情報処理演習室で仮想デスクトップの運用を開始した.全学部の 1 年生の情報基礎教育科目を初め,演習室を利用する他の多くの専門教育科目も仮想 PC を利用する形態に移行し,授業時の安定したデスクトップ環境の利用が実現している.本稿では本学における仮想化基盤の概要と仮想デスクトップ環境および教育利用の現状を報告する.
著者
川鯉 光起 中矢 誠 富永 浩之
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.20, pp.1-10, 2013-03-08

書籍関連サイトと連携した研究室規模の蔵書管理システムを構築し,その上に文献共有による学習支援を提案する.蔵書管理の対象は情報系の専門書であり,目的は知識や技能の向上のための精読である.そこで,貸出履歴や既読者のコメントを活用し,書籍利用を活性化させるため,記録部と分析部を追加した.また,文献共有による精読の形態を,個読・引継・輪講の3通りに分類し,支援に必要な機能を検討する.本論では,特に,プログラミングの解説書を題材とする演習付の輪講に着目し,コードレビューを取り入れた支援システムを検討する.レビュイーが書いているコードの編集状況をリアルタイムに中継し,レビュアーがその場でコメントを付与していく.その過程を,スナップショットとして保存し,後から再生して追体験することができる.試作版として実装した機能を議論し,ユーザによるシステムの試用結果について報告する.We have proposed a library management system in a laboratory scale for common use books about technology and science. The system cooperates with several book search and seller sites in order to acquire book information. We also consider learning support functions using common use books, especially about information engineering. We added record and analysis sub-modules into the system. We regard careful reading as three types; self-pace, inheriting and synchronic. We focus lectures and exercises in turn for a handbook of programming as the third aspect. We designed a support tool with code review functions for peer review. It offers streaming view of a coding program by a reviewee and real-time chat for comments of reviewers, which are recorded as snapshot series. We report results of experiments of a prototype tool.
著者
松原 裕之 花原 雪州
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2014-CE-124, no.1, pp.1-8, 2014-03-07

なぜなぜ分析は,問題の現象を発生させた様々な要因を,「なぜ」 を繰り返しながら論理的に漏れなく洗い出すことで判明した真因に対して,その対策を講じる問題解決手法の一つである.適切な対策を講じるためには,網羅的に要因を挙げながら,真因を特定するために深掘りすることが肝要である.しかし,なぜなぜ分析には,要因の網羅性を確認する手段が無いため,真因が見つからない,特定が困難となる場合がある.本報告では,教育現場で実施したなぜなぜ分析の網羅性について,計量テキスト分析を用いた 「見える化」 を提案する.
著者
中山 泰一 角田 博保
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.11, pp.1-6, 2013-12-07

通教科 「情報」 の高等学校学習指導要領では, 「多くの情報が公開ざれ流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる」 と規定されており,その内容の取扱いとして,「知的財産や個人情報の保護などについて扱い,情報の収集や発信などの取扱いに当たっては個人の適切な判断が重要であることについても扱うこと」 と記されている.一方,国,地方自治体,独立行政法人などの行政機関から情報を収集する意義や手続きについてはあまり扱われていない.本稿では,行政機関の公文書という生の情報を収集することは市民社会を健全に育成するために重要であるとの観点から,大学の教職科目の情報科教育法への公文書公開手続きの活用について,実践例とともに議論する.One of the purposes of the high school's official subject of the `Information' is stated in the courses of study "to enable the students understand current situation of a flood of information disclosed and communicated within the society as well as the needs of protection of the information and the problems arising in the course of collection and emission of information including individual person's responsibility relating thereto". Despite the above description referring to the disclosure of information, we have not dealt with the process for the collecting information from the national and local governments or quasi-government bodies. In this paper, in light of our belief that collecting raw information from the government bodies is invaluable for developing healthy democratic society, we would like to discuss about the ways in which we utilize the public information disclosure system in our teacher-training program for information education.
著者
山根 信二 三上 浩司 長久 勝 中林 寿文 中村 陽介 小野 憲史 新 清士
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.4, pp.1-4, 2012-10-06

ゲーム開発のアプローチの一つであるゲームジャムが,近年世界各地で開催されている.即席チームによる短期開発であるゲームジャムでは,開発サイクルの全局面を体験することができる.ゲーム開発者団体のIGDA日本は,福島県南相馬市の協力を得て,即席チームが短期間でゲームを完成させるゲームジャムとして,「福島GameJam」を2011年より開催している.2回目の福島GameJam 2012では,南相馬市や国内外の会場をリアルタイム中継しながら同時多発ゲーム開発を行った.さらに南相馬市会場では小学生の全学年を対象としたワークショップを併設し,ゲーム開発を学びはじめた高校生が開発チームに参加した.この試みの背景解説および新たな人材育成の取り組みについて速報を行う.Game jam, a recent approach of game development, has spread around the world and provided the every process of the real game development. IGDA Japan, in corporation with Minamisoma city, had ever held Fukushima Game Jam in 2011 and 2012. In Fukushima Game Jam 2012, the kids workshop was held as co-located event. Additionally, the local high school students were invited to the development team. This report explain these new challenges from the viewpoint of human resource development.