著者
緒方 雄一 藤川 崇聡 嶋田 泰幸 西村 義隆 宇佐川 毅 江端 正直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.99, no.23, pp.17-24, 1999-04-23
参考文献数
5
被引用文献数
1

救急車の電子サイレン音は、一般車両や歩行者にその接近を知らせるために利用されている。一方で、救急車内の隊員に頭痛やストレスなどの心理的悪影饗を及している。よって、会話音声や機器のアラーム音等は抑制せず救急車内部に伝わる電子サイレン音のみを選択的に抑制することは有意義である。そこで本論文では、ヘッドセットを用いた車室内における電子サイレン音の能動制御システム構成を提案する。周波数追従型DXHSアルゴリズムを適応アルゴリズムとした電子サイレン音の能動制御を計算機シミュレーションおよび実験により行いその有効性を検討した。
著者
小川 純平 林田 亘平 中山 雅人 森勢 将雅 西浦 敬信 山下 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.47, pp.167-172, 2012-05-17
参考文献数
10

近年,高齢者を狙う悪質犯罪の増加に伴い,家族が遠隔地から高齢者の危機的状況を確認するために環境音を利用した異常検出システムが注目されている.従来,環境音識別において,環境音を音の種類ごとに分類して音響モデルを構築し,その音響モデルにより環境音を識別する手法が用いられてきた.従来法では,非日常音に対しても日常音と同様に個々に音響モデルを構築している.しかしながら,非日常音は,観測可能なサンプル数が少ないため,音響モデルの学習が不十分だという問題と類似音の識別が困難であるという問題が存在する.また,従来法では残響の存在しない音(ドライソース)を学習環境音として用いていたため,残響下の環境音を頑健に識別することが困難であった.そこで本研究では,非日常音を高精度に識別するためにマルチステージ非日常音識別法を,残響下の環境音を高精度に識別するために模擬インパルス応答を用いた残響マルチコンディションモデルを提案する.
著者
橋本 裕之 寺井 賢一 田村 忠司 木場 政生 中間 保利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.94, no.464, pp.21-28, 1995-01-27
被引用文献数
2

航空機、列事等のオーディオサービスは、従来、ヘッドホン、イヤホン再生が主であるがシートのヘッドレストの両側にスピーカを埋め込んだニアホンタイプも一部試みられている。今回適応フィルタを応用したディジタル信号処理技術により、隣接席のスピーカの音漏れとエンジン、モータなどの騒音を自席のスピーカによる制御音で低減するアクティブ騒音制御システムを搭載したシートオーディオシステムを開発した。これによって、従乗の音響的な手法では困難であった100〜500Hzの低周波領域に対して、隣接席の音漏れを制御するアクティブクロストークコントロール(ACC)において20dB以上の効果を得た。ここではさらに、一般のアクティブ騒音制御システムにおいて、誤差検出マイクから離れた位置のノイズ低減を可能とするアルゴリズムについて提案する。
著者
小川 裕太 永田 仁史 藤岡 豊太 安倍 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.166, pp.19-24, 2009-07-27

MUSICに基づく音源方向推定において,頭部伝達関数の影響を受けた2chの受音信号から音声の到来方向を逐次的に推定する方法を提案する.この方法は,音声信号成分の時間-周波数軸上のスパース性を仮定し,既に方向推定した音源に起因する周波数成分の重みを低下させることによって次の音源の方向推定精度を高める.筆者らは,同じ考え方を既提案の重み付きウイナー利得(WWG)に基づいた方向推定[1]において導入しているが,本論文では,よく使われる高分解能法であるMUSIC法にもこの考え方を適用できるように,空間スペクトル上の最大ピークを構成する周波数成分の振幅に基づいて逐次的な処理を行う.さらに,逐次処理から得られる音源方向の候補について,各候補に属する成分パワーの和を計算して音源数を推定する.提案法の性能評価のため,頭部伝達関数を用いて両耳受聴音を模擬し,様々な音源方向からの到来音を想定して音源方向の検出精度を求める計算機シミュレーションを行った.性能評価の結果,音源が3個で各音源の信号対雑音比(S/N)が10dBのとき,コヒーレンスに基づく成分選択を用いた通常のMUSIC法の検出率が約3%であるのに対し,提案法は音源数を既知とした場合が83%,音源数推定も同時に行った場合が78%となり,通常のMUSIC法の性能を大幅に向上できることが確かめられた.
著者
増田 圭太 石塚 健治 降旗 建治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.313, pp.7-12, 2006-10-20

本研究では,レコーディングの際に重要な受音点におけるギター音特性を明らかにするために,フォークギターの表面板振動(駒部位)と任意受音点間の音伝達特性を測定し,基礎的な検討を行った。糸巻きの撥を用いてギターの駒をタッピングすることによって加速度振動レベルと半径1mの円周上の音圧レベルを測定した。音伝達特性に関する信号処理方法は相関行列からインパルス応答を推定した。その結果から、80Hzから4kHz程度まで明瞭な音伝達特性が得られ,500Hz付近のギター音放射効率は500Hz付近が最も良いことなどがわかったので報告する。
著者
畑 淳 小山 裕貴 吉田 孝博 増井 典明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.367, pp.83-88, 2011-01-13
参考文献数
4

本研究では,人の知覚する微小な音質や音像の変化を表現できる測定および解析技術の開発を目標に,時間領域における音響信号測定波形の振幅,傾きに対する比較対象波形の振幅変化量を求める解析法を提案し,検討を行った.その結果,機器の時間経過による波形変化を検出した.また,3次元プロットにおける軌道の位置や形状の変化により,波形の特定の傾きと振幅におけるラインケーブル間の波形変化が可視化できた.また,機器に供給する電源に3次高調波を付加した場合,僅かではあるが局所的な波形変化が確認できた.
著者
石川 俊行 降旗 建治 柳沢 武三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.398, pp.57-62, 2002-10-18
参考文献数
9
被引用文献数
1

本報告では,物理的歪が音色の好みとどのように関係しているか,実験的に検討した.具体的には,仮想プリアンプによって3種類の物理的歪(空気の歪,真空管の歪,電磁型電気音響変換器の歪)を付加した音源を作成した.そしてこれらと,無歪の音源をそれぞれ聴覚の非線形性を考慮しながら,4項目の品質表現語(明快さ,滑らかさ,やわらかさ,深み)において,一対比較法(Scheffeの方法)によって評価した.その結果,ヴァイオリン協奏曲とギター曲では無歪の音色が,ロックとポップスにおいては電磁型電気音響変換器の歪を付加した音色が好まれる傾向が示唆された.
著者
小幡 賢三 野口 健太郎 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.709, pp.9-15, 2002-03-07
被引用文献数
1

我々は,コンサートホール等の大規模建築空間における音源位置推定法を検討している.この音源位置推定は,演出効果に用いられる音像定位の操作を自動化するために必要である.本稿では,3つのマイクロホンで音声信号を受信し,ノッチバンドパスフィルタによって音声からホルマントを抽出し,各マイクロホン間のホルマントの位相差を用いて,一受信点測位法により音源位置推定を行うための基礎特性を与える.位相差検出方法として,零交差情報とフーリエ係数から求める2つの手法を検討し,一般的な位相差検出方法である相互相関を用いた手法との比較を行う.計算機シミュレーションにより,音源位置推定性能を明らかにし,実際のシステムを構築し,その評価を行う.
著者
亀川 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.235, pp.41-48, 2001-07-20
被引用文献数
2

2000年12月から始まったBSデジタル放送では、マルチチャンネルステレオ再生方式として、従来の3-1サラウンド方式に加えて5.1サラウンドが可能となった。NHKではこれまでのハイビジョンでの3-1サラウンド放送での経験をもとに、5.1サラウンド制作に取り組み、2001年3月から数本の番組を放送している。本稿では、これらの番組制作手法について紹介すると同時に、NHKにおけるマルチチャンネルステレオ制作の現状とデジタル放送の将来展望について報告する。
著者
若林 剛 高橋 弘太 岩倉 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.322, pp.29-34, 2002-09-13
被引用文献数
8

近年,独立成分分析を利用したブラインド音源分離が研究され,よい成果を納めている.過去のこれらの研究では,マイクロホン数2〜8個程度の小〜中規模アレイを用いるものがほとんどであり1マイクロホン数が100を超える大規模マイクロホンアレイへの適用は,まだあまり試みられていなかった.そこで本研究では,大規模マイクロホンアレイを前提とし,独立成分分析による信号分離を行った.本報告では2つの問題について取り上げる.第一に,音源数に対してマイクロホンの数が多い場合に,1つの信号が複数の独立成分に分離されるという問題である.マイクロホンアレイの大規模化ではこの問題がさらに顕著に現れる.この問題に対して,小〜中規模アレイと同様の手法が適用できるか検討した.第二の問題は,周波数領域でICAによる分離を行うと,分離信号が周波数間で入れ替わりが起きる,置換問題である.以上2つの問題を橡証するために,大規模化が容易なマイクロホンアレイシステムを作成し実環境の音声による分離宰験を行ったので,その結果についても報告する.
著者
風間 武 小池 透 島田 享久 川上 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.97, no.334, pp.1-6, 1997-10-23

スポーツのなかで衝突により、プレーを行う競技が数多くある。卓球もボールをラケットに衝突させ、プレーを行う競技である。選手は、相手の打ち返したボールの軌道を予測し、ラケットを振り、目的の球種及び軌道で打ち返す。使用するラケットの評価は、打ち返したときの打撃感やボールとラケットの発生音により行っている。さらに、これにより自分にあったラケットの選定や試合中の動作の確認を行っている。そこで、ラケットの衝突時の現象を把握し、これがラケットの振動及び音響特性を解析し、さらに、ラケットの設計手法を提案する。
著者
冬木 真吾 小林 幸夫 石川 智冶 宮原 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.97, no.602, pp.9-16, 1998-03-13
被引用文献数
22

高度感性情報の再現に重点をおき、ディジタル音響機器を見直した結果、CD Playerの電源極性が"空気感"の再現に影響を与えることを発見した。この事実を定量的に解析するために、CD Playerの電源極性の違いのみによる差分信号を測定した。その結果、CD Player出力信号(アナログ)に時間軸方向の伸び縮み歪みが140ns(以内)〜700nsec存在し、この歪みが大きいと"空気感"の再現が悪いことを明らかにした。
著者
堀田 浩平 坂本 眞一 塚本 大地 渡辺 好章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.411, pp.85-90, 2009-01-22

本研究では,熱音響冷却システムの小型化について検討を行った.熱音響冷却システムの一つであるループ管では,管内に発生する音波の周波数が全長と逆比例の関係を成すため,小型化すると周波数が高くなる.周波数が高くなると,ヒートポンプで効率良く冷却を行うための最適条件が変わる.本研究では,ヒートポンプの冷却効率に関係するパラメータであるωτと設置位置に着目し,これらのパラメータに関する冷却温度特性の測定を行った.実験結果から,ヒートポンプスタックのωτや設置位置を調整することで,100mm程度まで小型化したとき,わずかではあるが温度低下が確認された.また,スタックのωτによって,冷却温度が最大となる設置位置が異なる結果が得られた.この結果から,ωτや管内の音場は,ヒートポンプの設計指針として適用できると考えられる.
著者
木村 敏幸 山肩 洋子 勝本 道哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.20, pp.17-22, 2008-04-18
被引用文献数
5

立体テレビや立体遠隔通信会議などの超臨場感コミュニケーションを実現するためには,近接三次元音場再生技術を開発することが非常に重要である.本報告では,波面合成法を用いた近接三次元音場再生技術の原理Kirchhoff-Helmholtz積分方程式から導出し,2種類の手法(双極子制御,指向点制御)を提案する,提案した2手法の性能を計算機シミュレーションによって検討し,双極子制御手法は良い性能が得られ,指向点制御手法はスピーカに指向特性を設ければ良い性能が得られることを示す.
著者
武岡 成人 栗原 誠 岡崎 正倫 及川 靖広 西川 明成 山崎 芳男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.136, pp.25-30, 2005-06-17
被引用文献数
1

3次元音場の再生手法としてキルヒホッフの積分公式に基づく境界面制御が知られているが膨大な制御点が問題となってきた.しかしながら近年のディジタル技術の発展により大容量の伝送が可能となってきた.そこで本稿では実現可能な範囲の多数の制御点を用いた境界面制御による音場再現システムを提案する.コンデンサスピーカの特性を生かし, 同一の振動板で録音・再生が可能である制御素子の基礎実験を行ったので報告する.
著者
橋本 諭 中村 正孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.482, pp.19-25, 2005-12-09

筆者らは, 雑音耐性の強い音声基本周波数抽出法として, 分析窓長を検索によって的確に与えての自己相関による方法を提案している[15], [16].しかし, 本提案方法においてもきわめて背景雑音が大きく, 音声信号が低S/Nの場合には抽出誤りを生ずる.本文では, はじめに白色背景雑音とピンク背景雑音それぞれによって生ずる抽出誤りの様相を明確にする.次に, FFTによって得られた音声信号の周波数スペクトルのベースクリッピングによって, 雑音成分を除去する方法を示し, それを適用した場合の本方式での誤抽出低減の検討結果を示す.
著者
小川 啓太 深林 太計志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.497, pp.65-70, 2004-12-03
被引用文献数
1

音声のピッチ抽出は,雑音の影響を受けることにより困難になることが知られている.そこで,耐雑音性向上アルゴリズムについて提案する.シングルマイクロホンを用いたシステムを想定して,アルゴリズムを構築している.まず,周波数領域において,低域の減算量を考慮したスペクトル減算と,ブラインド分離による雑音低減を行った.ここで用いられる雑音スペクトルはフレーム毎に,観測信号スペクトルから推定している.この2つの雑音低減処理を行った信号スペクトルの振幅の2乗の逆フーリエ変換から自己相関係数列を得た.次に,このようにして得られた自己相関係数列にコサイン変調を施し,ピッチ周期情報を強調した.コサイン変調周波数成分にはスペクトルの調波から得られるピッチ候補周波数を用いた.実験で,提案法でのピッチ抽出率が良くなることを示す.
著者
内田 英夫 沖山 文敏 渡嘉敷 健 山下 恭弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.382, pp.25-30, 2001-10-19
参考文献数
4

川崎, 長野, 沖縄の環境騒音のLAeq長期連続測定結果を用いて, 曜日, 月, 年の要素によってどのような違いがあるかを明らかにし, この要素で2グループに分けた場合にグループ間で統計的に有意な差があるかを分散分析で検定した.この結果から, 「騒音に係る環境基準の評価マニュアル」に従って、「騒音が1年を通じて平均的な状況を呈する日」に測定するには、道路沿線では昼の時間帯は土・日曜日を除いた日に、夜の時間帯では日・月曜日を除いた日が良いとなった。しかし、商店街の幹線道路などの場所によって異なる場合もあった。また、住居地域では曜日によってグループ化される結果にはならなかった。
著者
愛甲 英寿 野村 建太 青木 健一 鎌倉 友男 酒井 新一 JOLY Vincent
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.470, pp.35-40, 2008-01-22
被引用文献数
3

オーディオ信号で振幅変調された有限振幅超音波の自己復調効果を利用したパラメトリックスピーカは,超指向性音響システムへの応用が有望である.いままでに,このスピーカは技術開発されてきたし,実用に供してきている.しかし,まだいくつかの課題が残っている.特に,音質の不十分さや電気から音響への低変換効率についての改善は,更なるパラメトリックスピーカの応用に是非必要である.われわれは,前者の課題に対して,ウィーバ(Weaver)のSSB方式を用いたダイナミックなキャリヤ変調を提案する.本レポートは,プロトタイプのウィーバ変調器を用い,歪みとリニアリティの観点から,理論的および実験的に,差音など2次波の音場特性を議論する.
著者
大平 雄貴 降旗 建治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.240, pp.31-36, 2009-10-15

現在、2輪業界に対する騒音規制法は年々と法改正案が発表され厳しくなっており,定常走行時はL_<Amax>が72dB以下である.そこで本報では,バイク単体における騒音の自動監視するシステムを構築するため,インテンシティベクトルを用いて移動音源の向きと大きさが測定できるかどうかを検討した.校正時において,インテンシティレベルは,音源から十分に離れている場合SPLと等価であるためILとの対応を容易にとることができる.また移動音源計測についてはドップラー効果や伝搬時間差などの特有の問題がある.実験は,バイク(YAMAHA yzf-r6)を一定速度で走行した場合について走行車線から7.5mで音響インテンシティ計測を行った.その結果,可変指向性による音響インテンシティ計測結果から,バイクが0m地点を通過した時,最大ILはマフラー部の110dBであることがわかった.